肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ギャラクシー★クエスト』、観ました。

2007-06-20 22:44:57 | 映画(か行)





監督:ディーン・パリソット
出演:ティム・アレン、シガニー・ウィーバー、アラン・リックマン、サム・ロックウェル

 『ギャラクシー★クエスト』、観ました。
放送打ち切りから20年を経た今も熱狂的なファンを持つSF番組「ギャラクシー・
クエスト」。今日もある都市で、ファン集会が開かれていた。が、出席した出演者の
前に奇妙な4人組が現れ、“自分たちの星を侵略者から守って欲しい”と助けを
求めてきた。実は彼らは本当の異星人で、TVでの彼らの活躍を本物と思い込み、
番組そのままの宇宙船も用意していた……。
 オイラは、知ってしまった、気付いてしまった。この映画に隠された真実に…。
映画は、落ち目のテレビ俳優がひょんな事から善玉宇宙人にお願いされ、侵略を
もくろむ悪玉エイリアンと戦うハメとなる、奇想天外なSFナンセンスコメディ。
一見、何も考えてないかのように映る“おバカ映画”だが(笑)、よく思い出して
みて欲しい。実は、この映画の切り口は、あろうことか、“ある有名な日本映画”に
そっくりなのだ。それは‥‥、野武士の襲来に怯える寒村の農民たちが、戦いの
スペシャリストである侍たちに助けを求める…。そう、他でもない、その映画とは
黒澤明監督の『七人の侍』だ。言うなれば、本作は『七人の侍』の舞台を“宇宙”に
移し、『スター・トレック(宇宙大作戦)』のパロディとドタバタ要素をプラスして、
コアでマニアックでオタッキーなスパイスを振り掛けただけのこと。ストーリー
自体に目新しさはなく、むしろ古典的で単純なものだろう。だけど、不思議だ‥‥、
(今回が3度目)観るたび毎に笑わされ、最後は決まって泣かされる。要は、映画
におけるストーリーなんて全く単純でも構わないのだ。一本バシッと筋の通った
背骨さえ決まれば、あとはキャラクターに“厚味”を持たせ、新しいアレンジが
施されたストーリーの中で、思う存分動かすだけで良い。勿論、それはパクリでも
猿真似でもない。作り手が『七人の侍』という作品を完璧に理解してこそ出来る、
“リスペクト”なのだ。
 では更に、もう一歩踏み込んで書くとしよう。ならば、この映画と『七人の侍』に
共通するテーマって何だろう。それは、何のために戦い、何と戦うのかってこと。
まず、ここでひとつ抑えておきたいのは、主人公のテレビ俳優(あるいは、7人の侍)と、
彼らと相まみえることなる悪玉エイリアン(あるいは、野武士)に“直接的な敵対
関係”はなく、主人公たちはその中間に入った善良宇宙人(あるいは、農民)に
“委託されて戦っている”に過ぎない。では、何のために??、当初逃げ腰だった
彼らが、ある瞬間を境に劇的に変化していくのは、いつの間にか善良宇宙人との間に
“愛”が芽生え、“友情”が育まれ、“互いへの尊敬”の中から“固い絆”が生まれて
いくからだ。そして、命ある大切な者を守りたいという“願い”から、戦うための
“勇気”が湧き上がってくる。しかし、その“戦う”とは、単に悪玉エイリアンだけに
対して向けられているとは限らない。これまでの、“ミジメで情けない自分自身”へ
立ち向かうための勇気なんだ。つまり、これは彼らにとって“本当の自分を取り戻す
ための戦い”なんだ。いや、この際、グダグダと理屈だけを並べるのはやめにしよう。
すべてに“弱者へのオマージュ”が感じられる、オイラはこの映画が大好きだ。
 最後に、これは映画ファンとして、とても勇気がいる発言だが(笑)、オイラは黒澤
明の『七人の侍』よりも、こちらの『ギャラクシー☆クエスト』の方が断然思い入れが
強かったりする‥‥(笑)。



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