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気まぐれ読書・映画・音楽の記録。本文に関係のないコメントについてはご遠慮させていただきます。

文月悠光「適切な世界の適切ならざる私」

2010-05-27 | 詩、短歌、俳句
されば、私は学校帰りに月までとばなくてはならない。十代の身体の痛々しいまでの揺らぎを、ことばの色彩で柔らかにうつしとる。16歳で現代詩手帖賞を受賞した詩人が紡ぎあげる、鮮やかな流れ―待望の第1詩集 うーん。新聞で知って。手にとりました。このうすい本が。2000円は。高い。有名な詩人の本でも、このねだんはめったにないでしょう。 現代詩…。詩というか。言葉を獲得したいと全身で全霊で感じ取ろうともが . . . 本文を読む

銀色夏生「春の野原 満天の星の下」

2010-02-10 | 詩、短歌、俳句
「人が、人は結局ひとりひとりなんだなあと、時々感じて、そのことを無意識にいろんな言い方でぼんやりと口にするのに出会うと、心に明かりがともったような気持ちになります。個人個人であるということを、恐怖心からでもなく冷たい感情からでもなく、ただそのままの事実として認められる人は、とても強くてやさしい人だと思います。人のこころは無限にひろく、人の素敵さも無数にあるので、私は、人生が、楽しみで、素晴らしいも . . . 本文を読む

谷川俊太郎*広瀬弦「考えるミスター・ヒポポタムス」

2010-01-16 | 詩、短歌、俳句
ぼくの恋人は、ぼくに哲学がないという。ぼくは気持ちさえあれば、哲学なんて要らないと思う-キュートなカバがくりひろげる詩とビジュアルの本。 広い広い河原に座って ぽけっとしてるよ ポケットはからっぽだけど 足りないものはなんにもない 無限にいい気持ち すばらしい空の大きさ 今日は、冬空が青くて、太陽の光が雪原に光って眩しかった。 だから、カバの本を読みました。 今日は一日中座っていて疲れたか . . . 本文を読む

永田萠「お母さんのたからもの」

2010-01-14 | 詩、短歌、俳句
いつの時代も変わらない愛情のかたち。イラストレーター、絵本作家の永田萠が、書き下ろしの詩とイラストで綴る「母の愛」。 永田 萠~イラストレーター、絵本作家。「カラーインクの魔術師」と呼ばれる技術と色彩感覚、妖精をテーマにした夢あふれる作風で、画業35年近い今も第一線で筆をとる。1987年に『花待月に』(偕成社)でボローニャ国際児童図書展青少年部門グラフィック賞を受賞。定期的な国内巡回展のほかに、デ . . . 本文を読む

江國香織「すみれの花の砂糖づけ」

2009-12-04 | 詩、短歌、俳句
「すみれの花の砂糖づけをたべると/私はたちまち少女にもどる/だれのものでもなかったあたし」。恋人と心のまま体を重ねもするし結婚をしているしどこへでも旅することができる。大人の自由、大人のよろこび。だけど少女のころ、一人決然と向きあった、ままならなさ、かなしみは、変わらず健全ではないか!―言葉によって勇ましく軽やかな、詩集。   夏の夜、自転車こいで、ぶらり買った、思い出の一冊。 改 . . . 本文を読む

萩原朔太郎詩集

2009-11-14 | 詩、短歌、俳句
明治時代までの古語で書くことが常識だった日本の詩を、より現代的にカジュアルな言葉で表現することに成功した詩人・萩原朔太郎。口語自由詩、古語を使った作品、漢文言葉で書いた作品、散文詩など多彩な作品を収録 「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」といい、ひたすら感情の世界を彷徨しつづけた萩原朔太郎は、言葉そのもののいのちを把握した詩人 見しらぬ犬~とほく、ながく、かなしげにおびえな . . . 本文を読む

「ビールの最初の一口とその他のささやかな楽しみ」

2009-09-24 | 詩、短歌、俳句
フィリップ・ドレルム   訳・橋啓 「日曜の朝のケーキの箱」「エンドウの莢むきを手伝う」「歩道のクロワッサン」「古い列車に乗って」…日常生活のなかのシンプルな喜び、至福の瞬間を限りなく繊細な筆致で描く34篇。全仏ベストセラーのエッセイ集。 この詩のようなエッセイのような…。言葉は。実に心地よいです。 清少納言、江國さんや村上さんに通じるモノがありますが。女性の場合、感情も一緒に描きますが . . . 本文を読む

リチャード・ブローティガン「東京日記」

2009-08-30 | 詩、短歌、俳句
1976年5月から6月、日本に滞在したブローティガンは、日記をつけるようにこれらの詩を書いた。この1カ月半の瞬間瞬間を、自分たちが死者となった後の永却の時間から捉える、ブローティガン固有の東京日記。 はじめに…26歳で太平洋戦争で日本軍の爆弾で命を落とすことになった叔父さんへの文が書かれ、彼自身が子供の頃、感じた。人間以下の行為を行う日本人というイメージは。17,8歳の頃に出会った芭蕉や一茶の . . . 本文を読む

リチャード・ブローティガン「チャイナタウンからの葉書」

2009-08-13 | 詩、短歌、俳句
60年代のアメリカが生んだ、やさしい反逆詩人ブローティガン。その死後なおきらめき続ける世界を池沢夏樹の名訳でおくる、幻の詩集復刊。 村上春樹さんのが影響をうけた作家・詩人の一人で、ブローティガンには興味があった。本と人との関係は。人と出会いまた、その人の友人に出会い知り合いになるのに近い感覚になります。 初めて、ブローティガンの詩集を手にとりました。 彼は、1935年1月生~1984年10 . . . 本文を読む

宮沢賢治詩集

2009-08-01 | 詩、短歌、俳句
賢治は「歩く」人だった。…彼はときに風景の向こう側へと飛翔する。「春と修羅」をはじめ全詩からセレクト。岸本葉子のエッセイも収録。大きな文字、やさしい表記、親切な脚注で名作が読みやすいシリーズ。 再び…。賢治さん。 手にとって、いつでもどこでも読むには。文庫の方がいいですね。 春と修羅。第1集から3集まで、東京、雨ニモマケズ、歌曲・星めぐりの歌、文語詩、年譜がおさめられています。 賢治さん . . . 本文を読む

宮澤賢治「永訣の朝」

2009-07-31 | 詩、短歌、俳句
賢治の書き遺した数多くの口語詩、文語詩、短歌の中から、その精髄を選んで編集。「永訣の朝」など妹トシとの別れを歌った挽歌やよく知られている「雨ニモマケズ」などを収録。 賢治と言えば。童話とか、独自のオノマトペの使い手として、好きです。中学で、この本に出ている詩や、高校でグスコードブリの演劇鑑賞など…。どれも、興味を持つことがなかったのですが、伊坂幸太郎さんの作品により、詩を再読することにしました。 . . . 本文を読む

加藤千恵「ハッピーアイスクリーム」

2009-07-24 | 詩、短歌、俳句
17歳の女子高生の、びっくりするほどまっすぐで鮮烈な言葉たち。特別なことじゃなく、誰もが感じ、考えることを、57577に結晶させる話題の新星歌人・加藤千恵の処女短歌集。 加藤 千恵1983年北海道生まれ。旭川在住の高校生だった2001年8月、インターネットで交流のあった歌人・枡野浩一氏のプロデュースにより、処女短歌集『ハッピーアイスクリーム』発表 いかにも女子高校生のストレートな気持ち。何かを感 . . . 本文を読む

石垣りん「やさしい言葉」

2009-06-25 | 詩、短歌、俳句
たしかに在るものを たしかに見つけた たしかな言葉。それがあまりにも遥かで 幻のよう。地球は青かった。 時代と人間の表裏を鋭く見通し、確かな目で綴られた詩集。1984年花神社刊の新装復刊。 戦争、家族、仕事、石垣さんは、日々の生活の中で、確かな言葉を詩の世界で、感じてそれが彼女の、生きる証であったと思います。 たくさんの詩を読みまた、日々の営みから生まれた、また、感じられた飾らない言葉の数々 . . . 本文を読む

俵万智「プーさんの鼻」

2009-06-08 | 詩、短歌、俳句
短歌は、私のなかから生まれるのではない、私と愛しい人とのあいだに生まれるのだ―新しい生命を授かり、育てる喜びに満ちた日々。一日一日変化していく子どもの成長を追いかけ、初めの一歩の驚きを、言葉の反射神経を使って三十一文字に刻む。子ども・家族・恋人、愛しい人と生命を詠った三百四十四首。 これ俵さんの歌集で一番好きです。 同世代の彼女から、20年も前に終わってしまった、出産、子育ての記憶を呼び覚ま . . . 本文を読む

谷川俊太郎「いまぼくに」

2009-06-04 | 詩、短歌、俳句
優しさあふれる言葉で人々を魅了する谷川俊太郎の作品から厳選。 「夫が妻へ」「あかんぼがいる」「朝のリレー」「私たちの星」ほか全30編を収録。子どもから大人まで、すべての人に贈る現代詩集シリーズ「詩と歩こう」完結。 どれも親しみやすい言葉で… 谷川さんの言葉は、すとんと心に響きます 思春期心身症と呼ばれる少年少女たちに向けられた「やわらかいいのち」5章にもなる詩ですが。そんな心を病んだ子供た . . . 本文を読む