ジッタン・メモ

ジッタンは子供や孫からの呼び名。
雑読本の読後感、生活の雑感、昭和家庭史などを織り交ぜて、ぼちぼちと書いて見たい。

〔07 暮らし雑感〕 そうだ 京都 行った(1)  大原・三千院

2007年11月29日 | 2007 くらし雑感
「そうだ 京都、行こう。」
 JR東海のこのCMは気に入っていた。
もう10年以上もテレビに流れ駅のポスターにも見た言葉だ。
BGと古都の美しい映像が流れて最後のシーンになると決めてるこのセリフ。
言わずもがなの美辞麗句を外して、言いたいことだけを言い切ったキャッチコピー。
CMの傑作と思っていた。
 そうだ 俺も京都行きたい。行きたいなあ。行くぞと考えていた時、旧友のM夫婦から願ってもないお誘いがあった。
 錦秋の京都ツアーがあるということで、4人で参加した。

11月22日 大原・三千院

 それぞれが応募した埼玉旅団が大宮で勢ぞろい。
新幹線で分乗して東京駅へ乗り継ぎ、京都には10時43分着。
 初日は大原地方を散策ということだが昼食を平八茶屋という名物「麦飯とろろ汁」の老舗の店でとることになった。
 バスは滋賀交通。 バスガイドは超ベテランの年増の姉さんで、ややなげやりで物憂いの物言いが逆にあとになって人を落ち着かせてくれた。
運転手はすごい人。どんな狭い道も人ごみもこなすことを後の行程で知った。
バスは三条→五条と進むのだが碁盤目のような町並みを見ると、敷かれ続いてきた古都の歴史を感じる。
 創業が天正17年という平八茶屋。
東に比叡山を仰ぎ、西に高野川を見た京都洛北の地にある。
創業「天正」という年号に興味があったが、
この17年は、お茶々が鶴松を生み、狂喜した秀吉がいて金まきをしながら、晩秋には小田原征伐をしはじめた時期にあたる。
平八さんにはゾロゾロと上がった一行の順番上、床の間に近いところに座った。
 掛け軸に「忍者」とまずあった墨書に驚く。
天正という時代とこの言葉が重なって思わず眼を見張ったが、全体を眺めると「忍者美福之源也」と書いてあったように思う。
ニンジャではなくてシノビハと読むと意味が通じるうようだ。
1年前ならニンジャだったが、少し古文書テキストに向かっている昨今は「シノビ ハ」と読んでおこう。
 この平八さんの庭は川のような池があり錦鯉が泳いでいる。その前に別座敷が点在していた。
でもここで料理を準備して運んでいるようでもあった。
 麦とろの給仕にあたった人から、今後の観光進路を聞かれたが「大原の三千院なんて昔はだれも訪れなかったところ。あの歌からすごい人気になった」と言っていた。
 あの歌? そうだ。
あの歌はデユーク・エイセスが歌っていた「女ひとり」。
 大原は比叡山の北西麓に位置する小さな盆地で、 今も昔も京都の中心から離れていて、隠棲の地という印象が強い。
あの歌のイントロ 「京都おぉ 大原、三千院 恋につかれたた女ひとりぃ~」が浮かんだ。
 随分まえの歌だから、恋につかれたの「つかれた」は「憑かれた」だったか「疲れた」のほうだったかなどと考えているうちに目的地についた。
 この三千院は妙法院、青蓮院、曼殊院、毘沙門堂など天台宗の名門で歴代の天台座主を輩出した寺とのこと。
 着いたときには小雨。
 広い境内を歩くと小雨の青苔に落葉の紅葉が映える。(写真)
赤や黄色の落ち葉が、庭をところどころ錦に染めている。
林の紅葉もすてきだ。
 大原といえば大原女ということばが浮かんだ。
 しかし、我々がであったのは雨の中の舞妓さん3人だった。
しっとりと濡れた樹木の紅葉と寺を詣る舞妓、写真を撮りたいと思っている人は多かったようで、その中にわが旧友のMもいた。
私も夢中で遠くからシャッターを何枚も切った。
 境内を歩くその行く先々になぜか舞妓がいた。
こうなると紅葉か舞妓か、舞妓か紅葉かというような按配となってしまう。

大原女に心残すも紅葉かな 虚子

大原女はおらず 雨の舞妓かな ジッタン 

季語もなければ字あまり。やはり野におけという作句能力の限界を感じる。
三千院を出て小さなお寺に向かう。
回遊式庭園のあった実光院。
ここも小雨だったが、お抹茶が入場料600円に含まれているというのも面白く上がってみる。
 美味しかった。
和菓子付き抹茶なんて何年ぶりか。
 庭に不断の桜という古木があり山桜のような桜が咲いていた。
雨の石畳の紅葉も映えて 美しい。

埼玉の旅団は46人。
 「えっ 大浴場はないの?」
帰路のバス内から上がった声。 そう宿には大浴場はなかったのだ。
内風呂というのでもなくここは中級Business hotelというのが正しい。 しかしシニア夫婦にはこれでよいのだ。
 ここまで来れば一緒に風呂に入るでもなし、ツインの夜でもなにも問題はないし何事も起こらない。
ぐっすり眠ることだけを考えるだけ。


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