
男の子に美少女が落ちてくるなら女の子にもイケメンが落ちてきて何が悪い!ある日道端に落ちていた好みの男子。「樹木の樹って書いてイツキと読むんだ」。野に育つ草花に託して語られる、最強の恋愛小説!
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。
あ~やってくれました。浩ちゃん。まったくもう。という感じ。
ドツボにはまる理想の男だ~。
現実にこんな男はいません。分かっているけど。やっぱりいいなあ。
「誰かが作ってくれたご飯って美味しかったんだなあ~」
分かるよ。わかる。うんうん。さやかは外食ばっかで、まったく料理しない娘だけど…。いつも好きなもの作っている主婦だって。誰かに作ってもらったご飯の味忘れないよ。
有川さん初の携帯小説のようです。
それにしても、山菜レシピのうまそ~なこと。
昭和天皇の「雑草という名の草はない」って、知床バス旅行で原生花園でガイドさんが教えてくれました。心に残る言葉ですが。この本にも何度も出てくる台詞。
各章ごとの草花の写真とタイトルもいい感じだし。
現実の男にそんなに興味は持てないけど…。
小説の中は、魅力的な男性多いです。
まったく、また、惚れちゃったよ~。
~知っているのはただ、彼がどんな人だったかということだけ。
彼と過ごした毎日がどんなに楽しかったかということだけ。
それしか知らなくていいと思っていた。
ただ一緒にいてくれさえすればそれでよかったのに。
ふいに消えたイツキをおもう。さやかが切ないけど。まあ、有川さんの小説に負のイメージはないので、絶対にハッピイエンド。そういうところが安心して読めます。
もちろん、ちゃんと期待に応えてくれました!
~どんなに悲しくても人間は悲しさで死なない。寂しさでも死なない。泣き疲れて死んでしまいたいと思ってもいつか泣きやむしお腹も空くし、トイレにも行きたくなるのだ。失恋なんかじゃ人は死なない。悲しいくらい滑稽に体は生きている。
季節が巡り、イツキとの日々を思いながら、イツキの残したレシピに悪戦苦闘して、山菜料理に挑戦するさやかが、またまた可愛らしい。男は胃袋で掴めてか、そんなの女だって同じだ。美味しいものを作ってくれる彼がいたらたぶん。どっぷりとわしづかみされてしまうのでは、ないだろうか?
だけど…。イツキみたいな理想の草食系イケメンがいても、好きになることはないかも…。生活するには心地よいけど。リアルな男としての物足りなさを感じてしまうのは、申し訳ないです。
女性にとって、理想的な男子を描いてくれた有川さんに感謝する!