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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

伊坂幸太郎「モダンタイムス」

2009-06-18 | 小説

検索から、監視が始まる。 漫画週刊誌「モーニング」で連載された、伊坂作品最長1200枚。

熱い(厚い)一冊に3日かかりました。

久々の伊坂作品。前作の魔王を読んでいないのですが、十分楽しめました。

タイトルでおわかりのように、チャップリンの映画の名文句が引用され、登場人物のネーミングもパロディーっぽくて、気に入った。しかも、不慮の死を遂げる(不倫相手にさされて死ぬ)作家の井坂に言わせるセルフも なかなか…。

スロースタートで、中盤から、謎が解き明かされていくあたり、

美しくかつ強く、残忍でありながら、キュートな妻佳代子。不倫をすると消されるかもしれない恐怖に怯えつつ。恐妻家の渡辺は、身の回りで起こる不可思議な事件に巻き込まれていく…。

なんと、自分に隠された超能力とは…、ピンチに陥って、ついに表れた能力が腹話術とは…。

だが、相手に自分が考えたことを言わせるということは、使いようによっては、命を救う僅かな時間稼ぎになったのだ。

それにしても、キュティーハニーのように、可愛くて最強の妻をもって、浮気さえしなければ、彼は十分の幸せを当然ながら得ることができるのだ。

男たちをばったばったとはり倒す。丸腰の華奢な彼女のスーパーぶりは、ごくせんのイメージ。まるで、漫画っぽいかんじですが、清々しい。

「勇気はあるか?」冒頭と、ラストの答え。がいいんだな。

大石倉之助が、はめられた罠も、47人の男による婦女暴行事件の主犯になんて…。おはなしだったり、

作家井坂のセリフも本心が出ているな思いました。

大体私も彼の小説の面白さは、映画化には向かないと思うので、1つも映画は見ていないです。

あまりにも個性的で非現実的なキャラクターが俳優によってどう料理されてイメージをくずされるのか…、かれの小説だけには、感じてしまうモノがあります。

映画向きの小説と、映画化して俳優の味によってさらに楽しめる作品はちがうと思っています。

脇役ですが、安藤詩織さん。この70歳の可愛らしい魅力的な女性の描き方を男性作家がしてくれたことが嬉しいです。私も、年を重ねて、そんな女性でありたいな。

~人生を楽しむには、勇気と想像力とちょっぴりのお金があればいい…チャップリン(ライムライト)

 



 



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