情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

少年警察活動規則案改正過程で、国家公安委員会が「法の支配」を無視!~委員は辞任せよ!

2007-10-31 08:05:15 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 かなり遅めのアラートですが、とんでもないことが日本で行われようとしたことを確認しておきたい。「少年警察活動規則」の件です。恥ずかしながら、この問題について、日弁連の広報で最近になって初めて知った(※1)。

 これは少年法改正の過程で、警察に「ぐ犯少年である疑いのある者」に対する調査権限を与えようとしたことが批判され、その条項が削除されたにもかかわらず、規則で復活させようとしたという問題だ。

 「ぐ犯(虞犯)少年」とは、「将来犯罪をおかすおそれのある少年」という意味であり、虞犯少年である疑いのある者ということになるとすべての少年が対象になってしまい、誰かれかまわず、警察が法的な裏付けをもって調査できることになる。そのため、当然ながら、各方面から批判を浴び、少年法改正には盛り込まれなかった。

 しかし、それにもかかわらず、警察庁は、9月にパブコメに付した改正少年法に関する規則の中で、「虞犯少年である疑いのある者」をも調査対象にしようとしたというのだ。

 日本は法治国家であり、基本的には国会によって定められた法以外によって、人権が行政によって制約されることはあってはならない(法の支配)。ましてや、警察という有形力を行使する組織による人権制約は、法の裏付けなしになされてはならないのは明白だ。

 このことは、法に携わるものであれば、当然心得ておかなければならない大原則である。ところが、警察庁は、それを無視した規則を制定しようとしたわけだ。

 しか~も、警察庁の規則というのは、国家公安委員会規則ということです。国家公安委員会の皆様が、法の支配の大原則をゆがめた形での人権侵害をなそうとしたのです。

 申し訳ありませんが、国家公安委員会の皆様(※2)、辞職してんか!国会議員である泉委員長は自ら法の支配に反することをしようとしたんやから、当然辞職や!ほかのメンバーも何のためにいるのかわからへんぞ。

 そもそも、国家公安委員会とは、【国務大臣である委員長と5人の委員の計6人で構成される合議制の行政委員会です。この制度は、戦後新たに導入されたもので、 国民の良識を代表する者が警察を管理することにより、警察行政の民主的管理と政治的中立性の確保を図ろうとするものです】(※3)。

 法の支配を無視しておいて、何が、民主的管理や、何が政治的中立や!

 マスメディアも甘いよ、この問題の根深さをきちんと取り上げないとあかんやろ(関心がなかったのでいい記事を見落としているかもしれないのであったら教えてください)!

 とにかく、この問題は、テロ特措法と並んで取り上げなければならないほど、重大な問題であることは間違いない。国家公安委員会へ抗議を!


※1:http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/report/070920.html

※2:http://www.npsc.go.jp/profile/index.html
 
※3:http://www.npsc.go.jp/detail/index.html








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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取材源の秘匿を認めるか?米国が正気を取り戻したかどうかの試金石

2007-10-30 04:53:01 | メディア(知るための手段のあり方)
少し古いニュースになるが、10月18日付読売新聞(※1)によると、【米下院本会議は16日、ジャーナリストに対して取材源の秘匿を原則として認める法案を賛成398、反対21の大差で可決した】という。この法案は、シールド法と呼ばれているもので、【ジャーナリストに対し、テロ攻撃や国家の安全の侵害、人命への差し迫った危険などを防ぐのに必要な場合を除き、取材源秘匿の権利を広く認め、検察側に対しては、取材源開示を求める際は「他のあらゆる手段」を尽くしたことを証明する義務を負わせている】(上記読売)。

 何度か紹介したことがあると思うが、米国では、すべての州で成文化されているか、もしくは、判例によって認められている。しかし、連邦レベルでは、何度か、提案されたが、いずれも可決に至らなかった。

 現在、上院でも同様の法案が審議されており、本会議で可決されれば、下院の法案と一本化される。ただし、連邦法が成立するには、大統領の署名が必要となる。読売新聞によると、【ホワイトハウスは「テロ捜査などに重大な支障をもたらす」として拒否権行使の構えを示している】という。

 しかし、この法案が提案され、今回下院を通過した背景には、2年前、イラク参戦に関連して、米中央情報局(CIA)工作員身元漏えい事件で取材源の開示を拒んだ記者が収監された事件がある(※2)。

 したがって、この法案が上院をも通過すること、米国内において9・11の熱病から回復することを意味する。大統領が拒否権を発動することができるのかどうかも併せて注目しなければならないと思われるので紹介しました。

 ちなみに、法案の名は、「Free Flow of Information Act」。シールド法よりいい感じ。



※1:http://72.14.235.104/search?q=cache:48FKMr9ixXoJ:www.yomiuri.co.jp/world/news/20071017i312.htm+%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E5%8F%96%E6%9D%90%E6%BA%90%E7%A7%98%E5%8C%BF%E8%AA%8D%E3%82%81%E3%82%8B%E6%B3%95%E6%A1%88%E5%8F%AF%E6%B1%BA%E2%80%A6%E7%B1%B3%E4%B8%8B%E9%99%A2&hl=ja&ct=clnk&cd=1&gl=jp

※2:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/94332a97b73c03bb22c039071ff3e5bc










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なぜ、文民統制が必要なのか~自衛隊制服組の恐ろしいまでに偏った思想の実態

2007-10-28 22:02:41 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 「社会党政権ができればプロ野球ができなくなる」と言ったのは?…長島選手。では、「政権が社会党をはじめとする左翼政権に移行した時、これをそのまま国民の意志(意思?)として素直に受け入れるわけにはいかない。今の自民党を中心とする政権、つまり、議会制民主主義による政権下にあることを前提としてつくられたのが自衛隊なので、もしそういった事態になったとしたら、その下に働くことを潔しとせず去っていく者が多数の上ることであろう」と述べたのはだれでしょうか?

 正解は、元東部方面自衛隊総監の増岡鼎。「軍事研究」1989年11月号での発言だということが、「文民統制 自衛隊はどこに行くのか」(纐纈厚)で紹介されている。東部方面自衛隊総監といえば、広域関東圏(関東および甲信越と静岡県)の防衛警備や災害派遣等を担任する部隊を統括する人物である。この人物が自民党政権にここまで肩入れした発言をしたことはきちんと記憶しておくべきだと思う。

 著者の纐纈氏は、「増岡の発言は、ほとんど恫喝に等しい内容である。自民党政権しか認知しないという発想自体、開かれた民主主義国家にあって、軍隊は中立を堅持するべきであるとする基本的スタンスから逸脱するものである」と批判する。そして、「そこから見えてくるものは、戦後民主主義に適合的な存在として、自衛隊組織の正当性を得ようと努力する姿ではない。そうではなく、自ら描く国家観や社会観に適合する組織としての自衛隊が存立している、という強烈な自負と自信である」と分析する。

 給油量を80万ガロンであるにもかかわらず、20万ガロンだと、報告した自衛隊幹部もやはり、「強烈な自負と自信」を持っていたのであろう。

 しかし、その「強烈な自負と自信」は、市民にとって、益にはならず、害にしかならない。
 
 軍隊はそれが一国を制圧する力を持っているがゆえに、自国民に対する驚異とならないようにするために、シビリアンコントロールが必要となる。それを守らないことこそが、組織防衛のために必要なことだと考えているいまの自衛隊は、戦前の旧軍となんら変わらないのではないか。

 テロという合い言葉で、パンドラの箱は開きつつある。自衛隊の国際協力を恒久法という名で実現したとき、パンドラの箱は全開することになる。そんな事態を「国民の意思として素直に受け入れるわけにはいかない」。




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千葉県警、わいせつ巡査を停職処分で済ませ、逮捕せず、氏名発表せず~毎日渾身の追及記事

2007-10-27 19:11:58 | メディア(知るための手段のあり方)
 よそがさらっと流した警察の不祥事について、処分が甘い、氏名を開示しないのは問題だという観点で、毎日が追加取材し、大きく展開した。27日付朝刊社会面トップ!気合いの入った特ダネだ。ほかのメディアは、こういう情報を匿名のままだらだら垂れ流したことを反省してほしい。

■■引用開始■■

交番に相談に来た30代の女性宅を勤務中に訪れ、わいせつ行為をしたなどとして、千葉県警は26日、松戸署地域課の三浦義隆巡査(33)を停職6カ月の懲戒処分とし、特別公務員暴行陵虐容疑などで千葉地検に書類送検した。巡査は依願退職した。職務上知った情報をもとに勤務中にわいせつ行為をしたにもかかわらず、県警は「逮捕事案や懲戒免職にあたるケースではない」として、氏名も発表しなかった。【山本太一】

 県警監察官室の調べでは、女性は7月3日午後2時半ごろ、三浦巡査が勤務する交番に「ストーカーや詐欺の被害に遭っている」と相談に来た。三浦巡査は約1時間対応し、同日午後9時半ごろ、制服でパトロール中に1人暮らしの女性のアパートを訪れた。1時間程度いる間、胸を触るなどのわいせつ行為を繰り返した疑い。女性宅を訪れたことは上司に報告していなかった。

 女性は2日後、「自宅を訪ねてきた三浦巡査にわいせつ被害にあった」と交番に電話したことから発覚。女性は11日に強制わいせつ容疑で同署に刑事告訴した。しかし19日に「気持ちが落ち着いた。刑事処分は望まない」として告訴を取り下げたため、強制わいせつ容疑は立件しなかった。

 女性は軽度の発達障害があったという。監察官室の事情聴取に対し、三浦巡査は「詳しく被害の様子を聞きたいと思い、女性宅を訪れた。身の上話を聞くうちにムラムラしてきた」などとわいせつ行為を認めている。

 県警は監督責任を問い、当時の同署地域課長(37)と係長(38)を本部長などの注意処分とした。

 また県警は女性からの届け出を受け7月18日、三浦巡査の官舎を強制わいせつ容疑で家宅捜索したところ、浦安署に勤務していた03年に取り扱った万引き事件2件の捜査書類44通が見つかった。関係者の供述調書などで、バッグの中に保管されていた。三浦巡査は「処理が遅れ、そのままにしておいた」などと説明。県警は公文書毀棄(きき)容疑でも書類送検した。

 岡田英男・首席監察官は「逃亡や証拠隠滅の恐れはなく、逮捕の必要性はなかった。業務管理を徹底し、再発防止に努めたい」としている。

 ◇障害利用なら悪質--性犯罪の被害者対策などに詳しいNPO法人「ヒューマニティ」(東京都大田区)の代表カウンセラー、小早川明子さん

 被害者を救う立場の警察官が加害者の場合、無力感から被害を訴えられないケースもある。また、発達障害はコミュニケーション能力の障害なので、加害者がそれを利用したとすれば非常に悪質だ。警察は性犯罪被害者の体験を学ぶ研修を積極的に行っていくべきだ。

■■引用終了■■

 警察官の氏名を匿名にするのは許し難い。公務を利用した犯罪であり、ほかにも被害者がいる可能性がある。したがって、氏名を顔写真を公開し、ほかに被害があったら名乗りでるよう求める必要がある。

 それなのに、名前を出さない警察…そして、そのまま垂れ流すメディア…。そんな中、独自取材で名前を割出し、掲載した毎日のしつこさを賞賛したい!

 それにしても依願退職とは…。当然、懲戒解雇でしょう!退職金返せ!

 それにな、やっぱり身内は逮捕せんやろ!なっ、普通に考えたら、証拠隠滅も逃亡もせんように思うわな。せやけど、警察以外の人を調べるときは、立派な会社に勤めとっても簡単に逮捕しよる!ええかげんにせえよ、身内と同じ基準で市民にも対処せな、あかんやろが!

●そうそう、読売新聞の17日付編集手帳で、阪急で不況の時ライスに無料のソースをかけて食べる客について、嫌がるのではなく「ライスだけの客歓迎」という張り紙をしたこと取り上げたうえ、ミートホープやノバについて経営方針を批判し、最後に、「要は胸(ヤメ蚊注「心」の意)の差だろう」とまとめる。これを書いて悦に入っているとしたら、ちょっと反省してほしい。どうすれば、繰り返さないで済むかを真剣に考えるならもっと具体的なアイデアを出すはず、例えば、内部告発を健全に活用するなど…。「気合いだぁ」なんて叫ぶだけでは、能がないよね。


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-国連旗 ヒノマルにする あぶなさよ-橋本勝の政治漫画再生計画第94回

2007-10-27 18:58:06 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
 日本がインド洋における海上ガソリンスタンドを続けるための「新テロ対策特措法」をめぐる与野党の攻防が大詰めに来ている。断固反対の姿勢を貫く野党民主党。そんな今、民主党の小沢党首の国連決議があれば、国際治安部隊たるISAFに派遣もありうる(当然戦闘も辞さない)という発言が波紋を広げている。世界の安全と平和を保つための国連に対する信頼と協力も大切なことである。
 世界の警察の役割は任せておけと、「テロとの戦い」とやらに邁進するアメリカについてゆくことよりましかもしれないが、国連が決めたことだからと日本がズルズルと参加(戦)していったらどうだろう。それは憲法9条によって戦争しない国であり続けようとする日本ではなくなることである。たとえ掲げる旗が日の丸ではなく国連旗であっても、戦場へ向かうべきではない。中途半端な戦争できる普通の国になるのではなく、トコトン平和国家に徹することこそが真の国際貢献だと思うのである。

【ヤメ蚊】
 門出を祝う紅白の国連旗…。







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不当判決を斬る~浜岡原発差し止め訴訟弁護団海渡雄一弁護士

2007-10-27 03:54:56 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)

首都圏が破滅する危険のある浜岡原発差し止めを却下した判決に対する弁護団の批判が届いたので紹介する。

 皆様、事前の下馬評とは裏腹に、とんでもない不当判決をもらってしまいました。判決の全体を詰めて読めたわけではありませんが、判決の基本的な枠組みの部分について、読解して批判を試みてみました。他の部分も読み解いていきたいと思います。判決そのものは、原子力資料情報室のホームページに掲載して頂きました。 http://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=581
 ぜひ、皆さんもご一読いただき、意見、批判をお寄せ下さい。ひどすぎて、書ききれないかもしれませんが、衆知を集めてこの不当判決を跳ね返して、浜岡原発の停止までがんばりたいと思います。どうか、よろしくお願いいたします。  海渡 雄一

  浜岡原発地裁判決の論理とその克服の途 その1  海渡 雄一 (浜岡原発差し止め訴訟弁護団)  

はじめに

 この判決には中越沖地震についての言及は一切ない。 この判決は結審後の事象である中越沖地震は発生していない前提で書かれている。 多くの国民は、中越沖地震の経験に照らして、浜岡原発がそれを遙かに上回る東海地震の時に、耐震安全性を確保できているのかについて判断されることを願い、この判決に注目した。しかし、この判決には、このような観点の考察は全く含まれていない。そういう意味では、この判決は多くの国民の司法への期待を根底のところで裏切っていると言わざるをえない。確かに、裁判所は口頭弁論終結の時までに明らかになっていた事実に基づいて判断する。しかし、公知の事実について考慮することは許されるのである。この点に、本判決の決定的な欠陥があるといわざるをえない。

 1 判決の理論的な誤り

 引用1 ○ 原子炉施設に求められる安全性は起こりうる最悪の事態に対処する必要がある、抽象的に想定可能なあらゆる事態について安全であることまで要求するものではない!

 「以上に認定した国の諸規制に加えて, 炉心溶融その他の重大事故による核分裂生成物等の大量放出等, 原子炉施設が内包する潜在的な危険性を考えれば, 平常時はもちろん, 地震, 機器の故障その他の異常時における万が一の事故を想定した場合にも一般公衆の安全が確保されることが原子炉施設の設置, 運転上不可欠なものとして要求されていると認められる。このことは,一般的に「原子炉施設の安全性」として理解されているが、この「原子炉施設の安全性」が確保されないときは, 周辺住民等の人格権侵害の具体的危険性が生じると認定することが可能となる。もっともここにいう「原子炉施設の安全性」とは, 起こり得る最悪の事態に対しても周辺の住民等に放射線被害を与えない(乙B3 ) など原子炉施設の事故等による災害発生の危険性を社会通念上無視し得る程度に小さなものに保つことを意味し, およそ抽象的に想定可能なあらゆる事態に対し安全であることまでを要求するものではない。(判決32-33頁)」

 判決は、この判示により原告の主張は抽象的な可能性を指摘するものに過ぎないの一言で片付けられる論理を作り上げた。
 この判示は伊方判決の「原子炉が原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する核燃料物質を燃料として使用する装置であり,その稼働により,内部に多量の人体に有害な放射性物質を発生させるものであって,原子炉を設置しようとする者が原子炉の設置,運転につき所定の技術的能力を欠くとき,又は原子炉施設の安全性が確保されないときは,当該原子炉施設の従業員やその周辺住民等の生命,身体に重大な危害を及ぼし,周辺の環境を放射能によって汚染するなど,深刻な災害を引き起こすおそれがあることにかんがみ,右災害が万が一にも起こらないようにするため,原子炉設置許可の段階で,原子炉を設置しようとする者の右技術的能力並びに申請に係る原子炉施設の位置,構造及び設備の安全性につき,科学的,専門技術的見地から,十分な審査を行わせることにあるものと解される。」とする解釈を、明示はしていないがこっそりと変更しようとしている(平成4年10月29日 第一小法廷 最高裁判所民事判例集46巻7号1174頁)。
 原子力発電所の安全性においては,万が一にも周辺に放射能を放出するような事故を起こしてならないという前提が危うくされているのであり、このことこそが本判決の誤った結論の出発点である。

 2 地震時の原発の同時故障の可能性について

引用2○ 地震発生による共通原因故障を想定する必要があるのか、ないのかはっきりして! 

 「地震の発生を想定した場合, 地震その他の自然現象に対して設計上の考慮をすることを前提として, 内部事象としての異常事態について単一故障の仮定による安全評価をすれば十分といえるのかについて検討する。 この点について, 原告らは地震の発生を想定して共通原因故障の仮定をした安全評価をしなければ十分といえないと主張する。しかしながら全体として本件原子炉施設の安全性が確保されるのであれば, 安全評価審査指針が定めるように, 安全設計審査指針に基づいて別途設計上の考慮がされることを前提に, 内部事象としての異常事態について単一故障の仮定による安全評価をするという方法をとることもそれ自体として不合理ではない。そして, 原子炉施設においては, 安全評価審査指針に基づく安全評価とは別に耐震設計審査指針等の基準を満たすことが要請され, その基準を満たしていれば安全上重要な設備が同時に複数故障するということはおよそ考えられないのであるから. 安全評価の過程においてまで地震発生を共通原因とした故障の仮定をする必要は認められず, 内部事象としての異常事態について単一故障の仮定をすれば十分であると認められる。
 したがって, 原告らが主張するようなシュラウドの分離, 複数の再循環配管破断の同時発生, 複数の主蒸気管の同時破断, 停電時非常用ティーゼル発電機の2台同時起動失敗等の複数同時故障を想定する必要はない。
 もっとも原告らにおいて, 地震動等によって複数箇所で不具合事象が発生することが合理的に想定でき, その場合に, 安全設計審査指針が定める地震その他の自然現象に対する設計上の考慮と安全評価審査指針が規定する単一故障の仮定による安全評価によっては不十分であり, それによっては原子炉施設の安全性が確保されないことを合理的に推認できることを主張立証した場合には, 被告の行っている単一故障の仮定は妥当でないと評価されるので, 本件原子炉施設の耐態安全性は確保されないと判断されることになる。」(判決106-107)

 この段落は何度読み返しても、意味がよくわからない。
 前段では地震時の共通原因故障はおよそ検討する必要性がないと断じている。 ところが、後段では、中越沖地震によって3000箇所もの同時故障が生じており、その一部は原子炉の炉内での故障であることさえ、論証できれば原子炉の耐震安全性は確保されないとしている。
 判決には中越沖地震とこれに基づく柏崎原発の損傷に関する認定は一切含まれない。しかし、裁判官が報道を読まなかったはずはない。裁判所に明らかな事実は口頭弁論の結審後の事実であっても、認定の基礎とすることができたはずである。裁判所は7月19日の仮処分事件の結審時に、口頭弁論再開を求めた原告らに対して、中越沖地震と柏崎原発に生じている事象についての重要性を認めながら、公知の事実として取り扱うことも可能との見解を示したのであった。
 しかし、下された判決は中越沖地震などは全く発生しなかったという前提で書かれている。そのことを端的に示す部分が次の一節である。

引用3○ 地震による重大な損傷は発生していない!?

 「原告らは, 平成12年7月21日の地震時に東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。) 6 号機クロスアラウンド管逃がし弁付属小口径配管が破損した事象や, 同原子力発電所1,3,5号機及び東北電力株式会社女川原子力発電所(以下「女川原子力発電所」という。) 1号機で地震動に伴って中性子束が急激に増大した事象,福島第一原子力発電所1,2,4号機の機器が地震時に変形した事象などを挙げ, 地震を原因とする共通原因故障に原子力発電所の安全設計は対応できていないと主張する。 しかしながら, 平成12年7月21日の地震時に福島第一原子力発電所6号機で発生した事象は安全上重要な設備ではないタービンの小口径配管に生じたものであり, 重大事故につながるものではないし(乙D5), 女川原子力発電所1号機において地震動に伴って中性子束が急激に増大した事象も一定以上の中性子東の上昇によって原子炉施設が緊急停止することから重大事故につながるものではない(乙D26,27)。また, 福島第一原子力発電所1,2,4 号機の機器に生じた事象は気水分離器の脚に係るものであり, 同機器の性能に関係するものではないので, 当該事象が重大事故につながるものでもない。」(判決107-108)

 この段落を読んで、私はめまいを覚えるのを禁じられなかった。確かに結審前にはこれだけの事象しか発生していなかったかもしれない。しかし、中越沖地震後の柏崎原発ではわずかマグニチュード6.8の地震で3000箇所を超える同時故障が発生し、その中には、原子炉クレーンや制御棒駆動系、使用済み燃料プールなどの安全上重要な機器が含まれており、今後炉心内の調査が進めば、中枢配管の損傷さえ見つかるかもしれないということは、通常の新聞でも報じていたのに、このような事実が全く存在していないかのようである。裁判官には現実は何も見えていないようである。

引用4○ 制御棒の同時脱落を想定する必要はない?

 「原告らが指摘する本件引き抜け事象や志賀原子力発電所1号機で発生した複数本の制御棒脱落事象は, いずれも定期点検中の制御棒関連の弁の誤操作等を原因とする事象であり(乙D 190 , 195), 地震の発生に伴って複数箇所で不具合事象が発生することの根拠とするには適さない。また, 前述のとおり, 制御棒駆動機構等は基準地震動S2による地震力に対してもその機能に影響を及ぼすことがないように十分な余裕を持った耐震設計がされ, 制御棒が確実に挿入されることが確認されている(地震その他の自然現象に対する設計上の考慮) ので, 複数の制御棒脱落を想定すべき格別の根拠は見いだせない。」(判決109頁)

  この点の判示も驚きである。柏崎では制御棒に地震時に変形が生じていたことが明らかになっている。

記事引用

 柏崎原発で制御棒1本、炉心から引き抜けず…地震で変形か

 東京電力は18日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所7号機で、制御棒205本のうち1本が炉心から引き抜けなくなっていることを明らかにした。
 詳しい原因はわかっていないが、地震の影響で変形などが起きた可能性があるという。今回の地震で炉心の最重要機器にトラブルが判明したのは初めて。東電は「安全上の問題はない」としている。
 制御棒は原子炉内の核分裂連鎖反応を調整したり止めたりする役割があり、耐震設計上の重要度分類では最上位の「As」クラス。原因次第では、他の原発にも対策が必要になる。
 7号機では、地震による炉心損傷の有無を調べるため、今月11日から核燃料を取り出し制御棒を下に引き抜く作業を開始。205本ある制御棒のうち、106本目までは問題なく抜けたが、18日午後3時5分ごろ、107本目が挿入状態のまま動かないことが判明した。制御棒を上下させる装置は正常に作動しているため、制御棒本体やその付属部品に何らかの変形があり、どこかに引っかかっている可能性が高いという。(2007年10月18日22時37分 読売新聞)」

 裁判官は、すべての新聞に大きく報道されたこの記事を読まなかったのだろうか。制御棒は確かに挿入できた。しかし、変形して引っかかっている。もっと大きな地震が襲ったら、挿入もできなくなる寸前ではないか。あまりにも楽観的な裁判官の判示に背筋が寒くなるのは私だけだろうか。

3 想定を超える東海地震は発生するのか

 この論点についての判決の判示は混乱している。

(1)アスペリティの位置と震源断層面の深さについて

 私たちが指摘していたアスペリティの位置の問題と震源断層面の深さの問題については判決はアスペリティの配置の妥当性は十分に確認されている(判決119頁)とし、震源断層面の深さについても石橋説を否定し、野口説に基づいて深さを評価することは適切とした(判決121頁)
 しかし、その根拠は混乱を極めており、科学的な批判に耐えるような判示はなされていない。
 そもそも、アスペリティの位置については、被告中電と原告双方申請の入倉証人も、原発直下にアスペリティを置くべきだとしていたのである。いずれも、新指針に基づくバックチェックでは中電も石橋説に基づいて再評価することを余儀なくされていたにもかかわらず、裁判所はそのような再評価も不要としたのである。中電もさぞこのような判示には驚いているだろう。

 (2)産業総合研究所もびっくり 超東海地震に科学的根拠なし?

 また、通常の東海地震を超える超東海地震の発生の可能性についても、原告らの主張は科学的根拠を欠いているとまで判示した。

記事引用

 東海地震、国の想定上回る可能性(2007年09月04日朝日新聞)

 「国が想定する東海地震の約3倍もの地殻変動をもたらす「超」東海地震が、この5000年に少なくとも3回起きたことが、中部電力浜岡原発近くのボーリング調査からわかった。調査したのは、産業技術総合研究所(産総研)活断層研究センターの藤原治研究員と北海道大学の平川一臣教授らのグループ。大きな隆起を伴うため、想定東海地震とは別のタイプとみられる大規模地震が、約4800年前、3800~4000年前、2400年前ごろの計3回、起きていたことがわかった。この後、もう1回発生しているとみられ、1000年周期の可能性がある。
 石橋克彦・神戸大教授は「見つかった超東海地震は、詳しいメカニズムはわからないが、予想されている東海地震より大きなものであるのはほぼ確実だ。次に来る東海地震は、このタイプになる可能性もあり、備えが必要だろう」と指摘する。
  国が想定する東海地震はマグニチュード8級。古文書で記録が残る安政東海地震(1854年)の震度分布などを元にモデルが作られており、地殻変動のより大きくなる地震は、想定外だ。
 浜岡原発は、国の中央防災会議が作ったモデルよりやや厳しい地震でも耐えられるように、3号機から5号機の耐震補強工事を05年から始めた。しかし地殻変動のより大きい地震は想定に入っていない。」

 この記事も裁判官は見なかったのだろうか。この研究は第四紀学会で正式に報告されている。新聞記事を示すだけで誤りの明らかな箇所が多すぎる。不勉強を通り越して、無知で恥知らずの判決と言うほかない。

 (3)判決の迷い

 ここまでは、判決は暴走機関車のように勢いがよいが、やはり想定を超える地震が発生するおそれを感じたのか、つぎのような判示もしている。

引用5

 「原告らは, 安政東海地震が最大の東海地震とはいえないと主張し, 証人石橋克彦も同旨の証言をする。確かに, 我々が知り得る歴史上の事象は限られており安政東海地震又は宝永東海地震が歴史上の南海トラフ沿いのプレート境界型地震の中で最大の地震ではない可能性を全く否定することまではできない。しかし, このような抽象的な可能性の城を出ない巨大地震を国の施策上むやみに考慮することは避けなければならない」(115頁)

 想定を超える地震の可能性を認めながら、それが抽象的な可能性の域を出ないとし、国の施策上むやみに考慮することは避けなければならないというのである。
 可能性があるのであれば、それを原発の安全性の判断に当たって考慮するのは当然ではないか。 同じ、悩みは判決の結論に至っても、次のように吐露されている。

引用6

 「以上判示したところによれば, 本件原子炉施設は, 平常運転時はもちろん,想定される東海地震発生時においても安全性が確保されていると認められる。もとより, 地震学等における知見が集積された今日においても, 地震について我々が知り得ることは限られており、想定東海地震を超える地震動が発生するリスクは依然として存在する。しかし, こうした地震動の発生については科学的根拠を持って地震動の発生及びその規模等を想定できるものではないので, なおリスクとしての範囲に止まるものと言わざるを得ず, これに対しては, これまで認定した本件原子炉施設に関する基準地震動の設定その他における安全余裕によって対処できるものと判断される。」(判決256頁)

 このリスクが安全余裕によって対処できるということは、誰も保障していない。全く情緒的な判決である。裁判所の信仰に近い蛮勇には驚くばかりだ。判決は続けて次のように判示する。

 引用7

 「この点, 原告らは, 炉心溶融その他の重大事故が発生した場合の被害の甚大さから万が一にもそのような事態が生じないようにするため, 最悪の事態を想定した設備や対策を講じるのでなければ原子炉施設の運転を許すべきではないとの趣旨を強調しているが既に述べたように, 本件原子炉施設において将来発生する可能性のある地震動については, これまでに集積された地震学等の知見により一定の予測をすることが可能であることからこれを前提として, さらに安全余裕を確保しつつ原子炉施設の設計, 運転を検討することが正しい方法であり, これまでの検討によれば, 立地条件, 施設の構造・強度等, 事故防止及び公衆との離隔に係る各安全確保対策等は, いずれも本件原子炉施設の安全性を確保し得るものということができる。その際, 原子炉施設における深層防護(多重防護) の思想や保守的な判断(安全の側への判断) を前提として, PDCAサイクルを実践することはもちろんであるが, とりわけ,事業者及び原子炉施設を維持・運転する人の規範意識や安全確保に対する強固な意志, 専門的な知識と的確な判断に基づく適正迅速な行動等が重要である。どんなに幾重の対策を講じ重厚な設備にしようとも, これを扱う人のミスによってこれらが瓦解に帰し, 重大な事故へと発展することがある。こうした人の問題についても,被告はこれを撲滅することを目指して対策を講じ,改善の努力をしてきており, 直ちに本件原子炉施設の安全確保を危惧させる状況にはない。」

 なんと、空疎な文章だろうか。このように書いておけば、実際に原発震災が現実化したとしても、私たち裁判官は適切な警告をしておいたのだといいわけをするためなのだろうか。

 4 まとめ

 正直言って、今日は何も書きたくない気持ちだった。こんなにも自ら期待し、原告団と全国の仲間たちから声援を受けながら、勝てなかったのはなぜなのか。私たちの主張の組み立てと立証に何か問題があったのかという謙虚な気持ちで判決を読んでみた。
 しかし、いくら読んでも訳がわからない。この判決はひとことで言うと、争点になった事項のすべてについて、中部電力の準備書面と証拠をつなぎ合わせているだけの判決だ。
 そして、何の深い考察もなく、あるのは、国の安全審査や中央防災会議の議論へのよりかかりだけである。そして、随所には空虚な評論家的なおしゃべりと、良心の呵責に耐えかねた逃げ口上がところどころにちりばめられている。
 この判決の論理は、柏崎で起きた事実の前に完全に行き詰まっている。既に始まっている控訴審では、中越沖地震によって柏崎原発に発生した事実をきちんと立証することで完全に覆すことができるだろう。
 これまで、応援して下さった皆さんには、勝利できなかったことについて、心からお詫びしたい。しかし、こんな判決に屈するわけにはいかない。
 東京高裁での原告団の闘いに、全国からの支援をお願いしたい。


【取調可視化問題】検事が組長と取引した件については、土本氏はどう対処するべきだというのか…

2007-10-26 04:16:28 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 こう世の中の動きが速いとあれこれ忘れてしまうが、土本氏は先月問題化されたこの事件を忘れたわけではないでしょう。検察官が組長と裏取引し、組長の息子が別人の所持していた拳銃を持って自首するシナリオを描いたという事件、これは東京新聞の特ダネだったが、【最高検幹部は九日、この検事の捜査手法は「不適切だった」と指摘。「来週、全国の次席検事が集まる会合(次席会同)で捜査手法について指導する」と話した】ものの、【さいたま地検は同日、「銃刀法違反事件をねつ造しようとした事実はなく、捜査手法についても刑事訴訟法などに反するような違法行為はなかった」とする調査結果を発表した】という(※1)。

 この件について、鳩山法務大臣は、取調の可視化が必要ではないか、という質問に対して次のように答えている。

【私はこのことと可視化の問題というのは全く関係がないと思います。可視化ということですが,無罪判決というのは世の中にいくらでもあるでしょう。そうすると無罪になると,取調べがおかしかったからではないかというような話になりますが,取り調べたもの全部が,有罪にならなければいけないのだったら,裁判はいらないではないですか。そういう意味で言えば,取調べということについて,それはできるだけきちんとやるわけですが,取り調べても,検察が有罪,無罪を決めるのではないのです。取り調べて,起訴したり,不起訴,不起訴にも三形態あるようですけれど,起訴猶予ということも,あるいは,嫌疑不十分ということもあるでしょう。そういう判断にも私は口を出すつもりは全くありません。それは,準司法的なものですから。可視化の話というのは,裁判員制度が始まって,自白の任意性というものが明らかに分かるように,そういうものを使う道もあるかなという試行がされているということであって,それは,警察であれ,検察であれ,取調べというものを最初から最後まで全部撮るといったら,我々だってテレビカメラがあると意識するのですから,最初から全部ビデオに収めたら,それは芝居だってあり得るではないですか。芝居だってあり得るというのは変ですけど,やはり意識が多少違うのではないですか。そういうことでいえば,正しい取調べはできなくなると思います。昔の特高警察の時代ではないのですから。日本の検察は,こういうことはあったかどうか分かりませんけれど。私は日本の検察は,基本的に信じたいと思っていますから。可視化というのは,そういう観点から考えられることであって,およそ取調べは全部ビデオに撮れなどというのは暴論ですよ】(※2

このような不祥事があっても平気な法務大臣を戴いているからこそ、土本氏も平気ででたらめな可視化反対論をぶちあげることができるんだなんや。


※1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007101002055247.html
※2:http://www.moj.go.jp/SPEECH/POINT/sp070918-01.html 












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取り調べの可視化(録画)に反対する土本元検事執筆「正論」の意味不明さ~恥ずかしくないのか

2007-10-25 07:00:28 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 白鴎大学法科大学院院長・土本武司氏が、産経新聞の正論で(※1)、取り調べの可視化(録画)に反対している。しかし、その論考は、まったく、非論理的であり、説得力がない。検察を代弁するのに、こんな稚拙な論考ではずかしくないのか、ちょっと心配になるほどだ。というか、可視化こそが「正論」であり、反対すること事態が無謀だということなんでしょうね。それにもかかわらず、反論しなければならない土本氏には同情するしかない。


 土本氏は、まず、【「犯罪を最もよく知る者は犯人である」との自明の理に立脚して、捜査官は被疑者の取り調べに情熱を注ぐ】という。ここには、疑われた者が犯人でないことを確認しようという視点はまったくない。被疑者=犯人だから、徹底的に取り調べて吐かせる…こういう意図が感じられる。とんでもない話で、だからこそ、可視化(録画)が必要になるわけだ。

 百歩譲って、単に犯人であれば最も犯罪をよく知る者だから…と言い換えたとして、だから何?って感じ。「だから」被疑者の取り調べの必要があるというのなら分かるが、「だから」取り調べ時に録画してはならない、という結論は導きようもない。

 なお、土本氏は、【その取り調べの結果は、取調官自らか立会官が供述調書の形で記録化している。それは逐語的でない半面、冗長な供述を整理して記載してあるため供述内容を把握しやすい】と付け加えるが、それがどうした?分かりやすい供述調書を作るなら作ればいいじゃないですか?でも、同時に録画しても問題はないでしょう?

 次に、土本氏は、

【この問題はまず、欧米諸国と異なり、日本人被疑者の場合は、捜査官への自白が罪責感情を軽減させる機能を果たしていることを知るべきである。
 犯人が被疑者としての取り調べを受けることになったとき、とくに身柄の拘束を受けたとき、その直後は新しい環境に緊張するが、それに慣れ、取調官と親和する心理状態になれば、取調官との間に感情移入により“悔悟”の心情が芽生えて自白がなされるのである。したがってわが国における取り調べは、欧米でのそれのように、取調官と被疑者の対立闘争関係ではない。
 私の体験からしても、自白はむしろ取調官と被疑者が友好的関係になり、心のラポートがかかったとき、すなわち琴線に触れたとき生まれるものであり、対立抗争の関係にある間はそれがないため自白は生まれない。だから怒号とか理詰めの尋問は決して有効でない】

という。

だから、何?怒号とか理詰めの尋問ではないなら、録画しても何の問題もないでしょう?心のコラボレートをかけた感動的なシーンはぜひ、録画しておいてほしいもんだ。

次に、土本氏は、

【第2に、取り調べの録音・録画を実施している諸外国では、取り調べ以外に真相解明のためのさまざまな捜査手段が用意されていることを知るべきである。例えば「司法取引」や「刑事免責」は、重大事件の犯人を逸することのないよう機能しているし、「通信傍受」「おとり捜査」「潜入捜査」なども、「取り調べ」方式に代わる真実発見方法としての機能を果たしている。真実発見も適正な手段によることが強調されるわが国では、それらの代替手段は好まれない】

という。

まずは、通信傍受、おとり捜査、潜入捜査…しているじゃない。①通信傍受は、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」があるし、②おとり捜査、潜入捜査は最決平成16年7月12日が一定のものについては違法ではないとしている。事実をゆがめたんでは「正論」の名が泣きまっせ。

次に「司法取引」や「刑事免責」って、やってるじゃない、現に…。例えば、
【2007/10/12-13:19 捜査員が元組員に便宜=接見禁止中に妻と面会-判決で認定・東京高裁
 強盗傷害罪などに問われた元暴力団幹部関新次被告(55)の控訴審判決が12日までにあり、東京高裁の長岡哲次裁判長は取り調べを担当した警視庁捜査一課の捜査員が、接見禁止中に妻と面会させるなど便宜供与を図った事実を認定し、「刑事司法の公正さを揺るがしかねない行為」と非難した】(時事通信)

取り調べが録画されていないことをいいことに、警察はやりたい放題って知ってるくせに…。

そもそも、犯罪を取り締まるために有効は手段が必要だ、ということと、取調の可視化とは何の関係もない。まずは、取調を可視化して、人権侵害をなくしたうえで、犯罪が増えて困るというなら、別に捜査方法について検討すればよいだけのこと…。


最後に土本氏は、

【また、録音・録画記録制度を採用した先進国であるイギリスですら、同制度には次のような問題があるとしている。(1)取り調べを形式的・画一的な手続きにしてしまう(2)被取調者は将来その内容が一語一句すべて公開されることを覚悟しなければならず、自白がしづらくなる(3)何らかの理由で録音・録画がなされなかった場合、そのことをもって当該供述の証拠価値が低く見られてしまう-など】という。

しかし、(3)は、言語道断、盗人猛々しいし、(1)、(2)なんてのはあったとしても少数意見で、捜査官の多くは、任意性がはっきりするようになり、無駄な争いがなくなったとして歓迎している。

【(英国)政府は、1980年初頭から、録音の試験実施に踏み切りました。すると、録音に反対していた警察側から、録音に積極的な意見が多く出されるようになりました。録音をしても、自白を引き出すことは妨げられず、かえって、取調べ方法に対して、警察官が非難されることがなくなったことなどが、その理由です】

【取調べが可視化されたことにより、取調官の取調べ技術の問題点が次第に明らかにされるようになりました。このため、警察においては、PEACE Mode1という取調べ技法を開発し、取調べにあたる警察官らに教育を始めるなど、取調べ技術が格段に進歩したのです。】(以上、※2)

ここもミスリードだ。

土本さん、どんだけ~、と思ったら、これだけですか?


※1:http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071019/trl0710190331000-n1.htm

※2: 「取調べの可視化(録画・録音)の実現に向けて-可視化反対論を批判する-」(日弁連) http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/data/torishirabe_kashika.pdf










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自立して生きるためには、死なねばならない矛盾~中野麻美弁護士の講演より

2007-10-24 06:52:27 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
「自立して生きるためには、死なねばならない矛盾」~この小見出しが目に入ったとき、どういう意味か分からなかったが、読み進めると非常に納得できたし、そもそも労働法がいかにあるべきか、そしてあるべき労働法を達成するにはいかに労働者が共闘しないといけないか、が分かりやすく説明してあったので、中野麻美弁護士の講演の一部を勝手に孫引きさせていただきます。中野先生、マスコミ市民の編集長、「関心を持たれた方は、マスコミ市民のバックナンバーを買っていただく」ということでよろしく!

■■マスコミ市民9月号掲載「労働の商品化と雇用の液状化」~労働現場から見た格差社会~引用開始■■

 本年の5月21日付で、規制改革会議の「再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォース」というワーキンググループが、「労働法制の抜本的見直しを」という「報告書」( ※1)をだしました。

 この「報告書」は、OECDの『報告書』(※2「対日経済審査報告書」)が示す考えと、非常に共適する部分があります。「報告書」では、「一部に残存する神話のように、労働者の権利を強めれば、その労働者の保護がはかられるという考え方は誤っている。不用意に最低賃金を引上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらし、そのような人びとの生活にかえって困窮をもたらす」「過度に女性労働者の権利を強化すると、かえって最初から雇用を手控えるような結果を招くなどの副作用を生じる可能性もある」「正規採用の解雇を厳しく規制することは、非正規雇用へのシフトを企業に誘発し、労働者の地位を、全体としてより脆弱なものとする結果を導く」「一定期間派遣労働を継続したら雇用の申し込みを使用者に義務付けることは、正規労働者を増やすどころか派遣労働者の期限前の派遣取り止めを誘発し、派遣労働者の地位を危うくする」「長時間労働に問題があるからと言って、画一的な労働時間上限規制を導入することは、脱法行為を誘発するのみならず、自由な意思で、適正で十分な対価給付を得て働く労働者の利益と・・・使用者の利益の双方を増進する機会を無理やりに放棄させる」「真の労働者の保護は権利の強化によるものではなく、むしろ望まない契約を押しつけられることがなく、知ることのできない隠された事情のない契約を自らの自由な意思で選び取れるようにする環境を整備すること・・・」などといっています。

 しかしながら、「労働者が望まない契約を押しつけられることがないような環境」など、あり得るでしょうか。フィラデルフィア宣言(※3)で掲げた「労働は商品ではない」という原則は、「労働は、商品よりもはるかに値崩れしやすいため、競争を抑制する原理を働かせなければ社会は破滅的な影響を及ぼされる」という、人類がえた歴史の教訓です。

 私は、「暖冬でたくさんできた白菜を土に埋め戻すのを『もったいない』と考えるかもしれないが、商品は自分の値が下落し始めると在庫や生産レベルで調整し、市場に放出する量をコントロールできるが、人間は自然人だから、自分の労働の値段が下がってきたときに、自分自身を冷凍庫に入れて冬眠するわけにはいかない。その日その日を食べていかなければいけないし、子どものためにミルクを買わねばならないときには、どんな不利な契約でも結ばなければならない」という話をよくします。労働者は、常に「望まない契約」を押しつけられているのであり、「知ることのできない隠された事情のない契約」などあり得ないと思います。

 規制緩和政策とは、国境を越えて瞬時に移動していく資本が、人間と自然とを収奪していく自由を、その国のレベルで与える政策です。「労働タスクフォース」の人たちは、規制緩和政策の中で生じたネガティブな影響を、「労働は商品ではない」という原点から出発することなく、それを無条件で受け入れています。「労働者の権利を強化すれば必ずしも労働者の望む方向にはならない」という考え方は、人間の自然人たる本質をなぎ倒していく暴力的な柔術です。 彼らは、どのくらい深刻な実体かを、まったく見ようとしません。「最低賃金を上げれば、それに見合うような生産性を上げられない労働者が職を失う」などと言っていますが、そもそも最低賃金の水準で生きていけると考えているのでしょうか。最低賃金水準で生活保護給付分の所得を得ようと思えば、たとえば複数の子どもを1人親で育てている家庭に給付される生活保護給付は300万円くらいですから、最低賃金の時給700円で稼ぐには4000数百時間働かないとなりません。「過労死のデッドライン」(※4)は3000時間から3100時間と言われていますので、"自立して生きていこうと思えば死ななければならない”という矛盾になるのです。

■■引用終了■■


※1:http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/publication/2007/0521/item070521_01.pdf

※2:2006年版http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20060720japansurvey.pdf
   2005年版http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20050120jpnsurvey.pdf

※3:http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/constitution.htm#philadelphia
(1条)
総会は、この機関の基礎となっている根本原則、特に次のことを再確認する。
 (a) 労働は、商品ではない。
 (b) 表現及び結社の自由は、不断の進歩のために欠くことができない。
 (c) 一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である。
 (d) 欠乏に対する戦は、各国内における不屈の勇気をもって、且つ、労働者及び使用者の代表者が、政府の代表者と同等の地位において、一般の福祉を増進するために自由な討議及び民主的な決定にともに参加する継続的且つ協調的な国際的努力によって、遂行することを要する。

※4:http://homepage2.nifty.com/karousirenrakukai/15-24=ninteikijun7nenburikaiteie.htm








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年次改革要望書、弁護士部分で日米の要望事項を比較してみると…おいしいところは米国へ?

2007-10-23 06:29:55 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 あいかわらず、報道されない年次改革報告書(日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく要望書)について、村野瀬玲奈さんが報道させるべく頑張っている。この要望書が、アメリカによる日本への市場明け渡し命令であり、日本に格差社会が根付くことになった元凶であるにもかかわらず、報道されないのはまったく変な話で、相当ものすごい力が働いていると思わざるを得ない。

 で、今年の年次改革報告書のうち、弁護士部分を比較することで、日本がいかに米国のいいなりになっているかをはっきりさせたいと思う。

 まず、米国側の要望書(※1

■■引用開始■■
IV. Achieving Legal System Reform
【司法システム分野】

A. Permit Professional Corporations and Branching.
【弁護士法人と支所の許可】
1. Permit registered foreign lawyers in Japan (gaiben) to form professional corporations on the same basis and with the same benefits, including the ability to establish branch offices, as professional corporations for Japanese lawyers (bengoshi); and
【日本での登録された外国人の弁護士(gaiben)が、支所を設ける能力を含めあらゆる面で日本の弁護士(bengoshi)がつくる弁護士法人と同じ権利を有する弁護士法人を設立することを許可してください】

2. Allow all law firms, including foreign law firms and their bengoshi and gaiben partners in Japan, to establish multiple branch offices in Japan without regard to whether they have formed a professional corporation.
【海外の弁護士事務所や日本におけるそれらの弁護士やgaibenのパートナーを含むすべての法律事務所が、専門家法人格(弁護士法人格)を取得しているか否かに関わりなく、日本国内で複数の事務所を開設することを認めてください】

B. Allow Bengoshi to Associate Freely with International Legal Partnerships. Ensure that there are no legal or bar association rule impediments to Japanese lawyers, whether in solo practice, in partnership with other bengoshi or in partnership with gaiben, becoming members of an international partnership of lawyers outside of Japan.
【Bengoshiが海外の弁護士事務所の元で自由に働けるようにしてください。1人で事務所をしていようが、ほかの弁護士とともに経営していようが、gaibenとパートナーでいようが、区別亡く、海外の弁護士とパートナーになることを阻止するような法律や弁護士会規則を確実になくしてください】
※上の図でいえば、真ん中のgaiben事務所を取っ払ってしまおうっていうこと※

C. Revise Minimum Qualification Criteria for Gaiben. Amend the Gaiben Law so that all experience practicing the law of the home jurisdiction, wherever that experience was obtained, will be counted toward the three-year experience requirement for qualification as a gaiben.
【Gaibenの最小の資格取得基準を緩めてください。母国の法律業務の経験をどの国で得たとしても、gaibenとして資格を取得するための3年の経験要件として算入するようにGaiben法を修正してください】

D. Promote Alternative Dispute Resolution (ADR). Amend the Gaiben Law to explicitly permit gaiben to act as neutrals and to represent parties in all international ADR proceedings taking place in Japan.
【裁判外紛争解決(ADR)を促進してください。 Gaiben法を修正して、gaibenが日本で行われるすべての国際的なADRにおいて主宰し、代理をするのことを明らかに許可してください】

■■引用終了■■

日本の弁護士が閉鎖的なように思える書きっぷりだ。ところが…
日本側の要望書(※2)の弁護士部分は次のとおり。

■■引用開始■■
2.法律サービス
(1)外国弁護士の受入れ
(a)外国弁護士受入制度の全州への拡大
米国において、外国弁護士受入制度を設けている管轄地は、平成19 年1月に外国弁護士受入れに関する新たな規則を設けたニューハンプシャー州を含め26 の州及びコロンビア特別区に過ぎず、その他の州においては、外国弁護士が開業することが許されていない。米国政府の説明によれば、外国弁護士受入制度を設けている上記管轄地の法律サービス市場の収入は、米国における全法律サービス市場の収入の約85%となるという。しかし、日本においては、外国法事務弁護士は日本全国で活動することができ、法律サービス市場の100%に当たる部分を開放している。日本国政府は、米国法律家協会(ABA)が外国弁護士受入制度のモデル規則を全州で導入することを目標として活動していること、及び2006 年8月の最高裁判所判事会議の決議等、外国弁護士受入州の拡大に向けた動きを歓迎するが、外国弁護士受入制度を全州に拡大するため、米国政府の積極的な行動を引き続き求める。

(b)外国弁護士の受入要件としての職務経験期間
外国弁護士受入制度を設けている管轄地における受入要件としての職務経験期間に関して、ABA は、2006 年8月にモデル規則の改正を行い、申請直前要件を廃止し、受入要件としての職務経験期間を5年として、さらに、第三国を含むいずれの国における職務経験であっても構わないものとした。日本国政府は、米国におけるこのような改善に向けた動きを歓迎するが、なお多くの州において職務経験期間に関する問題が解決されておらず、米国政府に対し、以下の事項の実現に向けて努力するよう引き続き求める。
 (i)職務経験期間の短縮
    外国弁護士受入制度を設けている管轄地において、コロンビア特別区を除くすべての州が一定期間の職務経験があることを受入要件としており、多くの州ではその期間を5年以上としている。日本の外国弁護士受入制度では受入要件としての職務経験期間は、米国の要望により既に9年も前に5年から3年に短縮されており、米国すべての州において、これを3年に短縮するよう求める。
 (ii)申請直前要件の廃止
    外国弁護士受入制度を設けている州において、確認されている限りでは、受入要件としての職務経験期間には申請直前の職務経験の期間のみが算入できることとされている。かかる直近要件は、日本の外国弁護士受入制度では課されておらず、米国のすべての州において、改正モデル規則に基づき、受入要件としての職務経験期間に算入できる職務経験の期間を申請直前のものに限定しないよう求める。
 (iii)第三国における職務経験期間の算入
    外国弁護士受入制度を設けている州において、確認されている限りでは、受入要件としての職務経験期間に第三国における職務経験の期間の算入を認めているのは、テキサス州、ニューヨーク州及びインディアナ州の3州に過ぎない。日本の外国弁護士受入制度では第三国における職務経験の期間の算入を認めており、米国のすべての州において、改正モデル規則に基づき、第三国における職務経験期間を算入可能とするよう求める。

(2)外国弁護士による裁判外紛争解決(ADR)手続に関する規制
外国弁護士又は外国リーガルコンサルタント(FLC)によるADR 手続(仲裁手続を含む。以下同じ。)の主宰及び代理に関しては、各州がどのような規制を行っているかが明確に確認できないため、外国弁護士又はFLC が活動するに当たって支障が生じている。よって、日本国政府は、米国政府に対し、これらADR 手続の規制内容を明らかにすることを引き続き求める。
■■引用終了■■

つまり、米国は自分がしてもいないことを日本に押しつけようとしているわけだ。

日本の大型ローファームは300人規模になっているが、こんな改革がされたら、おいしいところは全部米国の弁護士が吸い上げて日本のローファームの弁護士は期間雇用で1年使ってみたけど使えないから辞めてねとか、3年使ってもうそろそろ過労死しそうだから首にするとかっていう事態が起きるかもね。

自分の関係する分野に米国がどんな口を挟もうとしているのかを見るだけでもしてみたらいいと思う…。あちこちのブログ主が献身的に日本語に訳しているようだし…。

図はhttp://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/kentoukai/kokusaika/dai2/2siryou4_1.htmlより

※1:http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/Reports_Publications/2007/asset_upload_file751_13383.pdf

※2:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/pdfs/kisei07_yobo.pdf








★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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舛添、卑怯なり~こっそり、生活保護を切り下げるための検討会を開催~メディアは報道せず…

2007-10-21 14:13:48 | メディア(知るための手段のあり方)
 2008年度から生活保護費を削減するための検討会が開かれているってことをご存じでしたか?検索したところ、わずかに、北海道新聞が後記のとおり(※1)伝えているだけ。しかも、この検討会、開催予定を配信した12時間後に傍聴希望を締め切るという「暗黒ぶり」で、市民から抗議が寄せられたが、それについては一切、報道されていないようだ…。市民の知る権利の侵害に対する怒りについて、メディアが共感しないこともメディアに対する不信感の原因になっていることが分からないのだろうか?(検討会開催あるいはそれに対する抗議について報道しているところがあったら教えてください。訂正します)

■■北海道新聞引用開始■■
 二○○八年度から生活保護費を削減する方針の厚生労働省は、給付の基本となる基準額の引き下げ幅など具体的な内容を話し合う検討会の初会合を十九日に開く。物価などを考慮し、地域ごとに支給額に差をつけていた「級地」制度も抜本的に見直す方針で、札幌市など都市部では大幅な引き下げが懸念される。

 協議を始めるのは学識経験者らでつくる厚労省社会・援護局長の私的研究会「生活扶助基準に関する検討会」で、年内に報告書をまとめる。食費や光熱費、被服費などを算定した、最低生活費にあたる基準額の引き下げを提言する見通し。

さらに基準額を支給する際、物価などを考慮して全国を六区分している「級地制度」も、一九八七年の同制度導入以来初めて見直す。現行では基準額が一番高い東京などでは平均世帯(夫婦と子供一人)の支給額は月額十六万二千百七十円。続く札幌などは十五万四千八百七十円だが、最低水準の地域の十二万五千六百八十円との差を縮める考え。そのため、基準額の高い地域ほど見直しの影響が大きくなる。

 基準額の水準は○四年度の全国消費実態調査の結果を基に検討する。九九年度の前回調査に比べ、消費支出が4・5%減少していることから、生活保護費の基準額も引き下げは必至。同じ水準が適用されると札幌市の場合、基準額の削減は年間約八万円となる見通しで、「級地」が見直されれば、削減額はさらに膨らむ見通しだ。

■■引用終了■■


続いて、この検討会に対する市民からの抗議文。


■■引用開始■■

抗 議 文
厚生労働大臣 舛添要一 殿
厚生労働省社会・援護局長 中村秀一 殿
(関連部署:社会・援護局保護課企画法令係)
                             2007年10月19日

生活保護問題対策全国会議 代表幹事 弁護士 尾藤廣喜
(事務局)〒530-0047
大阪市北区西天満3-14-16西天満パークビル3号館7階
あかり法律事務所
弁護士 小久保 哲郎(事務局長)
電話 06-6363-3310 FAX 06-6363-3320

私たちは、福祉事務所の窓口規制などの生活保護制度の違法な運用を是正するとともに生活保護費の削減を至上命題とした制度の改悪を許さず、生活保護をはじめとする社会保障制度の整備・充実を図ることを目的として、今年6月に結成された、弁護士・司法書士・研究者・市民約170名で構成する市民団体です。
今般、貴省において「生活扶助基準に関する検討会(第1回)」(以下「本検討会」という)が開催されるということを知り、これが生活保護基準切り下げに向けた動きではないかとの疑念を持たざるをえない点、そしてとりわけ本検討会開催の発表と傍聴希望者募集があまりにも開催日と近接しており市民に対する周知が極めて不十分である点につき、強く抗議します。


生活保護利用者だけでなく国民生活全般に影響を及ぼす重大問題

もし生活扶助水準に対する「検討」が、既に一部報道されているとおりこれを引き下げる方向で行われようとしているならば、それは格差と貧困が絶望的なまでに拡大し生活保護基準以下で生活することを余儀なくされている市民が多数存在する中で、より問題を深刻化するものであり、到底容認することはできません。
生活保護基準はわが国において事実上貧困線としての機能を果たしており、生活保護基準額が下がれば、それに連動している各種基準額が下がります。事は生活保護利用者だけの問題ではない、日本で暮らすすべての人の生活に直結する重大問題です。
○ 労働:最低賃金引き上げの目標額が下がります。
○ 医療:国民健康保険料の減免基準等が下がります。
○ 福祉:介護保険の保険料・利用料、障害者自立支援法による利用料の減額を受けられない人が増えます。
○ 地方税:非課税基準が下がります。
○ 教育:公立高校の授業料免除基準、就学援助の給付対象基準が下がります。


手続上の問題:気づかれないうちに決めてしまおうという姑息な魂胆

このように生活保護基準の切り下げは、日本で暮らすすべての市民の生活に多大な影響を与えるものですから、充分に時間をかけて検討しなければならないことはもとより、その検討は、広く市民に意見を求めたうえで、保護制度利用者の声を十分に聴取し、公開された場でなされなければなりません。
ところが、本検討会は2007年10月19日19時から開催予定でありながら、これが発表されたのは貴省ホームページによれば2007年10月16日のことです。またその掲載を知らせるメール(「厚生労働省 新着情報配信サービス 2007年10月18
日」)が配信されたのは10月18日0時23分となっております。にも関わらず、本検討会の傍聴申し込みについては10月18日12時をもって申し込み〆切とされております。これでは、周知期間はないに等しいと言わざるを得ません。
しかも、2007年9月19日提出に係る民主党・山井和則衆院議員の質問主意書(質問第27号)に対して、内閣総理大臣は、同年10月2日、「厚生労働省においては、『経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六』(平成十八年七月七日閣議決定)に基づき、級地の見直しを含む生活扶助基準の見直しを検討しているところであるが、あらかじめ基準額の引上げ又は引下げといった方向性をもって検討しているものではない。また、御指摘の有識者会議の設置を含め、今後の具体的な検討の進め方については、現時点では未定である」と答弁しました。しかし、10月2日の時点で未定であったものが、開催を決定し、委員を選定して承諾を得、日程調整をして同月19日には検討会を開催するというのは常識的には不可能です。この首相答弁自体虚偽の答弁であったという疑念を抱かざるを得ません。
このような貴省の対応には、今般の「検討会」は、あらかじめ基準切り下げという結論を決め、形式を整えるためのおざなりな審議を予定しているため、この問題に関心を持つ市民の眼になるだけ触れないようにして、気づかれないうちに決めてしまおうという姑息な魂胆が透けて見えるといわざるをえません。


衆人監視の中での徹底した慎重審議を求める

格差と貧困の拡大の中で多くの市民が苦しんでいる最中、生活保護基準を切り下げることは、到底容認できません。検討会の審議内容が市民やマスコミに公開されるべきことは当然のこと、広く市民の意見を求めたうえで、生活保護制度利用者の声を十分に聴取し、「最初に結論ありき」ではなく、低所得にあえぐ市民の実態を踏まえた徹底した慎重審議がなされなければなりません。
この「検討会」を契機として貴省が保護基準の切り下げに踏み込むのであれば、私たちは、考えられるあらゆる手段をもってこれに立ち向かう所存であることをここに表明します。                             

■■引用終了■■


※1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/55613.html








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涼しくなってきた今、今夏熱中症で「殺された」人のことを考えてみる

2007-10-21 12:13:00 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 東京造形大学教授前田朗教授が刑務所や拘置所で熱中症でなくなった人のことを「法の廃墟」という小論で取り上げている。1人は30歳代男性が大阪刑務所で亡くなった事例、1人は川越少年刑務所熊谷拘置支所で、罰金を納めることができず労役していた71歳の男性の事例だ。いずれも、当局の責任が問われたという話はまだ聞いていない。当局が暑さが去るとともに、責任についても忘れてしまわないように、紹介したい。

 まず、大阪の事件。
 元・女子刑務官 Blog(※1)によると、

【23日午前5時30分ごろ、大阪刑務所(堺市堺区)の病棟で、30歳代の男性受刑者がぐったりしているのに巡回中の刑務官が気付き、病院に搬送したが、約1時間半後、死亡が確認された。熱中症とみられ、堺北署が調べている。
 同刑務所によると、男性受刑者は19日夜、独居房で体温が41・7度まで上がり、熱中症の疑いがあると診断された。冷房設備のある病棟で点滴を受けるなどしたところ回復したため、22日午前、冷房のない病棟に移っていた。独居房では、飲み物は希望すれば飲めるが、扇風機などはなかったという。
 同市は11~22日の間、最高気温が35度を超える猛暑日が続いていたが、22日夜から23日未明にかけて降雨があり、最低気温は22・7度まで下がっていた。
 矢鳴正志・同刑務所調査官の話「対応に問題はなかったが、今後、より健康管理に注意したい」】(読売新聞)

ということのようである。

 いったんは、回復しかけたが、【冷房のない病棟】に移されたのちに悪化して死亡したという。【冷房のない病棟】っていうのは何だ?病棟って言う以上、病人が入るところだろうに、なぜ、冷房がないのか?本当に病棟だったのか?

 大阪刑務所は、きちんと説明責任を果たしてほしい。どうですか、光市弁護団にお怒りの皆様も、大阪刑務所の人間蒸し上げ殺人事件に怒りを感じるでしょう。説明責任を果たすように法務省に要望しましょうよ。

 次に熊谷の事件。
 スポニチ電子版( ※2)によると、

【埼玉県熊谷市の川越少年刑務所熊谷拘置支所で、服役していた埼玉県行田市の無職男性(71)が(8月)17日に熱中症で死亡していたことが24日、分かった。埼玉県内では今月に入り、熱中症で死亡したのはこれで20人目。熊谷市では16日に74年ぶりに国内最高気温を更新する40・9度を記録するなど、9日から17日まで最高気温が35度を超える猛暑日が続いていた。
 同少年刑務所によると、15日午前4時すぎ、男性が独房の布団の上で意識を失っているのを看守が見つけ、119番。男性は病院に搬送されたが、17日未明に死亡。搬送時の男性の体温は43度を超えていた。
 独房は約4平方メートルの広さでコンクリート製。冷房や扇風機はなく、男性の搬送直後に職員が別の独房で室温を測ると、32度だった。熊谷市では猛暑日が続いたため、同拘置支所は規制を緩め、水で体をふくことなどを許可していた。
 男性は罰金が払えなかったため、10日に年齢制限のない同拘置支所に収監された。その際の健康診断では異常はなかったという。同少年刑務所の川村宣公総務部長は「入所者にはその後、1日4個の保冷剤を配ったりしている。体調不良になったら申し出てもらうよう徹底したい」と話した】という。

 これもひどい。罰金を支払うことができず、労役していただけで、命までとられてしまった。とんでもないことだ。これについても、きちんと説明責任を果たしてほしいところだ。ぜひ、法務省に説明を求める声を!

 前田教授は、熱中症で亡くなったケースが過去にもあることを取り上げ、異例な猛暑だったから仕方がないで済む問題ではないと指摘し、次のように述べている。
 
 「受刑者は、罪を犯したがゆえに懲役その他の刑罰を科せられ、一定の自由を剥奪され、刑事施設に収容される。その際に奪われる自由の範囲については、なお議論もあるが、一定の市民的政治的自由や経済的社会的自由であり、しかもその一部でしかありえない」
 「国家がその責任において人間を収容するのであるから、人間らしく生きていられる状態を保障するのは当然のことである。自由剥奪刑を執行する以上、生活条件は国家が責任を負わなければならない。それができないのなら、拘禁そのものを放棄するべきである」


 前田教授は、レッサーパンダの熱中死を取り上げ、受刑者とレッサーパンダとどちらが人間的に取り扱われているだろうかと私たちに問いかけている。

【千葉県の市川市動植物園で、17歳オスのレッサーパンダ「次郎」が熱中症で死んでいたことが(8月)22日、分かった。レッサーパンダは同園のシンボルマークにもなっており、20年以上の飼育歴もあったが予想を超える酷暑に急死した。次郎は長野市から婿入りして16年。気品の高い顔立ちから人気も高く、インターネット上ではファンが追悼するなどの現象も起きている。
 市川市動植物園によると、16日午後2時ごろ、次郎はエアコンの効いた寝室から屋外の放飼場に出た直後にバタッ、と倒れた。足を投げ出して寝転がり、口からよだれをダラリと垂らしていた。そのままフラフラと立ち上がり、再び寝室に自力で戻っていった。
 その後、エサのササの葉をムシャムシャほおばる食欲もあり、持ちこたえたかのように見えた。24度で保たれていた寝室の室温も、さらに下げて涼しい環境もつくった。しかし、翌17日早朝、苦しむことなく眠るように死んだという。
 解剖の結果、縮んだ肺から出血が確認された。突然倒れ、よだれを垂らし、体温も上昇していたなどの症状から死因は「熱中症」とされた。松浦秀治飼育員は「15日までは元気に歩いていた。ただ、17歳と高齢なので、この暑さが予想以上にこたえたのかも」と話した。銚子地方気象台によると、市川市に隣接する船橋市の16日の最高気温は37・1度。観測を開始した99年8月以降では、2番目の暑さとなる数値だった。
 同園は87年8月21日にオープンし、開園20周年を迎えたばかり。シンボルマークにササを持つレッサーパンダを使っている。開業前の86年11月につがいを四川省楽山市から寄贈され、場内工事を進めながら世話をし、レッサーパンダ飼育歴は20年以上の自信を持っている。エアコン付きの寝室も暑さに弱いレッサーパンダだけ。放飼場も直射をさけ植樹され、天井にはよしずもかかっていて暑さ対策には万全を期していた。
 次郎はまゆ毛のような白い斑点が短くつり上がり「気品の高い顔」と人気者だった。91年に長野市茶臼山動物園から婿入り。3姉妹との間に10匹(うち8匹が生後まもなく死亡)を授かり、息子の天天(テンテン)と2匹の孫と暮らしていた。松浦さんは「ファンの方々がインターネットで追悼してくれている。無念でならない」と唇をかんだ】(日刊スポーツ電子版。 ※3

 

※1:http://tester.txt-nifty.com/blog/2007/08/post_419d.html

※2:http://www.sponichi.co.jp/society/news/2007/08/25/02.html

※3:http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20070823-245544.html











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警察の天下り+打ち出の小槌システムを暴く~朝日記者に声援を!

2007-10-21 11:36:31 | メディア(知るための手段のあり方)
 朝日が警察相手に堂々たるスクープ記事をものにした。警察庁の天下り団体「日本交通管理技術協会」(管技協)が、自動車保管場所標章にはり付ける偽造防止用ホログラムシールの販売で年間約4000万円の差益を得ていたことがわかったというのだ。管技協は、シールの製造を凸版印刷に発注し、同社に安く納入させたうえ、約2倍の価格で2法人に販売していたというのだから、その手口は露骨だ。不正を暴いた朝日記者にエールを送りたい。

 10月19日付朝日(朝刊)によると( ※1)、
【管技協と凸版の間で交わされた「単価契約書」などによると、管技協はここ数年、シール1枚につき3.48円(税抜き)で凸版へ製造を発注。凸版は製造したシールをいったん管技協に納入し、管技協が品質検査をして、凸版に1枚あたり6.97円(同)で販売する形になっていた。印刷局が開示した「売買契約書」などによると、印刷局も管技協から6.97円でシールを購入していた。こうした契約によって、管技協には納入価格と販売価格との差益が生まれ、その額は年約4000万円にのぼる計算になる。】という。

 しかもその手口は、【契約書面上、凸版は自社で製造したシールをいったん管技協に納入してから高値で買い戻す格好になっている。しかし、実際にはシールを製造する埼玉県内の工場から、管技協を経由することなく直接、凸版の子会社工場と、印刷局の下請けの民間印刷会社工場にそれぞれ運ばれ、標章本体にはり付けられているという】から悪質極まりない。

 しかも、「管技協」には今年6月現在で、会長の元警視総監や、専務理事の元情報通信局長ら6人の同庁OBが再就職していたうえ、なんと凸版印刷にも、元北海道警本部長らが天下っていたのだ。

 会心のスクープだ。次は、ぜひ、元九州管区警察局長が専務理事を務める日本遊技関連事業協会の問題も暴いてほしい。頑張れ、朝日の記者!


※1:http://www.asahi.com/national/update/1018/TKY200710180383.html





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【守屋事務次官ゴルフ疑惑関連】昭和42年から業者とのゴルフは禁止~防衛省通達に明記

2007-10-20 05:51:04 | 有事法制関連
 防衛省の守屋武昌前事務次官が業者とゴルフを繰り返していたことが発覚した件は、次々と続報が書かれ、【老舗防衛専門商社「山田洋行」の元専務(69)=昨年6月退社=らからゴルフ接待を受けた際、車で送迎を受けたり、ゴルフ場で偽名を使ったりしていたこと】(※1)など、悪質なものであったことが明らかとなりつつある。これに対し、守屋氏は、「(倫理)規程ができる前までしかしていない」と説明しているというが(※2)、昭和42年には、防衛事務次官名で、業者とのゴルフを禁止する通達が下されていた。自ら事務次官であった守屋氏がその通達を知らないはずはなく、最後まで自らの行為をウソによって正当化しようする姑息な態度には、自衛体内からも非難が相次いでいる?!

昭和42年4月13日付事務次官通達の全文は次のとおり

■■引用開始■■
                      防人1第991号
                      42.4.13
各幕僚長
統合幕僚会議議長
各附属機関の長    殿
防衛施設庁長官

                     防衛事務次官
 
              職員の綱紀粛正について(通達)

 職員の綱紀粛正については、昨年来「綱紀粛正及び機密保全に関する委員会」を設け、「いやしくも世間から誤解を招くおそれのある会合、接待、贈答等については、各自の良識に基づいて厳に自粛自戒し、防衛庁職員としての品位を正しく保持するように努めること。」を申し合わせ、その趣旨の徹底を図ってきたところであるが、最近幹部自衛官数名の者が、元陸将某商社職員某氏及び業者数名とゴルフに興じ、そのことが週刊誌に掲載されるという事案が生じ、防衛庁職員としての信用を失墜し、社会の疑惑を招いたことはまことに遺憾である。
 いうまでもなく公務員は、厳正な規律のもと専心職務の遂行にあたり、いやしくも綱紀弛緩等の行為は、厳に戒しむべきものである。したがって、部外者特に業者との接触については、必ず庁舎内で行うなど公私の別を明らかにし、職務上の権限の有無にかかわらず、世間の誤解や疑惑を受けることのないよう、この際あらためてその実行の確保のため必要な措置をとるとともに、この旨を所属職員に周知徹底されたい。

■■引用終了■■

 山田洋行は昨年度までの5年間に装備品の納入で、同省から約170億円分を受注している商社であり、昭和42年通達によっても、到底禁止される行為だ。それとも、守屋氏は自衛隊員倫理法に基づく政令である「倫理規定」(2000年施行)とは違い、単なる通達に過ぎない42年通達は守る必要なんてないとでも思っているのだろうか…。

 この問題は、実は重大な問題をはらんでいる。つまり、自衛隊幹部は業者からの供応をうける立場にあり、厳に受けている者がいるということは、自衛隊の方針は業者の納めるものを増やす方向で進められるおそれがあるということだ。自衛隊の海外派遣など活動範囲を広げようとするのもその一環だと受けとめられても仕方あるまい。

 平和省を設置し、防衛省は平和省の一部局に格下げするべきではないでしょうか。

 ちなみに、平成8年には「防衛庁職員倫理規定」なるものが策定されており、業者間との次の行為が禁じられている。

①接待を受けること
②会食(パーティーを含む。)をすること
③遊技(スポーツを含む。)をすること
④転任、海外出張等に伴うせん別等を受けること
⑤中元、歳暮等の贈答品(広く配布される宣伝広告用物品を除く。)を受領すること
⑥講演、出版物への寄稿等に伴い報酬を受けること
⑦金銭(祝儀等を含む。)、小切手、商品券等の贈与を受けること
⑧本来自らが負担すべき債務を負担させること
⑨対価を支払わずに役務の提供を受けること
⑩対価を支払わずに不動産、物品等の貸与を受けること
⑪未公開株式を譲り受けること
⑫前各号に掲げるもののほか、一切の利益や便宜の供与(社会一般の接遇として容認される湯茶の提供等を除く。)を受けること


※1:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071019-00000961-san-soci

※2:http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2007/10/19/t20071019000049.html










★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。なお、安倍辞任までの間、字数が許す限り、タイトルに安倍辞任要求を盛り込むようにしていましたが(あまり実行できなかったが…)、辞任したので中止します(ここ←クリック)。

-餓死でても 自己責任で すます国-橋本勝の政治漫画再生計画第93回

2007-10-20 05:20:43 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
 いま日本で餓死する人が
 出ているなんて信じられますか
 オニギリが食べたいと
 ノートに書き残して死んでいった
 人がいるなんて
 病気のために働けないのに
 自立せよと生活保護を打ち切られ
 飢えて死んでしまった人がいるなんて
 豊かなはずの国ニッポンでここ数年
 年間60人から90人もの人が
 餓死しているなんて
 それをたしいた数じゃないと
 思ったりしませんよね
 お金持ちには、とてもやさしくて
 弱者には、とてもきびしい国になってしまった
 そんな日本を
 あなたは愛することができますか


【ヤメ蚊】
 ごく一部に富が集中しつつある状態を変えるには、税金の制度を変えるしかない。金持ち優遇税制を打破する政党に一票を!










★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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