Toshizoh's Bar

大阪を愛する編集者トシゾーのほろ酔いメッセージ。

定家百首 より 1

2008-03-31 23:27:02 | Weblog
塚本邦雄著『定家百首』(河合出書房新社 昭和48年刊)より定家の驚くべき世界を紹介させていただく。

あくがれし雪と月との色とめてこずゑに薫るはるのやまかぜ 花月百首

春の桜をうたった歌である。が、あっけにとられてしまう鮮やかな切れ味。
雪、月とくれば花、なのだが、その言葉は出てこない。
色、そして薫り。あこがれのリフレイン。
憧れの対象である美のはかなさ。山風のひと吹きで吹き消されてしまう薫りのような。あとに残された凡人である私。

カクテル日記 4 モッキンバード

2008-03-30 21:49:02 | Weblog
主なベース:テキーラ 、クレーム・ド・メント(グリーン)、レモンまたはライムジュース

「モッキンバード」は「物まね鳥」という意味だ。メキシコなど北米大陸南部に生息する鳥で、他の鳥の鳴き声をまねする性質があるそうだ。メキシコの地酒であるテキーラをベースにしたカクテルなので、この名が付けられたそうな。
グリーンの若々しい小娘のような見た目のこのカクテルは、口に含むと、テキーラベースのせいか、なかなか新鮮な味わいだ。どこかちぐはぐな可笑しみ。行き過ぎた冗談の一歩手前…。
ものまねがうまくて、いつも人を笑わせるおどけた人気者がどこのクラスにも一人や二人はいただろう。そんな奴のことをふと思わせる。男だけじゃなくて、女にもそういう奴はいたよね。人気者でそれほどブスでもないのに、みんなを楽しませるばかりで、自分の恋には無頓着。というか臆病なんだろう。それを隠すための道化だとはなかなか気づけるもんじゃない。喜劇の陰には常に悲劇が潜んでいるものだし、悲劇の歯車にはかならず滑稽というあっちを向いた歯車が絡んでいるものだろうから。
タナぼた的なプチハッピーがあったときや、おもいもかけず運に見放されたようなときはこのカクテルを飲んでみるといい。人生は面白いねって思えてくるから。そして、ミントの香りにのってくるのは希望の予感。

次回予告
来週は花見も最高潮でありましょう。ということで、ライブ8のマスターが桜にちなんだオリジナルカクテルを披露するそうな。脳味噌の中で桜がポット咲くようなそんな酒が飲めるに違いない、ぢゃ来週!

e-よこミュージアム逍遥にいってきた

2008-03-30 21:24:27 | Weblog
29日土曜は、まず、ヨッキーズで誘われた中村屋という呉服店の展示即売会に顔を出してきた。創業140年というすごいお店なのだ。いまではもう作ることのできない秘蔵の品なんかもあったりで、なかなか奥の深い世界とは知っていたがあらためて深淵をのぞいた気分になった。ちなみに私の財布は水たまりのような浅さなので手がでんかった。でも、イタリアもののスーツでべらぼうなものを買うよりゃリーズナブルかもしれん、とおもわせる芸術性の高さを感じました。あまりに女性中心の世界なのでちょっと男としてさみしかったな。
で、その後、北浜、東横堀一帯でやっているe-よこミュージアム逍遥にいってきた。これがまた寒いイベントでこんなに人が少ないイベントはあまりないな。
イベントのテーマと軸になるイベントがないとだめだなと改めて痛感。「逍遥」って何よ? 自己満足なネーミングだなあ。でも、荒川化学工業の歴史館と丸一ピアノ・ハーブ社はよかったよ。特に荒川化学工業は知られざる大阪が誇る企業ですな。
で、その後は天満橋まで歩いて八軒家浜春まつりを覗いてみた。ラテンクロチェフという女性ばかりのカルテットであった。ラストの3曲目は「アフロ・ブルー」。曲は好きだが、ついコルトレーンの演奏と比較してしまい、苦笑いだ。
花冷えの冷たい風を避けるようにライブ8へと急いだ。

さすが松井、か

2008-03-28 12:23:31 | Weblog
松井が結婚したそうだが、嫁のえらびかたがしぶい。控えめで明るくて気配りができるそうな。最初に控えめ、と出てくるところがさすが、なのだ。勝負士の妻たるもの目立ちたがり屋やいわんや自己中では話にならん。松井君お幸せに。

古今和歌集入門 ことばと謎

2008-03-27 21:57:11 | Weblog
佐々木隆著 国書刊行会
だーいぶ前に昔の歌集も編集がなされており、歌の配列に編集者の意図があってそれがわかれば面白いはず、というようなことを書いたが、この本はまさにその読み方で古今和歌集を読み解いてくれる。
歴史書の類はすべからず言えるのだが、「当たり前のことは書かない」のである。和歌集にしてもしかり。この歌の次にこの歌が来るのは説明せんでもわかるやろう、な世界なのである。だから、今の人にとっては、そこのところがわかってないととんちんかんな解釈をしてしまうのだ。で、文学界の巨匠に限って情に流された解釈をしてしまうものだから、その後の探求が滞ってしまうという悪循環が続いた結果、今日のしょうもない国語教育につながっている。
万葉賛美、という風潮がある。
ほんとは怖い万葉集、そんな本を次に紹介しよう。

カクテル日記 3 オリンピック

2008-03-23 21:39:25 | Weblog
オリンピック
主なベース:ブランデー、コアントロー、オレンジジュース

サイドカーの兄弟カクテルである。レモンジュースになるとサイドカー。オレンジジュースなだけ、味がかわいいのだ。オリンピックというといかつくハードでスポコンなイメージがあるが、このときのオリンピックは1900年にパリで開催された第2回オリンピックを記念したものというから、ベルエポックの華やいだ、ラインダンスのパリなのだ。北京オリンピックなら、きっと「じゃりっ」という歯ごたえとともに黄砂がシェークされているに違いない、なんちって。
しかし、ブランデーがヘネシーコニャックでオレンジは生しぼりなんだから旨すぎるよ。で、例によってきちんと作ってんだから。バーでビールとジントニックしか注文しない人は、人生の4/5を無駄にしてると考え反省すべきでありますな。

毎週土曜 ライブ8にて聞きカクテル会開催。時間は基本6時から。やってない時もある。いや、あんたがカクテル飲んだらそれがその時。主役はあんた。飲もう、語ろう、味わおう。デジカメ講座も結果的に併催、ってなあ。「遊びをせんとや生まれけん」ぢゃよ。