金魚cafe

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奇ッ怪其ノ参

2016-12-04 23:39:50 | 芝居
ご飯を食べてから劇場に向かい。

席に着いてワクワク。

シンプルな机といすが設置されています。

そして山内圭哉さん登場されました。

ツイードっぽいスーツにスキンヘッド、前説のように「あさが来た」の雁助はんのようなネイティブな関西弁。

標準語と東京弁とは違うのだと熱弁しつつも前の席のお客様に「どこから来はったん?三重?なかなかなところから」と気さくに声をかけてらっしゃいましたがこれももう芝居に入っていたのでしょうね。

この「なかなか」という言葉を西の人間が使う時はなんといいましょうか三重県から西宮までの距離と時間を考えますと結構かかるわけでしてそれを「なかなか」というのでわかってしまうわけでして。^^

方言というのは独特なものなのですね~~。

この方言というのもこの芝居のキーポイントであったかなあと。

この世界ではすべて統制されていて、言論の自由が制限された世界という設定になっておりました。

なにもかも首都ここでは東京都同じにしなければいけない、自分のお国の言葉で話してもダメ、そこまで統制されている設定です。

「遠野」という土地で起こった出来事を書いた本が検閲の対象となって捕まったヤナギダ(仲村トオルさん)それを調べるために連れて来られた学者イノウエ(山内さん)。

何がいけないのかというとこの世で科学では証明できない超自然現象を事実であると書いていたからでしてそこが引っかかっちゃったわけです。

これは事実ではなくただの昔語りであるといえばセーフになるのでイノウエは事実ではないと言いなさいと暗に説得するのですがヤナギダはあくまでもここに書かれたことは真実であると捕まってもかまわないと言うのです。

その二人のやり取りを進行しながら「遠野物語」が舞台で繰り広げられます。

「遠野」の人間ササキ(グレーテルのかまどの瀬戸さん)が彼の祖母(銀粉蝶さん)から聞いたこの土地で実際に起こった出来事をヤナギダに聞かせています。

「遠野」の長者一家の不幸な出来事や神隠しにあった娘の話。

すべて科学的に証明できるというイノウエと世の中には不思議な出来事はあるというヤナギダの平行線。

なんでも解析してしまうとなんだかつまらない世の中になってしまうなあという気持ちになりました。

そして東京(なのだろうなあ)とそれ以外の土地との違いがなくなって地方色が薄まってしまうとその土地の昔語りがだんだんと無くなってしまうという危機感みたいなものも感じられそれは今がそうなのだと。

せまい日本、道も交通手段も便利になりどこでもすぐ行けるようになりましたものね。

離れているから、なかなか行けないところだからという不便さばかりを解消しようとしてしまって良かったのだろうかと思ってしまいました。

仲村トオルさん、蔵之介さんとも何度か舞台ご一緒されているのですが私は初めて拝見しました仲村トオルさんは姿勢よく、そして顔が小さかった~~。

ササキの祖母で出演されていた銀粉蝶さんが素敵なかたでテレビで拝見するより舞台の方が素敵だと。

村人とヤナギダの友人役で出演されていた安井さん、ヤナギダを取り調べる警察官役の池谷のぶえさん、素敵な方々ばかりでいい舞台でした。

物販コーナーで「遠野物語」を販売していたので買ってまいりました。

昔のかなづかいでなかなか読みにくくまだ進んでおりません。(^▽^;)

もうちょっと国語の勉強しておけばよかった~~とちょっと反省しております。