情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

三浦氏逮捕は一事不再理違反だ~ということについて再度

2008-03-09 02:21:28 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 三浦氏の米国での逮捕が一事不再理違反だという本ブログでの指摘がほかのメーリングリストなどで引用されて、議論されたらしい。そこでの議論を聞く限り、現時点では、一事不再理が他国での判決についても成立するとは言えないという見解が有力であることは認めざるを得ないようだ。国際法に疎い者の思いこみだったようです。

 しかし、私は、日本市民が米国政府(州政府)に対し、一事不再理違反だと主張することはできるし、するべきだと思う。

 欧州連合基本権憲章の第50条(刑事手続における一事不再理の権利)には、「何人も、法律に従って連合内ですでに確定的に有罪又は無罪の判決を受けた行為について、刑事手続きにおいて再び裁判され又は処罰されることはない」とされている。

 原文(といっても英語しか分からないで英語のみ)を紹介すると、

Article 50
Right not to be tried or punished twice in criminal proceedings for the same criminal offence

No one shall be liable to be tried or punished again in criminal proceedings for an offence for which he or she has already been finally acquitted or convicted within the Union in accordance with the law.

となっている。

 前文には、「連合は、欧州の人民の文化及び伝統の多様性、構成国の国民的アイデンティティ並びに国家、地域及び地方レベルにおける公の当局の機関を尊重しつつ、これら共通価値の保持及び発展に貢献する」とある。

 この欧州連合基本権憲章は、各国の裁判で適用されるものとはされていない。しかし、構成国が互いに相手の国家を尊重することで、一事不再理が国家レベルを超えて適用されるべきだという理想がここに体現されているのではないだろうか。

 現状での一事不再理の適用のあり方に関する私見(一国で刑事確定判決を受けた者は同じ事実で他国でも裁かれない)は少数説かもしれない。

 しかし、相互に相手国を信頼し合う関係を国際社会の基調とするべき現代社会では、私見こそが普遍化されなければならないと考える。

 日本国憲法前文には次のように書かれている。

【日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。】

 軍隊を捨て名誉ある地位を占めようとしたのと同様に、他国の刑事手続きを尊重することで名誉ある地位を占めるべきではないでしょうか。「私たちは米国の裁判を尊重する。だから、日本の裁判も尊重するべきだ」と。






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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1月17日にはNPJ/PEOPLE’S PRESS設立記念集会を開催し、多くの方に来場いただきました。ありがとうございました。近く、生中継していただいたアワープラネットTVでオンデマンド放送される予定です(http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080117_17.html)。

入管が洞爺湖サミットに関するアジアのNGOの意見交換会議(3月8、9日)への参加者の入国を拒否!

2008-03-08 12:02:53 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 洞爺湖サミットに向けて、先進国が好き勝手に世界を動かすことに反対するアジアのNGOが今日、明日(3月8日、9日)の両日、都内で意見交換会を開催している。この交換会にはキム・エーファさん(Committee for Asian Women代表、Korean Alliance of Progressive Movements事務局、韓国・ソウル)が参加する予定だったが、6日、韓国から入国しようとしたところ、具体的な理由を示されることなく、入国拒否とされた。

 洞爺湖サミットに向けて、反グローバリゼーションを中心とする多くの市民活動家が来日することになると思われ、日本政府の対応が注目されていたが、早くも入国拒否としてきたわけだ。

 サミットはまだまだ先なのに、なぜ、ここまでナーバスになるのか。まるで、政府は自分たちが悪いことをしていることを認めているような感じさえする。

 意見交換会を企画した団体による抗議文を紹介する。

 【追記】3月8日、再度来日し、無事入国できたそうです。ということは入国拒否がやはり問題だったってことだよね。

  ◆   ◆   ◆

2008年3月7日
入 国 拒 否 に 関 す る 抗 議 声 明

私たちは、韓国からの友人の入局拒否に対して抗議します。

昨日(3月6日)16:00過ぎにANA便で成田に到着し、入国しようとした韓国の友人が入国を拒否されました。私たちはこの不当な入国拒否に対して抗議します。

彼女は今回、CAW(Committee of Asian Women「アジア女性委員会」:http://www.cawinfo.org/)の代表として国際調整会議に参加し、かつ「G8サミットと女性/ジェンダー」という分科会を主宰し、発言してもらう予定にしておりました。CAWとは、不安定かつ劣悪な労働環境で労働を強制されている女性たちを支援しているアジア規模の女性のネットワークです。女性の運動、労働問題、ジェンダーなどに関心のある、または研究している人たちにとっては、著名な団体/ネットワークです。

彼女は今回、入国にあたり、提出書類に「CAWメンバー」と記載し、会議への参加を伝えました。ところが、入国審査官は彼女の主張を認めることをせず、入国拒否の措置を取りました。

私たちは、これまでG8首脳たちがとってきた市場原理主義に基づく新自由主義政策が、女性や子供たちをはじめ、途上国で貧困に喘ぐ人たちをさらに苦しめ、より深刻な貧困を引き起こしている状況について、3月8~9の国際調整会議で報告してもらい、こういう事態に対処しないまま、膨大な金を投じて洞爺湖でサミットを開くというあり方について、考えていこうとして、彼女にスピーチを依頼しました。

ところが、入国審査官の入国拒否によって、こうした私たちの真摯な取り組みが封じ込まれてしまいました。これは、日本政府が女性または女性労働者の権利、ならびに途上国の女性たちに対する権利について配慮する姿勢がないどころか、弾圧する方向であること、および日本政府として外国人を入国させない方向であることを明らかにしたものでしかありません。そして、これは、7月のG8洞爺湖サミット開催に関連して、外国人の入国を制限するための「フーリガン条項」の適用の先取りに他なりません。

私たちは、女性の権利を守る活動をしている私たちの友人の入国拒否に対して、入管当局に対して抗議します。

「G8サミットを問う連絡会」国際調整会議ワーキング・グループ

  ◆   ◆   ◆






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引野口・同房者スパイ事件判決骨子のご紹介~身柄留置を犯罪捜査に濫用と判示

2008-03-07 04:11:24 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 同房者による事情聴取を基に放火・殺人で起訴され、無罪となった引野口事件の判決骨子を入手したので、早速読んでみた。そこには驚くべき内容が書いてあった。同房となった一般人を捜査の道具(スパイ)として利用していたのだ。取り調べの全過程が録画されることになってさえいれば、警察は違法捜査と認定されるおそれがあるため、一般人を利用した捜査を躊躇したのは間違いない。やはり、早期に取り調べの全過程の録画が必要だ。

 判決は、まず、本件被告人と後にスパイとなる人物の身柄関係を図解しながら、捜査の流れを認定している。冒頭の図がその図解だ。被告人は5月25日から6月24日まで水上署に身柄が置かれ、後にスパイとなる人物が偶然6月18日から同署に留置・勾留され、本件被告人と同房となった。

 本件被告人は殺人・放火については否認をしており、警察は手詰まりとなっていた。そんなとき、スパイとなる人物が、同房の本件被告人から捜査官の悪口を聞き、それを警察に話した。警察は、同房者から本格的に事情聴取してみた。すると、この同房者は、本件被告人が「殺すつもりで殺したわけではない」、「ライター1本であそこまでになるとは思わなかった」と話していると供述した。

 そこで、警察は、この捜査方法を継続することとし、いったん、拘置支所へ移管された後、八幡西署に勾留されていた被告人とスパイを同房することとし、スパイを水上署から八幡西署に移した。7月15日ことだった。それ以降、本件被告人が拘置支所へ移された9月27日までの間、75日間のうち48日間、【ほぼ連日、同房者から房内での被告人との会話の内容が録取された】。
 ※【】は判決をそのまま引用した部分。

 たとえば、【同房者は、7月22日、自ら事情聴取を要請し】【事情聴取の冒頭に「刑事さん、昨日の夜、片岸さんから重要なことを聞き出しましたよ、早く聞いてくれないから忘れるかと思いましたよ。」などと述べて、前日夜に被告人から犯行告白を聞いたと供述した。その内容は、同房者供述によれば、なんで殺人がつくんですかみたいなことを聞いたら、被告人が「だれにも言っちゃだめよ」と言って、殺してしまった、お兄さんの通帳から通帳にお金を移したことでお兄さんとトラブルになり胸を刺した、という内容であった】。

 また、【同房者は、7月28日の事情聴取において、興奮気味に、「あのですね、刑事さん、片岸さんがお兄さんを刺したとき、どこを刺したか聞いてきましたよ、片岸さんは首を刺したと言っていましたよ。」などと述べて、首を刺した旨聞いたと供述した】。

 警察は、解剖鑑定によって、被害者は心臓殺傷に基づく出血性ショックで死んだとされていたにもかかわらず、鑑定医にホルマリン漬けの頸動脈を調査させ、その結果、首を刺されて死んだとの結論を導いた。ちなみに、判決は、この首を刺されて死んだという鑑定を信用できないと切り捨てている。

 さらに、【同房者は、8月4日の事情聴取において、取調室に入るなり、事情聴取専従の警察官に対し、「頑張りましたよ、昨日8月3日の夜、寝る前に片岸さんから重要な話を聞きましたよ、忘れるといけないから、今日の朝メモに書いてきました」などと言って、被告人から聞き出したという被告人の行動を記載したメモ紙を渡した】

 どうですか、あまりに嘘くさいでしょう。それにもかかわらず、警察はこの嘘くさい同房者の供述に乗って、被告人を起訴した。

 判決は次のように警察の行為を指弾している。

【同房者自身の余罪に対する取調べ以上に、被告人に対する事情聴取をほぼ連日行っている状況からすれば、同房者を八幡西署に勾留し続けたのは、被告人との同房状態を継続し、同房者を通じて被告人に関する捜査情報を得るためであったことは否定できないと認められる】【同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に2人を同房状態にするために代用監獄を利用したものということができ、代用監獄への身柄拘束を捜査に利用したとの誹りを免れない】。

【捜査機関は、同じ房に留置して強制的に2人切りとなる状況を作出した上、その状態を相当な期間継続して、いわば必然的に会話を交わすようにしむけた状況の下で、同房者を捜査側に協力させて、被告人から話を聞き出させたということができる】。【同房者を介して捜査機関による取調べを受けさせられていたのと同様の状況に置かれていたということができ、本来取調ベとは区別されるべき房内での身柄留置が犯罪捜査のために濫用されていたと言わざるを得ない】。

【同房者は、窃盗罪及び覚せい剤取締法違反の被疑事実で勾留され、余罪がどれくらい立件されるか等について捜査機関に委ねられている状況にあった】ところ、【同房者自ら捜査側の意を酌んで積極的に捜査に協力する姿勢をみせており、弁護人指摘のとおり、その全体的な供述は捜査機関が客観的な証拠を有している部分についてのみ不自然に詳細であるようにも見え、同房者が公判廷で述べる被告人の不利益供述が全てそのとおりされたものであるか否かには疑いが残る】。

 そして、判決は、身柄留置を犯罪捜査に濫用したなどとして、同房者供述には、任意性に疑いがあり、証拠能力を認めることができないと結論づけた。

 同房者に対する取調べが録画されていれば、同房者を誘導し、客観的証拠に合わせようとする警察の違法な取調べが明白に記録されていたことであろう。

 全ての違法取調べをなくすために、取調べの録画(可視化)を実現させよう!

 そのための署名は、http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/investigation/shomei.html  







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取り調べの全過程録画を直ちに導入する必要がある!~八幡西区殺人放火事件で同房者スパイ認定

2008-03-06 05:03:38 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 読売新聞によると、【北九州市八幡西区で2004年3月、無職古賀俊一さん(当時58歳)が全焼した自宅の焼け跡から遺体で見つかった事件で、殺人、非現住建造物等放火罪などに問われた妹の無職片岸みつ子被告(60)(八幡西区東鳴水2)の判決公判が5日、福岡地裁小倉支部で開かれた。田口直樹裁判長は殺人・放火事件について「捜査機関は、被告の収容先の留置場に別事件の被疑者を意図的に同房にして、被告人の供述を得ようとするなど、虚偽供述を誘発しかねない不当な捜査を行った。被告が同房者に語った犯行告白は信用できず、犯人と認定することはできない」として、片岸被告に無罪を言い渡した】という。

 驚くべき警察犯罪がまた一つ明らかになったわけだ。

 中国新聞が掲載している要旨は次のとおりだ(※1)。

◆  ◆  ◆

【主文】
 殺人と放火罪は無罪。威力業務妨害と窃盗罪については懲役1年6月、執行猶予3年。


【告白の証拠能力】
 警察の留置場で同房だった女性が証言した被告の犯行告白には、証拠能力が認められない。捜査手法には次のような問題点が指摘できる。

 (1)捜査機関は同房者を通じて捜査情報を得る目的で、意図的に被告と同房状態にしたということができ、代用監獄への身柄拘束を捜査に利用したとのそしりを免れない。

 (2)同房者は、捜査官に伝えることを隠して被告から話を聞き出しており、被告は知らない間に同房者を介して取り調べを受けさせられていたのと同様の状態にあったということができ、本来取り調べと区別されるべき房内での身柄拘置が犯罪捜査のために乱用された。

 (3)房内では、取調室と異なり、将来有罪の証拠になることを想定して、自己に有利不利を考えて話す状況になく、供述拒否権への配慮が不足している。

 (4)同房者は事情聴取能力のある捜査官ではなく、捜査機関に処分を委ねている身であるから、無意識に捜査機関に迎合するおそれがあり、同房者を介して聴取する内容には虚偽が入り込む危険性がある。

 同房者からの参考聴取は許されるが、本件における事情聴取は単なる参考聴取の域を超え、虚偽供述を誘発しかねない不当な方法であり、犯行告白が任意になされたものとはいえない。身柄拘置を犯罪捜査に乱用するもので捜査手法の相当性を欠き、適正手続き確保のためにも証拠能力を肯定することはできない。

【告白の信用性】
 犯行告白の根幹部分は被告が同房者に話したものと認めることができる。しかし告白に、被告を犯人であると合理的疑いなく認定するほどの信用性は認めがたい。

 検察官は、告白後に被害者の首に外傷があることが明らかになったという秘密の暴露があり、被告の告白には高い信用性があると主張する。しかし解剖鑑定から生前の傷と認めるには合理的な疑いが残る。被害者の首に生前の傷があると認定することはできず、告白に秘密の暴露があるとはいえない。

【結論】
 告白に、被告を犯人と認めるほどの信用性は認められず、それ以外の検察官が主張する状況事実を総合しても、被告を犯人と認定するには足らない。結局、被告が犯人とするだけの確たる心証を形成するには至らなかった。

◆  ◆  ◆

警察の留置場(ブタ箱)を利用して、勾留中の被疑者、被告人の身柄を警察署内に確保し、長時間取り調べを可能としていることは批判されてきた。本来は、警察とは別の建物に留置されるべきであり、世界基準はそのようになっている。

この代用監獄については、捜査担当者と留置担当者が分かれていても、本件のような不当な捜査が行われる余地があることも批判されてきた。

今回のケースで、警察が同房者をスパイとして利用したことが明らかとなった。これによって、世界からも批判されている代用監獄を廃止することも明らかとなった。ただちに、すべての代用監獄を廃止すべく、検討する必要がある。

そして、当面は、すべての取り調べについて、録画をすることで、このような警察による犯罪を防ぐしかないだろう。

警察がなぜ、取り調べを録画することをいやがるのか?今回の事件でその理由がよく分かったと思う。警察は、違法な捜査、違法ぎりぎりの捜査ができなくなることをおそれているのだ。

当面、代用監獄が残ったとしても、すべての被疑者のすべての取り調べを録画することにしていれば、本件のような事態には至らないはずだ。

取り調べ名目で組織的に「犯罪」を行う警察の言い分にはもう耳を貸す必要はない。ただちに取り調べの録画化(可視化)を実現するべきだ。







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-国民に11ケタの番号つける、11ケタの税金の無駄使い-橋本勝の政治漫画再生計画第112回

2008-03-06 05:01:24 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本さんのコメント】
 21世紀になって国が始めた公共事業の最たるもの、それは国民全員に11ケタの番号をつけて、情報管理のシステム化をはかる住基ネットである。
 ところが2002年8月に稼動したものの、住基カードの普及率はわずか1.5%。それに個人情報の漏洩や、国家による管理社会化への危惧といった問題もあり、各地で違憲訴訟も数多くおこされている。
 あのナチス・ドイツの強制収容所が収容者に番号を刻印を押したように、権力というのは管理する者に番号をつけたがる。人間一人一人の顔をなくし番号化して管理しようとした住基ネットだが、大失敗に終わりそうである。それは反住基ネットの漫画を量産してきた私としてもウレシイことではある。だが、国は威信をかけてはじめた事業だけにすぐに止めたりせず、ズルズルと続けようとするだろう。または日本を超ファシズム国家にして、その有効利用をはかるかもしれない!?
 住宅ネットシステムの構築に費やした費用、およびこれの維持費は莫大なものになるだろう。その金額の算出は難しいが、金額は11ケタの数字、数百億円になるとみる、わが推測はそれほど見当違いではあるまい。
 この愚かなる公共事業を推進した政治家、官僚、それに住基ネットシステム作りで巨額の利益をあげた企業よ、責任とれ!!

【ヤメ蚊】
「住基ネット差し止め訴訟を支援する会」のウェブサイト( ※1)より

緊急のお知らせ
住基ネット差し止め 石川訴訟、愛知訴訟、千葉訴訟について
最高裁・第1小法廷が、3月6日(木)午後3時に、判決を言い渡すことを突然発表(2月25日)。
大阪訴訟も3月6日(木)午後1時30分に判決言い渡し

最高裁の突然の決定があったために、あらたに傍聴の呼びかけをします。
また、判決報告集会・記者会見の開始時間と会場を下記のように変更します。

■最高裁第1小法廷 判決言い渡し 3月6日(木)
<大阪訴訟> 
判決言い渡し 午後1時30分
◇集合時間 午後0時20分(傍聴席の抽選があります)
◇集合場所 最高裁 南門前
 地下鉄・永田町駅下車 4番出口ないし2番出口
<石川訴訟、愛知訴訟(第1次・3次)、千葉訴訟>
判決言い渡し 午後3時
◇集合時間 午後1時50分(傍聴席の抽選があります)
◇集合場所 最高裁 南門前

*最高裁は傍聴に関しては直前にしか発表しません。2月7日の大阪訴訟口頭弁論のときは、弁論開始時間の1時間前から傍聴整理券の配布が行われました。今回は、念のために、それぞれ、判決言い渡し時間の1時間10分前にお集まり下さい。

■報告集会 主催:住基ネット差止訴訟全国弁護団
◇時間 午後3時~午後4時
◇会場 憲政記念館 第1会議室
 *最高裁から徒歩で移動します。
 地下鉄・永田町駅下車 2番出口 徒歩5分
 地下鉄・国会議事堂前駅下車 2番出口 徒歩7分

■記者会見 主催:住基ネット差止訴訟全国弁護団
◇時間 午後4時~午後5時  
◇会場 憲政記念館 第1会議室 








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卒業式シーズンですね~君が代斉唱の強制についてどう考えるかですが…

2008-03-05 06:11:40 | 有事法制関連
 もういい加減、君が代斉唱時に起立しなければならないとか、声を出して歌わなければならないとか、そういうのは止めましょうよ。君が代にいいイメージを持たない人がいる、日の丸にいいイメージを持たない人がいる、そういう人に強引に君が代斉唱させたり、日の丸に敬礼させたりするのは、拷問でしょう。なんで、校歌じゃだめなのかねぇ、なんで校旗じゃだめなのかねぇ…。そこのところがそもそも分からん。

 東京では卒業式に日の丸、君が代について考えるビラを巻いたりするグループがあるが、そういう行動を妨害しようという動きさえある。公安警察がマークをしたり、右翼が妨害したりするところがあるという。私も立ち会ったことがあるが、公安が少し離れたところからしばらくチェックをしていた。

 大の大人が何をやってんだか。そんな暇があったら、覚醒剤とかちゃんと取り締まったらどう?米国の横暴ぶりにきちんと抗議したらどう?

 特に、今年は、根津公子さん、河原井純子さんが免職される可能性がある。二人は、君が代斉唱時の不起立を続けた結果、処分が累積された結果、2007年春にそれぞれ停職6ヵ月、停職3ヵ月という処分が出されました。それでも彼女たちは「君が代不起立」を続けるつもりであり、次の処分はもはや免職ではないかとされている。

 君が代斉唱時に起立しなかっただけで、免職!そんなことを見過ごしていいんだろうか…。


 そこで、二人を支える会は次のような様々なイベントを予定している。ぜひ、参加してほしい。詳細は、ウェブサイト(※1)まで。


●校門前モーニング・アクション
河原井さん・根津さんの勤務校の校門前で、直接校長・教職員・保護者・生徒らにアピールします。各自の思いを書いたプラカードなどを持参の上、お集まり下さい。多くの市民が見ていることを伝えましょう。
 ★都立南大沢学園養護学校(根津さん)=3月5日(水)/19日(水)
 ★都立八王子東養護学校(河原井さん)=3月6日(木)/18日(火)
                  それぞれAM7:30~10時頃まで

●都庁前One Day アクション第3弾
都教委・石原知事に対話要請し、「解雇させるな」と迫ります。
    3月10日(月)  ※時間など詳細は追って掲載します。

●卒業式の学校包囲行動
卒業式当日は、二人の勤務校を囲んで「君が代解雇を許さない」という市民が大勢いることをアピールします。
 ・河原井さん出席の卒業式=3月19日(水)・24日(月)
 ・根津さん出席の卒業式=3月24(火)

●都教委への連続行動(都庁前)
24日の卒業式から27日頃までの間、「処分」決定の会議が行なわれる可能性が大きいので、重要な時期になります。都庁前での連続行動になる可能性があります。(処分発令は3月31日、於:水道橋・都教育研修センターと予想されます) 詳細は情報が入り次第発表します。


※1:http://homepage2.nifty.com/kaikosasenaikai/


◆関連イベント
特別シンポジウム
「慰安婦」にされた日本の女性たち~沖縄、そして城田すず子さんを語る~

 「中学生のための『慰安婦』展」では、日本人「慰安婦」だった城田すず子さん(1921年~93年)のパネルや遺品を展示しています。城田さんは台湾やサイパン、パラオなどの慰安所での体験を証言や手記で著わし、「慰安婦」の悲惨な状況を訴え続けた人でした。来館者からは日本人「慰安婦」について問われることが増えてきました。しかし「慰安婦」にされた日本人女性の証言はわずかしかなく、聞き取りや調査・研究も充分とは言えません。

 そこで今後の取り組みを促し励ます願いをこめて、特別シンポジウムを開きます。130カ所以上の慰安所があった沖縄からは、女性たちが解明を進めてきた調査報告を、城田すず子さんの足跡や果した役割については、資料調査の中間報告と関係者の方々からのお話をお聞きください。冒頭にはビデオ上映を予定しています。

日 時 : 2008年3月22日(土)14時~16時30分
場 所 : 日本キリスト教会館6階 AB会議室(wamの隣のビルです) 
入場料 : 1000円 (維持会員カードをご提示の方は100円引き)
主 催 : アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」







★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。
なお、こちらで(←クリック)、350円、1000万人寄付運動を展開していましたが、井原氏落選の結果を受けてペンディング状態です(こちら参照)。バナーは、SOBAさんの提供です。手のひらに何も乗っていない猫の手には、実は、知恵、呼びかける力など賛同するパワーが乗っているということです。まさに、今回の運動にぴったりですね。
   
1月17日にはNPJ/PEOPLE’S PRESS設立記念集会を開催し、多くの方に来場いただきました。ありがとうございました。近く、生中継していただいたアワープラネットTVでオンデマンド放送される予定です(http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080117_17.html)。

増田懲戒署名は少なくとも懲戒申立予定の3月10日までは受け付けます!~市民の怒りをお寄せください

2008-03-04 03:54:13 | 有事法制関連
 急な連絡にもかかわらず、増田事務次官に対する懲戒申立を前提とする公開質問状の発送に関する記者発表には、テレビも含むマスコミが参加し、それなりにマスコミにも認識してもらえたと思う。このまま、増田事務次官が知らぬ存ぜぬを繰り返すのであれば、懲戒申立をすることになるが、公開質問状の回答期限の3月10日までは、待つことになる。その間、できるだけ多くの方の署名をいただきたいと考えております。末尾に再度、呼びかけ文を掲載しますので、転載などよろしくお願いします。

 しかし、自衛隊は、電話記録があるだのなんのと、航海長を現場から拉致したことについて、海上保安庁の連絡をとったことにしようと必死のようだが、いくら、電話記録があったとしても、その内容までは記録されているわけではなく、意味がない。海上保安庁側は、負傷者を運ぶことの連絡を受けたことの認識はあるわけだから、自衛隊が嘘をついていることは明白でしょう。

 と、ここまで書いて、ネット規制が思い浮かぶ。もし、2010年に上程される予定の情報通信法に名誉毀損による規制が盛り込まれたら、自衛隊の発表が嘘に決まっているなどと書いたものは、名誉毀損だとして、規制されてしまうおそれが十分にある。もちろん、志ある者は、他国のサーバーなどを利用することで、規制を避けようとするかもしれないが、普通のユーザーは、そこまでしないから、一般市民の表現の自由は封殺されることになる。

 しかも、実は、規制部分については、2010年の情報通信法の上程を待たずして、先行して制定する動きがあることは「ネット規制はもう目前~インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」(※1)で紹介したとおりです。この検討会の中間報告が出たら、厳しい目で検討してください!

 なお、プリンスホテルの会場貸し出し拒否問題も引き続き、こちら(※2)で募集中ですので、よろしくお願いします。

 それでは、再度、増田事務次官に対する懲戒申立を前提とした公開質問に対する賛同の呼びかけ文を掲載します。公開質問状の発送は済んでいますので、一部内容を変更しています。今後は、こちらのこの呼びかけ文を転送引用してください。


◆ ◆ ◆

(転送歓迎)
          緊急呼びかけ文

 私たちは、平和を愛する市民有志です。今回のイージス艦あたごの事故における情報隠蔽は自衛隊がシビリアンコントロールを無視する体質を持っているということが明確になった象徴的な出来事といえ、放置してはならないと考えています。そこで、下記のような質問状を提出しました。質問に対する誠実な回答がない場合には、増田事務次官に対する懲戒申立を行いたいと考えております。この懲戒申立にご賛同いただける方は、次の事項をお書きの上、masudachoukai@yahoo.co.jpまでメールしてください。件名は、「増田懲戒署名」などとしてください。懲戒申立を予定している3月10日まで、正確には3月10日午前0時までにお送りください。

住所:
氏名:
肩書:
インターネット上での氏名肩書きの公開の可否:
一言:


                 呼びかけ人
                     弁護士 中山武敏
                     同   児玉勇二
                     ジャーナリスト林克明
                     弁護士 杉浦ひとみ
                     同   日隅一雄
                     同   田場暁生

      緊急公開質問状

2008年3月3日
                     
石破茂防衛大臣殿


                     市民有志一同(末尾名簿添付)



 イージス艦あたごの漁船衝突事故は、事故そのものの重大性のみならず、自衛隊による情報隠しという市民にとっては重大な関心を抱かざるを得ない事態を招いてしまいました。特に、事故直後に、吉川栄治海上幕僚長が、当直士官であった航海長をヘリコプターで防衛省に呼び寄せて事情を聴取したこと、その事実が明らかにされないまま事態が進行したことは非常に問題があると考えております。

 そこで、この件について、次のとおり質問します。

 増田好平防衛事務次官は、2月27日、記者会見において、事故直後に貴殿を含む約10名が航海長から事情聴取をした際の状況について、記者との間で以下のようなやりとりをしています(http://www.mod.go.jp/j/kisha/2008/02/j_27.html)。

◆◆記者会見からの引用開始◆◆

Q: でも今までのご説明だと、航海長の話したことで記憶に残っていることもなく、表情しか覚えてない。いくつか質問があったけどそれも覚えてない。ただ、口裏合わせがなかったことだけは間違いないですね。それは説得力に欠けないですか。


A: そういうご指摘はやむを得ないかなと思います。私の記憶を正直に話をしていて、そういうことが説得力がないと思われるのであれば、私の不徳の致すところと言いますか、能力がないということかなと思います。
◆◆記者会見からの引用終了◆◆

 上記やりとりからは、増田次官が虚偽を述べているとしか思えません。もし、真実を述べているのであれば、重要な事情聴取について記憶することもできない能力不足者ということになり、ただちに、増田氏を次官職から解任するべきだと思われます。

 自衛隊法は第58条で、「隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならない。」と定めています。増田次官の発言が虚偽だとすれば、この規律に違反していることになります。そして、自衛隊員の規律違反については、「何人も、隊員に規律違反の疑があると認めるときは、その隊員の官職、氏名及び規律違反の事実を記載した申立書に証拠を添えて懲戒権者に申立をすることができる」ことになっています(自衛隊法施行規則第68条)。


 私たちは、この懲戒申立を検討中ですが、貴殿から、下記質問について、真摯なご回答をいただけるのであれば、懲戒申立をすることは差し控えたいと思います。ご回答については、3月10日までに弁護士日隅一雄(東京共同法律事務所)に届くようお願いいたします。

       記

1 増田次官が上記記者会見において、事故直後に貴殿を交えて行った事情聴取の内容について、増田次官に記憶がないのは事実ですか。もし、事実だとすれば、増田次官は記憶する能力が一般通常人よりも劣っているのですか?

2 増田次官に記憶がないのが事実ではないとした場合、なぜ、増田次官は記憶がないと答えたのでしょうか?また、記憶にあった事実とはいかなるものなのでしょうか?


3 貴殿は、増田次官が上記記者会見で記憶がないとの発言をしたことについて、何らかの処分を行われる予定ですか?処分を行う場合、処分を行う期日はいつになりますか?処分を行わない場合、行わない理由は何でしょうか?自衛隊法42条3項及び同法46条2項をもご考慮の上、その理由をご回答ください。


 以上の質問について、貴殿のご回答をお待ちしております。もし、真摯なご回答のない場合には、増田次官に対する懲戒申立を行うこととなりますので、あしからずご了承ください。

 本件についてのご回答及び問い合わせは、弁護士日隅一雄までお願いいたします。
                              以  上





増田防衛事務次官懲戒申立署名に賛同者続々!~イージス艦あたごの事故「(私は)能力がない」発言を許すな

2008-03-02 18:08:11 | 有事法制関連
 イージス艦あたごの事故での口裏合わせ会議に出席した増田防衛事務次官の開き直りともいえる「(私は)能力がない」から会議の内容を覚えていない発言について、懲戒申立をしようという呼びかけに対し、賛同者が続々メールを送ってくれていますのでいくつかご紹介します(敬称略)。第一次締め切りは3月3日午前10時ですが、それ以降も引き続き、署名を募ってください。★締め切り後の新しい呼びかけ文は「増田懲戒署名は少なくとも懲戒申立予定の3月10日までは受け付けます!~市民の怒りをお寄せください」(※1)に掲載していますので、ご参照ください。

岡本三夫(非暴力平和研究所所長/広島修道大学名誉教授)
巨大な堤防も小さな一穴が原因で崩壊すると言われます 今回の事件を放置しておくことは民主主義の崩壊に繋がります 増田事務次官の懲戒はもとより 石破防衛大臣の罷免を要求します

須田稔(立命館大学名誉教授)
アメリカの世界支配の軍事戦略に従属的に同調して、訓練の域を脱して実働=実戦を待望する幹部たち。既に「海外任務を本来任務とする」法改定もなされ、制服組は意気揚々で意気軒昂なのでしょう。国を守る最前線の最新精鋭武力行使集団としての誇りは傲岸不遜の域に達し、そこのけそこのけと、国民の生命を守る意識は稀薄になっているのでしょう。軍隊は人の命を守るのでなくて、殺すのが目的であり使命、漁船などには、軍艦のお通りだ、さがれい!という意識なのでしょう。これが軍国主義なのです。

新原三恵子(教師)
「人の命」より大事なものがあるはずがありません。「ウソ」は絶対許せない!

大城研司(下関・東チモールの会)
岩国市庁舎助成金に関しては、新市長が米軍増強を容認するような発言があって直ぐに対応するという“素晴らしく迅速な”事務処理能力をお持ちなのに、どうしてでしょうねぇ

田中和恵(千葉市民)
あきれました。市民を小馬鹿にした発言です。でも、これが偽らざる防衛省全体の、いや国家権力を握っている人たちの姿勢だと思います。与党の回答もきっとこれに毛の生えたものになると思っています。

新倉修(青山学院大学法科大学院教授・9条世界会議日本実行委員会共同代表)
まことに不当な事故であり、対応もお粗末であり、人間のいのちが宝であるという憲法の精神に真っ向から反する事態に強く抗議したい。9条ピースウォークで、広島市の平和記念公園から2月24日に歩き始めて、坂町にある陸上自衛隊13旅団に対しても、呉市にある海上自衛隊呉地方総幹部に対しても、地元の方たちとともに、強く抗議する要請書を読み上げてきました。

杉谷伸夫(会社員)
増田事務次官のような、「トンデモ」忘却発言が通用するなら、世も終わりです。都合の悪いことがあれば、記憶にない、忘れたで通せばいいのですから。ああ、情けない。情けない。こんな人物が「事務次官」だなんて。事務次官というのは、役立たずの掃きだめですか? 全員首にしてください。

後藤玲子(弁護士)
イージス艦の事故原因、その後の一連の対応は、はからずも軍隊の本質をみせてくれたと思います。

池田賢太(attac北海道/大学院生)
防衛省が一人のクビを飛ばすだけでこの事件の幕引きを図らせることなく、事故に遭われたお二人の発見とともに、事件の真相の解明と再発防止の徹底、防衛省内の情報管理の透明化、危機管理の充実を切に希望します。

伊東香保(弁護士)
事実を述べて下さい。

橋俊敬(特定医療法人財団健和会医師部事務局長)
「そこのけそこのけ軍艦が通る」など絶対に許されません!昨年暴露された陸上自衛隊の「情報保全隊」が国民を監視し続けていることと合わせ、今回のイージス艦の衝突事件も軍事最優先の思い上がった思想が根底にあると断じます。

永岡浩一(鹿砦社裁判を支援する会代表世話人)
イージス艦事故は、日本の「防衛」を担っているものが、実は国民の生命を脅かす存在であったことの証明です。さらに、事故後、不祥事を隠すなど、まるで先次大戦での関東軍のような存在です。こんな自衛隊はいりません!イージス艦の1400億円は、日本人の福祉のために使うべきです。防衛省も解体すべきです!

井形和正(一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程)
説明能力に欠け、記憶力に乏しい人物がその任務を全うすることは不可能であり、辞任要求は当然の帰結と考えます。

斎藤春枝(鍼灸師)
イージス艦? 一利も無しで百害ばかり。武器は何も要らない。

永野勇(保険代理業)
まず、嘘をつくことだけはやめてほしい

上田正雄(会社員)
増田事務次官の記憶に無い発言は、国民の税金で給料をもらっている人の対応には到底思えません。事故の重大性から考えても、無責任すぎます。こんな人がトップにいて良いわけがありません。よって懲戒申立に賛同いたします。

田代雅美
まともに質問に答えないのは、真相究明以前の問題。何もかもがあやふやで煙に巻いてるようです。嘘をつくと次から次に嘘で固められるようになり、ますます混迷の度が深まります。この方々は嘘・隠蔽の意味も分からないようです。違うだけとか、隠そうという意図は無いとかいって、食い違っても当たり前の顔をしてとぼける。ここまで来ると、バカに付ける薬はない!こういう人を相手に本当のことを明らかにしようというのですから、しっかり言葉を大事にして、問いただし取り調べて行かなければなりません。この事件を契機に日米地位協定の見直しを要求したいところです。よろしくお願いします。

山口じゅん子(社民党八千代支部)
私達市民は軍隊に生命を守ってもらおうとは思っていません。政府各省庁は利権の巣のようですが、特に防衛省は巨大利権の塊で、市民生活を脅かしているものではありませんか。

加藤哲男(田中正造大学会員)
平和を作ると言って戦争に行く人へ

東本高志(「平和への結集をめざす市民の風」運営委員)
増田好平防衛事務次官殿。あなたは防衛省の事務次官である前に1946年に「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意」する平和憲法を制定した日本の一国民であるはずです。あなたが真に日本国憲法に定められたシビリアンコントロールの精神を尊重するおつもりがあるのならば、公開質問状に示された質問について真摯にご回答いただけることを切に期待します。

吾郷健二(西南学院大学教授)
軍隊の本質が暴露された1件だと思います。

平野智子(千高教組)
国民を騙す態度は許せません。処分されるべきです。

松宮光興
「漁船を発見したのは2分前」という一番最初の発表も口裏合わせの結果なのだと思います。衝突のショックで初めて、漁船に気がついたというのが真実だと思います。「緑色灯を見た」という発言も、船団に気がつかず、漁船が一隻だけだったと思いこんでいた証拠です。公然と嘘をつく人間に、国の防衛を任せるわけにはいきません。

平山基生(財団法人政治経済研究所沖縄問題研究室長、沖縄.日本から米軍基地をなくす草の根運動運営委員長)
繰り返される自衛艦の「事故」に心からの憤りを覚えます。前途有為の漁師の若者を死に至らしめたことは、日本の漁業にとっても、大きな痛手であったと思います。法治国家として、法に外れたものは厳正に処罰するべきです。

堀口貞夫(主婦会館クリニック所長)
防衛庁が防衛省になって胸を張りました。胸を張れないことが起こってしまったので、「どうしよう」と思った結果がこれです。「美しい国」とはこういう国だったのですね。

藤井郁子(自営業)
平和憲法と自衛隊の存在を改めて考えさせる事例です。

矢野秀喜(無防備地域宣言運動全国ネットワーク事務局)
増田に懲戒処分を出させ、石破を辞任に追い込みましょう。

杉山百合子(藤沢市民)
いまだに、「自分の組織だけ衛る」のが自衛隊だとあらためて理解しました。「住民を守る」ためなら警察と外交とレンジャーと医療と教育で十分です。

池邊幸惠(平和のピアニスト)
戦争で多大な犠牲を払わされた日本人のほとんどが今の人類の理想である平和憲法を喜んで受け入れています。日本が武力で永久に他国に出かけないこと、それは犠牲を被ったアジアの人たちの悲願であり誓いです。そしてアメリカの謀略の9.11を見抜けば、「テロ対策」が米国の「戦争犯罪協力」であることが分かります。国民一人一人の人権を尊重してこそ政治の意義があります。国より先に国民の幸せあってこそです。

中西綾子(主婦)
軍隊は国民を守らないことがはっきりしました。これを機に日本における軍隊のあり方、必要性などを国民的な議論にしていかなければ、将来に禍根を残すと思います。

白岩佳子(介護人)
防衛省が平和省になることを、願っています。

永戸千草(主婦)
国民の立場に立った国益を

野村修身(工学博士)
憲法第9条は、我が国のみならず、世界の宝です。曲解するのは世界平和の敵です。すなおに適用下さい。

福留英資(弁護士)
佐藤参議院議員の「駆け付け警護」発言に続き,シビリアンコントロールの有名無実化に深刻な危機を感じざるを得ません。

高久のぞみ(座間市民)
キャンプ座間でも市民のつかう市道に銃口を向けての訓練!!!止めなければ。

田代雅美(退職教師)
今回の事故に対する説明など信用出来る情報がありません。過失を隠そう隠そうとし、(嘘にうそをかさね、窮地に追い込まれているとしか思えません)最後は、「不徳の致すところ」ですか?「能力がない」は認めます。事実を正直に(事実をねじ曲げることなく)国民に知らせることをきちんとした上で、止めてもらいたい。

古屋泰(翻訳業)
少しずつ一歩ずつ、自衛隊と防衛省の体質を明らかにさせなければなりません。

河原よしみ(京都市民)
都合の悪いことを隠すようにとくぎを刺されているのでしょう。国民あってこその省庁だと思いますが、国民の方を向いていないことが明確にわかる記者のインタビューだったと思います。少なくとも省になったのだから、これに限らずより一層の情報開示を求めます。

神谷扶左子(塾講師)
自衛隊海外派兵恒久法は、全く世に問うこともせず、「今のうちにやっちゃえ」とばかりのすすめ方で「議論なき国会」つまり民主国家の体をなしていないことを痛感させられます。メディアもその憲法上疑義のある点を突くことをせず、真のジャーナリズムなき日本社会であると強く憂慮しています。

山川義保(平和と民主主義をめざす全国交歓会代表)
イージス艦衝突事故について、防衛省はことごとく発言を修正撤回している。増田事務次官は当初議事録は取っていないとしていたが、メモで記録をとっている者がいたことも明らかになった。88年の「なだしお」事故でも海上自衛隊は航海日誌を改ざん、証拠隠滅をはかった。人を殺す軍隊の本質が現れた。政府は真相究明と責任の所在を明確にしなければならない。増田事務次官の処分はもちろん、石破防衛大臣の辞任を強く求めます。

宜保幸男(沖縄県平和記念資料館友の会)
護憲・平和・民主主義!前進前進スクラム前進だ!

大畑豊(九条を輸出する会)
自衛隊自体違憲の存在だが、さらに違法行為を重ね、民主主義の危機であ
り、市民を愚弄するものです。

杉本朗(弁護士)
事故自体、払うべき注意を怠っていたからではないかと思いますが、その後の自衛隊の行動は、明らかに、自分たちの体面を優先しようとしているとしか理解出来ないものです。自衛隊の存在それ自体の合憲性はおくとしても、存在する以上、守るべきは市民であって、自分たちの体面ではないはずです。自分たちの体面を市民より優先するのであれば、存在意義を失ったものとして、即座に自衛隊は解散すべきです。

青柳行信(NGO人権・正義と平和連帯フォーラム・代表)
虚偽に満ちた暴言は許されません。

平野慶次(関西市民の会)
今回の事件には、様々な隠蔽工作の匂いがします。いつものことだと思いたくもないが、体質的に「大本営発表」の履歴が、今も見え隠れしていますね。



◆ ◆ ◆

(転送歓迎)
          緊急呼びかけ文

 私たちは、平和を愛する市民有志です。今回のイージス艦あたごの事故における情報隠蔽は自衛隊がシビリアンコントロールを無視する体質を持っているということが明確になった象徴的な出来事といえ、放置してはならないと考えています。そこで、下記のような質問状を提出したうえで、増田事務次官に対する懲戒申立を行いたいと考えております。ご賛同いただける方は、次の事項をお書きの上、masudachoukai@yahoo.co.jpまでメールしてください。件名は、「増田懲戒署名」などとしてください。第一次締め切りは3月3日午前10時でお願いします。それ以降も、賛同いただける方はぜひお願いします。

住所:
氏名:
肩書:
インターネット上での氏名肩書きの公開の可否:
一言:


                 呼びかけ人
                     弁護士 中山武敏
                     同   児玉勇二
                     ジャーナリスト林克明
                     弁護士 杉浦ひとみ
                     同   日隅一雄
                     同   田場暁生

      緊急公開質問状

2008年3月3日
                     
石破茂防衛大臣殿


                     市民有志一同(末尾名簿添付)



 イージス艦あたごの漁船衝突事故は、事故そのものの重大性のみならず、自衛隊による情報隠しという市民にとっては重大な関心を抱かざるを得ない事態を招いてしまいました。特に、事故直後に、吉川栄治海上幕僚長が、当直士官であった航海長をヘリコプターで防衛省に呼び寄せて事情を聴取したこと、その事実が明らかにされないまま事態が進行したことは非常に問題があると考えております。

 そこで、この件について、次のとおり質問します。

 増田好平防衛事務次官は、2月27日、記者会見において、事故直後に貴殿を含む約10名が航海長から事情聴取をした際の状況について、記者との間で以下のようなやりとりをしています(http://www.mod.go.jp/j/kisha/2008/02/j_27.html)。

◆◆記者会見からの引用開始◆◆

Q: でも今までのご説明だと、航海長の話したことで記憶に残っていることもなく、表情しか覚えてない。いくつか質問があったけどそれも覚えてない。ただ、口裏合わせがなかったことだけは間違いないですね。それは説得力に欠けないですか。


A: そういうご指摘はやむを得ないかなと思います。私の記憶を正直に話をしていて、そういうことが説得力がないと思われるのであれば、私の不徳の致すところと言いますか、能力がないということかなと思います。
◆◆記者会見からの引用終了◆◆

 上記やりとりからは、増田次官が虚偽を述べているとしか思えません。もし、真実を述べているのであれば、重要な事情聴取について記憶することもできない能力不足者ということになり、ただちに、増田氏を次官職から解任するべきだと思われます。

 自衛隊法は第58条で、「隊員は、常に品位を重んじ、いやしくも隊員としての信用を傷つけ、又は自衛隊の威信を損するような行為をしてはならない。」と定めています。増田次官の発言が虚偽だとすれば、この規律に違反していることになります。そして、自衛隊員の規律違反については、「何人も、隊員に規律違反の疑があると認めるときは、その隊員の官職、氏名及び規律違反の事実を記載した申立書に証拠を添えて懲戒権者に申立をすることができる」ことになっています(自衛隊法施行規則第68条)。


 私たちは、この懲戒申立を検討中ですが、貴殿から、下記質問について、真摯なご回答をいただけるのであれば、懲戒申立をすることは差し控えたいと思います。ご回答については、3月10日までに弁護士日隅一雄(東京共同法律事務所)に届くようお願いいたします。

       記

1 増田次官が上記記者会見において、事故直後に貴殿を交えて行った事情聴取の内容について、増田次官に記憶がないのは事実ですか。もし、事実だとすれば、増田次官は記憶する能力が一般通常人よりも劣っているのですか?

2 増田次官に記憶がないのが事実ではないとした場合、なぜ、増田次官は記憶がないと答えたのでしょうか?また、記憶にあった事実とはいかなるものなのでしょうか?


3 貴殿は、増田次官が上記記者会見で記憶がないとの発言をしたことについて、何らかの処分を行われる予定ですか?処分を行う場合、処分を行う期日はいつになりますか?処分を行わない場合、行わない理由は何でしょうか?自衛隊法42条3項及び同法46条2項をもご考慮の上、その理由をご回答ください。


 以上の質問について、貴殿のご回答をお待ちしております。もし、真摯なご回答のない場合には、増田次官に対する懲戒申立を行うこととなりますので、あしからずご了承ください。

 本件についてのご回答及び問い合わせは、弁護士日隅一雄までお願いいたします。
                              以  上
◆   ◆   ◆   ◆

よろしくお願いします!!

愛国者に告ぐ~傲慢な米カリフォルニア州に抗議をするよう法曹三者に申し入れよう!

2008-03-02 14:19:58 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 朝日新聞3月1日付夕刊によると、【米国ロサンゼルス市内で81年に妻を殺害したとして元雑貨輸入販売会社社長、三浦和義容疑者(60)が逮捕されたことがわかって1日で1週間。同市があるカリフォルニア州では、04年の州法改正で、米国外で判決が確定した容疑者の再訴追が可能なことをはっきりさせていたことが分かった】という。すなわち、【改正前は「米国内の他州や他国で有罪または無罪判決を受けた場合は」訴追できないと定めていた】が、【02年にロサンゼルス郡保安官が殺害されてメキシコ人容疑者がメキシコに逃亡する事件が起きたことから、法改正の機運が高まり、04年9月に改正法が成立。条文から「他国」が削られた】というのだ。

 あまりに傲慢な態度。他国の司法をまったく信頼せず、自らがどこまで追いかけて、自らが罰しないと気が済まない…。まさに、アーノルド・シュワルツネッガー州知事の有名な台詞、"I'll be back."(ターミネーター)を現実にしたような法律だ。

 とりあえずは、最高裁長官、検事総長、日弁連会長という法曹三者がカリフォルニア州検察及び州法を定めた州議会に対して、日本の司法をないがしろにするような捜査を直ちに中止するよう共同声明を発するべきだ。

 もし、このまま放置したら、日本は米国の属国であることを認めることになる。

 愛国者を自認する者全てが、米国に抗議をするべきだ。もし、法曹三者が抗議声明を出さないならば、法曹三者にも抗議をするべきだ。

 米国はもともと、そんな傲慢な国ではなかった。

 自由の女神の台座に刻まれた詩人エマ・ラザルスの詩には次のように書かれている。

「疲れ、貧しい人たちを私の元に送りなさい。
自由の空気を熱望する人たちを身を寄せ合う哀れな人たちを、
住む家もなく嵐にもまれし人たちを
私の元に送りなさい。
私は黄金の扉のところで灯を掲げています」
(US万次郎:http://www.usmanjiro.com/63_306_2170.html

 米国は変質してしまった。特に冷戦集結後、怖い者知らずになり、米国民であらずば人にあらずということになってしまった。

 一度引用したが、国際刑事裁判所規程20条には、「いかなる人も、本裁判所によってすでに有罪とされまたは無罪とされた第五条に定める犯罪について、他の裁判所において審判を受けないものとする」と明確に書いてある。国際刑事裁判所は、人道に対する罪など非常に重大な事件を対象とするものだが、そうであってさえ、一事不再理は国際的に承認されているわけだ。

 米国は、そのような国際的なルールを完全に無視している。

 愛国者諸君、米国の傲慢ゆるすまじ、大いに抗議しようではないですか!

 "Hasta la vista, baby."


 ※写真は州知事公式サイトより








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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1月17日にはNPJ/PEOPLE’S PRESS設立記念集会を開催し、多くの方に来場いただきました。ありがとうございました。近く、生中継していただいたアワープラネットTVでオンデマンド放送される予定です(http://www.ourplanet-tv.org/whats/2008/20080117_17.html)。