情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

山本順三議員(自民),裁判結果待たず,永田氏の処分迫る~立ち上がれ,全NHK職員!

2006-03-31 23:24:39 | NHK番組改編事件
30日の参議院委員会で,永田チーフプロデューサー(当時)の処分を迫った山本順三議員の発言を,国会のインターネットTV(ここの山本議員をクリック。8分~16分ごろの間)で聞いてみた(永田氏の法廷での証言についてはここここなど参照)。

ただ,唖然とするばかり…。いままさに司法府で争われている事実関係について,告発した側の見解を真っ向から「伝聞だ」と切り捨て,証言した永田氏らの処分を迫る内容だ。NHKの橋本会長らもその尻馬に乗り,適切な対応をする旨回答している。

内部告発の先鞭を切った長井デスク(当時)に続き,貴重な発言をした永田チーフプロデューサーの証言をいずれも伝聞だとして処分を迫る山本議員の発言は政治介入そのものだ。


永田氏は,長井デスクの内部告発を裏付ける証言をした法廷で,次のように証言している。

NHK側代理人「(「従軍慰安婦」らの証言をカットしたことによって)よくなくなったというふうに思っているということでしょうか」

永田氏「特に最後のところで切るということの根拠として松尾さんや伊東さんが挙げておられます,証言者の信憑性ということですけれども,これはあまたの番組で言えることですが,戦争体験に限りませんが,歴史的な体験をされた方,特にあのようなつらい…つらい体験をされた方の…信憑性について,最後の土壇場で疑うなんていうことが,僕はあり得ないというふうに思っています。その人たちが何も得することなんかないんです。非常に恥ずかしい。歴史的なつらい体験をおとしめるような,そういう振る舞いをしたことの無残さということが,やっぱり間違っていたんじゃないでしょうか」


法廷主催者側代理人「(カットをとめようと上司に訴えたとき)証人としては,どういう思いだったわけですか。」

永田氏「まあ,それまでもいろんなことはあったんですけれども,放送当日のそういうことについては,さっきちょっと取り乱して恥ずかしいですけれども,もうやっぱり,放送人というよりも人間として,やっぱりやっていいことと悪いことってあるじゃないかというぐらいの気持ちでしたね」

永田氏「我々を律しているルール,放送に携わる人間を律しているルールというのは幾つかあるんですけれども,もし2つ挙げるとすれば,真実を希求する不断の努力ということ。これは野球をやる方がボールを追いかけたり,山登りをされる方が山の頂を目指すのと同じぐらい当たり前のこととしてあって,私はそのことを大事に思ってやってきましたし,若い人たちにも,真実というものを追い求める仕事なんだというふうに言ってきたわけです。もう1つ,やはり声を挙げられない人のいことを我々は大事にして,放送という形でそれを紹介していくと,立場の弱い人のために放送はあるんだというふうにずっと信じてきましたので,そのことの2つに照らし合わせてみて(みるならば),(松尾放送総局長や伊東番組制作局長は)彼ら(慰安婦)が言っていることが信憑性がないという判断でしたけれども,それをご本人の前で本当に今でも言えるのかということを申し上げたい。やはり,弱い人の立場に立って,やる仕事というのを,根本的に毀損する判断だったんじゃないでしょうか」

  ■ ■

NHKに勤める全職員の皆様,この永田さんを,そして先行した長井さんを助けてあげてください。

永田さん,長井さんは,弱い立場から,何の利益もないのに,本当のことを証言したのです。お二人を救うのは,同じ仲間の連帯しかないのではないでしょうか?


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永田CPを処分?~吉岡部長は…

2006-03-31 18:19:33 | NHK番組改編事件
30日の参議院総務委員会の予算審議の質問で、永田CPが女性国際戦犯法廷を取り上げた番組の放送後に安倍に呼ばれたのではなく出向いたことにしようという口裏合わせを行ったことを吉岡部長が話していたと証言したこと(ここ参照)をもって,NHKが永田氏の処分を検討していることが明らかとなった。

では,永田CPは何と証言したのか,振り返ってみておこう。

■■引用開始■■

「非常にびっくりしたのは,吉岡さんも含めてですけれども,伊東さんと松尾さんと野島さんと4人で集まってのことです。で,政治家の介入がもういろいろ記事なんかでも盛んに取り上げあげられ始めていた時期ですけれども,松尾さんが安倍さんのところに行ったのは,呼びつけられたのではなくこちらから出向いたということにしようということに,松尾さんと野島さんのやりとりの中でそういうふうになっていったということを吉岡さんから聞きました」

■■引用終了■■

吉岡部長,あなたの次の発言に一緒に苦労した仲間・後輩たちが注目しているのではないでしょうか…。  


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NHK伊東律子番組制作局長「中川は酔っぱらいだから…」発言?!

2006-03-30 23:19:23 | NHK番組改編事件
以前,紹介したNHK内部の有志が作成した時系列表に,中川昭一衆院議員がNHKの番組放送前に会ったことを裏付けると思われる証言が記載されていることが分かった。

時系列表の最終ページ欄外に記載されているもの。

■■引用開始■■

05年同じ頃の対策会議で伊東律子が「中川は酔っぱらいだから2月2日に会ったことにしておけばいいのよ」と発言したとの内部証言がある。これについては吉岡部長。

■■引用終了■■

吉岡部長,どうなんでしょうか?

橋本勝の政治漫画再生計画-第13回-

2006-03-29 21:20:22 | 橋本勝の政治漫画再生計画
爆音で 民意聞こえぬ 首相かな

【橋本さんのメッセージ】
今,私の住んでいるところは神奈川県の逗子。10数年前,池子の森に米軍住宅を建てるという問題で大きく揺れた所です。市長選,市議選,と民意ではわずかですがいつも建設反対派が勝っていたのですが,結局,米軍住宅は建設されてしまいました。
さて,今回の岩国での,米空母艦載機訓練基地の移設の賛否を問う住民投票では,反対が圧倒的多数でした。しかし,政府は「防衛と外交は国の仕事」と住民の意向を無視の方針。つまり防衛とか外交という国家の大事においては,国民が犠牲になるのも仕方ないということなのか?みなさんはどうお思いになりますか。


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「顔写真・指紋データ収集法」,29日採決~止めないで本当によいのか…

2006-03-29 04:18:02 | 適正手続(裁判員・可視化など)
「保坂展人のどこどこ日記」によると,【今日(28日)の審議では「入管法」の逐条解説(『警察学論集』保坂直樹・東京地方検察庁検事・前法務省入管局局付検事)を提示した。同解説は「本条による情報提供は、入獄管理当局間の行政上の理由を目的としており、提供されるた情報が掲示手続きに使用されることは、一般的には目的外使用となるが」と前置きした上で、「組織的犯罪処罰法57条の情報の交換の仕組みと同様、国際捜査共助法と同様の制約の下ででの相手国の同意を条件として、提示された情報を事後的に掲示手続き一般に用いることが出来る仕組みとしている」と言い切っている。入管局長が前回答えていたのは前段の部分の扱いだった。組織的犯罪処罰法57条とは金融庁が担当する国際的なマネーロンダリング監視のための情報交換をさす。】という。

さらに,【自動化ゲートを希望した日本人が、「要注意人物身分情報」のブラックリストに照合するというが、どんな情報にもとづいて調べるのかと聞くと、入管局長は「犯歴情報です」と答えた。法務大臣に、「外国人も日本人も、この逐条解説が述べているように、その数は少数で例外的であれ、情報は海外にも出すし海外からも取るということですね」と念を押すと、「その通りです」と答えた。私の睨んだ通りだったが、何ということだろう。】らしい。

これまで,しつこく,「顔写真・指紋データ収集法」だと言ってきたが,そのとおりだということを答弁したわけだ…。

これに対し,メディアの動きは鈍い。保坂氏も【毎日新聞夕刊が1面で「出入国自動化ゲート・指紋を捜査利用・入管局保管警察に提供・日本人も対象」という記事が出た。どこどこ読者にはすぐに判る内容だが、明日が採決である。採決の日の朝や、翌日にようやく記事が出て「えっ? そんな法案が通るのか」と驚いても遅い。】と指摘している。

確かに,政府の法案の問題点は直前になってアリバイ的に書かれることが多い。もちろん,頑張って書いている記者もいるが,偽メール問題もそうだが,多くのメディアが繰り返し伝えることで世論は形成されるのだから,きちんと伝えて欲しい,この問題は,偽メール事件の100倍は,重要なはずだ…。

微力ではあるが,【せめて、明日の法務委員会でトンデモ法案が通過しそうだということを草の根で知らせ】るべきなのは間違いない。


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記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解の改訂で記者会見にNJも参加できるのか

2006-03-29 04:04:02 | メディア(知るための手段のあり方)
新聞協会はさる3月15日、「記者クラブに関する見解」一部改定を発表し,【記者クラブに関する2002年見解の一部改定で、昨今のインターネットの普及や多メディア状況を踏まえ、「見解」と「解説」に、報道倫理に基づく取材に裏付けられた確かな情報こそがますます求められることを強調するなどの若干の補足を加えました。その上で、02年見解の趣旨をあらためて確認し、記者クラブは公権力の監視、情報を公開させていくという社会的責務を負うことなどを確認しています。今後、会員各社、官公庁など主要クラブに送付、周知徹底します。】と発表しました。

新しい見解は,http://www.pressnet.or.jp/index.htmにあります。

それによると,【インターネットの急速な普及・発展により、公的機関をはじめ、既存の報道機関以外が自在に情報を発信することがいまや常態化しており、記者クラブに対し、既存のメディア以外からの入会申請や、会見への出席希望が寄せられるようになりました。
 記者クラブは、その構成員や記者会見出席者が、クラブの活動目的など本見解とクラブの実情に照らして適正かどうか、判断しなくてはなりません。】とあり,開かれているようなそうでないような…。

ほかのところには,【記者クラブが主催して行うものの一つに、記者会見があります。公的機関が主催する会見を一律に否定するものではないが、運営などが公的機関の一方的判断によって左右されてしまう危険性をはらんでいます。その意味で、記者会見を記者クラブが主催するのは重要なことです。記者クラブは国民の知る権利に応えるために、記者会見を取材の場として積極的に活用すべきです。
 記者会見参加者をクラブの構成員に一律に限定するのは適当ではありません。より開かれた会見を、それぞれの記者クラブの実情に合わせて追求していくべきです。公的機関が主催する会見は、当然のことながら、報道に携わる者すべてに開かれたものであるべきです。】とあるが,これも開かれているような開かれていないような…。

開設を見ると【2002年見解をまとめた後、インターネットを利用したメディアはますます普及し、メディア環境は変化を続けている。こうした状況を踏まえ、記者クラブ問題検討小委員会は2002年見解に示された記者クラブの意義、役割をあらためて確認するとともに、2006年に本見解を補足した。それは、新たなメディアからの記者クラブへの加盟申請や記者会見への出席要請に対して、報道という公共的な目的を共有し、報道倫理を堅持する報道機関、記者クラブの意義・役割を理解・尊重し、運営に責任を負う報道機関には、クラブは「開かれた存在」であり続けることを確認するためである。】とされている。

【報道という公共的な目的を共有し、報道倫理を堅持する報道機関、記者クラブの意義・役割を理解・尊重し、運営に責任を負う報道機関】というのがポイントのようだ。

確かに,【誘拐事件での報道協定など、人命や人権にかかわる取材・報道上の調整機能も、記者クラブの役割の一つです。】と見解でも指摘されているように,だれでもクラブ,あるいは会見に参加してよいというわけではないのかもしれない。

しかし,じゃぁ,どこで区切るのか,と言われるとこれも難しい。

少なくとも新見解に基づいて,クラブ加盟あるいは記者会見参加を求めるフリージャーナリスト,ネットジャーナリストが増えることは間違いない。そのとき,新聞協会が下す判断をきちんと見届けないと…。

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東京地裁が非常勤公務員の再任拒否を違法と認定~画期的判決

2006-03-27 06:29:29 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
国立研究所の非常勤職員を14年続けた東京都杉並区の女性(39)が、正当な理由なく任用更新を拒否されたとして、職員としての地位確認を求めた訴訟の判決で【東京地裁は24日、「更新拒否は違法」と女性の請求を認め、国側に未払い賃金などの支払いを命じた】(共同

民間の雇用関係をめぐる訴訟では更新拒否を解雇権の乱用と認める判決は多いけれども、公務員の場合,任用権に行政の裁量が広く認められるため、地位確認請求を認めた判決はこれまでなく,画期的な判決です。

担当された代理人は,「これまでのたくさんの類似事件での積み重ねが今回の勝利に結びつきました。国の控訴必至ですが、まずは嬉しい嬉しいご報告です。」とメーリングリストに流されています。

遅ればせながら,代理人の皆様,おめでとうございます。
公務員の有期雇用では,ちょろちょろっと判決の中にいい雰囲気が出ているのもあったが,こんなに早く原告勝訴の判決が出るとは思いませんでした。


【山口均裁判官は判決理由で「権利乱用の禁止や信義則は普遍的で、公務員でも任用更新を拒否できないこともある」と指摘。この女性のケースについては「原告に任用終了の方針が決まった時点で伝えず、再就職の心配をした形跡もなく、更新拒否は著しく正義に反する」と判断した。】



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裁判で負けたら謝罪しなきゃいけない?!~偽メール事件

2006-03-26 23:08:40 | メディア(知るための手段のあり方)
【二十四日の衆院懲罰委員会で、これまでかたくなに拒んできた仲介役の実名公表に踏み切った永田寿康衆院議員だが、同氏の辞職を求める声が民主党の内外で再び強まっている。「生き恥をさらすのか」(綿貫民輔国民新党代表)とまでいわれながら、辞職を強く否定する永田氏。民主党は難色を示していた西沢孝氏の証人喚問に賛成したが、世論の風向きが変わる保証はない。】(産経)ということだが,世論は本当に永田議員を追及したいと考えているのだろうか?メディアが煽っているにせよ,本当は多くの人は,きちんと政治の課題を議論して欲しいと考えているのではないだろうか?

でも,本当に,追及した側が追及した資料に偽りがあったことでこんなにまで問題視されるとしたら,商売替えを考えないといけない…。弁護士だって,依頼者に「騙されて」(依頼者もわざとではなく,事実関係を忘れていたりするので,騙されてというのは言い過ぎですが…),結果的には事実と異なる主張をしてしまうことがある。もちろん,裁判で勝つためには弱点を確認するのが常だから,滅多にないことだが,皆無ではない。
そのときに,騙されて責任追及した弁護士も。「生き恥をさらすのか」などと批判されるようになるのだろうか…。

メディアの多数が煽ったら,何でも実現できそうだなぁ…。


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入管法改正反対緊急院内集会~超党派国会議員の呼び掛けで,27日正午

2006-03-25 14:37:48 | 適正手続(裁判員・可視化など)
日本に入国する16歳以上の外国人に、指紋など個人識別情報の提供を義務づける出入国管理法の改正案は,その正体が実は,日本人の海外旅行客の指紋,顔写真を修習することを可能にする「顔写真・指紋データ収集法」(ここここここここなど)であることなどから,各方面から批判を浴びているが,27日正午,参議院議員会館第2会議室で,「入管法改正は大問題だ!」と題する緊急集会を開催することとなった。

保坂議員のブログによると,同法案については,【今日、午前中の法務委員会で入管法の参考人質疑を行った。朝の理事会で自民党は、28日に入管法の質疑を終えて採決。ただちに条約刑法(共謀罪)の審議に入りたいと強く主張したが、民主党も修正案を週明けに提示して、審議を通しての加筆などの必要があると主張、採決には野党側は同意しなかった。昼前に再開された理事会までに与野党協議が行われて、28日入管法の野党側質疑、29日民主党修正案審議、そして採決。31日からは共謀罪ではなくて未決拘禁の法案審議入りが決まった】という見通しらしい。

今回の緊急集会は,何とかその予定通り進むことを止めることができないかと企画されたもの。集会の案内パンフレットでは,「指紋採取制度」「生体情報の目的外使用」「テロリストの定義のあいまいさによる誤認逮捕や恣意的運用の危険性」などの問題点が指摘されている。

日時:2006年3月27日正午から13時
場所:参議院議員会館第2会議室(地下鉄永田町駅,国会議事堂駅)
講師:難波満弁護士,各種銀賢団体代表など
通行証は議員会館入り付近で配布されます。

時間がある方は積極的に参加して,反対の声を伝えて下さい。


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懲戒?!~あったぁ…

2006-03-25 02:38:48 | 愉快な仲間たち(赤裸々な実態?)
【愉快な仲間シリーズ】うちの事務所には雪崩が起きやすい場所が数カ所あることは以前に触れたことがある。しかし,最近,この雪崩発生地帯が拡散して事務所内が大変な状態になった。魔の三角地帯と言われていたメンバーが席替えで場所移動したのだが,新しく三角地帯に入ったメンバーがやはり魔の三角地帯を形成するに至ったのだ…。その地帯に入ったものを狂わせてしまう…それが魔の三角地帯の怖いところだ。

いやぁ,くだらないことを書いてすみません。実は,一昨日からある資料を探していたのですが,いまやっと同僚弁護士が発見してくれました…。

紛失したら懲戒されてもやむなし…という重大な資料…。昨晩は完徹で探したけど見つからず,半ば覚悟を決めつつも,今日もごそごそやっていたら,何人もの弁護士が手伝ってくれ,その結果,深夜の発見となりました

あそこかなっていう候補の一つからの発見で,自分では目を通したつもりだったんだけど,自分では見つからなかった。

いやぁ,助かったぁ。

以上,新魔の三角地帯の一員の独り言でした。今週末は徹底的に整理しまっせ!


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政府は「顔写真・指紋データ収集法」であることを否定せず~入管法改正

2006-03-24 01:14:23 | 適正手続(裁判員・可視化など)
日本に入国する16歳以上の外国人に、指紋など個人識別情報の提供を義務づける出入国管理法の改正案の正体が実は,日本人の海外旅行客の指紋,顔写真を修習することを可能にする「顔写真・指紋データ収集法」であることは,しつこく(ここここここなど)書いてきたが,22日の答弁で,法務省側は上記疑惑を否定しなかった。

みちくさ(Michikusa)さんのブログにアップされた議事録によると,保坂展人議員の「61条の9以外では、日本人や外国人の指紋や顔写真を蓄積するのだが、海外から照会があった場合にこれに応じて提供するのか。また、提供を受けるのか。」という質問に対し,杉浦法務大臣は,「精査して後日この委員会で答える」というに止まったというのだ。

このような法案に対し,「多文化・多民族・多国籍社会で『人として』」さんは,次のように憂えています。

■■引用開始■■
まあ、そんなことをしなくても、「体感治安」が悪化させられた昨今の風潮を抜きにしても、国家に指紋や顔画像を提供することにあまり抵抗がない日本人は少なくないんじゃないかな、とも思います。
「国家がなければ自分が存在しない」「国家あってこその自分」「人間の本質はどこの国家に所属するかにある」などという根強い意識がこの社会に存在するのを、在日外国籍者を取り巻く問題を考えているとき、実に頻繁に感じることがあるのです。「人間が集まって政府を作る」という考えとは対極の発想です。

だいたい私みたいにうるさい人間がそんなにいるとは思えませんし、やはりこの措置は、「文句をいえない立場にある外国人」を使って、情報収集と蓄積の実験を始めよう、っていうところに、とりあえずの目的があるのではありますまいか。

集められた指紋情報、顔画像情報が、「新型Winny」で世界中にばらまかれてしまい、日本政府が世界中の市民から損害賠償請求訴訟を起こされる、なんていう未来図も、十分予想できます。
■■引用終了■■

質問に立った保坂議員のブログによると,【今日の法務委員会理事会で与党側は、24日金曜日午前中の入管法参考人質疑・午後の成田空港入管業務視察をへて、28日には質疑を終えて採決をしたいと強く求めてきた。野党側は、審議はしっかりやるべきだ。民主党からは入管法修正案を出すので、この提案を受け入れるわけにはいかないと応じたが、与党の態度は固く平行線だった。】ということらしい。

与党の腹は,「こんなのは簡単に通して共謀罪だぁ」ってことだろう…。

しかし,共謀罪が成立すると,選挙違反の共謀罪で警察にしっぽを押さえらてしまい,偉そうにもしていられなくなっちゃうよ…。それでいいのか,与党議員皆さん!


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NHK、高裁で提出した陳述書を訂正?!~番組改編訴訟

2006-03-23 23:12:22 | NHK番組改編事件
22日、女性国際戦犯法廷を取り上げた番組のチーフプロデューサーだった永田浩三・衛星放送局統括担当部長が東京高裁に出廷し,伊東局長から放送前、歴史教科書問題を扱った本に書かれてあった中川昭一衆院議員の名前を示され、「言ってきているのはこの人たちよ」と聞かされたと証言したことに対して,【NHKは23日、当時の伊東律子・番組制作局長の陳述書の一部に誤りがあったとして、訂正する方針を明らかにした。】(朝日)という。

 訂正しようとしている陳述書は,NHKが昨年7月に東京高裁に提出したもので、【伊東氏は「(放送5日前の1月)25日ごろだったと思うが、職員が書店で購入して届けてくれた。時間がなく放送終了まで読まなかった」と記していた。一方、23日の定例会見で原田豊彦・放送総局長は「本は、職員が放送2日後の2月1日に局内の資料室から借りた。番組制作局長が放送前に手にした可能性はほとんどない」と説明した。】という。

 NHK広報局は「本人の記憶違いなので陳述書を訂正する。真実に近づくため、裁判では時々あることで異例ではない」と話しているというが…。いずれが真実だろうか…。

 ちなみに,伊東氏の陳述書の該当部分には次のように記載されている。

【確かこの25日ころだったと思いますが,場組制作局企画開発の職員が「歴史教科書への疑問」という500ページくらいの厚い本を書店で購入しました,と届けてくれていました。本の編者を見ると,「日本の前途と歴史教科書を考える若手疑委員の会」という長い名前のグループでしたが私は知りませんでした。あまりに厚いのと時間がなかったので結局放送が終了するまで読みませんでした。自分では読んでいなかったので結局室を訪れた吉岡部長らに対して「こういった本もあるけど読んだことはあるか」と尋ねたことはあったように記憶しています。】

…これがでたらめだっていうのか…。

NHK番組改変問題~安倍への説明「出向いたことに」:チーフプロデューサーが証言

2006-03-23 01:15:28 | NHK番組改編事件
野島氏から松尾氏に「1月29日は安倍氏に呼びつけられたのではなく,こちらから説明に行ったというゆうに話して欲しい」「よく覚えていないという回答ではどうだろうか」~朝日新聞によると,【NHKの番組が01年、放送直前に改変された問題で、取材対象の市民団体とNHKなどが争っている訴訟の口頭弁論が22日、東京高裁で開かれ、当時のチーフプロデューサー・永田浩三氏が証人として出廷した。朝日新聞の記事などで番組への政治家の関与が指摘された後の昨年1月、NHK幹部らが対応を話し合った際、放送前に安倍晋三衆院議員に会った経緯について「呼びつけられたのでなく、こちらから出向いたことにしよう」とのやりとりがあったと証言した。話し合いに参加した上司から聞いた内容として明らかにした。】

 NHKは、これまで,番組放送前に安倍氏に番組内容を説明したことについて,「呼び出されたのではなく、事業計画の事前説明のために出向いた」と説明していたが,その説明の信憑性に重大な疑義を投げかける証言であった。

 【永田氏の証言によると、「出向いた」とすることは、松尾武・元放送総局長と、国会対策担当だった野島直樹・元総合企画室担当局長との間で決まり、永田氏は、その場にいた上司から直接聞いたという。「NHKの公式見解と違い、衝撃的な内容だった。本当なのかなあと思った。(NHKは)真実は何か、世間に説明するべきだ」と述べた。】(朝日)。

 この点,永田氏が証言の際,内容が正しいことを確認したNHK有志作成の時系列表には吉岡部長(当時)の発言として次のように書かれている。

■■引用開始■■
 1月14日,松尾元総局長に呼ばれ,4階に集合した。1月12日の朝日新聞の記事への対処を話し合う場だった。野島元担当局長(現理事)伊東元番組制作局長(現顧問)白髪頭の人がいた。宮下理事も10分くらい顔を出した。松尾氏が記者会見を行う相談だったが,「やる」という決断はくだらなかった。野島氏から松尾氏に「1月29日は安倍氏に呼びつけられたのではなく,こちらから説明に行ったというゆうに話して欲しい」と要望があった。松尾氏は苦りきった顔で「よく覚えていないという回答ではどうだろうか」といい,そこに落ち着いたようであった。
■■引用終了■■

 また,【永田氏は、番組改変の過程で、伊東律子・番組制作局長(当時)の部屋に呼ばれたと言及。伊東氏は、歴史教科書問題に取り組む議員グループの著書に載った名簿を示し、中川昭一衆院議員の名前を指さしながら「言ってきているのは、この人たちよ」と話した】(朝日)という。

 この点,上記時系列表の永田氏の発言の欄には次の通り記載されている。

■■引用開始■■
この頃(番組が放送された30日の4日前の26日ころ),伊東番組制作局長は,局長室にある本「歴史教科書への疑問(日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会編)」のページを開き,中川昭一,安倍晋三の名前を指して,「この人たちだ」と言った。「こんな本が出てるの読んだ?どう読んでみない?」勧める。吉岡部長から伊東局長にこの本を勧められたことをすでに聞いていたので,自分にも同じことをするのだなと考えた。
■■引用終了■■

番組が43分,41分へと削られていったのは,この26日の後,29日,30日のことであった。

30日の放送直前に3分間カットされたシーンについて,上記時系列表の吉岡部長の欄に,
【松尾総局長の部屋に行くと,松尾,伊東,野島がいた。伊東:「自民党は甘くなかったわよ。吉岡ちゃん」 中略 松尾「○○ページを開けろ。ここからここまでなし」次々台本上で削除箇所を示した。それまでファジー男の松尾総局長がはじめて見せた屹然とした態度だった。誰かに台本を見せて決定した。その決定の通り伝えているに違いないと感じた】
と書かれている。

この証言をどのように受け止めますか?



自衛隊のオーストラリア語表記は,engineers?!

2006-03-22 00:03:47 | 有事法制関連
朝日新聞によると,【自衛隊が駐留するイラク南部サマワを中心とするムサンナ州に自衛隊とともに駐留する豪州部隊について、駐留継続の是非を問う世論調査を豪州民間調査会社が実施した。この結果、半数以上が早期の撤退を望んでいることが分かった。20日付のシドニー・モーニング・ヘラルド紙が伝えた。】という。

 シドニー・モーニング・ヘラルド紙の調査によると、28%が豪州部隊のムサンナ州からの「即時撤退」を望み、37%が「自衛隊が撤退して警護任務の必要がなくなると同時に撤退するべきだ」と答えた一方,24%は「どんなに時間がかかっても、イラクが平和と安定を取り戻すまでとどまるべきだ」と回答。8%は「米軍撤退まで残るべきだ」と答えたという。

 ちょっと,気になった。一体,「自衛隊が撤退して警護任務の必要がなくなると同時に撤退するべきだ」のもとの英語は,どうなっているのだろうかって。自衛隊って普通,英語だと日本の軍隊ってことになるのではないだろうか?軍隊を守るって???

 ということで,シドニー・モーニング・ヘラルド紙の原文によると,【The survey of 500 people, conducted by UMR Research for the political consultancy Hawker Britton(UMRリサーチ社が政治コンサルタント・ホーカーブリトンの依頼で行った500人を対象にした世論調査によると), found that 28 per cent wanted the 460-strong Australian deployment protecting Japanese engineers in the southern al-Muthanna province out of Iraq immediately(28%が日本のエンジニアを守っている460人のオーストラリア軍を直ちに撤退するべきだと回答した). Another 37 per cent wanted the troops withdrawn once the Japanese mission ends(37%は,日本のミッションが終わったら直ちに撤退するべきだと答えた).】

【Twenty-four per cent of respondents said they wanted Australian troops to remain in Iraq until the country was "considered to be peaceful and stable, even if it takes a long time", while 8 per cent said they should stay until US troops pulled out.(朝日の翻訳と同旨)】

ということのようだ。

つまり,英語表記では自衛隊とはされていない…。

オーストラリア人は,自衛隊を守るためにオーストラリア軍が駐留しているとは知らされていないのだろうか?

と思ってengineerの意味を確認すると,工兵っていう意味がある…。そうか,工兵か…。

同じ調査で,米軍のイラク侵略の理由( the main reason behind the US decision to invade Iraq.)を聞いたところ=いやぁ,きちっと侵略ですよ,「進攻」なんて甘い言葉を使っているのは日本だけではなかろか=,【Forty-nine per cent said it was "to protect oil interests", while only 3 per cent said it was to promote democracy in the Middle East. Another 22 per cent said it was to remove Saddam Hussein from power, 12 per cent to remove weapons of mass destruction, and 8 per cent to fight terrorism.(49%が石油利権を守るため,わずか3%が中東の民主主義を確立するため,22%がサダムフセインを退けるため,12%が大量破壊兵器をなくすため,8%がテロリズムと戦うため,と回答した)】とある。

49%が石油利権だと言っている割には,37%もの人が日本の工兵が撤退して警護任務の必要がなくなるまではオーストラリア軍の駐留を容認してくれている…。これって,日本が好感を持たれているっていうことかな???

オーストラリア人は,日本の工兵がサマワで何をしているのか,知っているのかな?

?の多い記事でした…。


「憲法のために私たちは何をすべきか」~憲法行脚の会・新たな呼びかけ人からのご挨拶~

2006-03-20 22:59:32 | イベント情報(行かれた方はぜひご感想を)
憲法行脚の会のイベントをご紹介します。

憲法改正が政治日程に加えられながら2006年が始まりました。憲法行脚の会は、
この流れを高橋哲哉・香山リカ・森永卓郎・高良鉄美・斉藤貴男のメンバーを加
えて迎え撃ちます。9条、靖国、男女平等など、さまざまな分野で活躍する各メ
ンバーが、私たちの憲法をさらに広めるために「2006年 何をしていこうか」を
語ります。みなさんもご一緒に憲法のために私たちは何をしていくべきか、ご一
緒にお話できればと思います。ぜひご参加ください。

日時:2006年3月22日 午後6時開場6時半開演 

(当日の予定および参加者)
●挨拶 三木睦子
●呼びかけ人からの提案およびパネルディスカッション
斉藤貴男・高橋哲哉・香山リカ・高良鉄美・土井たか子・佐高信
●会場からの質疑・意見交換

参加費:500円 (予定)
ところ:新宿 カタログハウスセミナー室
(地図はこちら

◆◆新たな呼び掛け人◆◆

 斉藤貴男(1958年生まれ。フリージャーナリスト。国家、ファシズム、教育基本法などについての著書多数。)
 高橋哲哉(1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。憲法と教育基
本法の改定問題に対峙し、行動する哲学者。)
 香山リカ(1960年生まれ。精神科医、帝塚山学院大学教授。現代の問題を「心」から見た論評を中心に発言を続けている。)
 高良鉄美(1954年生まれ。琉球大学法文学部教授。米軍基地の存在から生じる人
権侵害を告発し続ける憲法学者。)
 森永卓郎(1957年生まれ。獨協大学特任教授。専門は労働経済学と計量経済学
だが、金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開。)