Toshizoh's Bar

大阪を愛する編集者トシゾーのほろ酔いメッセージ。

お寺でジャズライブもおつなもの

2008-04-29 23:49:20 | Weblog
明福寺であった、ライフタイムのマスターひきいるトリオのライブに行ってきた。狭いこともあったが、満員でマスターもうれしそうだった。演奏はベテランらしい味のあるものだった。特に、「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」とか「雨に歌えば」は人生経験の重みが音の厚みになっていた。隣のばあさんが足を組むのには閉口したが。きどってんじゃねえって。

兵庫陶芸美術館 「縄文」に腰が抜ける

2008-04-27 20:03:53 | Weblog
兵庫陶芸美術館に「縄文-いにしえの造形と意匠-」を見に行ってきた。篠山市の今田町という辺鄙なところにあるので、バイクを飛ばしてツーリングがてらひとっ走り見てきたのだ。三田西で高速を降りて、地図で道がわからんかったのだが、看板通りに走ったら無事ついたのだ。
で、3フロアにわたって繰り広げれらた縄文ワールドは激しく私の魂を揺さぶったのであった。
火焔土器というのも写真では見ていて知っていたつもりになっていた。しかし、実物の迫力は全く違う。写真を撮ることを仕事にもしているが、その無意味さに愕然友するが、まあええ。火焔土器の見事さ、吹き込まれている命、作った人間の知性、生と死への敬虔さ。それらが一つになって押し寄せてくるのだ。
火焔土器には人面が施されているものがあって、興味を引いた。その眼が吊り目なんだよねえ。縄文人というとどうも、「原人」とかアイヌのようなイメージで無神経に教科書やらで描かれているが、非常に大きな間違いを犯しているのではないか。東北地方の縄文人なら、北方系のはずで、大陸北方の狩猟民の面影に近いものでなければならないのではないか、とふと思ったのだ。
で、感動が最高潮に達したのは、遮光器土偶との対面であった。あの、宇宙人のような土偶と、ついに出あえたのであった。仔細に見つめれば、上半身は裸で、模様はたぶん刺青であろう。そしてネックレスをしている。あのサングラスのような眼の秘密は解明できず。
そして、涙を誘ったのが、手形および足形付土製品であった。これは長辺15センチほどの小判形の素朴な焼き物で、中心にこどものちいさな手形や足形がひとつ、付けられているものだ。小判の上部には穴があり、首から吊るしていたのであろうとのこと。なんのために? 亡くした子供を愛するが故である。土偶は、呪術的な使用がなされたといわれており、死者と埋葬されることも多かったそうだ。小さな土偶もいくつか展示されていたが、悲しい顔をしているものが多いような気がした。
ともあれ、素晴らしい展示だ。日本の縄文時代は13000年前から始まっており、そのころから既に土器を作っていた。中国にはもっと古いものがあったのかな、と考えてしまうが、縄文土器が現在人類最古の土器なのである。このことを日本人は強く心に刻みつけるべきではないか。黄河文明が起こったのは、それからさらに6000年もさかのぼる、7000年前なのだ。
これだけの土器を作る知性と感性がありながら、三内丸山のような巨大建造物を作る高度な土木・建築的技術を持っていながら、文字を残さなかった縄文人。使えなかったのではなく、使わなかったのではないか。
唯一惜しむらくは、九州の縄文土器が展示されていなかったこと。ま、これはしゃーないでしょうな。九州が出すなら東北は出さない、ってことになるでしょうから。
いやー、久しぶりに魂が揺さぶられました。行かない奴はあほですな。

カクテル日記 9 ソルティ・ドッグ

2008-04-27 19:30:57 | Weblog

主なベース:ウォッカ、グレープフルーツジュース 、塩

1940年代にイギリスで生まれた。「ソルティ・ドッグ」とは「甲板員」を意味するイギリスのスラングで、甲板員が甲板の上で汗だらけ塩だらけになって働く様子から来ているそうな。本格的に流行したのは1960年代のアメリカだそうだが、私がこの酒の存在を知ったのは、高校生の頃で、サントリーが缶入りソルティ・ドッグを発売してから。なんといっても、広告にケイコ・ローズマリーを起用して、チ○コビン立ちの最高の写真だったのだ。この頃までのサントリーの広告は何とも最高で、開高健を使ったやつや(ボディコピーは開高ではなくコピーライターが書いたと後で知って少なからず驚いた)、リチャード・アベドンが8×10のモノクロで俳優をはじめとする著名人を撮影したもの。いくつかはスクラップしておいてある。宝物だ。太一喜和子がめちゃめちゃセクシーでかっこよかったのだ。
で、ソルティ・ドッグはそんな青い自分と常に一体になった酒なのであった。だから、かえったあんまりバーで飲まないもんである。まずいとは知りながら酔った勢いでコンビニで缶入りを買うぐらいだったのだ。
で、今回、ライブ8で飲んで、あれ? と思ったのは炭酸が入っていないこと。そういやもともと炭酸なんか入ってなかったのだ。やばいねえ、大量生産品に汚染されてるよ。マスターも「カクテルがあんなものと思われるのが一番あかん」と言っていた。まさに、である。
本物のソルティ・ドッグの味は、まったりしたものでした。もっと暑くならんとうまく感じないんでしょうな。

西行に目覚めたか?!

2008-04-26 18:39:42 | Weblog
日本書芸院展で、もっとも感動した歌。西行の歌であった。

青葉さへみれば心のとまるかな散りにし花の名残と思へば

これはいいねえ。これこそ、愛するものへの責任ある態度、というか、愛し方の見本ですな。愛だねえ。愛。優しい眼差しだねえ。

日本書芸院展はすごかった

2008-04-26 17:14:09 | Weblog
大阪国際会議場で開催されてるんだが、しょーもないんちゃうかなと思っていたが、入口に入ったとたんに迫力に圧倒される。モーターサイクルショーと大違い。珠玉のメッセージが渾身の筆さばきで表現されている。日本の未来へのかすかな希望をここに見た。残念ながら明日27日まで、急ぐべし。

立ち呑み新聞女に行ってきた

2008-04-25 23:11:02 | Weblog
なんばOCATの東向かいにある立ち呑み新聞女に行ってきた。この店は、前回顔を出したココルームのイベントで知ったマスターの人生にひかれていかねば、と思い行ったのだ。このマスター、なかなか奥が深い、はずである。で、カリスマライターのむつくんといっしょに飲んだのだ。ただ、彼はげんこをかかなあかんのでヨーグルトをやっていたが、まあええ。で、8時からライブもあるというので、切り上げて、並びにある酒屋の立ち呑みによって帰る。この店は、トシゾーとしては行かねばならない店であることは僕を知っている人ならわかってもらえることだろう。
で、そこで、熱燗、おでんの厚揚げ・大根で700円くらい? とにかくサラリーマンでいっぱいの店。
むつくんがいたら、吉田バーにでも行こうかと思っていたが、彼も仕事なのでききにいく。けっこう、寒かったなあ。ダジャレをじゅうたん爆撃する親父が常連になっただけではないらろうが、客が少ない。で、いつも通りちゃっちゃと飲んで帰る。さあ、ゴールデンウイークだね。

堂島サンボア、蜃気楼の先のバー

2008-04-25 23:02:21 | Weblog
仕事が順調に行っているのか、どこかで滞っているのかわからんが、ジュンク堂がやっている時間に帰れたので、ジュンク堂で本を買って帰る。
で、久しぶりなので、ジュンク堂裏のサンボアに行く。もう20年ぶりになる。
ちょっと、期待に胸が高鳴っていたのだ。ドアを開けるまでは。そこは、大人の世界。背広を着た大人がカウンターに鈴なりに、雀が送電線にとまるように、並んで飲んでいた記憶があった。そして、そこで飲んだ酒もまあ、おいしいものだったような気がする。
で、20年後にドアを開ければ、まず気になったのが、カウンターの対面にあるテーブル席に、小さなテーブル席にふんぞり返っている常連の姿。そして、カウンターの端で飲んでいる広告代理店の爺さんとすこしとうのたったお嬢さん。
おれはジントニックとハーパーのソーダ割り。ジントニックはゆるかった。ハーパーのソーダ割りも同じく。で、2杯飲んで2200円。立ち呑みでこれじゃ、客はつかんでしょう。はっきりいってジントニックはライブ8のほうが2段階上でうまい。ハーパーのソーダ割りも、なんやろねえ、フィクションでのんだあのふんわり甘い味わいが、いまだにどこでも飲めない。単純に濃さなら、立山のほうがそら、あんた、飲んでみいや。今のところ、サンボアで一番おいしいジントニは、梅田食道街の店のんだろねえ。あの一番偉そうにしていないバーテンダーさんの酒、である。
ま、そんな気分だったんで、ほんだに寄った。プレミアムモルツとかつおの角煮。で、760円。これでぐっすり寝れるってもんですよ。