情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

おいらが新聞記者を辞めた理由~情報の適切な提供ができていない…小沢問題を機に振り返る

2010-01-31 10:07:40 | メディア(知るための手段のあり方)
 おいらは、そりゃ、警察ネタをバンバン取ってくるような記者じゃぁなかったさ。でも、行政ネタ(問題点の指摘)は、それなりに面白い話をとってきたような気がする。まぁ、自分のことなんて美化しないと生きちゃいけないから、話は半分にして聞いておいてくれ。で、今日のテーマは、おいらが、なんで新聞記者を辞めたかってこと。当時から匿名報道を主張し、コラム欄にもその旨書いていたおいらにとって、プライバシー侵害などの書かれる側の不利益と情報を伝える利益とをどう折り合わせるか、ってのが大きなテーマだった。

 もちろん、そんなこと言っていてもいざ、事件が発生すれば、違法すれすれ、あるいは違法な行為をして情報をとってくることもまれではなかった。だが、そのこと自体は、苦痛ではなかった。取材と報道は別だからだ。

 問題は、報道のされ方だった。特ダネは大きく、騒がれている話題は大きく、写真があれば大きく、そして、抜かれた記事は小さく…。

 ある情報には、伝えるべき適正な量、適正な方法がある。もちろん、特ダネを大きくするのはまぁ、ある程度仕方がないし、記者にしてみれば気持のいいものだが、それにしても、ほどがあるし、騒がれている話題を記事にするときに、普段ならどうでもよいネタを大きく取扱い、他社と競り合うことなんかは、ちょっと、耐え難かった。

 一番分かりやすいのは、前にも書いたかもしれないが、大阪空港で、飛行機が着陸時、尻餅事故を起こした際のことだ。飛行機には、おしりの部分にプラスチックだか、ゴムだかでできた部品があって、ここで尻餅したか、どうかがチェックできるようになっている(今もそうかは知らない)。

 逆に言うと、この部分は余裕を持たせている部分であって、そこが尻餅事故によって削られても本体に傷がつくわけではない。正確には、尻餅直前の事故といえる。

 ところが、各紙は社会部から多くの記者を送り込み、夕刊トップでこの情報を伝えた。私もその取材現場に遅れて参加。すでに、記事の割り振りが決まっていたので、直接、執筆することはなかったが、上記のようなことを取材した。

 これがトップかなぁ…という疑問を持っていた翌日、たしか翌日だったと思うが、この飛行機のパイロットが自殺をしたというニュースが入ってきた。

 もちろん、辞めたのはそれだけが原因ではない。

 独自ダネというだけで、たいしたネタでもない記事を書かされて大きく取り扱われたり、逆に他社の特ダネについては、無視できるものは無視し、後追いするにも、別の社が報道したことには触れない。

 広告主との関係でも、自動車が高速道路でエンジンから火を吹いて止まってもニュースにはしない、電力会社から引き込まれている電線が軒先で発火しボヤになってもニュースにはしない。

 もちろん、おいらが辞めた理由は、この問題だけじゃぁないが、記事の扱い、情報の出し方に対する疑問が大きな理由の一つだったことは間違いない。

 いかにも、中立に記事を報道するかのように書きながら、実は、情報を恣意的に選択し、伝えるべき情報が消し去られ、他方で過剰な報道がなされる。これによって世論が巻き起こり、その世論を背景にますます、恣意的な報道がなされる。

 報道の自由は、そういう恣意的な情報提供のためにあるんじゃぁない。せめて、欧米のように、執筆者を明らかにし、また、抜かれたら、抜いた新聞の名前くらい書いたらどうか…。

 退社してもう20年近く経った。いま、各紙ともに、小沢問題で、記事を書き続けている。もちろん、最終的に小沢が収賄しているなら、それはそれで大きく伝えるべきだろう。

 しかし、いま、伝えられている情報のうち、確定的な部分について、そんなに大きく取り上げることではないこともはっきりしていると思う。

 たとえば、小沢が4億円を貸し付けた件について、産経新聞阿比留記者は、2007/09/16の11:45、自らのブログ(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/301387/)に、平成18年分の政治資金収支報告書公開関連の情報として、

【小沢氏の資金管理団体「陸山会」の繰越金は、6135万円で、前年より大幅に減りました。理由は、陸山会が小沢氏への借入金を2億2800万円ほど返したためとみられます。小沢氏は平成16年10月になぜだか陸山会に4億円を貸し付けており、18年中には約237万円の利子を受け取っています。陸山会は、都内の一等地などに10億2000万円相当の不動産(名義は小沢氏)を所有しており、どうして小沢氏からそんな巨額の借金をする必要があったのかはよく分かりません。4億円もの大金を貸せる政治家というのも驚きですが。
 それで、この陸山会は小沢氏の政治団体である小沢一郎東京後援会など3団体に所有不動産を賃貸しており、年間444万円の家賃収入を得ています。その上で、18年中には小沢一郎政経研究会から5000万円、小沢一郎東京後援会から1000万円の寄付を受けていました。これも小沢氏に借金を返すためだったのでしょうか。民主党岩手県第4区総支部からも5000万円の寄付を受けているのですが、それでは足りなかったということでしょう。世田谷区に3億6500万円相当の「秘書の寮」など建てるからですね。】

などと書いている。

 そう、小沢が4億円を政治団体に貸し付けて寮を建てたことは、2007年9月時点で平成18年分の政治資金収支報告書から読み取っていたわけだ。もちろん、各社ともに、このブログに記載された情報は得ているだろう。

 それをいまになって、各社ともに別件逮捕を許すためかのように、さも、疑惑だなどと大きく報道する。

 まさに、情報操作と批判されても仕方がない状況だ。

 民主党は、企業・政治献金の廃止、取り調べの可視化、天下りの防止、特別会計の見直し、マスコミのクロスオーナ-シップの解体など、これまで自民党が利用してきた政・官・財・報(学を加える人もいるし、それも正しいと思う。民主党の政策に学対策はまだ明確にされていないと思うが。審議会の人選の透明化がそれだ)の利権構造にメスを入れようとしている。

 そこに来て、2007年のネタで大騒ぎするマスメディア…。

 もちろん、自分がその現場にいたら、と思うと批判できないような気にもなる。

 しかし、情報操作に近いことをしているんだという認識だけは持ちながら、今回の報道に携わるよう、一人一人の記者にお願いしたい。

 ダメ蚊だったかもしれないヤメ蚊からのお願いです。
  
 
※冒頭の写真は→http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/61139836.htmlより
 



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毎日新聞余禄欄執筆者は、2ちゃんねらー?~「労働なき富」に、母親からの資金ネタで食いつく単純さ

2010-01-30 08:32:33 | メディア(知るための手段のあり方)
 今日の毎日新聞の「語録」(朝日新聞でいう「天声人語」)は本当に残念。まるで2ちゃんねら~の言葉じりを捕らえた突っ込みのような感じ。いや、その浅薄さは2ちゃんねるを例に出すのが失礼なくらいだ。語録には次のように書かれている。

 【母から贈与された資金が政治問題化しているさなか、先哲の言葉を引き「労働なき富」の大罪について国民に説いた首相演説は初めてである。(中略)何も首相がガンジーの遺訓に共感したことを疑うつもりはないし、その善意を否定もしない。しかし、演説を聞いた国民が、この言葉の語り手は果たして切れば血の出る現実と本気で渡り合っているのだろうかとうい疑いを抱くのは仕方ない】

 鳩山は、ガンジーの「七つの社会的大罪」を引用した後、次のように演説した。

 【20世紀の物質的豊かさを支えてきた経済が、本当の意味で人を豊かにし、幸せをもたらしてきたのか。資本主義社会を維持しつつ、行き過ぎた「道徳なき商業」、「労働なき富」を、どのように制御していくべきなのか。人間が人間らしく幸福に生きていくたまえに、どのような経済が、政治が、社会が、教育が望ましいのか。今、その理念が、哲学が問われています】

 鳩山がターゲットにしたのは、「道徳なき商業」、「労働なき富」であり、それらに搾取されている「国民」ではない。彼は、【「労働なき富」の大罪について国民に説いた】のではなく、「労働なき富」をいかにして制御するかが課題であり、自らがそれに取り組むことを宣言したわけだ。

 したがって、本来、この演説については、新自由主義からの転換を改めて宣言したものだという評価がなされるべきであり、例えば、経済の自由の必要性とそれを制約することの必要性との調整をいかになしていくべきかという非常に重大な課題について、市民も積極的に考える必要があることを新聞社は訴えるべきだろう。

 そもそも、「道徳なき商業」、「労働なき富」について、鳩山が批判できるのは、民主党が企業からの献金を多額には得ていないからである。

 2008年には、経団連会員企業の献金額は、自民党へは27億円、民主党へは1.1億円だった。2004年から2008年までの5年間の合計金額では、自民党へは128億4000万円、民主党へは3.9億円。


 いいですか、128億4000万円 VS 3.9億円。

 民主党は自民党のわずか3%の献金しか得ていないわけだ。

 この圧倒的な資金力の差を鳩山家の私財を投じるなどして対抗し、民主党は政権を獲得するに至った。

 もちろん、首相が私利私欲を貪るための資金として母親からの資金を使ったという評価がなされるのならまた、違ってくるだろうが、鳩山氏が多額の企業献金を得たなどという報道はない。むしろ、そういう意味ではクリーンな政治家といえよう。

 余禄担当者に悪意を感じたのは、それだけではない。

【何も首相がガンジーの遺訓に共感したことを疑うつもりはないし、その善意を否定もしない】という部分からは、なんだか、鳩山が単にガンジーの遺訓に共感したことを話しただけのように聞こえる。

しかし、そうではない、彼は、「道徳なき商業」、「労働なき富」に対し、ある意味、宣戦布告をしたわけだ。新しい形の富の偏在を許さないという固い決意だ。

母親からの資金の問題で叩かれるのが分かっていながら、あえて、そこに触れた鳩山の勇気を称賛したいし、また、いったん口にした以上、新しい形の富の偏在の是正に本気で取り組んでほしい。実行するかどうか、市民は監視を続けなければならない。

※冒頭の画像は→http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51253608.htmlから



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検察官って「人間力」が低すぎるのじゃないの~橋本勝の政治漫画再生計画第197回

2010-01-30 07:58:22 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
4歳の幼女が殺害された「足利事件」の再審が始まっている。DNAという決定的証拠がでたこともあり犯人とされた菅家さんの無実は間違いない。だからこの再審はなぜ冤罪が起きたかの検証ともなる。裁いたものが裁かれるのである。
そして菅家さんが自白をしたという取調べを録音したテープが法廷で再現され、さらに取り調べをした検察官が出廷し菅家さんと対面した。菅家さんはその元検察官に謝罪を強く求めた。だが彼は自らの非は認めようとはせず、菅家さんは無実と思うかの問いにも答えようとはしない。その記事を読んでの私の率直な感想は、この検察官、検察のメンツを守ろうとしているというより、失礼ながら随分頭の悪い、いや「人間力」の低い人だなと思った。
もしも、この元検察官氏が菅家さんに対し誠実に心のこもった言葉で謝り、2度とこのような冤罪を起こさないために精一杯の努力をしたいといったことをしゃべれば人のいい菅家さんは自分を罪に陥れた検察官を許そうという気持ちになったかもしれない。
そう、そうしたスピーチをできない彼の「人間力」の低さこそが「事件」の真実を見誤った一因といえる。
ではその「人間力」とは何か?司法試験をパスするための猛勉強だけでは得られるものではない。人間としての深い見識と教養を作り上げる、豊かな感受性、人間への想像力こそが「人間力」を育む。
それは悪を憎み正義を希求するだけではなく、人間のもつ弱さや悲しみへの共感できる感性、粘り強く考えることのできる力である。そのためには法律の勉強だけでは駄目だし、感受性がもっとも豊かで鋭い青春の時に、朝から晩まで法律の勉強をしているのは好ましいことではない。映画や演劇、文学、音楽などのすぐれた文化に触れ、歴史や社会に対する幅広い知識を身につけることが「人間力」を形成していく上で大切なことだと思うのである。
取調べの時、検察官に言われた「人間性がない」を菅家さんはそのまま彼にお返ししたいと述べているが、まさにそれは検察官氏の「人間力」の欠如を的確に指摘しているといえる。


【ヤメ蚊】
菅家さんのなぜ有罪になったのか、という問いには、我々も答えなければならない。警察の取り調べ状況を録音したテープをなぜ、われわれが聴くことすらできないのか?警察によって一丁上がりにされた後の検察官のテープだけでは、この事件の捜査の問題性は明らかにならない…。
ところで、刑事の場合、「被告」ではなく「被告人」なんだけど、無罪推定原則のもとにあることを意識させる分かりやすい用語に変更できないかな~。



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ワルは警察だけじゃない、検察もグルだった!~志布志事件でっち上げの真実…全市民必読!

2010-01-29 01:53:27 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 まったく存在しなかった公職選挙法違反事件がでっちあげられた志布志事件。この事件の闇はさらに奥深かった。合同捜査会議で語られた真実、警察がでっちあげた事件を検察が後押しする驚愕の事実…。小沢に対する検察捜査に疑問を抱くあなた、そして、検察官が不法なことなんてするはずがないと信じているあなた、この本を読むと、警察・検察がいかに暴走しやすい組織であるか、取り調べの可視化がなぜ必要なのか、分かるはずだ。

 筆者は、鹿児島総局長として、記者を叱咤激励し、志布志事件の問題点を明るみに出した朝日新聞梶山天記者(特別報道センター所属)。被告人全員無罪から3年たった今、当時の関係者を徹底取材して志布志事件の全貌を把握した。その驚くべき真実=検察の問題点を世に問う書『「違法」捜査 志布志でっち上げの真実』(角川学芸出版、予価2100円)を2月10日発行する。

 この志布志事件、あれだけえん罪として報道されたにもかかわらず、警察庁が作成した「富山事件及び志布志事件における警察捜査の問題点等について」というレポートでは、富山事件については、冤罪であることを前提として、なぜ、捜査段階で無実であることがわからなかったのか、という方向で書かれているにもかかわらず、志布志事件については、無罪となったのは捜査の不備であり、適切な捜査を行っていたら有罪となったかも知れないことを前提としたものとなっていた。

 犯罪が現実に発生したが、犯人ではない人を刑務所に送った富山事件と、そもそも犯罪など発生していないにもかかわらず、犯人をでっち上げた志布志事件。より反省すべきが後者であることは明白だったにもかかわらず…。

 当時の反省しない警察の姿とそれを支える当時の自民党鳩山法相の姿を前に、【鳩山法相「冤罪」発言は、志布志事件「実行説」を前提とする確信犯~反省しない警察へのエールと判明 】(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/14165ad6102455728ec00c8edf58bf59)という記事で、

【本件被疑者の中には、会合出席者の服装や会合での料理や酒の種類、現金在中の封筒の特徴等についてまで詳細に供述している者がおり、当該供述について、取調べ官も供述調書を作成しているが、判決では、会合で初めて会い名前すら知らなかった者の服装等についてまで供述し、また、会合でのつまみの種類だけでなく皿の形状や数等についてまで詳細に言及されている点は、「詳細すぎてかえって不自然との感が否めない」だけでなく、酒を飲まない被告人が出されたビールの銘柄まで供述している点も、「真に記憶に基づく供述であるのか、疑問である」と指摘されたところである。
 買収事案の背景となった会合について迫真性のある具体的かつ詳細な供述を得ることは、この種の捜査上極めて重要であり、供述内容が詳細であること自体を決して問題視すべきものではないが、具体的かつ詳細な供述内容が客観的事実と矛盾しないか、自然性が担保されているかといった幹部による供述の信用性の吟味が十分でなかったと言わざるを得ない。】(13頁)といかにも幹部の指導でもう少し現実的な調書すれば有罪となったのにと言わんばかりの勢いだ。

などと指摘した。

しかし、なぜ、富山事件では反省できるのに、志布志事件では反省しないのか、その疑問は解けなかった。


 その疑問が今回の梶山記者の著作で氷解したような気がする。

 検察官が、いや、検察庁が、でっち上げであることを知りながらも、いったん、起訴した以上、最後まで行く、そう決めたために、突っ走ることとなった事件だけに、警察だけに完全なでっち上げであることを認めさせることができず、このような表現で落ち着いたのだろう。

 警察・検察リテラシーを高めるために本書は必読だ。

 この書を一人でも多くの人に伝えてほしい。

 そして、ただちに、予約をしてほしい。

 そうすれば、さらに大きく取り上げられることになるはずだ。

 何度も冤罪が発生したが、制度的改善には至らなかった。今度こそ、この書を広めることで、日本の暴走警察・暴走検察に歯止めをかけるための有効な手段、取り調べの可視化を実現させよう!

amazon→http://bit.ly/at4FRd



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韓国メディアセンター・ MediACTを救え!~国際連帯署名の輪を広げよう!

2010-01-28 11:07:24 | メディア(知るための手段のあり方)
 昨年、日弁連人権大会表現の自由シンポの調査で出かけた韓国は、かつてのデジタルデモクラシーの勢いを失い、市民の自由がイミョンバク政権から脅かされている様子がよくわかった。市民メディアを育成する拠点Mediact(メディアクト)のスタッフもいずれ存亡をかけて闘う時が来ることを予言していた。

 その後、韓国では、比較的リベラルとされるテレビ業界のトップがすげかえられ、保守的とされる新聞業界がテレビ放送を行うことができる法律が制定された(クロスオーナーシップ規制の縮小)。

 明かに表現の自由を規制する方向で動いている。

この動きを放置すると日本の反民主勢力も勢いつかせることになりかねない。

そもそも、相手国で民主主義を進めることがもっとも確実で、安価な安全保障でもある。

 今回のメディアクトに対する圧力は、友好関係を結んできたレイバーネットジャパンが詳しく伝えている。

★ 韓国:メディアセンター公募に関するMediACTのアピール
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/issue/media/1264586939762Staff

 すでに国際署名が呼び掛けられている。日本語ページもあるので、ぜひ、署名して、隣国のデモクラシーを守ろう!

 それが日本の民主主義と平和を守ることにも直結している。
  
 市民レベルでの連帯を!


↓日本語受付ページ
http://vpress.la.coocan.jp/mediact.html

↓直接おくる英語署名ページ
Save Mediact
http://www.gopetition.com/online/33662.html


◆◆呼び掛け文引用◆◆
http://www.labornetjp.org/news/2010/0127korea
 安田です。

韓国の光化門にある映像メディアセンターを運営してきたMediACTが存亡の危機にさらされ、国際的な支援を求めています。

MediACTは、レイバーネット日本の創立総会でも来賓にお招きした労働メディア活動家のキム・ミョンジュン氏のイニシアチブで2002年に設立されたメディアグループで、メディアセンターの運営を通じて労働運動のドキュメンタリーをはじめとする数多くの優れたドキュメンタリーや独立映画を生み出してきました。 MediACTは、韓国内ではメディア教育や映像政策支援などに加え、パブリックアクセスの実現や、独立映画専門上映館の開館など、国際的なメディア運動の中でも大きな貢献をしてきました。そして国際的にも国際的なワークショップの開催などを通じ、東アジアの国際メディア活動の核心的な役割を果たし、日本でも多くのメディア活動家がMediACTを訪問しています。

ところが、金大中、盧武鉉と続いた比較的進歩的と見なされてきた政権が保守派の李明博政権に代わり、金大中・盧武鉉時代に誕生した制度や機構に対する攻撃が強まり、政府組織やマスメディアばかりでなく、多くの草の根市民運動や労働運動にまでその攻撃が及んでいます。そして今回、攻撃のターゲットになったのがMediACTです。

MediACTは、政府傘下の映画振興委員会との契約により、資金的な支援で運営を続けてきましたが、昨年12月に従来の契約が公募に切り替えられ、第一次公募では「該当者なし」、そして先日行われた第二次公募では豊かな実績と経験を持つ MediACTではなく、公募にあわせて急造された右派系のメディア団体が光化門の映像メディアセンターの運営者に選ばれたのです。そのため、MediACTは今月いっぱいでメディアセンターから退去しなければならなくなり、これまで続けてきたさまざまな事業も中断せざるを得ない状態になっています。

これは、単に韓国内のひとつのメディアセンターの運営というだけの問題ではありません。まさに独裁政権下でのメディア規制で苦しんできた韓国の人々にとって、自由で民主的なメディアが、自由と民主主義にとっていかに重要か、そして自由なメディアを労働者・市民のレベルで支えるメディアセンターがどのような意味を持つかは自明でしょう。労働者・市民のメディア活動の基盤であるメディアセンターへの攻撃の背後には、人々の自由な活動の手段を奪おうとする魂胆が透けて見えます。そして、国際的な視野に立てば、MediACTの危機は国際的なメディア運動における東アジアでの核心の崩壊につながるという点でも、また、メディアを通じた国際的な労働者・市民の連帯を破壊するという意味でも、MediACTへの攻撃はわれわれに向けられた攻撃とも等しく、決して他人事ではありません。

もちろん、今回の運営者変更が、公正な公募と運営者選定であると納得できるのであれば、運営者の変更そのものを非難することはできないでしょう。しかし、今回の運営者の変更につながった公募の過程は、その公正性がきわめて疑わしいものでした。契約満了の直前に公募が公表されたこと、実績も経験もなく、公募にあわせて急造されたメディア団体が選定されたこと、選定理由にハイビジョンや3D映像製作など、市民・労働メディアの本質とかけはなれた産業的理由があげられていることなど、あらゆる角度から見ても無理な選定であり、政治的な意図の下での不自然な選定と言わざるを得ません。

以上のように、MediACTは国内的・国際的に優れた活動を続けてきたにもかかわらず、いままさに理由にもならないような理由で抹殺されようとしています。今回の公募を撤回し、MediACTが映像メディアセンターの運営を続けられるよう、できるだけ多くの人が抗議の声を韓国の当局に届けていただければと思います。

インターネットでは、次のサイトでSave Mediactの署名ができます。 Save Mediact http://www.gopetition.com/online/33662.html

日本語オンライン署名受付ページ


今回の公募を実施した映画振興委員会の電話番号は以下のとおりです。 +82-2-958-7521 または +82-2-9587-526

映画振興委員会のメールアドレスは以下のとおりです。 snowmt@kofic.or.kr

◆◆引用終了◆◆


写真は、メディアクトのウェブサイトに寄せられた市民の声。原文は韓国語。ロボット翻訳。


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石川議員が水谷建設の元幹部から金を受け取ったことを推認させる特ダネが誤報~取消すが、謝罪はしない読売

2010-01-27 00:43:46 | メディア(知るための手段のあり方)
 関係者情報による小沢追い落としキャンペーンの中、読売新聞が大きなチョンボをしたことは皆さんご存じだと思う。誤報だったのは、石川議員の手帳のうち、ゼネコン幹部が5000万円を都内のホテルで石川議員に渡したと話しているとされる日の欄に、そのホテルの名前が記載されているという記事だ。

 1月25日夕刊に掲載されたこの記事を読むと、完全に裏金を小沢が受け取ったと思わせる内容になっている。

 現に、読売のこの記事の見出しは、「石川議員、手帳にホテル名」という大見出しのもと、「水谷建設側供述『5000万授受』の日付」「面会裏付けか」となっているうえ、本文中でも、「特捜部はこの手帳の記載を、10月15日に石川容疑者が水谷建設の当時の幹部と面会したことを示す証拠の一つとして重視しているとみられる」と書かれており、裏金疑惑を大きく膨らませるものとなっている。

 ところが、実は、この手帳の記載はまったくの誤報だった。

 翌朝刊には、「訂正」という囲みに続き、

【25日夕刊の「石川議員、手帳にホテル名」の記事で、「東京地検特捜部が押収した石川知裕衆院議員の手帳には、中堅ゼネコン『水谷建設』の元幹部らが同議員に5000万円を渡したとする2004年10月15日の欄に、授受の場所とされるホテル名が記されていた」とありますが、手帳は、04年ではなく、05年のものでした。ホテル名が記載されていた時期も同年4月でした。石川議員側関係者の取材に基づくものでした。記事と見出しの当該部分を取り消します。】

という訂正文が掲載された。




 変な話だね~。

 まずは、これだけあからさまに、石川議員の名誉を傷つけるような記事を書いたら、普通は、「石川議員及びその関係者に謝罪します」という一文が入るのが普通だ。しかし、今回の訂正文にはまったく謝意らしきものが示されていない。

 次に、2004年10月15日と2005年4月を間違うことなんてあるだろうか。誰が読売に取材されたのかは知らないけれど、普通なら、間違えるはずがないポイントだ。しかも、ネタ元は「石川議員側関係者」だという。え~、もしかして、例の人物???

 そんなネタ元に頼って記事書いているようじゃ、いつか永田メール同様、とんでもない恥かきますよ~。

 あ~、そうか、日本のメディアは仲良しちゃんだから、こんな誤報を掲載しても批判しないんだよね。気に入らない人物は徹底的に叩くけど…。

 というわけで、マスメディアが批判しないなら、ネットメディアが批判するまで。

 というわけで、いまの検察庁の不当捜査、マスコミのバックアップぶりを示す貴重な資料として、そして、メディアリテラシーの重要な資料として、読売の両記事を掲載した。見比べて考えてほしい。

 斜線部分が問題の記事、そのほかの囲み部分は、関連記事だ。読売は訂正文のうえに、さらに小沢たたきの記事を書いている。しかも、たいしたネタでもないのに…。ここでも関係者がでてくるが、これも例のあの人~?



  

 


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民主主義に対する司法の攻撃~日本は検察・裁判所連合、米国は最高裁

2010-01-26 06:14:07 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 小沢問題などで、日本では企業献金の禁止が本格的に検討されるのではないか、と期待される一方、米国では、21日、連邦最高裁が、【企業や団体が選挙広告などの費用を出すことを制限している連邦法は、言論の自由を保障する憲法に違反するとの判決を下した。】この判決は、【公職選挙における大企業の影響を制限する近年の流れを覆すもので、11月に行われる中間選挙にも影響が出るとみられる】という(http://mainichi.jp/select/world/news/20100122k0000e030052000c.html)。

 この判決に対して、オバマ大統領は、【「最高裁の判決は特定の利益を目的とした資金が政治になだれ込むことを認めるものだ。小規模な献金で候補者を支える平均的な米国人の影響力をそぐものだ」と強調。「議会指導部と党派を超えて、この判決に対する有効な対応策を考えていきたい」と呼びかけた】という(同上)。

 この最高裁判決についてあまり報道されていないが、どういう感想をお持ちですか。まずは、日本と米国で逆の方向に動いていることは興味深いですよね。でも、本当に逆の動きなんでしょうか。オバマ政権を誕生させたのは、ネットによる情報交換・ネットによる献金によって力を発揮した市民の力だった。今回の最高裁判決は、巨大資本が自由に政治に関与することを可能とするものであり、直近の大統領選挙で示された市民が大統領を選ぶという民意を踏みにじるものといえる。

 そう、実は、この判決は、どの国でも、いわゆる従来の支配層が民主主義によってその特権を奪われようとした際に、民主主義以外の方法によって、特権を奪い返そうとするものだという共通的な事実を示すものだ。

 日本では、民意によってなされた政権交代が、検察の不当捜査及びそれを許す裁判所によって、覆されようとしている。民主党が実績を積む前に自民党政権に戻そうという意図がひしひしと感じられる。

 米国では、小口献金による政権奪取を行った民主党を上回る政治資金を共和党に得させるために、最高裁が今回、企業献金の全面解禁を認める判決を下した。

 NPJ(News for the People in Japan)の前事務局長で現在、米国留学中の田場暁生弁護士がNPJに寄稿した【「企業の政治献金を表現の自由として最大限保障?」─米最高裁判所政治資金(広告)規制法違憲判決(2010年1月21日)を考える─】(http://www.news-pj.net/npj/npj/taba-20100123.html)では、

本件が、【保守系の団体が資金を出して制作したヒラリー・クリントンを批判する内容の映像をケーブルテレビで放映しようとしたところ、これが企業及び労働組合等の団体の資金によって 「選挙運動通信」(「明確に特定された連邦候補者に言及して、本選挙等の一定期間前に行われる放送等」 をいう)を行うことを禁止する法に該当するとして放送を禁止されたことをめぐって争われていた】ものであり、

【法そのものを違憲もしくは合憲と判断する以外の選択肢も十分にあり得た。今回問題とされた映像は法で禁止された 「選挙運動通信」 にあたらない、よって、本件に法を適用する限りにおいて憲法違反であるという手法である(適用違憲)。この手法によれば法自体を違憲とする必要はなかった。にもかかわらず、あえて多数意見が法自体を違憲としたことに、保守派の強いメッセージがうかがえる。】ことが指摘されている。

 そう、アメリカ連邦最高裁は、市民のパワーによる民主主義を企業のパワーで覆そうとしているわけだ。

 このことは、賛成した最高裁裁判官の顔ぶれをみればよくわかる。ケネディ(レーガンが選任、以下カッコ内は選任大統領)の他、ロバーツ(長官:ブッシュ・ジュニア)、アリート(ブッシュ・ジュニア)、トーマス(パパ・ブッシュ)、スカリア(レーガン)の5人、いずれも、新自由主義的な色彩が濃い大統領によって選任されている。

 これに対し、反対意見は、スティーブンス(フォード)の他、ギンズバーグ(クリントン)、ブライヤー(クリントン)、ソトマイヨール(オバマ)であり、民主党もしくは共和党でもリベラルなイメージがあるフォードによって選任された裁判官によってなされた。
 
 そう、どの国でも、民主主義が力を発揮しようとしたとき、民主的でないことによって利益を得てきたものは、あらゆる手段でそれをひっくり返そうとする。立法、行政、司法の3つの権力のうち、民主主義でひっくり返すことができるのは、立法(米国では行政も国民の直接選挙によって選択されるので、行政も)だ。そこで、残る行政、司法(米国では司法のみ)が立法に挑む形となりうる。

 日米では、まさに、その理論的な予測の範囲での、熾烈な覇権争いが生じているといってよいだろう。日本では、官僚(今回は検察。もちろん、ほかの部署での抵抗もある)と裁判所(裁判所は意図的ではないかもしれないが…)が、民主党を刑事手続きなどによって追い詰めようとし、米国では、連邦最高裁が民主党の財政的基盤を揺るがそうとしている。

 さぁ、日米の市民は、この民主主義に対する司法的クーデター(日本では検察だが、司法的という評価は可能だろう)に対し、いかなる意思表明をするのか。

 両国の市民に民主主義を支える性根があるかどうかが問われている。
  
◆ニューズウィーク日本版も必見→http://newsweekjapan.jp/stories/us/2010/01/post-939.php
 




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取り調べの完全可視化が必要な理由~私が検察官だったらこうして小沢をはめる

2010-01-25 22:23:05 | メディア(知るための手段のあり方)
 石川議員の手帳の5000万円を受け取ったとされる日の欄に、渡したとされるゼネコン幹部が渡した場所として説明しているホテル名が記載してあったとの情報を、今日(1月23日)、各社が報道した。そろそろ、そんな頃かな~と思っていた。5000万円を渡したとする側の日付と場所は、年末、一部新聞が報道し、年明け後に各社が報道した。その間、陸山会などの大々的な捜索押収劇が演じられた。

 とくれば、次には、その授受を裏付ける物証があったとリークされる可能性は十分にある。

 【この記事をアップしようとして確認したところ、手帳は05年の別の月のもので、5000万円とは関連がないらしいという情報…。しかし、読売夕刊1社トップには、「関係者によると、特捜部が押収した手帳には、10月15日の欄にこのホテル名が記されていた」と明記されているのだが…。読売は朝刊で訂正するのか?まぁ、取り調べの可視化の必要性の一つの例え話として、読売の記事を前提としたままアップすることとしました】

 ここで、物証があると思われるものを整理しよう。もちろん、これらの存在の真偽は不明だが、報道によると、このようなものがあるようだ。


 2004年10月18日、5000万円が睦山会の口座に入金された。

 2004年10月29日、土地代金として、3億3000万円が支払われた。

 石川議員の手帳に10月15日、ホテル名の記載がある。【どうもこれが誤報のようだが…】

 
 5000万円関連では、肝心なのはこれだけだ。

 供述としては、ゼネコン幹部が、10月15日に石川議員の手帳に記載のあるホテルで5000万円を渡した(15日の次の銀行営業日が18日)と話しているらしい。

 そして、陸山会事務所が捜索押収されたのは、報道されているだけで、2009年3月と2010年1月13日の2回。

 さぁ、問題は、これらの供述物証をどうパズルに組み込むか、だ。

 
 検察側のパズルの当てはめは、

①ゼネコン関係者が10月15日に5000万円を石川議員に渡したと供述。

②2010年1月13日、事務所捜索押収で石川議員の手帳押収

③その手帳にホテル名の記載があった

というものだ(Aパターン)。


 しかし、このパズル、こうも組み替えられる。

①検察、陸山会の金の動きをチェック。5000万円が2005年10月18日、陸山会の口座に入金されていたことを把握。

②2009年3月の捜索押収で、2005年10月15日の欄にホテル名の記載のあった手帳を確保

③ゼネコン幹部に、5000万円を2005年10月15日、手帳に記載のあるホテルで渡したと、(スキャンダルなどをネタに脅したりして)供述させる。(Bパターン)
 

 現段階ではどちらとも分からない。

 検察などから漏れてくる情報は、まるで、検察側のパズルの当てはめを裏付けるかのような順番で出てきている。そう、まるで、チェックメイトと言いたげに。

 しかし、本当にチェックメイトなら、情報を漏らしてまで世論をあおる必要はない、と思いませんか?

 また、なぜ、2010年1月13日に再度、捜索したのだろうか。その捜索の直前には、ゼネコン幹部が5000万円をホテル内で手渡したとの報道がなされている。

 いかにも、ホテルに関するゼネコン幹部の供述が、手帳の押収よりも先行したかのようなイメージを与えるが、それが事実かどうかは明らかにされていない。

 そして、もうひとつ。なぜか、ゼネコン側から(検察からではなく)、5000万円の授受に関する情報が出ているような報道がある。仮に検察に自白したとしても、自ら、そのような自白をしたことを漏らすだろうか…。不思議に思いませんか?

 だからこそ、取り調べの可視化が必要になる。

 「無実の人間」に物証に合わせた供述をさせるためには、物証の存在を知らない「無実の人間」を誘導する必要がある。誘導していないふりをしても、自ずから無理が生まれる。したがって、取り調べのビデオを見れば自ずから事実が明らかになるだろう。

 ここで、皆さんに覚えていただきたいことがある。

 ひとつは、ゼネコン幹部が渡したとされる5000万円に関する物証は、当日、銀行から5000万円を下ろしたというものではなく、その前に何度かに分けて下ろしたものをどこかに貯めておいたものではないか、ということ。

 もうひとつは、手帳が押収された日は、2010年1月ではなく、2009年3月ではないか、ということ。

 仮に、後になって、この二つが事実だということが明らかになったなら、Bパターンの可能性が大きいだろう。

 しかし、本当は、「後になって」、という問題ではない。問題は、いま、不当な取り調べが行われているかもしれないにもかかわらず、それを予防する方法がとられていないことだ。

 ただちに、取り調べの可視化法を成立させるべきだと思う。

 

 

  

 



 
 



  
 




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鹿児島では記者クラブの会見が開放され、黒板協定がない~系列化していないことが原因?

2010-01-25 06:15:58 | メディア(知るための手段のあり方)
 昨日(1月24日)、鹿児島大学の第5回マスコミ講座公開シンポジウム「政治は身近になったか 政権交代とマスメディア」で、「政権交代がメディアに与える影響~権力監視機能は回復するのか」と題する基調講演をさせてもらった。放送行政の独立行政委員会の不存在、クロスオーナーシップ規制の不存在などに関する原口大臣のタイムリーな発言などに触れつつ、マスメディアの構造とそれを前提にしていかに知る権利にかなうマスメディアにするかということについて話してきた。

 パネリストに地元の南日本新聞社の政経部長、南日本放送の報道部長が参加しており、雑談中に、お二方から非常に注目すべき実態を聞くことができたので、紹介したい。

 まず、記者会見が開放されているということ。事前の打ち合わせで、両者が例のブログ市長の記者会見から排除されているということがパネルディスカッションで触れられることになったので、そのテーマに続いて、記者会見の閉鎖性の問題に触れてはどうかと提案した。聞いている側にすれば、ブログ市長の行為は、記者会見を閉鎖的に運用する記者クラブそのものと重なって見えると思ったからだ。

 すると、お二人からは、鹿児島県庁クラブの会見は、報道目的の方であれば、基本的にだれでも参加できる、すなわち、妨害などのおそれがない限り、また、明らかに報道目的でない限り、参加を認めてきたという答えが返ってきた。記者クラブで配布される資料もクラブ以外のマスメディアが希望すれば、広報課が渡すのだという。

 驚いていると、お二人はさらに、鹿児島県庁クラブには、黒板協定もないと説明し始めた。
 
 黒板協定とは、行政が発表する予定をクラブの黒板に書き込んだ時点で、その予定については解禁されるまで(=通常発表翌日の朝刊、当日の夜のニュースあるいは翌日の朝のニュース)、報道しないという約束が成立するというものだ。明らかに、特落ち(一社だけ掲載できないこと)を避けるための「談合」で、この存在が記者会見や記者クラブの開放を妨げる原因の一つともなっている。

 このマスメディアにとって、便利な制度は、官庁、行政の記者クラブのほとんどで採用されているはずだ。ところが、鹿児島県庁記者クラブにはそのような協定はなく、黒板は、単なる予定表としての意味しかないというのだ。

 転勤してきた他社の記者が、黒板に掲載された事項が報道された翌日、協定破りだなどと抗議してくることがあり、黒板協定がないことを説明すると驚く…お二人はそう説明した。

 いつからそうなっているのか、については、お二人は正確には知らなかったが、どうも伝統的にそうなっているようだった。

 で、ここから、私の推測です。
 鹿児島は、県紙南日本新聞と最大手のテレビ局南日本放送の間に資本関係がなく、ライバルとしてしのぎを削ってきたようだ。そこで、記者クラブが黒板協定のような談合が成立する馴れ合いの場ではなく、純粋に報道の拠点となったのではないだろうか。それゆえに、報道目的であれば、誰でも記者会見に参加でき、また、黒板協定が生まれなかったのではないだろうか。

 つまり、鹿児島は、クロスオーナーシップがない場合に、いかに、記者クラブが健全に機能するかというモデルケースではないか、と推測したのです。

 鹿児島モデル、ちょっと、調べる必要ありそうです。情報お持ちの方は、ぜひ、コメント欄に残してください。コメント欄は現在、非公開となっていますが、いただいた情報は適宜、ご紹介したいと思います。


※冒頭の画像は、講演で使ったパワーポイントより




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日本人よ日米安保に感謝する心を忘れるなかれ~橋本勝の政治漫画再生計画第196回

2010-01-23 18:01:43 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
日米安保50周年おめでとう!
戦争放棄の憲法9条をもちながら
軍事同盟といってよい日米安保なんてけしからん
なんて言わせない
戦後60数年、日本の平和と安全が保たれていたのは
アメリカの核の傘があったればこそ
(非核3原則があっても核の持ち込みはしてましたよ)
沖縄を主とする米軍基地があって
にらみをきかせていたから
日米安保よ、半世紀にわたってありがとうと
感謝しなければいけないはずなのに・・・・
ああ、それなのに政権交代とやらで
生まれた民主党のこのことに対する
迷走ぶりは目にあまる、その端的な例が
人口密集地にあるので危険ということでの
普天間基地の移設問題
辺野古沖を埋め立てて新基地を建設するということで
前政権の時に合意していたはずなのに
環境問題とか沖縄の負担軽減なんて事を言い出し
ズルズルと先延ばし
本質的には鷹のはずの鳩山首相が
沖縄からの米軍基地の撤退、さらに日米安保の見直し
なんてことを言い出しかねない
そんなことになったら日本の安全は保障しないと
徹底的にプレッシャーをかけてやり
あらためて日米安保に感謝させねばならない
とアメリカさんは思っているのだ。


【ヤメ蚊】
企業献金を解禁した米国、企業献金をしようという日本、これからの日米関係、従属から自立へ変わらないと世界に悪影響を与えそう…。




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足利事件で再生するべきは警察での取り調べ状況だった~普通じゃんと誤解した人のために

2010-01-23 07:49:19 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 足利事件の検察官取り調べ状況が法廷で再現されたが、いずれも検察官による取り調べに関するものだった。そりゃぁ、あかんべ。だって、検察官のところにきたときには、もう警察で一丁上がりになってるわけだから…。本当に取り調べの録画・録音が必要だと感じるのは、冤罪事件における警察の取り調べ(もちろん、検察が捜査を開始した事件の場合は、検察ってことになるが…)に関するものだ。足利事件でも、検察官の取り調べを「読む」限り、場合によっては、これだけでは単に否認に転じた場合とどう区別できるのか、という見方もできよう(もちろん、読むだけでなく、聞けば迫力が全く違うと思うが…)。

 そこで、毎日新聞が報じた警察での取り調べ状況を転載したい。これは、もともと、弁護側が、検察から開示されたテープを文字化したものだ。毎日新聞を取っていない方は、読んでいないかもしれないので、全文を引用する。敬称添付(http://mainichi.jp/select/today/news/20100122k0000m040134000c.html)

 足利事件では、検察官取り調べテープは12本残っていたが、警察官取り調べはわずか3本。すべての取り調べを可視化すること重要性をうかがわせる毎日の記事だ。

 ちなみに冒頭は米兵の取り扱い。やろうと思えば全面可視化、できるんじゃない。

■■引用開始■■
 

 警部 ひも取って(万弥ちゃんの殺害現場に)戻って来たの?

 菅家さん はい

 警部 それで?

 菅家さん それで、あのう、何ていうんですか……ビニールと……あのう、何ていうんですか……カバン、カバンとかなんとか言ってましたけど

 警視・警部 ビニールと何?

 菅家さん カバンですか

 警部 カバン

 菅家さん あのう……体を、中に入れるために、ビニールに入れまして

 警部 うん

 菅家さん で、あの、ひもですか、ちょっと……くる、くるむようにですか

 警部 うん

 菅家さん ……そうふうに、あの、包みまして

 警部 万弥の体を何したっけ? ビニールで何? ひもは何に使ったんだい

 菅家さん ひも、あのう

 警部 万弥ちゃんの死体にどうしたんだい、ひもを?

 菅家さん ……くるむようにですか

 警部 ひもは縛るだんべ

 菅家さん あ、そうです

 警部 万弥ちゃんの体をひもで縛ったっつんか

 菅家さん はい、縛ったということです

  【中略】

 警部 で、その大きいビニール袋は何かにまた入れたのか

 菅家さん ……自分は、あのう……ビニール入れまして

 警部 うん

 菅家さん そうすっと、あのう、普通はよく透き通って

 警部 透き通って、中身が見えないビニール袋入れたんだろ

 菅家さん はい

 警部 うん、その後、万弥ちゃんが入ったビニール袋を何かに入れたんか? カバンか何かに?

 菅家さん ……

 警部 風呂敷に包むとか、何かしたんか?

 菅家さん ビニール入れまして……そのビニールをよくあのう、はっきりとは、透き通るとか……

 警部 うん、だから、中身が見えないビニール袋に入れたんだよ

 菅家さん はい

 警部 その入れたビニール袋を、そのままじゃなくて、何か

 警視 箱ん中に入れたとか

 警部 ビニールを。この包んだね

 菅家さん はい

 警部 包んだっつか、こういう袋入れたでしょ

 菅家さん はい

 警部 さらに何かに入れたんじゃないかって聞いてんだよ。何も入れねえのかって、そのビニールしか

 菅家さん ……自分は、なんか、ビニールでして

 【休憩で録音中断】

 警視 万弥ちゃんを捨てに行った時さ、ビニール袋に何を、ビニール袋に何を入れたって?

 菅家さん ……ビニール袋に、子供ですか……

 警視 入れたと

 菅家さん はい

 警視 そのビニール袋は(中身が)分かんねえようにするために、ビニール袋だけで持って来らんねえべ、普通は。何に入れたの?

 菅家さん ビニール袋に入れたのはやはり、ビニールと……しまして

 警視 ビニールと紙……

 菅家さん ……リックですか(小声)

 警視 うん、リック。リックちゅうのはさ、どこにあったんだよ

 菅家さん ……確か……この地図

 警部 地図でいうとどこなんだい?(万弥ちゃんがいなくなった)神社はここだぞ

 警視 おめーはリック持って来てねえんか、うん? おめーの家にリックはねえんか?

  【中略】

 警視 よく、記憶をたどって、真実はただ一つなんだから、ほらなあ、菅家よ。で、無理に話を押っつけるってことは、すんだねえぞ

 菅家さん はい

 警視 うん。じゃあ、次さあ、もう一件の、有美ちゃんっての知ってっか?

◆◆引用終了◆◆


おかしいところを考えてみてください。
私もいくつか、気づきましたので、下に示します。テープを聞いたわけではないので、実際に聴くと違う印象のがあるかもしれませんが…。


■■引用開始■■
 

 警部 ひも取って(万弥ちゃんの殺害現場に)戻って来たの?

 菅家さん はい

 警部 それで?

 菅家さん それで、あのう、何ていうんですか……ビニールと……あのう、何ていうんですか……カバン、カバンとかなんとか言ってましたけど(◆言っていましたけどって、いきなり…。誘導の痕跡)


 警視・警部 ビニールと何?

 菅家さん カバンですか(◆疑問形になっている)

 警部 カバン

 菅家さん あのう……体を、中に入れるために、ビニールに入れまして

 警部 うん

 菅家さん で、あの、ひもですか、ちょっと……くる、くるむようにですか

 警部 うん

 菅家さん ……そうふうに、あの、包みまして

 警部 万弥の体を何したっけ? ビニールで何? ひもは何に使ったんだい

 菅家さん ひも、あのう

 警部 万弥ちゃんの死体にどうしたんだい、ひもを?

 菅家さん ……くるむようにですか(◆ここも疑問形)

 警部 ひもは縛るだんべ(◆誘導)

 菅家さん あ、そうです

 警部 万弥ちゃんの体をひもで縛ったっつんか

 菅家さん はい、縛ったということです

  【中略】

 警部 で、その大きいビニール袋は何かにまた入れたのか

 菅家さん ……自分は、あのう……ビニール入れまして

 警部 うん

 菅家さん そうすっと、あのう、普通はよく透き通って(◆「普通は」ってとこに誘導された片鱗が残っている。「普通どういうビニルに入れるんだ、あの黒い奴だろう」とか事前に言われていたと思われる)

 警部 透き通って、中身が見えないビニール袋入れたんだろ(◆中身が見えないというのは誘導)

 菅家さん はい

 警部 うん、その後、万弥ちゃんが入ったビニール袋を何かに入れたんか? カバンか何かに?(◆誘導。さきほどカバンと答えたが、ここではカバンではなくリュックと言わなければならないにもかかわらず、覚えさせられた言葉が出なくて戸惑っている印象を受ける)

 菅家さん ……

 警部 風呂敷に包むとか、何かしたんか?

 菅家さん ビニール入れまして……そのビニールをよくあのう、はっきりとは、透き通るとか……

 警部 うん、だから、中身が見えないビニール袋に入れたんだよ

 菅家さん はい

 警部 その入れたビニール袋を、そのままじゃなくて、何か

 警視 箱ん中に入れたとか

 警部 ビニールを。この包んだね

 菅家さん はい

 警部 包んだっつか、こういう袋入れたでしょ(◆袋ってそりゃ、ひどい。菅家さんはここでは何も言っていない)

 菅家さん はい

 警部 さらに何かに入れたんじゃないかって聞いてんだよ。何も入れねえのかって、そのビニールしか

 菅家さん ……自分は、なんか、ビニールでして

 【休憩で録音中断】(◆この休憩の間に再度、「教育」をしてきたと思われる)

 警視 万弥ちゃんを捨てに行った時さ、ビニール袋に何を、ビニール袋に何を入れたって?

 菅家さん ……ビニール袋に、子供ですか……

 警視 入れたと

 菅家さん はい

 警視 そのビニール袋は(中身が)分かんねえようにするために、ビニール袋だけで持って来らんねえべ、普通は。何に入れたの?

 菅家さん ビニール袋に入れたのはやはり、ビニールと……しまして

 警視 ビニールと紙……

 菅家さん ……リックですか(小声)(◆言われたことを言っているだけという様子)

 警視 うん、リック。リックちゅうのはさ、どこにあったんだよ

 菅家さん ……確か……この地図

 警部 地図でいうとどこなんだい?(万弥ちゃんがいなくなった)神社はここだぞ

 警視 おめーはリック持って来てねえんか、うん? おめーの家にリックはねえんか?

  【中略】

 警視 よく、記憶をたどって、真実はただ一つなんだから、ほらなあ、菅家よ。で、無理に話を押っつけるってことは、すんだねえぞ

 菅家さん はい

 警視 うん。じゃあ、次さあ、もう一件の、有美ちゃんっての知ってっか?

◆◆引用終了◆◆




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千葉法務大臣、次はあなたが情報を開示させる番です~国会図書館、米兵特権文書閲覧禁止事件

2010-01-22 06:01:02 | メディア(知るための手段のあり方)
 クロスオーナーシップの問題、「関係者」という表現での記事の書き方の問題点など、表現の自由について重大な発言を続けている原口総務大臣のあり方は、有権者に民主党に投票してよかったと思わせる貴重なメッセージともなっている。政権交代はしたが、次の参院で自民党が多数を占めるようなことになれば、ねじれ国会となって新政策の実現が足踏みさせられ、結局、民主党が次の総選挙で下野することになりかねない。そうなると、また、自民党による「有権者には情報を知らせない政治」が復活することになるし、そうなれば官僚も「死に体」の民主党の言うことなんてきかなくなる。ここは少なくとも3回くらい連続して総選挙で民主党を勝たせなければ…とみなさん、思っていると思う。そういう意味で、原口大臣の発言は貴重だ。

 で、千葉大臣、ものは相談ですが、法務省が国会図書館に指示して、閲覧を禁止させた「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」、これは1972年に法務省が検察官に米兵やその家族については日本の裁判権を原則として行使しないようにという指示を出した文献なんですが、この資料の閲覧を全面的に許可するように、国会図書館に指示していただけないでしょうか。

 法務省に対しては、取り調べの可視化や個人通報制度の批准などしてほしい政策はたくさんありますが、それらは国会での審議が必要なのでただちに実行することはできないわけです。

 ところが、米兵に特権を与えるための検察官マニュアルである「合衆国軍隊構成員等に対する刑事裁判権関係実務資料」を開示することは、千葉法務大臣個人の判断で可能なはずですよ。

 この資料は、2008年8月21日、ジャーナリスト・斎藤貴男さんが、閲覧を求めたが、閲覧禁止とされたため、2009年2月16日、閲覧禁止措置の取消しを求めて東京地裁に提訴している。

 国会図書館側は、この資料について、古書店から自主的に購入したものであり、その後継続して公開されてきたが、2008年5月、法務省から閲覧制限の申し出があったため、内部の委員会で検討を行い、その結果、6月11日に閲覧禁止を決めた。国会図書館は、国や自治体が非公開と決定したものは利用を制限できるとする内規を定めており、上記資料については法務省の申し出と異なる判断を下すに足る理由がなかったと説明している。

 法務省は、閲覧禁止の申し出にあたって、米兵に対する取り扱いについては秘密の約束であり、それが明らかにすると米国との関係を損なうことになるという趣旨の説明をしている。しかし、一度書いたように(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/31532dca1ca826145737223c6919ff2d)、秘密の約束にしてほしいなんて米国側は言っていなかった。米国側はオープンにしようとしたが、日本政府(自民党)側が秘密にするよう頼んだものであったことが、訴訟の中で明らかになっており(冒頭の文書:翻訳末尾)、もはや、隠す必要なんてないことは明白。

 で、千葉大臣、この資料の閲覧禁止を継続することに賛成ですか?それとも反対ですか?政権交代でここまで変わるっていうメッセージを送るためにも、英断をしてはいかがでしょうか。

 そうそう、次の訴訟は、4月23日午前11時(東京地裁522号法廷)、少し時間はあるが、早めの英断こそ、インパクトがあると思いますよ。

 本当は、「真理がわれらを自由にする」というモットーを守らない国会図書館に問題があるんだけどね。法務省に言われたからって簡単に従っていたんじゃ、モットーにもとるよね(…失礼しましたぁ)。 


【翻訳】
 三宅氏は、この文書を読んだ後、微笑んで、「氷が割れた」ように思われると述べた。しかし、彼は、放棄に関するアメリカの提案について、メモの交換や一方的な書簡は「問題外」だと述べた。その代わり、彼は、日本側が受け入れられる形式は、合意された声明を、交渉の秘密記録の中に入れ、これに双方がイニシャルを附すという方法であろうと述べた。彼は、家族の問題も同様に扱われるべきだと付け加えた。私は、放棄を秘密了解事項とする問題は、当方でさらに検討する必要があり、そのような了解が受け入れられるとしても、放棄の問題について、何らかの公開声明が望ましいだろうと答えた。私は、放棄に関する秘密合意が公表されたりすると困ったことにならないかと尋ねた。三宅氏は、日本では起訴するかどうかについて検察官が裁量を有しているので、当局にとって重大な問題にはならないだろうと答えた。三宅氏は、秘密了解事項という方法は、日本の政策の明確な表明を求める米国側を満足させるための譲歩であることをほのめかした。 






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毎日新聞の与良正男さん、民主党のマニフェストを読んだことありますか?

2010-01-21 06:16:12 | メディア(知るための手段のあり方)
 いや~、毎日新聞の与良正男さん、失礼ですが、あなたは、新聞を読んでいますか?発信箱というコラムで、あなたは、小沢捜査について、中立的な立場を装いつつ、民主党と検察の両者をいさめつつ、【もちろん私たちマスコミも「かつて戦争をあおったように、特捜部の尻馬に乗っているだけだ」といった批判には謙虚に耳を傾け、より正確な報道を心がけなくてはならぬ。何より、政権、検察双方が組織防衛のために暴走しかねない今の状況を食い止めるのが私たちの仕事である。】と自戒して見せたうえ、【そのうえでこう言いたいと思う。毎年のようにカネの問題が取りざたされる政治からはいいかげんに決別しよう。人々はそれも含めて政権交代に期待したと私は思うが、民主党のみなさん、どうだろう。】とまとめた。

 いやいや、上記の与良正男記者のまとめについてこそ、有権者のみなさん、どうだろう、と言いたい。

 http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20100121k0000m070129000c.html


 私には、意図的に情報を隠しているとしか思えない。

 その情報とは、民主党がマニフェストで、企業献金の廃止を明言しているということだ。

■■マニフェスト(http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/pdf/manifesto_2009.pdf)引用開始■■

6.企業団体献金・世襲を禁止する

【政策目的】
○政治不信を解消する。
○多様な人材が政治家になれる環境を整備する。

【具体策】
○政治資金規正法を改正し、その3年後から企業団体の献金及びパーティー券
 購入を禁止する。
○当面の措置として、国や自治体と1件1億円以上の契約関係にある企業等の
 政治献金・パーティー券購入を禁止する。
○個人献金を普及促進するための税制改革を実施する。
○現職の国会議員の配偶者及び三親等以内の親族が、同一選挙区から連続して
 立候補することは、民主党のルールとして認めない。
○政治資金を取り扱う団体を親族に引き継ぐことは、法律で禁止する。
○誹謗中傷の抑制策、「なりすまし」への罰則などを講じつつ、インターネッ
 ト選挙活動を解禁する。

■■引用終了■■

これは自民党には到底なしえなかった政策である。

したがって、与良正男さんのコラムの最後は、

【そのうえでこう言いたいと思う。毎年のようにカネの問題が取りざたされる政治からはいいかげんに決別しよう。人々はそれも含めて政権交代に期待したと私は思うが、民主党のみなさん、企業献金廃止のマニフェストについては足踏みしているようですが、いつ実現しますか】

と結ぶべきだろう。

それを【人々はそれも含めて政権交代に期待したと私は思うが、民主党のみなさん、どうだろう。】としたのでは、民主党が「カネ」の問題について何も検討していないように読めるし、「人々」が政治献金禁止のマニフェストの存在をも、投票の一つの理由としたことを無視し、冒涜しているようにしか思えない。

もっとはっきり言えば、中立性を保ちつつ、やはり、民主党を攻撃しているようにしか思えない。

与良正男さん、あなたは、もしかしたら、字数の問題だとか、故意に無視したわけではないというかもしれない。はたまた、マニフェストを実行するそぶりがないから…などというかもしれない。

しかし、新政権の姿勢を批判するにあたって、その政権が掲げているマニフェストをまったく無視するのはフェアなやり方とは到底思えません。

それとも、マニフェストを読んだことがなかったか、マニフェストの記載を忘れてしまったのでしょうか…。

そうそう、今入って来たんだけど、【小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で逮捕された衆院議員石川知裕容疑者(36)=政治資金規正法違反容疑=の弁護人は20日、石川容疑者が小沢氏の事件への関与を認める供述をしているとの一部報道について、「完全な誤報」とする文書を報道各社にファクスで送付した。弁護人は安田好弘、岩井信両弁護士。連名で「石川氏がそのような供述をしたことは全くない」としている。】ことについても、【もちろん私たちマスコミも「かつて戦争をあおったように、特捜部の尻馬に乗っているだけだ」といった批判には謙虚に耳を傾け、より正確な報道を心がけなくてはならぬ】という視点からきちんと取り上げてほしいですね~。


ところで、この企業献金の廃止については、民主党は、実行することで、有権者の信頼をつなごうとするだろうから、実現に向けて動く大きなチャンスだ。全国民的な働きかけを行う必要があるだろう。

まずは、学者・弁護士による運動(下記引用参照)が始まったようだ。さまざまな団体がこの動きに続くことを期待したい。


■■引用開始■■

企業・団体献金等の全面禁止を早急に立法化するよう求める
要  請   書

 現行の政治資金規正法は、政治団体を除く企業・団体が政治献金すること(企業・団体献金)は、「政党」または「政治資金団体」に対するものに限って認めています。また、政治資金パーティーの主催が政党以外のものであっても企業・団体がそのパーティー券を購入することを禁止してはいません。
 先の衆議院議員総選挙(2009年8月30日)では、企業・団体の政治献金と企業・団体の政治資金パーティー券購入の全面禁止などをマニフェストに掲げた貴党が圧勝し、政権交代が実現しました。この通常国会中に、貴党が主導してこの法案を国会に上程するはずと期待していました。
 ところが、貴党の幹事長は、21世紀臨調に企業・団体献金のあり方について諮問したが早急な回答を求めていない、同時に、鳩山党首が今回の通常国会にこの法案を上程しないとも報道されています。
 貴党に政治とカネの仕組みのあり方についてマニフェスト通り実施して頂きたいという国民の強い期待があります。企業・団体献金が現状のままでは自民党と何ら変わりません。これは政権交代を熱望して貴党に投票した多くの国民の期待にも反します。
そこで、私たち弁護士、研究者は、貴党がマニフェスト通り、企業・団体の政治献金を禁止する法律案を本国会に上程されたく、ここに強く連署の上、要請するものです。
                                2010年2月  日
◇呼びかけ人代表
   弁護士
    辻公雄(大阪)阪口徳雄(大阪)松丸正(大阪)高橋利明(東京)木村晋介(東京)
梓澤和幸(東京)沢藤統一郎(東京)
   憲法研究者
    浦田一郎(明治大学教授)小澤隆一(東京慈恵医科大学教授)上脇博之(神戸学院大学教授)
小林武(愛知大学教授)小松浩(立命館大学教授)中島茂樹(立命館大学教授)
森英樹(龍谷大学教授)和田進(神戸大学教授)
   賛同者氏名一同


◇◇呼び掛け文◇◇

弁護士・学者のみなさんへ

企業・団体献金禁止法制度賛同のお願い


 私たち、弁護士、憲法学者ら15名は、企業・団体献金禁止法の制定に向けて、別紙の要請書を、多くの弁護士・学者の賛同により、民主党に要請したく考えています。

民主党は、マニフェストで、企業・団体献金禁止法を制定すると約束し、政権交代が実現しました。
しかし、鳩山党首は企業・団体献金禁止法を通常国会に提出する予定がないと報道されています。企業・団体献金が現状のままでは自民党と何ら変わらず、これでは、政権交代を熱望した多くの国民の期待にも反します。
そこで、民主党の鳩山党首、小沢幹事長に、下記の要請書を、多くの弁護士・学者の賛同により提出しようと思います。民主党以外の政党にも同文の内容をコピーして要請するつもりです。
つきましては、弁護士・学者の多くの賛同をお願いする次第です。
賛同される方は、氏名、職業(弁護士の場合は弁護士会、学者・研究者の場合は大学名、肩書)、電話、ファックス、メールアドレスを、abc5def6@yahoo.co.jpまでお送りいただくか、又は阪口徳雄の弁護士事務所に、『企業献金禁止法の制定に賛同』とお書き頂き、ファックス『06-6314-4187』をお願いします。

第1次集約を2月末にします。第1次集約後、まず民主党に要請します。
最終的締め切り期限は4月末として、5月初めには、最終賛同者の名で、民主党に要請するつもりです。
何としても、本通常国会に企業・団体献金禁止法を国会に上程させるべき要請活動をする予定です。賛同をお願いします
                       2010年1月

呼びかけ人(省略)

■■引用終了■■

クロスオーナーシップ規制が総務大臣の正式会見で語られた日~今日はデジタルデモクラシー生誕の日だ

2010-01-19 23:28:09 | クロスオーナーシップ問題
 2年前のちょうど同じころ、仕事の合間を縫って、「マスコミはなぜ『マスゴミ』と呼ばれるのか~権力に縛られたメディアのシステムを俯瞰する」(現代人文社)を書きあげた。そのなかで、それまで断片的に語られることが多かった「クロスオーナーシップ」、「総務省支配=独立行政委員会の不存在」、「巨大代理店による経済的支配=一業種一社制の不存在」の3つの日本独自の制度を図解した。当初は、クロスオーナーシップってなんのこと、っていう反応も多かったけれど、今日、クロスオーナーシップ規制が原口総務大臣の口から公式会見の場で語られ(http://ow.ly/Y9kS)、ついに、大手メディアもその発言を伝えるに至った。

 【原口総務相は19日の閣議後の記者会見で、新聞社による放送局への出資などメディアの「クロスオーナーシップ」について、「同一資本が一色で支配することは、言論の多様性から見て問題だ。現行ルールが十分機能しているか検討したい」と述べ、規制のあり方に関する議論を始める意向を明らかにした。
 総務省は省令で、複数の放送局に出資する際の出資比率を20%未満に制限し、新聞、テレビ、ラジオを同時に傘下に置く「3事業支配」を原則、禁止している。】(読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100119-OYT1T00649.htm)

 クロスオーナーシップ規制については、別に新しい概念ではなく、古くから何度も学者など日本におけるテレビと新聞の系列化(=クロスオーナーシップ)についてその問題性を指摘してきたんだけれど、現実にはテレビ局と新聞社の系列化は地方局も傘下にしつつ、さらに進む一方という状況だった。そこで、もはや、日本では、クロスオーナーシップを打破することはできないのではないかというあきらめからか、ここ最近はクロスオーナーシップについて指摘する人も少なくなっていた。しつこく言っていたのは、神保さんくらいだったと思う。

 そんな悲観的な状況の下での「マスコミはなぜ~」の発行だっただけに、多くの方に「新しい」情報として受け止められて面白いと評価され、講演などで直接、お話をすることができた方からは非常に共感を持ってもらうことができた。

 ところが、いわゆる「マスゴミ」の本来の意味である「中国・韓国寄りの偏向報道機関」という用語に慣れ親しんだいわゆる「ネット右翼」にとっては、マスコミが権力に縛られているという説明がおそらく、天動説くらいのような感覚で(笑)納得がいかなかったようで、私に言わせれば的外れな批判をする者も多かった。

 アマゾンの紹介ページ(http://bit.ly/7TgTnF)をのぞいていただければ、書評のなかに、その種のものが紛れ込んでいるのがお分かりだと思う。

 マスコミの問題だけではない。その当時は、「権力」に関する事実を直視しない言論がインターネット上を跋扈した。その理由は、おそらく、2ちゃんねるに象徴される匿名言論が可能だったからであり、それに対抗する言論を使う者も多忙などの理由から十分に対応できなったからだと思う。

 しかし、ツイッターは使用開始5日目ながら、まったく違うように思える。自分が選んだ情報源(登録制)からの情報がポップアップされるシステム(関連ソフト含む)によって、まずは、匿名度合が減ったため無責任な発言がしにくくなり、かつ、多忙であっても情報が画面上に飛び込んでくるために対応しやすくなった。しかも、そのやりとりが多くのネットユーザーの前にさらされ、場合によっては加勢する意見が発信されるようになったのではないかと思う。



(この市民メディアとしてツイッターの存在は大きいと思いませんか)


 その結果、単に感情的な議論が徐々に姿を消し、事実に基づいた議論がなされるようになっているのではないだろうか。

 そして、事実に基づく議論が行われることによって、上記した3つの規制のために表現の自由が制約され続けてきたマスメディアによる報道内容が偏向していることが明らかとなった。

 検察捜査の問題点などがあそこまで赤裸々にされたことなんてなかったよね~。

  そして、ついに、今日、原口大臣が5大マスメディアが最も触れてほしくないテーマであるクロスオーナーシップ規制について触れ、それをマスメディアが報道せざるを得ないところまで追いつめたのは、このツイッターという武器を手にした市民によるデジタルデモクラシーだったのだとしか思えない。

 韓国では、ネットの発達によって、デモ現場などの生の情報がブロードバンドで伝えられたことにより、数十万人の市民がそのデモに参加することで、デジタル民主主義、デジタルデモクラシーが成し遂げられた。

 日本では、町中に出て手をつなぐことはなかったが、ツイッターによって結ばれ、これまで存在しないかのように扱われてきた事実が暴きだされ、その事実を前提とした判断ができるようになったのだ。これは、まさに、静かなるデジタルデモクラシーなのではないだろうか。そして、マスコミが権力によって左右されるもっとも大きな原因の一つであるクロスオーナーシップ規制が語られた今日(2010年1月19日)こそ、日本におけるデジタルデモクラシーの生誕記念日といってよいのではないだろうか。

 今日は、なんだか、ゆっくりと飲みたい気分…まだ仕事があるから、そういうわけにはいかないけれど、一人よがりなこの思い込みを、ちょっとの間、突っ込まないで見守ってやってください(笑)



 
 

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2月5日の日弁連会長選挙はネット解禁されていない~次の会長はどうする?

2010-01-19 05:32:41 | インターネットとメディア
 高山陣営から立候補がなかったため、執行部派山本候補と市民派宇都宮候補の一騎打ちとなり、ヒートアップする日弁連会長選挙。日弁連は公職選挙における選挙運動の自由を求めているため、さぞや自由な選挙が行われているのか、とも思うだろうが、実はネット選挙が解禁されていないどころか、実は逆にネット選挙をできなくしたのが、つい最近だってことは一度お伝えしたことがある。今回は、そのネット選挙を行えなくした際の議事録を紹介したい。こんなやりとりだけで会員が意思決定すること関わる重大事項が決められて良いのだろうか…。

 以下は、2008年5月30日、大阪弁護士会館で開会された日本弁護士連合会第59回定期総会の報告の抜粋だ。当日、本人出席795名、代理出席6,574名、会出席52名の合計7,421名が出席したらしい。ちなみに、外国特別会員の出席は、本人出席0名、代理出席0名の合計0名だったようだ。

 なお、執行部の答弁などは個人的な責任ではないため、発言者の特定はしないこととした。その関係で、質問者についてもイニシャルとした。 

 読んでいただければ分かるが、個人的なネット利用を禁じること、ハガキの枚数制限を削減することの根拠はやはり不明だ。こういう根拠で簡単に議論を終えてしまうようなことでは、一会員として非常に心配というほかない。合格者数を増加させる政府方針を認めるときの大会でも、増員数に対応した業務があるのか、弁護士数の増加に対応した裁判官・検察官の増員があるのか、などという極めて当り前の質問に答えないまま、強引な採決(可決)で幕が引かれた。

 会長選挙の前に、多くの会員、そして、市民に以下のやりとりを確認していただきたいと思う。感想を多くは述べない。読めば、お分かりになると思う。



■■選挙規定に関する議事(氏名部分など一部修正)■■

 執行部から、第5号議案「会長選挙規程(会規第19号)中一部改正の件」について次のとおり趣旨説明がなされた。

 今回の改正点は、3つである。
 第1は、会長選挙において、日弁連のホームページを利用した選挙運動を認め、その旨の第56条の2を新設するものである。ホームページの開設管理は選挙管理委員会が行い、候補者は同委員会の定めた細則に従い、これを利用することになる。

 第2は、本会規で認められることとなる方法以外でのホームページ、または電子メールその他、インターネットを利用した選挙運動の禁止を明示し、その旨の第58条第4号の規定を新設するものである。

 第3は、選挙郵便はがきの枚数を、候補者1人について選挙権を有する会員の数の3倍以内とし、第56条等をその旨改正するものである。

 現在認められている選挙運動は、選挙公報の発行と公聴会の開催及び候補者が行う選挙郵便はがきの発送とポスターの掲示のみであるが、選挙公報は字数が限られており、また発行されるのも1回だけである。また公聴会に参加する会員は、必ずしも多くはない。さらに、はがきやポスターは、自ずから提供できる情報量に限りがある。これらの手段のみでは、すでに2万5,000人を超えた全国の会員に対し、候補者が政策等を十分に伝えるための手段としては不十分である。

 一方、インターネット時代を迎え、インターネットを活用する会員が増え、日弁連のホームページにアクセスする会員も増加している。ホームページにおいては瞬時に大量の情報を提供すること、情報の更新が可能である。こうした状況を踏まえ、従前の選挙運動を補完する手段として、日弁連ホームページに選挙管理委員会が候補者用のページを開設し、同委員会の管理の下で候補者にこれを利用して政策等を発表する機会を提供することは、候補者にとっても有権者である会員にとっても有意義であると考え、今改正案を提案する次第である。

 なお、個人的なホームページの利用等が禁止されていることを明確にするために58条を改正すること、新しい選挙運動を認めることになるので、選挙郵便はがきの枚数については候補者の選挙費用の負担軽減ということも考慮し、現在、候補者1人について選挙権を有する会員の数の5倍以内とされているのを3倍以内とすることを併せて提案する。

 本改正案は、選挙管理委員会の方針を踏まえ、昨年度の正副会長会及び理事会で承認され本総会に提案しているものである。

 議長は、第3号議案の質疑、討論を一括して受けることを議場に諮ると異議がなかったため、質疑、討論を一括して受けることを宣した。

 T会員(東京)「この議案については、全面的に反対する。これから弁護士がさらに増えていくと、電話をしたり、会ったりということは、ものすごく難しくなっていく。
そういう中で、はがきを直接送るということは、限られた手段だが、会員のデスクに直接紙が届くものであり、選挙の政策、日弁連の方針などを訴えるのに有効な手段である。この前の選挙は、9,400対7,000となり、本当にあとわずかというところまで私たちの選挙戦は肉薄した。新聞報道などでも、接戦、白熱という報道がなされた。そして司法改革、弁護士激増、裁判員制度、そして改憲問題について、日弁連の中が真っ二つだということが今報道されている。特に若い新人の弁護士たちが激増問題で本当にひどい目に遭っている中で、そういう人たちが弁護士激増問題について、批判的な見解を持つのは確実だと思う。そういう人がこれからさらに増えていく。宮会長のペースダウン論にしても、年間2,000人以上の弁護士が登録してくることは、計算上想定される。実際に登録できるかどうかわからないが、計算上登録することになる。2年後にはおそらく4,000人という計算であろう。その分の相当多数が、現執行部路線に対し批判的立場をとるだろうと私は思う。皆さんも、そう思っているでしょう。そこへ、この問題を訴えるはがき、政策、そういうものが届いたときに、今の方針がひっくり返ると想定しているのだと思う。選挙手段についても、表現の自由、これを推進すべきだと日弁連は言っているはずだが、日弁連自らの表現手段について規制していくということは、全く言っていることとやっていることが別である。選挙制度に手をつけたゲイリー議員という人がアメリカにいた。そのやり方に国民は猛反発して、ゲリマンダーと言っていた。日本でも同じような手法をとった人が鳩山一郎さん、ハトマンダー、ではこの制度はミヤマンダーである。本提案は、今からでも撤回すべきである。ちなみに、自らホームページにアクセスして政策を読むという能動的な行動がどれだけ期待できるか。政策広報などはこちらから送り込んで、そしてまた電話をかけてお願いしたり、会ってお願いしたりということが選挙活動の基本である。ホームページに出して、それをどうぞ見てください、待っていますというものではない。選挙はがきを制限することによって、どれだけの費用が節減できるか計算したところ、仮に4,000人増えたところで100万円である。2年ごとに100万円の費用しか増加しない。はがき1枚送るのに50円。5枚送ったって250円。これだけ安価で、しかも創意工夫ができる。そういう手段は他にない。選挙制度に手をつけて、選挙の運動方法を制約して、そして権力を守るというのは独裁政権の末期の手段である。このような制度は到底合理的な正当な提案だとは思えない。この提案を撤回するよう勧める。」


T会員(大阪)「提案理由で、歯止めのない選挙運動というふうに書いてあるが、具体的な行為としてどういうことを想定しているのか、それによりどのような弊害が生じるのか。はがきの枚数を減らすことによる投票率への影響を考慮したか、今の時点で投票率へどのような影響があると考えているか。」

副会長「1点目については、日弁連、あるいは選挙管理委員会の管理の及ばない選挙運動を認めてはいけないという意味である。大阪弁護士会では、ホームページを利用しての選挙運動を開始されて4年経っているが、特段の問題が出ているとは聞いていない。
投票率の影響については、選挙管理委員会のほうでは検討していないが、現時点においてこのことにより投票率に特に影響が出るというふうには考えていない。」

T会員(新潟県)「民主的な弁護士と言われている方、自由法曹団、青法協、その他の方々は、公職選挙法の悪法に闘ってきた実績がある。法定外文書とか、個別訪問の禁止ということについて闘ってきた方々は、この議案に絶対反対されるだろうと思う。はがきというのは大事な選挙の手段である。これを減らすというのは表現の自由に対する不合理な制約である。質問は4項目ある。第1に、インターネットの利用禁止に、IP電話による選挙勧誘が該当するのか否か。第2点、規制をするといっても、例えば2チャンネルにおけるTKYMがどうしたとか、そういうのは規制できるのか。実効性のある規定ではないという見地からの質問である。第3点、立法事実はあるのか。インターネットで野放しにすることによって、過去どのような弊害が生じたのか。あるいは、どのような弊害が生じるということから規制をするのか。第4点、この議案というのは表現の自由に対する制約である。したがって憲法の見地から見ると、LRAの原則であるとか、クリア・アンド・プレゼントデンジャラスの見地から、初めて正当化ができる規制である。憲法を大切にしている組織体であるから、その選挙規定も当然だろうと思う。こういう憲法上の表現の自由の制約の見地から、果たしてこのような規制が正当化できるのか。私は、このような規定は違憲であると思う。」

副会長「IP電話の利用は今までどおり、通常の電話の利用と同様と考えている。日弁連が2チャンネル自体をどうこうコントロールはできない。選挙管理委員会が、選挙違反の事案として対処・処理することになる。立法事実は、十分な候補者情報を効果的・効率的に全国の会員に提供する必要性が高まっているということと、そのことが候補者にとっても会員にとっても有意義であるということである。今回の改正は、今まで全く認められていなかったホームページの利用を日弁連のホームページに限って認めるという、選挙運動の範囲を拡大する方向のものであり、今回新たな規制をするものではない。」

N会員(第二東京)「インターネットを使った選挙運動について中心に伺いたい。まず、議案書の提案理由で、公聴会について時間的・場所的な制約もあり、実際には参加することが難しい会員も多いと書かれてあるが、これは公聴会について否定的な評価を含むものであって、将来見直しとか、縮減とか、廃止とか、そういうことをすることを視野においた表現なのか否か。参加数が少ないということであれば、インターネットの利用ということで、例えばその様子をオンデマンド配信することによって、皆さんに見てもらうようにするという方策は考えているのか否か。2番目に、ホームページによる選挙活動ができるということだが、そのホームページは会員専用ホームページに置かれるのか、それとも一般用のホームページに置かれるのか。会員専用のホームページに置かれるとなると、会員のパスワードとかIDとかを取っていない会員も多く、選挙運動に対するアクセスに非常に支障が生じると思うので、その点についても確認したい。それから、ホームページの更新頻度とかいうことについては、一体どのぐらいを考えているのか。規則においても具体的な回数が出ていないので伺いたい。併せて、ホームページの更新は、前に書かれていたページをそのまま上書きする形でしか認められないのか、それとも新たなページを付加するという形で考えているのかについても伺いたい。」

副会長「まず掲載は、会員専用ホームページと考えている。公聴会の削減、廃止は全く考えていない。公聴会の様子を広く会員にも知っていただく方向で検討するのは正しいのではないかと考えている。更新の仕方や回数はまだ検討できていない。本総会でご承認をいただいた後、選挙管理委員会のほうで実施要領をつくっていくということで今後の検討になっている。先ほど説明がもれたが、はがき5枚を全部使い切ると、今回の選挙でも候補者1人六百数十万円が切手代だけでかかっている。これに発送作業の手数料が多分プラスされると思う。この5通を3通に節減すれば、切手代だけで250万円の負担軽減になると考えている。」

I会員(第二東京)「新人弁護士にとって、日弁連の会長選挙というのは、当初大して関心のあるものではなかった。しかし、はがきが届いて、そのはがきの具体的な主張、スローガンやそのデザインも含めてイメージも含めて見て、それで関心を高めていった。これを多くの同期の弁護士から聞いている。はがきは、選挙活動において現在の日弁連の状況の中で、非常に大きな主張を伝えていく手段だと思う。おそらく多くの方は選挙公報もホームページも見ないと思う。はがきが最も有力な選挙の広報手段として、現実には機能している。現執行部に批判的な意見、そういう意見の候補者が出て主張をしっかり伝え、それについて全会員の判断を仰ぐ、これが阻害されるようなことは決してあってはならないと思う。はがきを5枚から3枚に減らすことに、絶対に反対する。」

T会員(東京)から質疑、討論終結の動議が提出され、議長が出席会員に諮ったところ20名以上の会員の賛成があったので動議が成立した。引き続き動議の採決が行われた結果、賛成多数により動議は可決された。これによって質疑、討論は終結され、議案の採決に入った。挙手による採決の結果、第5号議案は賛成多数により可決された。


■■引用終了■■

ということです…。

ちなみに冒頭の画像は、http://www.garbagenews.net/archives/1173131.htmlより。思ったよりも、若い人が保守的?







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