肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『サスペリア2(紅い深淵)』、観ました。

2007-06-26 19:54:00 | 映画(さ行)





監督:ダリオ・アルジェント
出演:デビッド・ヘミングズ、ダリア・ニコロディ、ガブリエレ・ラビア

 『サスペリア2(紅い深淵)』、観ました。
欧州超心理学会に出席した女預言者ヘルガが、講演後にアパートの一室で何者かに
殺害されてしまう。その殺人を目撃したピアニストのマークは、この事件で知りあった
新聞記者のジャンナと共に事件の真相を探ろうとするのだが‥‥。
 知らない人が居たら、教えてあげたい…。『サスペリア』の1作目は、正真正銘の
スプラッター映画だが、この『2』は“オカルト映画”でもなければ、子供だましの
“怪奇映画”でもない。ミステリーとスリラーの要素を兼ね備え、おまけに“推理もの”
としての犯人探しまで楽しめる。平たく言えば、ちょっぴりエグい“サスペンス
ホラー”かな(笑)。また、この作品は“映画史上最大の(?)伏線”があることでも
有名。が、しかし、今ここで“それ”が何たるかを申し上げることは止めますまい。
そして、観ながら“ある場面”に“ある違和感”を感じたとしても、どうかDVDや
ビデオを巻き戻して確かめることも控えて頂きたい。ここは映画の主人公同様、
思い出しても思い出せない“もどかしさ”の中で、心に何か引っかかったまま観るのが
ベターなのだ。いや、そんな風に書くと、巧妙な伏線と犯人探しだけを売りとした
“トリッキーなミステリー映画”かと思われがちだが、どっこい、そうじゃない。
演出、撮影、照明、メイク、音楽に小道具の使い方まで、色々な角度がから“視覚的
恐怖”を煽(あお)り、完成された‥‥、これぞ“スリラーの真髄”を見せてくれる。
例えば、タンスの中の暗闇から犯人の目だけが白く浮かび上がる場面や、恐怖に
怯えたテレパシストがステージで飲んだ水をそのまま吐き出してしまう場面。
バスルームでのダイニングメッセージや、テーブルに広げられた“死をイメージ”させる
玩具たち。更に、犯人の黒い皮の手袋や、テープレコーダーから流れる子供の唄など、
体の髄から震え上がるような“恐怖のディテール”がいっぱい。一方、映画終盤の
展開は、惨劇のあった古い屋敷から誰も居ない夜の学校へと舞台を移しながら、
闇に潜む犯人の“邪悪な視線”を感じ、恐怖する。
 ところで、これほどの秀作が、一部のホラーマニアでしか知り得ない“隠れた傑作”
で終わってしまったのには理由がある。実はこの映画、すでに『サスペリア』の以前に
製作されていて、後で『サスペリア』のヒットに便乗し、日本の映画会社が勝手に
『2』と謳って公開しただけのことなのだ。つまり、この2作品に関連性は微塵もなく、
無理矢理『2』としてしまったことで、逆にそれ以外のファンから敬遠されてしまった
のではあるまいか。それにしても、今では考えられない“当時のアバウトさ”に、
改めて“ある種の感動”を覚えつつ(笑)、もしも、『サスペリア』に“正規の続編”が
作れたら、一体どうするつもりだったのか…。『続・サスペリア』??、『新・サスペリア』??、
『サスペリアの逆襲』??、いっそ、こうなりゃ、とことん開き直って『サスペリア“3”』??、
もしくはスターウォーズ風に『サスペリア・エピソード2』??、最近の流行りで『サスペリア・
リターンズ』なんてのもありそう。いやはや、興味は尽きませんなぁ(笑)。



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