情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

「NHK番組改変裁判記録集」、どうどうの1万2600円!~買うてとは言わん、図書館で申し込んで!

2010-12-06 02:45:38 | NHK番組改編事件
 先日、【組織ジャーナリズムのあり方が問われたNHK番組改変事件から10年経ったのを機に、改変された番組のテーマとなった「女性国際戦犯法廷」を共催したバウネットが訴えた損害賠償請求訴訟の全容を明らかにする書が2冊、発行される】ことを報告し、その第1弾として、NHK裁判評価集『暴かれた真実 NHK番組改ざん事件―女性国際戦犯法廷における政治介入―』(現代書館)の発売開始と画像を紹介した。

 その際、予告していた、「NHK番組改変裁判記録集」がとうとう完成した。値段は、どうどうの1万2600円。説明したとおり、訴訟をできるだけ再現しようとしたもので、証人尋問が調書そのまま掲載されているだけでなく、証人尋問で証人に示された証拠もほとんどが掲載されている。このような本が市販されたことはかつてないのではないだろううか。

 ぜひ、一度書店で手に取った上、地元の図書館に購入を依頼してほしい。前回も書きましたが、「尋問マニアはぜひ、ご購入を!」


 評価集「暴かれた真実 NHK番組改ざん事件―女性国際戦犯法廷における政治介入―」も、いまなら話せる裏話なども掲載されており、値段もお手頃なので、こちらはぜひご購入を!

 NHKがいかに、自民党政権に支配されていたのかが、よくわかる。

 でも、その支配は、支配される側の経営陣も癒着の構造から自らの出世という恩恵を受けていたわけだ。

 考えてみると、日本の米国に対する隷属関係も、自民党政権はその隷属によって長期政権維持ができたのだから、同じような構造だ。

 日本の社会は、そういう隷属関係をよしとして受け入れてきたのかもしれない。

 しかし、これからは、ウィキリークスに代表される情報の流通、政府の行動の透明化によって、その隷属関係が改善されるのではないだろうか。









【ツイッターアカウント】yamebun


●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●

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【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから


【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.

Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.

Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.

Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8

 


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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて:Gilbert's Nuremberg Diary)
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表現の自由を侵害するのは、バウネットの信頼を保護することか、NHK上層部の編集権を保護することか?

2008-06-21 10:48:38 | NHK番組改編事件
 最高裁判決によって編集権が守られたという誤解をしている方がいるので、上記のように図解してみました。あなたは、「政治家の圧力を受けた上層部の編集権」と「現場のスタッフの編集権を信頼したバウネットの信頼」のいずれを保護することが、表現の自由の保障につながると思いますか?

 なお、グリーンピースの件については後日、紹介できると思います。一言だけ書いておくならば、彼らは逮捕当日、新宿署に事情を説明するために出頭をすることにしていたところ、その直前に任意での事情聴取の機会もないままに逮捕されました。





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NHK橋本会長は、上告費用を明らかにせよ~番組改編事件上告申立は経営委員会に無断だったことが発覚!

2007-04-15 23:07:54 | NHK番組改編事件
 先日、日本放送協会第1040回経営委員会議事録(平成19年3月27日開催分)が、NHKのウェブサイト(←クリック)で公表された。それによると、NHKは番組改編事件の控訴審で敗訴した後、直ちに上告したが、上告について、経営委員会に諮っていなかったという。上告審の費用は弁護士費用や鑑定費用を含むとかなりの高額となっていることが予想される。これって、「皆さまの受信料」の無駄遣いでは…?!

ウェブサイトに掲載された問題の部分は次のとおり。

■■引用開始■■
(小林委員)
 “約束”の中に「報道」という言葉がないという菅原委員のご指摘はもっともだと思いますし、報道に関して、やはり一番問題なのは、保委員がご指摘になったETV問題の対応だと思います。これに関する不信感がますます強くなっていると感じています。ETV裁判については、上告してしまったからには、しばらくは見守る時間も必要かもしれませんが、これについて、きちんと話し合うことが必要だと思います。また、あらためて考えてみますと、世界中が注目しているETV裁判の結果について、執行部が、経営委員会に何も相談なく上告したということは、それでよかったのでしょうか。東京高裁の判決が出てすぐに上告し、そのことが当日のニュースで放送されましたが、NHKの最高意思決定機関である経営委員会として、どのようにそれに対してかかわっていくのかという疑問が当然わいてくると思います。ですから、上告する前に相談というか、何らかの説明があってしかるべきではなかったのかと今あらためて思っております。また、昨年3月31日に公表した「新放送ガイドライン」でも冒頭部に自主自律を明示していますので、その点からも、今回上告したことについては、それなりの説明があってしかるべきだと思っています。

■■引用終了■■


委員も、今回の上告について、報告なくしてなされたことに不快感を表している。当然のことだ。

NHKは、不祥事などについて反省したと述べてはいるが、相変わらずの独断専行ぶりだ。

放送法によれば、「会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する」(26条1項)とされており、番組改編事件のように社会的に注目を集めている事案について、経営委員会の意見を聞いた上で判断しなければならなかったことは明白だ。橋本会長は、NHKが上告審で負担することになる全ての費用を明らかにするとともに、そこに合理性がない場合には、直ちに自らの資産で補填しなければならないのではないか?











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あるある捏造事件は放送規制を導入するための捏造事件だった?!~NHK事件判決は表現の自由を侵害しない

2007-02-15 02:55:01 | NHK番組改編事件
 菅義偉総務相がはしゃいで、あるある捏造問題などの不祥事再発を防止するため今国会にも関係法令の改正案を提出するよう事務方に指示したことを明らかにするのが当たり前かなと思えるほど、番組捏造問題のニュースが氾濫している。このような流れを見ると、まるでテレビ局規制をもたらすために、あるある問題が持ち上がったかのような思いすらする。

 まぁ、少なくとも、フジテレビ系の問題を週刊朝日に流すこと自体、権力側が考えそうなことだ。このあるある騒動で利益を得たのは安倍・中川コンビだ。NHK番組改編事件なんて、あるあるを発端とする捏造事件の一つにしか過ぎなくなってしまった。あのままNHK番組改編事件に焦点があたっていたらさらに安倍は窮地に追い込まれたのではないだろうか。

 あるあるがフレームアップされる一方、NHK事件判決については、報道の自由を侵害するおそれがあるなどという記事が書かれ、それが正しいかのような誤った解釈が流布している。しかし、判決を読み込めば、そのような心配がないことは容易に理解できる。少し長くなるが判決を検討してみたい。

 判決(←クリック)は「法的保護に値する期待の侵害」(期待権侵害)と「説明義務違反」の2点で、NHKらに不法行為責任(契約はない場合の違法行為による責任。契約がある場合は「債務不履行責任」という)があることを認めた。
 
 このうち、期待権侵害について判決は、まず、取材する側の編集の自由と取材される側の自己決定権を調整するために、通常、取材された者の番組内容に関する期待は法的保護の対象(損害賠償の対象)にはならないが、「取材対象者が取材に応ずるか否かは、その自由な意思に委ねられており、取材結果がどのように編集され、あるいはどのように番組に使用されるかは、取材に応ずるか否かの意思決定の要因となり得るものであり、特に【ニュ一ス番組とは異なり】、本件のようなドキュメンタリー番組又は教養番組においては、取材対象となった事実がどの範囲でどのように取り上げられるか、取材対象者の意見や活動がどのように反映されるかは取材される者の重大関心事であることから、このような両面を考え合わせると、番組制作者の編集の自由と取材対象者の自己決定権の関係については、【取材の経過等を検討】し、【取材者と取材対象者の関係を全体的に考慮】して、【取材者の言動等】により取材対象者がそのような【期待を抱くのもやむを得ない特段の事情】が認められるとき」に限定して、法的に保護されるという基準を示した。

 ここで、判決は、二つの限定を付している。
 ①ニュース番組などの報道番組には期待権は生じない。
 ②特段の事情がなければ期待権は生じない。

 そして、判決は、②の「特段の事情」について、②-1【取材の経過】、②-2【取材者と被取材者の関係】、②-3【取材者の言動等】という3つの要素を挙げている。本件では、②-1については、取材対象イベントの準備段階から終了までを網羅する周到な取材活動が行われたこと、②-2については、取材対象者が番組制作に協力したこと、②-3については、取材をするにあたって番組内容について書面の提示による具体的な説明がなされたことがそれぞれ認定されている。

 そして、判決は、NHKの事案について、前述した基準にあてはめて、取材を受けたバウネットには、法的保護に値する期待が生じていると認定したうえ、番組内容が当初説明されたものから大幅に変更されたことを認定し、期待が侵害されたと認めた。

 さらに、判決は、編集権について検討する。すなわち、期待権侵害を認めることが表現の自由の侵害にならないかをだめ押し的に確認しているのだ。判決は、取材開始から約3か月にわたる取材・編集の過程では、説明通りの番組を作成するべく作業が続けられていたのに、番組放送開始4日前になって、突然、NHKの放送部門幹部が「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」所属の国会議員の示唆に基づいてわざわざ安倍晋三の元を訪れ、安倍が持論を言ったうえ、公正中立にするよう指導したことを契機に、4日間で大幅に番組が当初の説明とは違う内容の番組に改編された事実について、「編集権の放棄」と認定したうえ、そのような場合には編集権の濫用・逸脱であり、編集の自由の範囲内のものであると主張することは到底できないと認めた。

 つまり、判決は、期待権が保護される要素として、③編集結果が編集の自由の範囲内のものであると主張することが到底できないこと、を挙げている。

 これでもこの判決が編集権を侵害すると思いますか?

 例えば、(1)政治家の不正を追求する目的だったが、それを隠して取材した場合、(2)政治家の功績を取り上げようとしたが、功績を取材する過程で政治家の不正が発覚したため、急遽、不正を取り上げる番組を制作した場合、これらはいずれも、政治家の期待は法的保護の対象にはならないのだ…。

 あるあるを捏造だと批判するなら、捏造させた安倍にはそれ以上の批判が浴びせられるべきだ。 
  






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NHK裁判報道で見落としてはならないこと~マル激トーク・オン・ディマンド 第306回

2007-02-12 20:36:23 | NHK番組改編事件
独立系メディアとして高いレベルを備えている日本ビデオニュースがNHK番組改編事件を取り上げた。ジャーナリズム論を専門とする山田健太氏による判決解説だ。今回の事件の本質、判決の意味について分かりやすく話している。

http://www.videonews.com/charged/on-demand/301310/000985.php

1ヶ月500円の視聴料が必要だが、こういうメディアが伸びていくことが大切だと思う。お金に余裕のある人はいますぐ会員になってほしい。ふところが厳しい人は、1ヶ月だけ会員になって山田氏の解説などご覧頂きたい。

特に、NHK自らのHP(←クリック)を利用して、「ETV裁判の控訴審判決について」というタイトルでいきなり、【『政治家による介入がなかった』とした点は、NHKの主張が認められた】という出だしで始まる政治介入丸出しのコメントを発したNHK会長との見識の違いをかみしめてほしい。

■■日本ビデオニュースのHP引用開始■■

東京高裁は先月29日、NHKに対し、不当に番組内容を改編して精神的苦痛を与えたとして、女性国際戦犯法廷を主催した「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(バウネット)への200万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。
 この裁判の結果についてはメディア各社がそれなりに大きく紙面や時間を割いて報じてはいるが、期待権や編集権に関わる諸問題が大きく取り上げられている割には、どうも歯切れが悪い点が一つ目につく。それは、結果的に裁判では明らかにならなかった、「政治介入の有無」と「そもそもなぜNHKは政治介入を許してしまうのか」という最も基本的な問題だ。そこをきちんと検証しなければ、この問題は単に「取材者は取材協力者にいたずらに期待を持たせるようなことを言ってはいけませんよ」という取材上のマナーを一つ規定したに過ぎないものに矮小化されてしまう恐れがある。
 この裁判では、予算や人事を国会に握られているNHKの上層部が、「説明」と称して、大挙して有力政治家に対して陳情を行っている実態が明らかになった。そもそも国会の場で公然と議論をすべきNHK予算の中身を、なぜ事前に密室の中で説明して回ることが問題にならないのかも解せないが、本来政治を監視しなければならない立場にある報道機関が、政治家に何かを「お願い」しなければならない立場にあるとすれば、それ自体が重大な問題だ。その過程でNHKがさまざまな政治的圧力に晒されることは誰の目にも明らかだからだ。今回の判決では具体的な圧力の存在までは証明されなかったとなっているが、それはそもそもこの裁判の中心的な争点ではなかったし、それが裁判では「具体的」には立証されなかったからといって、あたかも政治的圧力がなかったとするかのような一部の報道は論外である。
 今回名指しをされている安倍晋三氏や中川昭一氏は、今や現職の首相と与党の政調会長という日本の最高権力者の地位に就いている。その有力政治家らによって行使されたとされる影響力が、「具体的」なものだったのか、あるいは、NHK側が「具体的ではない」政治家側の意図を「忖度」して自主的に番組内容を改編したのかの違いは、この際ほとんど意味をもたない。要は、NHKの政治に対する構造的とも言える脆弱性故に、実質的な編集権を自ら放棄し、結果として視聴者の知る権利が損なわれたこと、そしておそらく同様のことが日常的に行われているにちがいないことこそが、ここでは最大の問題なのだ。
 メディアと政治の関係に詳しい山田健太氏は、今回の問題の本質は政治の言論介入が強まる中、「メディアが過度に防御的になっており、逆にそれが権力に対する脆弱性を高めていること」であると主張する。そうした上で、「NHKは単に普遍性や中立性を謳うだけでなく、BBCのように多様性を広げる方向へ外部からの力をもって変えていく必要がある」と、この裁判の結果が具体的な行動につながることの重要性を説く。
 また、この裁判が露わにしたもう一つの問題として、山田氏は他の主要メディアがこの裁判の本質から意図的に目をそらしたかのような報道をしている、いわばメディア業界全体の体質問題をあげる。再販、記者クラブ、税制面での優遇等々、数え上げたらきりが無いほど多くの特権を享受するメディアが、知らず知らずのうちに既得権益者として完全に政治に取り込まれているのではないかとの懸念は色濃く残る。
 山田氏はまた、「強者が弱者をいじめる」かのような形で繰り広げられる昨今の高額の名誉毀損裁判の実態にも懸念を表明する。此度のNHK裁判は市民団体が巨大メディアを訴え勝訴する異例のケースとなったが、損害賠償額に応じて訴訟費用が増額する日本の裁判制度の特徴故に、政治家や大企業ばかり次々とメディアを訴え、一般市民は泣き寝入りするしかないというお決まりのパターンは、権力のメディア介入をより容易にしてしまっている。雑誌の電話取材に応じたフリージャーナリストが、オリコンから5000万円の損害賠償訴訟を起こされたケースも、その一例と言えるだろう。
 ことほどさようにメディアをめぐる環境は厳しくもあり、また深刻でもある。しかし、メディアの荒廃が市民社会全体に多大な悪影響を及ぼしていることが否定できない以上、この問題を放置することはできない。そのためにはNHK裁判で明らかになった問題を一つ一つ検証し、それを解決に向けた行動へと結びつけていくことが重要となる。
 今週のマル激では、NHK裁判が明らかにしたNHK問題とは何なのか、メディアの構造問題とは何なのか、メディアと政治の関係は今どうなっているのかを、山田氏とともに考えた。
ゲスト プロフィール
山田 健太やまだ けんた
(専修大学助教授) 1959年京都生まれ。84年青山学院大学法学部卒業後、日本新聞協会入社。06年より現職。日本出版学会理事、自由人権協会理事・事務局長などを併任。専門はメディア法、ジャーナリズム論。著書に『法とジャーナリズム』、『マス・コミュニケーション概論』など。

■■引用終了■■




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安倍のみならず、自民党も日本語が読めない~NHK番組改編事件判決をトンデモ批判

2007-02-03 03:26:09 | NHK番組改編事件
NHK番組改編事件判決について、自民党は、そのHPに次のようなまったく市民を馬鹿にしたコメント(←クリック)を載せている。

【昨日の東京高裁判決でも両議員がNHK職員を「呼びつけた」ことや「政治的圧力を加えた」ことは明確に否定され、ここにおいて朝日新聞の報道が虚偽であったことが再確認できました。
 判決は、(1)面談がNHK予算の説明であり、両議員が呼びつけたことはないこと、(2)中川議員については番組放送前にNHK担当者に意見を述べたことを認めることは困難であること、そして、(3)面談の際、「一般論として(公正・中立にと)述べた以上に本件番組に関して具体的な話や示唆をした」ことなどの事実は認められない、と明確に述べています。
 以上のとおり、今回出された判決によっても、両議員が番組内容に関して政治介入などしていないことが極めて明確になったわけであります。】

公党がこのような言い方をする厚顔無恥さには恐れ入る。今回の判決(←クリック)については、政治家として真摯に反省する必要があるのであり、免罪符のように解釈する余地はまったくない。


まず、【(1)面談がNHK予算の説明であり、両議員が呼びつけたことはないこと】について、判決は次のように認定した。

【同月25日から26日ころ, 上記担当者らは, 古屋圭司, 平沢勝栄,荒井広幸ら自民党総務部会所属の複数の国会議員を訪れた際, 本件番組に関し, 同議員らから「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」所属の議員らが一審被告NHKにおいて女性法廷を特集した番組を作るという話をしているのを聞いたけれどもどうなっているのかという質問を受け, その説明をするようにとの示唆を与えられた】(判決45頁)

当時、安倍は、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長であり、中川は代表であった。

判決は、安倍、中川が直接、NHK職員を呼びつけたとは認定していないが、間接的に、安倍、中川がNHK職員を呼びつけたことは認定したわけだ。つまり、古屋圭司, 平沢勝栄,荒井広幸ら自民党総務部会所属の複数の国会議員が、安倍、中川のところに予算説明に行く際には、【その説明をするように】と言った。だからこそ、NHKは普段予算説明に行く担当者以外に、女性国際戦犯法廷の番組の制作責任者である松尾放送総局長を安倍の説明に連れて行ったのだ。

少なくとも、公党たる自民党は、古屋圭司, 平沢勝栄,荒井広幸ら自民党総務部会所属の複数の国会議員が、NHKが制作している一番組について、放送前に説明するように求めたことについて反省をするべきなのだ。

古屋、平沢、荒井がしたことは、オウムがTBSに取材された後で、番組内容を見せるよう迫ったことと比較すれば、いかに報道の自由を害するものであったかが分かるはずだ。TBSは、オウムに放送前に番組をオウム関係者に見せたことにより次のような経過を経たうえ、担当者を厳しく処分した。

【1996年3月25日:TBSの磯崎洋三社長、坂本弁護士のインタビュービデオを、オウムの早川たちに見せたことを認める内容の記者会見を行う。
 1996年3月28日:TBSの大川前常務、衆議院法務委員会で陳謝。
 1996年4月2日:TBSの磯崎社長ら、衆議院逓信委員会に参考人招致。
 1996年4月3日:TBSの磯崎社長ら、衆議院逓信委員会に参考人招致。
 1996年4月30日:TBSは坂本弁護士のインタビューテープ問題についての社内調査概要など発表、19時00分から19時20分まで磯崎社長による社告謝罪番組「視聴者の皆様へ」、19時20分から23時00分まで検証特番「証言」を放映。ビデオをオウム幹部に見せた曜日担当プロデューサーは懲戒解雇】(ウィキペディア「TBSビデオ問題」

NHKも説明に行った松尾や松尾を連れて行った野島担当局長に対し厳しい処分をとるべきだし、自民党は、そのような行為をなさしめた古屋圭司, 平沢勝栄,荒井広幸に対し、厳しい処分をとるべきなのだ。


次に、【(2)中川議員については番組放送前にNHK担当者に意見を述べたことを認めることは困難であること】については、まさに、「困難」だと言っているだけで、そのような事実がなかったと言っているわけではない。

判決は次のように言う。
【また, 一審原告らは, 中川議員が事前に一群被告NHKに対し放送中止を求めたと主張し, 甲179の1,2によれば, 同議員は, フジテレビ番組におけるアナウンサーの質問に対し, 放送法に基づき公正に行うべきことをNHKに申し入れたと発言する等, 事前の一審被告NHK担当者との接触を窺わせる発言をしていることが認められる。しかしながら, 同議員は, 同インタビューでは平成13年2月2日に会ったことを明言しており, また, 野島の供述や伊東の陳述書(乙19) もこれに沿うのであり,上記発言に依拠して同議員が番組放送前に一審被告NHK担当者に番組について意見を述べたことを認めることは困難である。】(判決61頁)

これって、どうも事前に会ったくさいんだけど、関係者が口裏合わせているから、ちょっと事実認定することはできませんっていうことだ。

仮に、判決がそこまで言っているとは解釈できないとしても、【事前の一審被告NHK担当者との接触を窺わせる発言をしていること】は認定されており、放送の自由に関わる重大な事項については、「李下に冠を正さず」の姿勢で臨むべきであり、そのような慎重さを欠き、放送局の信頼を失わしめた中川の行為については、反省を迫るべきであることは明白だ。


そして、【(3)面談の際、「一般論として(公正・中立にと)述べた以上に本件番組に関して具体的な話や示唆をした」ことなどの事実は認められない】という点だが、正確には判決は次のように言っている。

【同月26日ころ, 一審被告NHKの政治部出身の松岡重臣総合企画室担当部長が一審被告NHKと安倍官房副長官との面談の約束を取り付け,同月29日午後,首相官邸内にある官房副長官室において, 松尾と野島及び松岡が, 安倍官房副長官と面会した。その際, 野島が一審被告NHKの新年度予算について一般的な説明をした後, 松尾が本件番組について女性法廷が素材の一つであり, 4夜連続のドキュメンタリー番組ではないとの説明をした。安倍官房副長官は, 松尾らに対し, いわゆる従軍慰安婦問題について持論を展関した後, 一審被告NHKがとりわけ求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した】(判決45頁)

安倍は、放送内容について説明を受けた後で、持論を述べて、公正中立に報道すべきだと言ったのである。順番が逆ならまだ安倍には言い訳の余地がある。しかし、安倍は、番組内容を聞いた後で、その番組について、【持論を展関した】うえ、【公正中立の立場で報道すべきではないか】と言ったのである。この安倍発言は、【NHKが放送しようとしてる番組は俺様の考えとは違う。俺様のような者のことも配慮し、公正中立なものにしろ】と解釈するほかない。安倍はNHKに圧力をかけたのだ。

だからこそ、
【 松尾は, 朝日新聞の記者に対して,「先生はなかなか頭がいい。抽象的な言い方で人を攻めてきて。 … 「勘ぐれ, お前」みたいな言い方をした部分がある」, 「力によるサジェスチョン。それを一方的に与える」等と発言し, また, 野島は自民党の言うことを聞かないと予算もゴチャゴチャ言ってこられると心配したのではないかとの質問に対し, 「それは, ないと言えばウソになる。」と答えた】(判決60頁)のだ。


自民党のHPのコメントの開き直りぶりは、柳沢厚生労働相の「子供を産む機械」発言にも通じる。しかし、このような重大な問題(新聞批判)について、松浪健四郎を座長にした委員会に検討させること自体が世間をなめている。本来であれば、座長は法律家出身議員とすべきであるはず…。それでは、思うような結論を出せないことから、法律とは縁の遠い松浪を座長にしたのだろう。

参院選で、自民党を痛いめに遭わすしかない!そのためには、いまから、この問題について、自民党に抗議し、野党に国会で自民党を追及するよう要請し、マスメデイアに自民党を批判するよう求め、このことを「風化」させないようにさせなければならない。いま、電話をかけてください。


なお、【関西テレビ放送の情報番組「発掘!あるある大事典」のデータ捏造(ねつぞう)問題で、総務省は2日、制作を外注した番組のチェック体制などについて、主要民間放送局15社とNHKからのヒアリングを7、8日に実施すると発表した。安易な外注やチェックの甘さが捏造の一因とみており、再発防止に役立てたいとしている】(共同・エキサイト)という。放送局への安易な行政指導は避けるべきだが、あるあるに指導するくらいなら、今回、編集権を放棄したに等しいとまで認定された(判決65頁)に指導してほしいと思うのは私だけではないはずだ。










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NHK番組改編事件判決書全文、NPJにPDFで掲載!

2007-01-31 23:48:45 | NHK番組改編事件
NHK番組改編事件判決については、【半面、この判決が判例として確定し、取材される側の期待権が広く認められれば、重大な副作用を持つ恐れもある。報道機関は、取材活動で権力や権限を伴う立場の人と対立する場合がある。取材される側が望まないことも必要なときに記事にできないようでは、報道機関の名に値しない。仮に、取材される側の期待権を常に念頭に置いて取材活動をしなくてはならなくなれば、自己規制の心理が働き、委縮する恐れがある。この懸念が判決の両刃の、もう一方である】などという指摘もされている(西日本)。

しかし、本件の本質は、上記西日本が、別の部分で指摘するとおり、【NHKが「自主性、独立性を内容とする編集権を自ら放棄したものに等しい」とまで言及されたこと自体である。「憲法で尊重、保障された編集の権限を乱用、逸脱して変更を行った」ことがその理由だ。報道機関としてこれほど屈辱的な指摘はない。】ということだ。

NHKは、これほど屈辱的な判決を受けたにもかかわらず、まだ、「政治家の圧力はなかったと認定された」などと、政治家の肩を持つのだから、付ける薬はない。

「News for the People in Japan」に判決全文が掲載された。

安倍の政治家としての資質を考えるとてもよい材料だと思う。








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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「安倍の圧力あったと認定」NHKOBが解説~日刊ゲンダイ

2007-01-31 08:02:40 | NHK番組改編事件
安倍がとんでもないコメントをしたNHK番組改編事件判決について、NHK政治部OB川崎泰資・椙山女学園大学教授が「判決を読めば、介入を認めていることが分かります」と日刊ゲンダイにコメントした。

コメントは、「判決では政治家の介入があったという言い方はしていないが、判決を読めば、介入を認めていることが分かります。裁判長は、『具体的な話や示唆をしたと認めるに足りない』と述べているだけ。政治家からの発言があったことは認定しているし、それで改変が行われたとしている。裁判長は相手が時の首相だから少し遠慮した、とみるのが妥当です。安倍首相は判決文の読み方も分からないのでしょうか。お粗末極まりないですね」としている。


なお、原告・弁護団の会見が日本ビデオニュースで無料放送中です。

http://www.videonews.com/press-club/0701/000970.php






★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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NHK番組改編事件画期的判決~安倍は血迷い発言、日本語が読めないのか?!

2007-01-30 07:29:19 | NHK番組改編事件
ときおり、お伝えしてきた事件で、画期的な判決が出された。【従軍慰安婦問題を巡る民間法廷を取り上げたNHKの特集番組に取材協力した市民団体が、無断で番組内容を改編されたとして、損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であった。南敏文裁判長は「NHK幹部らは国会議員の発言を必要以上に重く受け止め、その意図を忖度(そんたく)して当たり障りのない内容にした」と認定。制作会社1社だけに賠償を命じた一審判決を変更し、NHKと2社に計200万円の支払いを命じた】(日経)のだ。

この判決については、近く、詳細を述べたいが、怒りを禁じ得ないのが、安倍の対応。時事通信によると、【安倍晋三首相は29日夜、NHK番組内容改変訴訟の控訴審判決で、政治家が改変に直接介入したとの原告側主張が退けられたことについて「この判決で、政治家が介入していないということが極めて明確になったと思う」と述べた】というが、笑止。

判決は、「安部官房副長官は、松尾(放送総局長・当時)らに対し、いわゆる従軍慰安婦問題について持論を展開した後、一審被告NHKがとりわけ求められている公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した」と事実認定したうえ、「松尾は、朝日新聞の記者に対して、「先生はなかなか頭がいい。抽象的な言い方で人を攻めてきて、・・・『勘ぐれ、お前』みたいな言い方をした部分がある」「力によるサジェスチョン。それを一方的に与える」等と発言したことまでも認定している。

これって、安倍による圧力を認めているでしょう。

確かに、判決には「上記面談の際、政治家が一般論として述べた以上に本件番組に関して具体的な話や示唆をしたことまでは(中略)認めるに足りず」と述べている部分があるが、それは、あくまでも、番組の内容についてここを削除しろ、あるいはこのコメントをこのように修正しろなどという直接的な指示・示唆をしなかったというだけであって、一般論を話すことによる圧力がなかったことまでも認定しているわけではない。

 判決は、上述した安倍とのやりとりも踏まえた上、「番組改編の経緯からすれば、一審被告NHKは憲法で尊重され保障された編集の権限を濫用し、又は逸脱して変更を行なったものであって、自主性、独立性を内容とする編集権を自ら放棄したものに等し」いとまで認定している。

…NHKに編集権を放棄させた力、それは、普通、圧力と呼ばれるのではないだろうか。

この点、毎日は、【番組改変:NHKに2百万円賠償命令 「政治家発言」認定】と見出しを立てて正しく伝えている。ほかのメディアはどうでしょうか?




★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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NHK・ETV番組改編事件判決、今月29日午後2時、東京高裁101号法定で

2007-01-12 06:36:40 | NHK番組改編事件
今の安倍政権を潰すチャンスだったとも言われるNHK・ETV番組改編事件の判決が今月29日、下される。この事件では、番組を直接制作した長井デスクが涙の告発をし、証言台では長井デスクに続き、永田チーフプロデューサーまでも、政治家(安倍、中川)の圧力を訴えた。普通の国であれば、放送局に対するそこまでの問題行為が明らかになったら、辞任するしかないと思うが、日本は普通の国ではないため、のうのうと生き延び、首相、政調会長にまで上り詰めた。「美しい国」、はぁ、聞いてあきれる醜さだ(安倍、中川が圧力を加えたことについては、ここ←参照ください)。

NHKの受信料を総務大臣が2割値下げだとか抜かしているが(ここ←参照)、そういうことを許したのは、番組会見事件の時に、きちんと、メディアに対する政治圧力の問題点を追及しなかったからだ。

司法がこの事件で、政治家の圧力を認めるか、NHKの改編が不当だったことを認めるか、ぜひ、注目してほしい。

判決後は午後3時から司法記者クラブでの会見、午後4時からは弁護士会館でのクラブ員以外を対象とした会見が行われる。さらに、夕方池袋で報告集会が予定されている。

見て、聞いて、伝えてほしい!





★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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「政治介入」の決定的証拠~安倍、中川の介入は明らか!【+だから、安倍ちゃん辞めてよ~ん】

2006-11-06 01:34:40 | NHK番組改編事件
 市民のための情報を発信しているNews for the people in Japan(←クリック)に、このほど、月刊現代に掲載されたスクープ【証言記録を独占入手!NHK vs. 朝日新聞「番組改変」論争「政治介入」の決定的証拠 ─ 中川昭一、安倍晋三、松尾武元放送総局長はこれでもシラを切るのか」が転載された。筆者魚住昭氏の承諾を得て、掲載されたものである。
 まだ、このスクープをご覧になっていない方はぜひ見てほしい。
 ①特筆すべきは、安倍、中川、松尾、自民党、NHKのいずれも、月刊現代の記事に対して苦情を申し出ていないことだ。つまり、この内容自体については、事実であることを認めているのだ。
【UBSGWさんのコメントを受けての追記】
 ②自民党、NHKは、月刊現代に掲載されたことについて朝日新聞には抗議している。朝日新聞に抗議するのに、月刊現代に抗議しないということは…(ここ←参照)
 ③朝日新聞も月刊現代に掲載された情報が間違っているという抗議はしていない。弱腰だった朝日のことだから、掲載情報が間違っていたら、その旨公表したはずだ。
 ④さらに松尾は、高裁での証人尋問で、裁判官からの質問の際、一部の例外を除き月刊現代に書かれたとおりのやりとりがあったことを認めた。
…というようなことも月刊現代に掲載された情報が正確であることを裏付けている。

 少し引用しておこう。

第1 中川との会話

本田 それで二九日【ヤメ蚊注:放送前ということ】にNHKの野島、松尾両氏に会われたわけですね。
中川 ああ会った、会った。議員会館でね。
本田 (NHK側に)何と言われたのです?
中川 マスコミお断りの裁判ごっこになぜNHKが入れたのかって。
本田 マスコミお断りでなく、私どもも海外メディアも取材してました。
中川 当たり前だ。朝日なんかは主催者と同類だし、わけのわからん海外メディアだ。それにあれは法廷じゃないだろう。裁判ごっこじゃないか。それを法廷とか言うなよ。とにかく番組が偏向してると言ったんだ。それでも「放送する」というからおかしいじゃないか、ダメだって言ったんだ。だって「天皇死刑」って言ってるんだぜ。
本田 それは事実誤認です。「天皇有罪」は言っていましたが。
中川 俺はそう聞いたんだから。そこ(法廷)に行っていた人から俺は聞いてるんだから。それで裁判ごっこするのは勝手だが、その偏向した内容を公共放送のNHKが流すのは、放送法上の公正の面から言ってもおかしい。偏っているって言うと、向こう(NHK)は教育テレビでやりますからとか訳のわからんことを言う。あそこを直します、ここを直しますからやりたいと。それでダメだと。放送法の趣旨から言ってもおかしいじゃないかって。
本田 どこをどう直すと?
中川 細かいことは覚えてねえよ。
本田 居合わせた人の話では「公平で客観的な番組にしろ。それができないならやめちまえ」と言われたとか?
中川 売り言葉に買い言葉で言ったかもな。
本田 放送中止を求めたのか?
中川 まあ、そりゃそうだ。


第2 安倍との会話

安倍 だから心ある人が、何人かの人に言って、それが伝わってきたんだ。
本田 それで先生はNHKの二人を呼んで放送の中止を求めたのですか?
安倍 説明を聞いたんだ。
本田 どんな説明でしたか?
安倍 そんなもの覚えていないよ。
本田 少なくとも安倍先生のほうからは偏った内容で、慰安婦問題については天皇に責任があるとか言っている法廷じゃないか、それを流すのか、みたいなことを言われたわけですね。
安倍 いや、そういうことじゃなくてね、公平性に著しく欠けますね、と言ったんだ。そしたらNHK側も「そうですね」と言ったんだ。それで私の考え方を言って、私の言っていることが違うんだったら反論してくださいと言った。
本田 それでNHK側は何と?
安倍 それはもういい。それよりあなたたちはそんなことを一生懸命やって気が狂っているが……。
本田 いいえ、気は狂っていません。


中川は完全に放送前に会って放送中止を求めたことを認めているし、安倍も放送前に会って「公平性に著しく欠けますね」「私の言っていることが違うんだったら反論してください」と言ったことを認めている。官房副長官がこのように話しても「圧力」ではないといえるのは、それ以上の地位にある人だけでしょうね…。しかし、「気が狂っているが」とは幼稚な反応だね…。

 このスクープを紹介した編集者は、次のように述べている。

「とくに、記者の人々に読んで欲しいのだが、この真実を一体どう考えるのか。
  このままこのことが忘れ去られ、そのことによって政権が安住し、そして、その政権が改憲──米軍の指揮下に、世界のどこにでも軍を派遣する自由を権力者に与えることになるとき。
  そのことによってもたらされる老人、女性、子ども、病者、いやあらゆる人々の不幸という災厄の責任を、メディアとそこに働く人には大きく背負うことになるのではないか。」


 小泉を見逃した反省を活かすのは今ではないでしょうか?




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ETV裁判での長井デスクらの証言を掲載~放送の公共性の<いま>を考える全国連絡協議会

2006-07-04 01:07:57 | NHK番組改編事件
NHKに対して,政治家が圧力をかけて番組を改編させたことが問われているETV裁判の証言記録が,「放送の公共性の<いま>を考える全国連絡協議会」のホームページ(←クリック)に掲載されました。

 掲載されたのは,勇気ある告発をした長井暁デスク,そして,その証言を支える証言をした永田浩三チーフ・プロデューサーのほか,とぼけるしかなかった松尾武放送総局長と野島直樹総合企画室担当局長(肩書きはいずれも当時)の4人の証言の速記録。

 長井,永田両証人の真摯さと松尾,野島両証人の不誠実さがよく分かりますので,ぜひ,お読み下さい。

長井証言(16/43)【私はNHKに20年近く在籍しております。私を育ててくれたNHKを愛しております。日本において.公共放送は絶対必要なものだと思っています。ですから,何とかNHKが信頼を回復して,立ち直ってもらいたいと思いますが,今の協会の経営が判断していることというのは.この事件にかかわった政治家を守り,与党との関係さえ良好に維持していれば,視聴者に背を向けでも何とかやっていけるというふうな誤った判断を私はしていると思います。NHKが視聴者の信頼を回復しない限り立ち直れないということははっきりしていると思います。ですから,この問題でNHKがきちんと第三者機関による真相の究明なり検証番組を作って,視聴者に対して説明責任を果たして,わびるべきところはわび,改善すべきとところは改善するという姿勢を示さない限り,視聴者の信頼回復など絶対不可能だと思っています。視聴者にうそをつきながら信頼を回復するなどということは私はできないと思っておりますので、そのことをこれからもNHKの中で,我々の仲間や役員たちに向けても,メッセージを出し続けたいと思っております。】




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NHKOBらが永田・長井左遷人事に意見表明~放送を語る会

2006-06-26 08:20:22 | NHK番組改編事件
6月5日のNHK管理職定期異動で行われた永田浩三・長井暁両氏(「ETV2001」番組改変問題のチーフ・プロデューサーとデスク)に対する報復左遷人事について、「放送を語る会」が,NHKOBの会員の職場体験、NHK制作現場の最新情報を基にまとめた見解を転載します。6月9日のNHK決算審議の際、橋本会長は「二人の所属していたそれぞれの部局が組織改正でなくなったので異動せざるをえない状況、適材適所」と強弁しているとのこと,まったく反省していないようです…。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
NHK「ETV2001事件」裁判証言者に対する人事異動についての見解
2006年6月19日
                        放送を語る会
  
 NHKは、5月26日に行った管理職の定期異動人事の内示で、「ETV2001
事件」裁判で証言した永田浩三氏と長井暁氏を配置転換すると発表し、6月5日、正
式にこの人事を発令しました。
この結果、永田氏は、衛星放送局統括担当部長(ハイビジョン放送編集長)から、新
しく出来た「ライツ・アーカイブスセンター」エグゼクティブ・ディレクターへ、長
井氏は番組制作局教育番組センター、チーフプロデューサーから放送文化研究所主任
研究員へ、それぞれ異動することになりました。
いずれも番組制作現場から、事務・管理・研究部門への異動ということになります。
当会では、この人事について、各方面からの情報を収集してきましたが、これが客観
的にみて、通常の人事異動の外見のもとに行われた懲罰的色彩をもつ人事であり、明
らかに報復的な配置転換であるとの認識に立つに至りました。
「公共放送」を標榜するわが国最大の放送企業NHKで、このような人権侵害の疑い
が強い人事異動が行われたことは、NHKの自主・自律が改めて問われると同時に、
広く国民の市民的権利の問題としても見過ごすことのできない事態だと考えます。

自民党の「処分要求」質疑

本年3月30日、参議院総務委員会でNHK事業計画及び予算の審議が行われましたが、そ
の際、番組「ETV2001」への政治介入の事実が争われている「NHK裁判」に関し、
自民党山本順三議員とNHKとの間でつぎのような質疑応答がありました。
 山本議員は、この「NHK裁判」で、永田浩三NHKチーフプロデューサー(当
時)が、NHKの公式見解と違うことを伝聞によって証言したのは由々しいことだ、
と指摘、「どのようなケジメをつけるのか」とNHKにせまりました。
このあとの質問で「ETV2001」問題を取材した朝日新聞の記者が現場から外さ
れた例をあげていることから、山本議員の発言が永田氏の処分を求めていることは明
白でした。
これに対し、橋本会長は、「永田証言は根拠がなく遺憾」と応じた上で、処分要求に
は「この職員についての人事上の扱いについては適切に対処したい」と答えていま
す。
この会長の答弁は、事実上何らかの処分を行う、と約束したに等しいものではない
か、と憂慮した当会では、直ちにNHK宛に、永田・長井氏らに不利益な取り扱いを
しないよう要望する文書を送りました。しかし、その懸念が残念ながら適中する結果
となりました。


異動は「適材適所」か

NHKは、今回の異動が「適材適所」の判断に基づくものだと説明しています。
NHK内部では、放送現場から事務・管理・研究部門への異動は、決して異例でも不
自然なことでもありません。また、今回の異動は職階級上の降格を伴うものではな
く、手続き的に瑕疵(かし)があるというものでもありません。したがって、形式的
には問題ない、という外見をとっています。
しかし、当事者の経歴、実績、職種に対する希望、職場での評価、といった、当事者
にかかわる個別具体的な事実の流れの中で、形式的には「適法」な人事異動が懲罰的
な意味を持つことは充分ありうることです。
いうまでもなく、不当配転という場合、配転先の職場、今回のアーカイブスセンター
や、放送文化研究所の業務を、制作現場の業務より低くみる、というものではありま
せん。あくまで当事者にとってどうか、という問題として捉える必要があります。
永田氏や長井氏に近い信頼すべき筋からの情報では、二人とも番組制作現場から外れ
たいという意向はまったくなかったとのことです。
とくに、永田氏は、異動まで、NHKのハイビジョン番組の取りまとめ役を担当し、
数々のハイビジョンの意欲的な番組をコーディネートして、世に送り出しています。
その永田氏が、番組資料の事務的な処理をする部門に配転され、経営管理職である担
当部長から専門職に身分を変更されました。内示の段階では、永田氏の仕事の内容も
明確ではなく、専用の机もなかった、との情報もあります。
長井氏の場合も、番組制作のプロデューサーである氏が、放送文化研究所の研究職に
異動する必然性は疑わしいと受け止められています。
現場のディレクターやプロデューサーが、研究職への異動を希望することは皆無では
ありません。その方が自分の適性に合っていると考える職員もいます。放送研究のよ
うな専門的な業務は、そのような本人の意欲によって行われるのが普通で、長井氏の
ように本人も希望しない研究職への異動は普通ではありません。
1981年の「NC9」ロッキード事件特集では、放送中止を命じた報道局長に、政
治部、社会部の現場は激しく抵抗しました。その年の夏の異動で、大規模な報復人事
が行われ、先頭に立った政治部のデスクが放送文化研究所に配転になりました。今回
の人事も、この報復人事の歴史を想起させるものです。
自民党議員の処分要求があり、それに応じるかのような会長の答弁の内容、そして異
動の具体的な実態を見るとき、今回の人事が懲罰的、報復的な性格のものであったこ
とはほぼまちがいないと考えられます。



法廷での証言への報復 市民的権利の侵害

今回の懲戒的な人事には次の三つの重大な問題点があります。
第一に、この人事が行われた理由が、経緯からみると、「ETV2001事件」の裁
判での証言や、この番組への政治的圧力に関する内部告発である以外には考えられな
いという点です。
永田氏や長井氏は、番組「ETV2001・問われる戦時性暴力」に、自民党の政治
家からの圧力を示唆する上司の声を聞いた、と、自らの記憶に基づいて証言しまし
た。
この証言は「政治的圧力はなかった」というNHKの公式見解とは対立し、さきの国
会質疑で、会長は「永田証言は根拠がない。人事上適切に対処する」と答弁しまし
た。
法廷での証言は、良心に従って真実を述べる、という宣誓によって始まります。もし
証言者の属する企業が、証言内容を理由に本人に不利益な取り扱いをするようなこと
があれば、証言者の内心の自由、良心の自由は侵害され、重大な人権侵害となりま
す。そればかりか、真実を追求する裁判の進行を妨害する結果を招きます。
 NHKが、「思想および良心の自由は、これを侵してはならない」という憲法第1
9条に
違反し、ほかならぬ「公共放送」が人権を侵害することになりかねません。  

NHKの自主・自律の侵害、制作者への威嚇効果

第二に、政権与党の議員が、とくに犯罪を犯したわけでもない職員、しかも番組制作
に従事する職員の処分を、自律的であるべき報道機関に要求したことにたいし、あた
かもそれに応じるかのような人事異動を行ったことは、NHKのあり方にかかわる重
大な問題を提起しています。
このような事態は、「平成18年度~20年度経営計画」に書かれた、「NHKは、
何人からの圧力や働きかけにも左右されることのないジャーナリズムとして、いかな
る場合でも放送の自主自律を貫きます」という約束に反するものであり、NHKがや
はり政権政党の方へ向いているという批判をあらためて招くものです。
第三に、この人事が、局内の制作者に与える威嚇効果が大きいという点です。裁判で
証言した永田、長井両氏にたいする処遇は、局内外から注目されていました。局内で
は、みんなが見ている中でここまでやるか、という反応があるといいます。
良心的な制作者に対して、この人事異動がもつ威嚇的な影響は無視できません。経営
にタテつくとどうなるか、ということをこの人事は示したと受け取られているので
す。
このような経営の姿勢は、物言わぬ制作者を拡大し、職場の閉塞状況をさらに深刻な
ものにする、という指摘が局内から伝えられています。
放送法は、法の目的を定めるにあたって、「放送に携わる者の職責を明らかにするこ
とによって、放送が健全な民主主義に資するようにする」という原則をあげていま
す。放送に健全な民主主義に資することが要請されるなら、放送を担う人びとに対し
ても民主的権利が保障されなければならないのは当然でしょう。
番組やニュースの制作は、制作者が不当な圧力にさらされることなく、自由な精神に
基づいて進められることが何より重要であり、この現場の自主、自律こそ「公共放
送」NHKの自主、自律を現実化するものです。しかし、今回の人事異動は、放送局
内での制作者の内心の自由にとって重大な圧力となる危険があり、ひいてはNHKの
自主・自律にたいする脅威になりかねません。

不当な人事異動、配転に注視と抗議を

 当会は、視聴者団体のひとつとして、NHKが、放送において公共性を貫き、自立
した放送機関として国民の信頼をかちとることを願っています。その立場から、今回
の永田、長井両氏に対して行われた人事に対し、以上のような問題点を指摘するとと
もに、NHKに対し懸念と抗議の意思を表明するものです。
 同時に、多くの人びとが、今回の人事を「公共放送」NHKのあり方の根本にかか
わる問題として注視し、関心を持っていただくよう呼びかけるものです。


NHKの不当な人事異動に抗議!~良心ともいえる永田・長井両氏に報復人事

2006-05-27 10:08:41 | NHK番組改編事件
5月26日、NHKはNHK裁判においてNHKに不利な証言をした永田・長井両氏を制作現場からはずすという、まさに「報復」人事ともいえるような決定をした。朝日新聞(ここ←)によると,次のとおり。

■■引用開始■■

NHKが26日に発表した人事異動(6月5日付)で、01年に放送直前に改変された番組のチーフ・プロデューサーだった永田浩三・衛星放送局統括担当部長が、放送総局に新設されるライツ・アーカイブスセンターのエグゼクティブ・ディレクターに異動。担当デスクで「政治介入があった」と内部告発した長井暁・番組制作局教育番組センターチーフ・プロデューサーは放送文化研究所(メディア研究)主任研究員に移ることになった。

 永田氏は今年3月22日、市民団体とNHKが争っている訴訟で東京高裁に出廷、「NHK幹部らが口裏合わせをした」と証言した。3月30日の参院総務委員会で、山本順三議員(自民)が「どう考え、どうけじめをつけるのか」と質問、橋本元一会長は「伝聞に基づく根拠のない証言を遺憾に思っている。人事上の扱いについては適切に対処したい」と答弁した。

 今回の異動について、NHKは「永田氏には番組制作などの経験を生かしてもらい、長井氏には詳しい知識をもっている中国の放送研究で貢献してもらうのが狙い。処罰的なものではまったくない」と説明している。

■■引用終了■■

NHKのコメントはまったく許し難い。放送文化研究所が,煙たい人材を葬り去るために使われているところというのは,業界内で知らないものはいない。書いた朝日は何とか頑張って書いたという評価もできるが,腹を据えてきちんと放送分か研究所の実態まで書いたらどうでしょうか。


この人事異動に対し,NHK受信料支払い停止運動の会は,この発表を前に,以下のような申し入れ書をNHK橋本会長に送った。こちら←も合わせて参照して下さい。NHKはまた政治圧力に屈してしまったのでしょうか…。


■■引用開始■■

2006年5月26日

NHK会長 橋本元一 様
NHK理事 各位

 永田浩三氏、長井暁氏に対する
不当な人事異動を止めるよう求める緊急の申し入れ


NHK受信料支払い停止運動の会
共同代表 醍醐 聰  細井明美


 この数日の間に私たちが得た情報によれば、NHKは本日、発表する幹部職員の人事異動の内示の中で、VAWW-NET裁判の公判でNHKの主張と異なる証言をした永田浩三氏とETV番組への政治家の介入を告発した長井暁氏を番組制作現場からはずすという不利益な異動が実施される恐れがあるとのことです。

 この問題については、さる3月30日に開催された参議院総務委員会におけるNHK予算審議の場で、山本順三議員が両氏の人事上の処分を迫る質問をしたのに対して、橋本会長が「この職員についての人事上の扱いについては、適切に対処したい」と答弁された経緯があります。

 こうしたやりとりについて、当会は去る4月12日付けで橋本会長に対して申し入れ書を提出し、その中で次のような見解を示しました。

 1.国会審議の場で、係争中の裁判の公判で証人が行った発言について国会議員が予断を交えた言及をするのは、司法に対する行政の不当な介入であり、厳しい批判を免れないこと。
 2.永田浩三氏、長井暁氏の人事上の処分を迫ったに等しい山本議員の発言は放送法第3条で禁じられたNHKの自主自律に対するあからさまな干渉であること。

 こうした見解を踏まえて、当会は橋本会長に対し、政治家の不当な干渉におもねって、永田浩三、長井暁両氏に人事上その他の面で不利益な処分を一切しないよう申し入れました。

 そもそも、永田氏の証言、長井氏の告発は長い期間にわたる苦渋の末に、番組制作に携わった報道人の良心をよりどころにして行われた公共放送の使命を守るがための訴えです。NHKが組織防衛的な発想から、こうした良心の訴えを押さえ込み、処分の対象にするとしたら、NHKの良識に対する視聴者の信頼が大きく崩れることが必至です。

 私たちは、橋本会長ほかNHKの全理事の皆様に対して、永田、長井両氏に対して、今回、定期的な人事異動を隠れ蓑にした事実上の「報復人事」を行うことがないよう改めて強く申し入れます。

 万一、こうした申し入れを無視して、永田、長井両氏に対し、不当な人事が強行された場合、私たちは当会の賛同者、先に行った「受信料督促ホットライン」でつながりを持った視聴者、その他全国の視聴者に呼びかけて、強力な抗議行動を起こす決意でいることを通告します。   以上

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NHK野島元局長「テレビ情報誌なんて知らない」~さすが天下のNHK

2006-04-18 00:23:55 | NHK番組改編事件
【NHKの番組が、01年の放送直前に改変された問題をめぐって取材対象の市民団体とNHKが争っている訴訟の口頭弁論が17日、控訴審の東京高裁であり、NHKの国会担当者だった当時の総合企画室担当局長・野島直樹氏が出廷した。】(朝日新聞)そして,放送前に安倍晋三衆院議員と面会した際には,「政治的圧力は感じなかった」と証言し,また,この面会をめぐって野島氏が会議で「呼ばれたのではなく、こちらから出向いたことにしよう」と持ちかけたという指摘に対し、「会議の時刻には予算説明に出向いており、私は出席していない」と証言した(同上,日経)。

う~ん,新聞は肝心なことを伝えていないなぁ。野島氏は,法廷で,政治家がETV2001が4夜連続で国際女性戦犯法廷を取り上げるのではないかとい誤解していたので,その誤解をを解く必要があったために番組の死者に立ち会った趣旨の発言をした。その際,戦犯法廷取材者側代理人が4夜連続とりあげていないことはテレビ情報誌を見せれば明らかではないのか,という質問を行ったが,その一連の質問の中で,野島氏は,テレビ情報誌なるものの存在を知らない,と断言したのだ。

まぁ,聞いて下さい。NHKというテレビ番組を扱っている「会社」の職員がテレビ情報誌を知らんっていこと自体,視聴者の皆様を「な●とんか」ということになりませんか?ましてや,国会対策の局長でっせ。いくら言い逃れのためだとは言え,あまりに視聴者を愚弄する発言だと思いませんか?もし,言い逃れのためでなく,本当に知らなかったのだとしたら,それこそ,さすが大NHK様,唯我独尊なり…というしかない…これって,大ニュースでは?!。

真面目な話,野島氏は,都合良いとしか評価できないくらい,あるところでは記憶が鮮明だったり,急に不鮮明になったり…。

裁判長からも,野島氏は番組改変への関与が少ないと言うが,野島氏が一番口を出しそうだが…という趣旨の質問がなされたほどだ。

法廷での雰囲気は,疑惑を「単に」否定した,というものではまったくなかった。


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