情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

サミット取材の入国で16時間留め置き~その間食事なし:小倉利丸教授

2008-06-30 15:50:42 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
小倉利丸教授が、成田空港で16時間も!足止めを喰らった香港のジャーナリストについてレポートしているので、緊急転載します。おかしいことはおかしいと言わないと世界標準からどんどん遅れていく…。

-----(以下引用)--------------------------------------------------------

困ったものだ。

洞爺湖サミットの取材に行った香港人の友人3人が成田空港の入管で16時間拘束された。

彼らはインターネットをベースにした独立系メディアInMediaの記者たち。

問題点は、飛行場の入管で洞爺湖サミットの取材で洞爺湖に行く旨、滞在予定で答え たら、別室に連れて行かれたのだが、その連れて行き方が1人に対して2人の係官が彼らの両腕をつかんで、引きずっていかれたと言う。香港への一報は「逮捕された」と言ってきたが、そういう連行のやり方は香港では現行犯逮捕の時にのみ許可された方法だから。

2つ目の問題点は、16時間の間、食事の提供がなかったこと。翌朝になって、何度も言 ったところ、自費で買うことを条件に係官が買ってきたそうだ。

3つ目の問題点は、16時間かけて聞かれた事はほぼ2点。洞爺湖周辺でデモをする予定 なのか、何か破壊活動をする予定なのか。彼らの話ではとにかく係官の英語はひどく分かりにくい英語で、2日目の朝からはやっと通訳をはさんで質問されたそうだ。

4つ目の問題点は、彼らの荷物を勝手に没収した上、中を調べた事。特に、記者なので いろんな取材ができるよう、事前に決めた日にホテルを予約したりしていなかったそうだが、ホテルの宿泊に十分な費用を持っているかどうか執拗に調べられたようだ。

5つ目の問題点は、事前にも事後にも「なぜ質問される必要があるのか」まったく説明がないということ。この辺は、何事にも説明を要する香港社会のほうで大きく関心を呼び、新聞にも大きく書かれている。

翌日の昼過ぎ、1時半にいきなり『上陸許可』がおり、釈放されたとのこと。

このような扱いに対して、香港の保安局から照会の問い合わせが駐日中国大使館経由で日本の当局に行っているとのこと。また、香港政府は駐港日本領事館にも問い合わせをしているようだ。

日本を訪問する『お客様』にあまりにもひどい扱いではないかと思う。しかも彼らは記者である。そのまま体験した事をニュースとして流し始めている。

確かに地上チャンネルを持つような大きな商業メディアではない。しかし、職員から ボランティアまで地道に取材をこなす独立メディアの影響力は香港ではそれなりに大きい。

去年、取り壊しがほぼ決まっていたクィーンズ波止場という歴代の香港総督が着任の 際に使っていた船着場の保存を訴えかけ、保存運動につながり、政府は政策決定を変 更し、その波止場の歴史的価値を認めた上で、保存を決めている。実際、今年から歴 史的建築物の保存に対する予算も計上されている。また、最近でも香港の時代廣場 (タイムズスクエア)ビル横の『公共空間』として使用することを条件に政府が払い 下げた土地を使って商品のプロモーションなどに場所を有料で貸し出していた管理会 社に異議を唱え、手品や弾き語りなど、その広場での大道芸を行う市民とそれを取り 囲む管理会社の警備員を報道し、『公共空間』の定義を巡って議論が深まり、香港政 府は最高で土地の返還を含む、契約違反で管理会社を刑事告発することになったのだ が、その背後に地道な取材をし、それが元で商業メディアも動かした、独立メディア の働きがある。

今回の事でも、香港の新聞は拘束された友人の名前をそのまま報道した。独立系メディアの記者でも香港人なら彼の名前をたいてい知っているだろうから。

つい最近、成田の税関職員が訓練用の大麻樹脂を香港人旅行客のカバンの中に勝手に入れ、麻薬検査犬が発見できなかったと言う事件があった。香港では麻薬を所持していたと言う事実をもって最高で25年の懲役刑になる。しかも、本人に断りなしに他人 のカバンを空け、しかも麻薬を入れたことに香港保安局はかなりショックを受けていた。保安局は日本政府に厳重抗議すると報道されていた。

なぜなら、日本は香港人にとって最も人気のある観光地だから。

香港の入管は「Immigration Service」と書く。あくまで旅行者へのサービス業なのだ。そもそも公務員自体、サービス業のはずだ。もう少し「美しい国」を目指していただければと思う。


■引用終了■

拘束されたジャーナリストのレポートは、こちら→http://www.inmediahk.net/node/1000357
写真も拝借しました。



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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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増刷決定!~一家に一冊、「マスコミはなぜ『マスゴミ』と呼ばれるのか」を

2008-06-30 13:46:30 | メディア(知るための手段のあり方)
 「マスコミはなぜ『マスゴミ』と呼ばれるのか」の増刷が本日決定しました!皆様の口コミなどのおかげだと思っております。ありがとうございます!

 日本のメディア規制を先進国並みのものとし、マスゴミと呼ばないで済むマスコミとするよう、今後とも、この本の普及にご協力ください。
 
 よろしくお願いします!

 (何冊増刷するかは、聞かないでね)


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G8関連での入国制限続々~日本政府がいかに北朝鮮的であるかが露呈

2008-06-28 08:52:27 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 G8サミット関連のフォーラムなどに参加するために来日する人が増えているが、ここのところ、スムーズに入国できないケースが目についてきた。単に、しつこく審査をして入国に手間取るというだけでなく、滞在期間を不当に短くされてしまうケースが出始めている。たとえば、会議と次の会議との間に4、5日間の「空白期間」があるというだけで、後の会議までの滞在が認められない、つまり間の4、5日間の予定が明白でないと「空白」以降の滞在を認めないという扱いがなされているのだ。

 観光目的などで入国する短期滞在の滞在許可期間は、活動の期間等に応じ、15日、30日又は90日とされるのが通常だという。しかし、「空白」以降の滞在が認められてない人は、もともと15日未満の滞在しか予定していないのだ(「空白」期間後の会議を含め15日未満)。

 観光目的で入国する人に、「あなたの観光の旅程表を見せろ」なんて言ったら、日本に観光に来る人は一気に減るだろう。というか、旅程表が細部まで決まっていない人は入国させないって、まるで、北朝鮮並みの外国人環視状況ではないだろうか。

 それと同じことを、サミット関連の会議などに参加すること目的に入国しようとする人に行っているわけだ。恥ずかしくて、日本の有権者だと名乗ることすらできない。

 日本政府は、G8サミットに参加する権利はない。先進国と名乗る資格がないからだ。


【関連ニュース】
「先進工業国の責任の自覚を」世界平和アピール七人委員会がG8各国首脳らにアピール

  世界平和アピール七人委員会は、来月北海道洞爺湖畔で開かれる 「先進国首脳会議」 (G8サミット) に向けた 「北海道洞爺湖サミット参加国首脳への要望」 をまとめ、各国大使館、代表部を通じて首脳に送るとともに、27日午後6時から、武者小路公秀、井上ひさし、小沼通二の3委員が記者会見し、アピールを発表、記者の質問に答えました。

  アピールでは、G8首脳に、グローバル経済の拡大のもとで、「価格高騰や食糧不足が現実化し、国家間でも各国内でも経済的社会的傘が広がり、社会不安や軍事紛争の危機を招いて」 いると指摘。「先進工業国の責任を自覚し、問題の根幹を捉えた的確な決定を」 と訴え、「地球環境の保護、国際金融の規制ルール、国際的な人権の擁護、核兵器の禁止などについて積極的な決定」 について期待を表明するとともに、 ① 環境対策は弱者の視点から ② 「反テロ」 に名を借りた戦争や人権の抑圧に反対する ③ 核兵器保有国は削減義務の履行を-の3点をポイントに要望しています。
 
(続きは、NPJ:http://www.news-pj.net/request/2008/sekaiheiwa-20080627.htmlで)
 
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「中立」新聞の形成~朝日新聞と政府の密約

2008-06-27 06:37:43 | メディア(知るための手段のあり方)
 一度紹介した有山輝雄さんの「『中立』新聞の形成」には、朝日、毎日という現在の日本の比較的、監視機能を果たしていると思われる全国紙の恐ろしい出自について詳細に紹介してある。「中立」の意味を考えるためにも、ぜひ、お読みください。

 同書によると、朝日新聞は、1870年台後半から1880年台前半にかけて盛り上がった自由民権派新聞の反政府的言論に対抗するために、政府が考えた言論制作によって生み出されたという。

 半官の新聞に補助金を与えて育成し、これらの新聞には政府を直接代弁させるのではなく、場合に応じて「沈黙の自由」を認め、外面での中立性を維持させるという高等政策だったという。公然たる政府御用新聞は、その定評のゆえにかえって影響力の限界があり、一見不偏不党的立場をとっている新聞を陰から育成することによって、「人心」を効果的に「教導」しようということだったらしい。

 そこで、目をつけられたのが、1882年当時、大阪では一日2万部を発行し、最大の部数を誇った「朝日新聞」だったという。部数は出ても、経営困難な状況にあった朝日に対し、1万5000円の借入金の返済を政府が行うこととなり、また、朝日新聞の株も間接的に所有したらしい。

 そして、当時の共同社主である上野理一の書簡に政府との密約について触れてあるという。「我社の新聞紙に記載するところ勤王すなわち官権主義を固執するといえども表面政党に関せず中立を仮粧してもって間接に我党論を主張あるいはこれを弁護し傍ら反対論者あるいは民権家の暴説を駁撃する」などと書かれているという。

 そして、内部に向けては、「朝日新聞執務規程」を配布した。その1条には「政府の法律に悖らず、世上の報道を怠らず、他の浮説劇論に雷同せず、公平無私にて勧善懲悪の旨に則り、人智を開導し、努めて弊風を矯正し、実益を興起せしむる等の精神を以て、新聞の編纂を掌る」と「公平無私」であることを求めたという。

 この「公平無私」は、真の意味での公平無私ではなく、「公平無私」からの「民権家の暴説」批判は、政府御用言論以上に効果的な民権家批判の言論となったというのだ。

 ああ、日本の言論はずっとこうだったんだなぁ…と改めて認識させられる。
 
 その後、朝日新聞は経営が安定したため政府からの出資・援助を受ける関係を解消し、密約も破棄したというが、その時点では、もはや「不偏不党」新聞が新聞界の大勢となり、中立新聞の育成の必要もなくなったと著者の有山輝雄さんは分析している。

 「不偏不党」、「中立」という美辞めいた報道指針は、お上の言うことについても批判せず伝えるという、いわば、政府公報化への指針に過ぎない。

 政府と密約をしたとされる村山家の朝日新聞株がテレビ朝日へ移ったことは、本来クロスオーナーシップの観点からは許されないことだが、上記の歴史的経過からすれば歓迎すべきことなのかもしれない…。

 このエントリーは朝日新聞批判ではなく、「中立」新聞が大勢となり、政府批判の牙を抜かれた歴史的事実を紹介するためのものです。

 インターネットの言論が、「中立」化させられないためにも、ぜひ、本書の一読を!






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サミットを取材しよう~市民メディアのためのセンター3つが30日オープン!

2008-06-26 12:49:12 | メディア(知るための手段のあり方)
 2008年7月7日から9日にかけて北海道・洞爺湖で開催されるG8サミットを市民メディア・独立メディアが取材するための拠点となる3カ所のセンターが30日にオープンする。G8メディアネットワーク(http://g8medianetwork.org/)とG8市民メディアセンター札幌実行委員会(http://imc-sapporo.blogspot.com/)と協力して設置するものだ。メーンストリームメディアが伝えないサミットを巡る情報が流通することを期待したい。

3つのセンターは以下のとおり。

・市民メディアセンター天神山(地下鉄澄川駅徒歩10分)
  取材・編集の拠点となるほか、メディアに関するワークショップ
  や交流事業をおこないます。ラジオスタジオも設置されます。

・市民メディアセンター西18丁目(地下鉄西18丁目駅徒歩10分)
  ビデオ編集、web記事制作などの拠点となります(事前登録による
  団体使用のみ)

・市民メディアセンター北海道大学(札幌駅徒歩10分)
  NGO・市民団体による記者会見場を設置するなど、G8関連
  イベントの情報提供も行います。クラーク会館内。


 なかなか、個人ではニュースの情報発信は難しいが、このセンターがあれば心強い。

 使用したい方は、事前に申し込んでください→http://g8medianetwork.org/domesticreg

 時間があればぜひ行きたいのですが…。



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NPJのパンフレット完成~7月22日には「マスコミはなぜ~」の勉強会も

2008-06-25 14:09:24 | メディア(知るための手段のあり方)
 「市民、ジャーナる。弁護士、記者になる!」のキャッチフレーズを掲げて活動しているNPJ(News for the People in Japan)のパンフレットが完成しました。一口2000円の賛助会員のご案内もしております…というか、そちらがメーンです。

 ちなみに、7月22日午後6時半~8時半、池袋芸術劇場小会議室7で、「マスコミはなぜ『マスゴミ』と呼ばれるのか」の勉強会が行われます。詳細は、NPJのウェブサイトにて掲載予定です。



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-法相を「死に神」と言ってなぜ悪い-橋本勝の政治漫画再生計画第127回

2008-06-24 12:21:27 | 適正手続(裁判員・可視化など)
【橋本勝さんのコメント】
 朝日新聞の夕刊の素粒子というコラムが、鳩山法相を「死に神」と風刺したものの、法相や読者からの批判で、情けない弁解をすることに。風刺漫画を生業とする私としては、そのヘッピリ腰ぶりは腹ただしい。これではマスコミがマスゴミと言われるのもいたしかたないというもの。風刺というのはクスグリやおちょくりの次元でやるものではない。事の本質をズバリえぐりだすもの。
 「死刑執行の多さをチクリと刺した」という次元で終わっているから鳩山法相の抗議にヘナヘナと腰砕けになるのだ。死刑という国家による合法的殺人に、賛成なのか、反対なのかを問いつめたうえで、風刺表現に挑むべきなのだ。死刑に対する姿勢をあいままにしたままで、表現の方法や技量を磨いたってしょうがない。
 私としては、今回処刑された一人である宮崎死刑囚に対しては、4人の幼女を陵辱し殺し、しかも被害者の家に骨を送りつけると言うことをした彼の罪は絶対に許しがたい、激しい憎悪さえ覚える、だから死刑もやむなしとさえ思う。しかし、私はそれでも彼を死刑にすべきではなかったと考える。国家といえど殺人は許されない。死刑制度は廃止すべきである。この両立しがたい難問に、安直な答えは出しにくい、そこに風刺という表現の存在理由がある。
 凶悪な犯罪のもつ「毒」、そして国家が殺人をするという「毒」、この相反しぶつかりあう二つの「毒」が投げかける重くて深い問いに対しては、風刺のもつ「毒」こそが必要とされる、と切に思うのである。


【ヤメ蚊】
 自分が法務大臣のときには死刑を執行をしないという判断をすることだってできるのに、次から次へと死刑台に送り込んでいるんだから、「死に神」と言われたって仕方ない。当然だ。いかにも「職務」だというイメージで話すが、執行しないという判断も法務大臣としての職務だともいえる。
 都合のよいときには法に従わなければならないといいつつ、情報公開などについては法に従わない…そういうダブルスタンダードを許すわけにはいかない。
 鳩山さん、あんたは「死に神」だよ。



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逮捕の必要性について疑問を呈する社説も~グリーンピース鯨肉告発問題

2008-06-23 09:20:42 | メディア(知るための手段のあり方)
 新潟日報が、グリーンピースのメンバーに対する逮捕について疑問の声を上げた。本来、逮捕しないで取り調べることが原則であることを踏まえると同じような疑問がわき起こってくるはずだ。

 刑事訴訟法の条文を素直に読むと、その条文と現実の乖離に驚かされる。国際的に、拷問だと批判される状況を国内問題だと無批判に受け入れていいのだろうか…。

 市民の「抵抗」の自由の範囲を拡張することは、メディアの表現の自由の拡張にもつながるはずだ。

 新潟日報の「正論」に続く記事を期待したい。




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泥のケーキを食べさせて平気な人々~サミットがもたらした格差世界

2008-06-23 07:42:51 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 東京新聞は6月23日から「食糧戦線 危機の実相」というタイトルでの連載を始めた。初日はハイチが食べ物の生産から消費までの構造を変えられたうえ、外資撤退による元農民の失業、新しい主流の主食である米の暴騰などによって生じた悲惨な事態が紹介されている。

【泥を練って乾かした「ケーキ」が売られていた。一枚2.5グールド。】【地元住民は輸出用の顔料と説明。食糧危機悪化後、食料品と並んで売られるようになったという。】売り子は、【「一日2、30個売れる。水と一緒に胃に流し込むと、空腹感がなくなるって聞いたわ」と恥ずかしそうに答えた。】

 世界銀行の調査によると、貧しい国への援助には利息がついて返済額が膨れあがり、1年単位では貧しい国からの返済額の方が貧しい国への援助額を上回る状況が続いているという。

 また、アフリカは1970年から2002年まで5400億ドルを借りたが、すでに5500億円を返済している。それにもかかわらず、高金利のせいで3000億ドルもの債務が残っているという。

 援助の中には、援助する側の都合でなされたものも多い。ノルウェー政府は、自国の造船業を救うために途上国へ行った船舶輸出に関する援助に関するエジプトなどが負っている債務訳8000万ドルを一方的かつ無条件に帳消しにしたという。

 消費者事件では、少し前から「貸し手責任」がクローズアップされている。貧しい国への援助についても、国家的な「貸し手責任」を追及しなければならないように思う。

 最大の債権国日本の有権者として、泥ケーキを食べさせている責任を免れることはできないはずだ。

 画像の冊子は、アジア太平洋資料センターが発行した「280億円はたったの4日分にすぎない」というパンフレット。同センターのウェブサイト(http://www.parc-jp.org/teigen/index.html)には、「『援助』のオカネはどこ行った?~G7があえて触れないデキゴト」などの冊子も紹介されている。


 なお、週末はグリーンピースの追っかけをしてきました。夜行バスでの行き帰りは結構厳しかった。この往復で、同じ路線でもバスの新旧によって身動きがとれるのと、とれないのとがあることを発見した。夜行バスを利用されようとしている方はご注意!



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表現の自由を侵害するのは、バウネットの信頼を保護することか、NHK上層部の編集権を保護することか?

2008-06-21 10:48:38 | NHK番組改編事件
 最高裁判決によって編集権が守られたという誤解をしている方がいるので、上記のように図解してみました。あなたは、「政治家の圧力を受けた上層部の編集権」と「現場のスタッフの編集権を信頼したバウネットの信頼」のいずれを保護することが、表現の自由の保障につながると思いますか?

 なお、グリーンピースの件については後日、紹介できると思います。一言だけ書いておくならば、彼らは逮捕当日、新宿署に事情を説明するために出頭をすることにしていたところ、その直前に任意での事情聴取の機会もないままに逮捕されました。





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「抵抗権」を意識的に見直すほかない!~民主主義を実現するために

2008-06-19 06:15:21 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 「抵抗権」というと現在の憲法の教科書では半ページほどの扱いでしかない。確かに市民が自らの権利を実現するためには昔は「抵抗権」という非合法的な手段しかなかったが、徐々に体制が民主化されると、市民が自ら権利を実現する手段そのものが合法化され(たとえば、選挙による権力後退交代など)、非合法的な手段である抵抗権を発動する機会が減るため、抵抗権の役割が薄れるのは当然だろう。

 しかし、果たして、日本では、抵抗権の不要な民主的な社会が本当に実現しているだろうか?

 第1に、民主主義の根幹たる「情報の流通」、これは大きく阻害されている。
 
 ①公的文書の公開に極めて消極的。また、文書の保存期間が短い。

 ②マスメディアの報道の自由が奪われている。(「マスコミはなぜ『マスゴミ』と呼ばれるのか」参照…買ってね)

 ③ビラまきなど市民の表現の自由も奪われている。

 この状況は、先進国というには恥ずかし状況だ。


 第2に、民主主義の発動手段である「選挙制度」。これもひどい。

 ①民意が反映される比例方式を主流としていない。

 ②戸別訪問の禁止など選挙活動の自由が極端に制約されている。

 この状況も危機的だ。米国は①は同じだが、選挙運動の盛り上がり方が全く違う。


 第3に、「権力側の暴力」が放置されている。

 ①逮捕後不当に長期間にわたる身柄拘束。
 
 ②警察署での拘束。

 ③取調が録画されていない。
   ↓
  ①~③の結果としての拷問的取調

 ④刑事裁判で捜査側の証拠のうち被告人に有利なものを示す義務がない。

 ⑤死刑の存続(究極の暴力。権力の責任逃れ)

 お隣の韓国と比較しても、第1から第3に関する日本の状況のひどさが分かる。

 たとえば、全ての大メディアがお先棒を担いだ「小選挙区の導入」について、失敗だったと反省しているメディアがあるだろうか。市民に申し訳なかったと謝ったメディアはあっただろうか。そのことだけでも、日本で情報が流通せず、選挙制度に問題があるとを示している。

 そう、「抵抗権」。このような状況の日本では「抵抗権」の現代的意義を見直す必要があるはずだ。特に、情報流通分野での「抵抗権」、すなわち、内部告発や権力側の不正のあぶり出しを行う者を市民が守る必要性は大きい。

 第2次世界大戦前に東京帝国大学法学部教授となった宮沢俊義さんは、戦後著した「憲法Ⅱ」(有斐閣)で、「抵抗権」になんと41頁を費やしている。戦前、戦時の政府の独裁政治を踏まえたものだ。

 宮沢さんは、米国の独立宣言の一節

「永く存続した政府は、軽微かつ一時的の原因によっては、変革されるべきでないことは、実に慎重な思慮の命ずるところである。(中略)しかし、連続せる暴虐と簒奪の事実が明らかに一貫した目的のもとに、人民を絶対的暴政のもとに圧倒せんとする企図を表示するにいたるとき、そのような政府を廃棄し、自らの将来の保安のために、新たなる保障の組織を創設することは、かれら(人民)の義務であり、また、義務である」(義務!)

を引いたあと、次のように述べる。

「個人の尊厳から出発するかぎり、どうしても抵抗権をみとめないわけにはいかない。抵抗権をみとめないことは、国家権力に対する絶対服従を求めることであり、奴隷の人民を作ろうとすることである。しかし、抵抗権という言葉に、それが本来意味するところの、実定法を破る権利という意味を与えるかぎり、そうした抵抗権を実定法上の「権利」としてみとめることは、論理的に矛盾である。抵抗権を、単に事実上の可能性としてでなく、言葉の正当な意味における「権利」として、確立させようとすれば、その根拠は、実定法以外のところ-自然法ないし道徳律-に求められなくてはならない」

 そして、その根拠については、客観的に明白な基準を設けることはできないとして、

「個々に提起された具体的な問題に直面した各人が、まったく個人的に、もっぱら彼みずからの全責任において、それに対する答えを決定しなくてはならないもののようである」 

と述べている。

 果たして、戦後まもなくの状況と現在の状況、どちらがより民主的だろうか…。少なくともメディアに対する規制は悪化の一途をたどっている。

 人権の砦たる最高裁が、ビラまきを封殺し、政治家の圧力に屈した編集権を擁護する判断を下している今、最高裁が死刑の基準をゆるめ、法務大臣が次々と死刑を執行する今、私たちは、それぞれが「義務」に基づく答えを出すよう迫られているのではないだろうか…。

 



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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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-格差社会の殺人狂時代-橋本勝の政治漫画再生計画第126回

2008-06-18 05:41:15 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
 5月8日、秋葉原の歩行者天国で衝撃的な事件が起こった。25歳の若者による通り魔殺人事件である。たった2分間あまりの短時間に7人の命が奪われた。しかも戦闘訓練を受けた兵士でもないし、格闘術の心得があるわけでもない普通の若者である。「ダレでもよかった」「人生がイヤになった」などという理由にもならない理由で、無差別大量殺人を決行する。そのあまりの非人間性に、彼は21世紀の日本に突然現出した「モンスター」ではないかとさえ思ったものだ。だが「彼」と「事件」の詳細が分ってくるにつれ、その人間的なものがみえてきた。そして人間としての卑弱さと、愚かさに怒りを覚えずにいられなかった。彼はおそらく死刑となるだろう。そして死刑が執行される日まで、彼は死の恐怖にさいなまれ、人間の命のかけがえのなさをいやというほど実感し、自らの犯した罪の重さに震えおののくことになるだろう。そこに国家による殺人に他ならない死刑の教育的効果があるとすればなんという皮肉か。
 21世紀になり顕著になった日本の格差社会化、その非情さ過酷さ。不安定な派遣労働をするしかなかった彼が、自分を負け組みと卑下し、その閉ざされた未来への絶望があのような凶行へかりたてたということは一応理解できる。すると第2、第3、多くの「彼が」現出することはさけられない。しかし絶対に彼に共感できない。人間的にあまりに愚かで未熟と思わざるえない。彼の勉強ができたという頃の、その勉強の中身を疑わざるをえない。単なる暗記術としての勉強は人間としての賢さを生み出さない。他者に対する想像力や、やさしさ、そうした人間としての生き生きとした感受性を育んでいたら、自分への嫌悪からの自暴自棄の行為に他者を巻き込むなんてことはしなかったろう。もし彼が犯行にダガーナイフを買い求める代わりに、『蟹工船』を読むような若者であったなら、きっとあのような愚かなことはしなかったろう。


【ヤメ蚊】
 環境と資質と努力…資質も選べないし、環境も選べないなか、努力のみに責任を押しつけるわけにはいかない部分がある。資質は変えられないから環境を変えることしかない。なぜ機械化が進んでいるのに教育などに十分な人、金をあてる余裕が生まれないのか…。




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日弁連が会長選挙でインターネット選挙運動を禁止~えっ(絶句…)

2008-06-16 21:45:05 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 すみません、忙しさにかまけて日弁連総会の議案書をちゃんと読んでなかったのが悪かったんです…。5月30日に開催された総会で、何と、日弁連会長選挙規程にインターネットによる選挙運動の禁止(日弁連のウェブサイト上の記載を除く)を盛り込む決議がなされていたことを知った…。知っていたら、万難を排してでも総会に行ったのだが…(もちろん、一人出席したからといってどうなるものでもないが、少なくとも、知らないで欠席したことは本当に悔やまれる)。

 しかし、この決議には、唖然とするほかない。ウェブサイト上で候補者が自ら発言し、応援する人がそれぞれのサイトで意見を述べることは、最も安価で実りのある議論につながるのであり、国政選挙ですら解禁の方向で動いている。それなのに、最も言論を大切にすべき職業の一つである弁護士の会長を選ぶ際に、その言論を最も効果的に伝達できる手段の一つを封じ込んでしまうとは…。

 提案理由は、「これにより、候補者、会員等が独自にホームページを設ける等、歯止めのない選挙運動が繰り広げられる事態を回避し、合理的な制約の下で公正かつ平等な選挙が行われる機会を保障することができるものと考えられる」というものだ。

 この理由には説得力のかけらもない。もちろん、ウェブサイトやブログで対立候補の誹謗中傷が行われることは避けなければならないが、それは郵送やFAXの選挙チラシだって同じことだ。むしろ、郵送やFAXは見たくない人にも送りつけられるが、ウェブサイトやブログは自ら積極的に見ようと思った人しか見られないのだから、弊害は小さいはずだ。

 実は前回の選挙で反執行部派の候補者がかなりいい線まで票を伸ばした。今回の規程改悪は、インターネット禁止だけでなく、選挙運動用はがきの枚数制限も会員一人あたり5枚から会員一人あたり3枚に限定しており、執行部派が反執行部派が発信する情報を押さえ込もうとしたものだという見解もあるようだ。個人的には、そちらの方が本音だとしか思えない。

 消費者庁の設立や国連事件理事会でのロビイイングなど、現執行部が引っ張る日弁連でがんばっている人たちが多くいることは間違いない。しかし、現執行部に有利なように選挙制度を変えたのだとしたら、それは決して許されることではない。
 
 ネット禁止規定の速やかな撤廃を求める。


 

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NHK番組改編事件で最高裁に期待していたこと…夢だと分かっていても…

2008-06-16 06:27:56 | メディア(知るための手段のあり方)
 6・12判決でNHKに逆転されちまったことのショックから立ち直り切れていないのですが、あの判決に何を期待していたか、書き残しておきたいと思います。「番組内容への期待が法的に保護されるための基準」、これを最高裁が高裁よりも絞ってくるとは思ってました。期待を理由に不当な訴訟を起こさせないためには、より厳格な条件を課さなければならないという発想自体は理解できるからです。

 では、どう絞るのか。正直、現在の最高裁判所の政治的事案に関する判断は価値判断に法的なベールをかぶせているだけだということは分かっているので、最高裁がNHKを勝たせるために「番組内容を変更しないという合意がある場合のみ」という限定の仕方をしてくるのではないかという予測もした。それが現実的な予測だということも分かっていた。

 しかし、この事件を普通にながめたら、控訴審での事実認定によると、①政治家の意向を反映した編集がなされた、②通常の放送過程では考えられないような段階での編集がなされた(編集した後、放送用のきれいなテープを作ったら、もうその後は編集されることはないにもかかわらず、そのテープを直接ぶつぶつカットした)という特異な事実があることが浮き上がってくる。

 ここまで特殊なケースは通常考えられない。

 他方、政治家に圧力を加えられた編集権を守る必要はなく、NHKを負かせることこそがNHKの番組編集の自由を実現することになるということも明らかだ。

 そういう価値判断のもとで、上述の①と②の条件をうまく使えば、期待が法的に保護される基準を絞り込みつつも、今回の事件では、NHKの責任を問うことができる…そういう期待も密かにしていた。

 結果的には冷静に予測したとおりの判決とは言えるが、その予測は「今の最高裁ならば」という条件付きの予測であり、素直にこの事件を判断した場合には、何らかの形でNHKに責任を負わせるべきだったことは間違いない。

 報道機関の内部的自由(現場記者・スタッフの表現の自由)の保障への途を大きく切り開くことができる事案だっただけに、本当に残念だ。実はこの内部的自由に関連するコメントがあるかどうか、あるとすればどのようなものになるか、個人的にはそこに最も関心があった。

 新聞の黎明期にあって、有力実業家が大阪毎日新聞を「政治的に中立な実業新聞」として発刊する際、政治的に一家言を持つ柴四郎(冒頭の写真)を主筆に招くにあたって、経営陣と主筆間で、主筆の編集権を限定しつつ保障する特約を結んだという(「『中立新聞』の形成」より)。

 黎明期の多事争論ぶりがうかがえるエピソードであるとともに、今回の最高裁判決の水準を示すエピソードだともいえるのではないだろうか…。

 さぁ、新しい週を迎えたし、頑張んべ!



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安倍秘書がSLAPP訴訟で和解~「ジャーナリストが危ない」より

2008-06-15 11:38:49 | メディア(知るための手段のあり方)
 一度紹介したことがあったはず…と思いつつ、見つからないのですが、テレビ朝日「サンデープロジェクト」での朝日新聞記者の「日興證券には安倍事務所にすごい強い常務がおられて、その人が今度これをやって将来社長だなんていう噂がね、ありますよ」という発言について、①安倍晋三首相(当時)ではなく、安倍事務所の秘書3人が、②テレビ朝日ではなく、朝日新聞と発言した記者を相手にして、名誉毀損で訴えた事件は、今年2月には和解が成立していたらしい。田島泰彦教授らが出版した「ジャーナリストが危ない 言論の自由を脅かす高額〈口封じ〉訴訟」に掲載されていた。

 改めて、安倍氏の首相としての資質のなさを感じさせる結末だといえる。

 そもそも、この事件の請求額は、3300万円。死亡時の慰謝料を上回る金額であり、そのような請求が到底認められないのは明らかだ。

 しかも、請求の根拠が面白い。

 【山田氏の発言は、「あたかも『安倍事務所に影響力のある日興證券の常務が同事務所の秘書らに働きかけて、本来日興コーディアル証券は上場廃止になるべき事案であったにもかかわらず、同事務所の秘書らによって上場廃止が防がれた』」という印象を一般視聴者に強く与えるものだが、これは全くの事実無根であり、原告らの社会的評価を下げたとする】というものだ(前掲書60頁)。

 安倍事務所に強いっていうのは、安倍首相(当時)への影響力があるという意味であって、安倍事務所の秘書に影響力があるという意味ではないことは当然だ。一般視聴者がそこを間違えるはずもない。

 それにもかかわらず、秘書に訴えさせたわけで、それだけで本来なら首相を辞めるべき愚行だといえよう。

 しかも、テレビ朝日での発言なのに、朝日新聞を訴えるという馬鹿さ加減にはおそれいる。

 結局、本年2月、最終弁論ののちに裁判官から和解がすすめられ、記者の側が、「発言の中に秘書らが誤解する表現があったとしたら、遺憾であると表明する」という趣旨の一札をいれ、秘書らは訴えを取り下げたという。

 誤解する表現があったとしたら、という表現なので記者側の全面勝利といえよう。

 前掲書にはほかにも恫喝訴訟が紹介されている。ジャーナリストの皆さん(組織ジャーナリストを含む)は、ぜひ、ご一読を!
  





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