白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

難聴でもバイリンガルになれる!

2008-02-23 04:44:20 | その他
今CEIDではお医者さんを教育するためのビデオ作りをしている。

誰でも、子供が難聴だと告げられるとすごくショックを受けるし、戸惑うもの。
いつもそのことを始める告げるのは、聴力をテストした医者だ。
でも医者はというと、その後のフォローもなにもない、それどころか何の根拠もない持論を言ったりする。

その一つが、
「子供に話し掛ける言葉は英語に統一した方がいいでしょう。」との助言。

実は私も言われた。
「ふっざっけっんなぁ~~~~」っと始めっから全然無視したけど。
でも多くのお母さんは、それで困惑する。
移民が多いこの辺では、英語が出来ないお母さんなんてごろごろいる。

私の友人は、アメリカ人の旦那さんがいて日本に住んでいたんだけど、やはり日本でも同じことを言われたらしい。
「日本語に統一してください。」

頭で考えるだけだと、確かに難聴で言葉の遅れが一番の懸念要因なのに、色々な言葉を聞かされると、混乱して余計に言葉が遅れるのではないかと思う。
モノリンガルの人はバイリンガルやマルチリンガルに子供が育つことが、すごい特別なことだと思いがちだ。
何の実態的な根拠もなく机上の空論で「言葉は一つに統一すべき」っと言うのも分かる。

CEIDにマー君を始めて連れて行ったとき、きっぱりと言われた。
「何ヶ国語で話し掛けても何の差障りもありません。外国語が出来るのはその子の財産です。どんどん日本語で話し掛けてあげてください。心配は要りませんよ。」

今マー君のクラスには9人の子供がいる。
そのうち4人は親の母国語が英語ではない。
そしてそのうち2人は英語ができない。

CEIDはバークレーという場所柄移民が多い。
創立以来25年間、ずっとクラスには必ず数人、親の母語が英語でない子供達がいる。
英語に統一しろなんて無理な話。
移民の子供達は親の言葉に触れながら育つ。
そしてその実体験をもとに、CEIDの先生方は言う。
「子供は何ヶ国語でも自然に身に付ける。」

CEIDの立場は「子供が難聴の場合、視覚的な言語すなわち手話を少しでも多く取り入れてください。でも、口話は英語じゃなきゃダメなんてことはありません。ご自分の言葉で接してあげてください。」

前置きが長くなったけれど、その医者教育ビデオに私とマー君がバイリンガルの例として登場することになった。
それで今日ちょっとした撮影に行ってきたというわけ。

しかし撮影となるとなかなか難しい。
「問いかけをして、マー君が日本語で返答するようにして下さい。」
そうは言われるものの思いつくのはYes Noクエスチョンばかりで、マー君は首を振るだけで答えちゃう。
泰君は泣き出すし、マー君は風邪のためゲホゲホと咳をする。
こんなんでいいのだろうか?っと思いながら撮影は終わった。

どんなビデオが出来るだろう。
楽しみ楽しみ。

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