白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

日本語を話してくれ~

2006-08-27 06:22:33 | その他
最近マー君は、文章で話すようになってきた。
子供の成長は嬉しいのだけれど、どうしても複雑な気分になってしまう。
一日中CEIDや保育園に行っているせいか、マー君の口から出るのは英語ばかり。
我が子が自分の言葉をしゃべれないことほど、悲しいものはない。

夫の職場に新入社員が入ってきたらしい。
彼女は日本人の両親を持つものの、アメリカ育ち。
毎週土曜日に、サンフランシスコの日本語補習校に通い、5月末アメリカが夏休みに入ると即日本に渡り、日本が夏休みに入るまでの約2ヶ月日本で過ごしていたのだそうだ。
中学時代は一人日本に渡り、寮生学校に入れられたそうだ。
それで、今は完璧なバイリンガル。翻訳通訳の仕事についたというわけ。
しかし彼女は子供のころ夏休みに日本の学校に行くのも、土曜日に補習校に行くのもすごくいやだったそうだ。

サンフランシスコには移民が多い。
移民の子供達(2世)はみんな、それなりに親の言葉がわかる。
でも、完璧に読み書きまでできるようになるためには、彼女のような努力が必要となる。
うちの会社にも、6歳の時に移ってきたという、台湾人の子がいる。
彼女のお母さんはいまだに全く英語ができないらしく、家では100%中国語なのだそうだ。
だけれど彼女が言うには、中国語で自分の考えをすべて表現することはできず、母親との間にはコミュニケーションのギャップがあるという。

そういう話をよく聞く。

お隣のまやちゃん(3歳)は、とても日本語が上手なのだけれど、クミさん曰く、「日本語の語彙や表現力が英語に追いついてないから、日本語を話しているときに言葉が足りなくていらだっているのがわかる」のだそうだ。
「だからと言って、毎週土曜日を日本語補習校に費やすのもどうかと思う。」っとクミさん。
家族との時間を犠牲にすることになるし、そこまでするんだったら、本人の好きな習い事やスポーツをさせてあげたいっと。。。
・・・確かに。

本人は日本語ができなくったって困らないだろう。
まぁ、できないよりできた方がいいだろうけれど、日本で育ち日本の教育を受ける子供と全く同じ程度になるわけがなく、子供に完璧な日本語を求めるのは、単なる親のエゴなのかもしれない。

「結局自分の気持ちの問題なのよねぇ」っとクミさん。
そう、自分の気持ちの問題。
・・・でも、英語は私の言葉ではない。
とりあえず最低限のことを伝える言葉であって、私の心を伝える言葉ではない。
どうしても、どうしても我が子とは日本語で会話をしたい。

マー君の口からたくさんの英語が出てくるたびに、複雑な気持ちになり落ち込む私。
私のこの悲しみは夫にはわからないわ。

日本滞在中の3週間半が勝負だと思っている。
これでマー君の口から日本語が出てくるようにならなかったら、たぶんもう無理だろう。
最後の望みをかけて、日本に帰国するぞ~~~!