情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

女性の抱いている赤ん坊を崖下に投げ捨てる~「不戦」09年春季号

2009-06-29 23:20:23 | 有事法制関連
 戦争体験は悲惨だ。殺した者も殺された者も。けがをした者もさせた者も。だからこそ、戦争体験を伝えなければならない。「不戦」09年春季号には、読み進めることが出来なくなるような体験が記されている。これを読めば、それを伝える責任が生じる、伝えなければならない、そう思う。

■■引用開始■■

私の中隊が30歳前後の若い女性を捕まえて、例のごとく輪姦した。普通だったら、あとくされないように、その場で殺してしまう。ところがなぜか連れて歩くことになったのです。逃げられては大変ということで、裸にして身につけているものは靴だけです。
休憩のときに、古い兵隊が立ち上がったと思ったら、女性が抱いていた赤ん坊をヒョイと取り上げ、崖からパーッと投げ捨てた。あっ、ひどいことをするとハッとしたら、その母親は赤ん坊の後を追って、崖下に飛び込んだ。

■■引用終了■■



■■引用開始■■

訓練中に、藁人形でやっている場合にはいいのですが、生きた人間は、いくら目隠しされて縛られていても、足音と気配で、近付くと身体をひねるんです。だからとんでもない所の、腕突っついたり、変な所を突っついたりして、急所にいかない。だから、かえってかわいそうです。いつまでたっても絶命しないのです。
5人も6人もが入れ替わり立ち代わり、「もういっぺん、もういっぺん行けっー」「もういっぺん、行けっ!」と命令される。「ヤアーッ!」と言って突くんですね。もう血だらけで、蜂の巣のようになってうなっている。

■■引用終了■■


■■引用開始■■

私たちの隊で、捕まえた中国人の300人ほどを、ある駅まで貨車で送るために駅に連れてきました。しかし、どういう手違いがあったのか貨車が配車されていないのす。(中略)小さな小屋がありました。(中略)300人ぜんぶを入れました。とても300人など入れるはずはないと思いましたが、命令ですから、私たちは銃剣で突っつきながら、「入れ、入れ、入れっ!」と押し込みました。ぎゅうぎゅう詰めです。(中略)「なーんだ、折角引っ張って来たのによー、半分いかれちゃったじゃないか。しようがねえなぁ。いやあ、足らなければまた引っ張ってくればいいさ。いくらだっているんだから…」とこうなんです。

■■引用終了■■


同じ体験をしたら、このことを語ることができるだろうか?語る人を支えなければならない、そう思う。




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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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-十手つきペンをもった御用ジャーナリストが多すぎる-橋本勝の政治漫画再生計画第172回

2009-06-28 09:23:08 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
幼女殺害の足利事件で犯人とされ17年も自由を奪われていた
菅家さんの冤罪問題でのマスコミの責任についてこだわりたい。
菅家さんが事件の容疑者として逮捕された際の報道のされ方についての
検証がされたりしているが弁解じみていて不十分というしかない
当時の最新科学捜査であったDNA鑑定を警察、検察が信じすぎたように
マスコミもそれを疑うことをしなかった。
でも、仕方なかったではすまされないと思うのだ
重要なのは警察からの情報をそのまま報道する姿勢にある
自らの手と足、頭を駆使しての報道なんかしていられない。
かくて新聞、テレビが警察の発表の場として提供されることになる
マスコミが、警察・公安情報をありがたくいただき
十手つきペンで記事を書く御用ジャーナリストばかりになったら
日本の民主主義はおしまいだ。


【ヤメ蚊】
日本の鑑定では、全量消費ということがよくある。鑑定するためにすべての資料を使い果たしたため、資料そのものが残っていないというわけだ。これでは、検証のしようがない。全量消費した場合は証拠とならないくらいの厳しいルールを決めないと今後も冤罪が発生すると思いませんか?

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トヨタは消費税で儲けているのか?~う~ん、米国にだけ消費税がいくのも…

2009-06-27 23:50:21 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 トヨタが消費税で儲けるという記事に多くの方からコメントをいただきました。反映していないにもかかわらず、アドバイスや情報提供など本当にありがとうございます(なお、実名を書いた記事をTBされた方がいらっしゃいました。匿名ブログゆえ、反映しませんでした。ご容赦)。それらのコメントを元に再度考えてみたのですが、トヨタが直接消費税還付で儲かるのかどうかというと、そうではなく、納入業者に消費税がシワ寄せで負担させられていることなどの要因が絡むことが前提のようにも思えた。この点、詳しく調べてみたい。

 いまの知識では、個人的には、税金の納税先というのが気になった。輸出の場合の消費税還付がなされると、上の図のように、日本政府の消費税取り分はゼロ、米政府は満額ということになる。

 もちろん、消費税と文字通り消費者が負担するものと考えれば、米国に輸出した車は米国の消費者が購入するのだから、それでよいようにも思える。

 しかし、消費税は実際には付加価値税であり、付加価値が生じるごとに政府に納税すると考えるならば、輸出の場合も同様に取り扱うべきではないだろうか?せめて、納品業者が支払った分くらいは、日本政府が確保するべきだ。それだけ、ほかの人が支払う負担が減るのだから…。

 つまり、いまのような制度は、米国に輸出すればそれだけ米国への税金が増えるのだから、米国を刺激しないで済むようになっているのではないだろうか。つまり、米国政府への貢物つきで、米国に輸出をしているということだ。

 右翼の諸君、いかがお考えだろう?





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30万人の殺人署名をした方へ~トシ・カザマさんの話を聞いてほしい

2009-06-27 08:24:50 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 昨日、写真家トシ・カザマさんの講演を弁護士会館で聞いた。40人くらいの聴衆を前に自らが撮影した米国の少年死刑囚や死刑台、死刑囚の肉親、死刑を下された犯罪が行われた現場、台湾の死刑囚や死刑場の写真を紹介しながらの話は、語り口は穏やかだが、胸が苦しくなるほど衝撃的だった。

 そう、私たちは、死刑がどのように行われているか、死刑囚がどのような人なのか、それを知らない。知らないままに「つるせ」と合唱している。

 トシさんは、死刑囚側の話だけでなく、被害者の話も聞いている。それだけでなく、自らも通り魔による瀕死の重傷を負った経験がある。

 それだけに、彼が死刑によって遺族は必ずしも癒されないと語る、その言葉は非常に説得力がある。

 彼は、写真を紹介するなかで、時折彼が思うことを語る。
 
 「死刑とすることで周りは一見落着と思う。しかし、家族は怒りをぶつけるものを失っただけだ。」

 「死刑を執行することで、死刑となる犯罪を犯す原因を知る機会を失う。死刑では将来の問題は解決されない。」

「被害者やその遺族が最も必要とするのは、金銭的援助、専門家による精神的援助だ…。」


 少し前、私は、闇サイト殺人事件で、死刑=殺人を促すよう署名した32万人の人たちは、いったい、どこまで「死刑=殺人」について深く考えて署名したのか?という疑問をぶつけた。(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/92442371fd12778ca90b401de7600aa7)

 トシさんの話を聞いて、ハッキリ言ってほとんどの方が、死刑の執行状況、死刑囚の状況、死刑がもたらす遺族への影響などは理解していないという思いを強くした。

 人を殺す署名をするには、なんと、安易な判断だろうか。

 まるで、同じ町内で盗人にはいられた人がいるから、防犯のため番犬でも飼おうかというような安易さだ。

 トシさんは、自らが瀕死の重傷を負ったとき、娘たちに犯罪を憎むとも犯人を憎むなと言ったという。

 「そんな格好いいことがいえるだろうか」、あるいは、「格好つけてんじゃねえよ」という反論が飛んできそうだ。

 しかし、トシさんがそう語ったのは、父親として当然のことだったのだ。

 犯人の暴力によって肉体的なダメージを与えられたトシさんは、娘たちの将来を考え、こう語るほかなかったというのだ。

 ここでは、トシさんの言葉を再現するのはよそう。

 考えてほしい。彼がなぜ、一見、格好よすぎて本音だと思われないような言葉を娘たちに語ったのか、その理由を。その理由を聞いた時、彼の深い家族愛に胸を打たれた。

 トシさんの講演は、月曜日も都内の教会(四谷付近)で行われるという。

 詳細が当日までに分かれば、この記事に付記して掲載します。

 ぜひ、一人でも多くの方にトシさんの話を聞いてほしいと思う。

 写真のいくつかが、
http://homepage2.nifty.com/shihai/report/kazama/photo9.html
 で紹介されている。一番下の小さな写真をクリックすれば拡大され、説明を読むことができる。



【付記】

「死刑の現実を見すえて考える−米国と台湾の現場から」
米国在住の写真家トシ・カザマ氏が長年、撮影してきた米国の少年死刑囚やその家族、被害者遺族、台湾の死刑囚やその家族、米国や台湾の死刑執行場などの写真をスライドショーで見せながら、死刑囚たちの生い立ちや犯罪に至る事情、米国や台湾の死刑執行の実態などを語ります。死刑を観念的な問題ではなく、生きた人間に関する現実の問題として体感し、考えるヒントを提供します。
●日時/6月30日(火)午後6時30分−8時30分
●場所/幼きイエス会(ニコラバレ修道院)105号室 (東京・JR四ッ谷駅・麹町口前)
●講師/トシ・カザマ
15歳で渡米、滞米生活35年、ニューヨーク在住のカメラマン。「人権のための殺人被害者遺族の会」(Murder Victims' Families forHuman Rights:MVFHR、米国)理事、「Ocean-被害者と加害者の出会いを考える会」(日本)運営委員。
●入場/無料(会場カンパあり)
●主催/日本カトリック正義と平和協議会死刑廃止を求める部会

そのほか、北海道でも行われるようです。
7月4日:苫小牧 柴田内科循環器科病院にて13時から 一般参加可
7月5日:札幌 柴田内科循環器科研修センターにて講演北海道新聞後援14時から17時 一般参加可



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消費税でトヨタが儲かるって書いた記者は事務職へ転勤?!~浦野広明教授

2009-06-26 05:21:50 | メディア(知るための手段のあり方)
 私と憲法98号に掲載されている浦野広明立正大学教授の講演録によると、トヨタは、消費税増税に賛成だそうだ。というのも、トヨタは消費税が上がれば上がるほど消費税の還付金が増えて儲かるかららしい。

 仕組みはこうだ。2007年のトヨタの総売り上げは12兆793億円、うち輸出が8兆5279億円、国内売り上げが3兆5513億円だそうだ。他方で、課税仕入れ(消費税がかかっている仕入)は9兆9990億円だという。

 この数字をもとに消費税を計算すると、輸出には消費税がかからないから、トヨタが支払う消費税は、3兆5513億円×5%で1776億円にとどまる。

 他方、課税仕入れに対しては消費税分5%が還付されるため、9兆9990億円×5%=4995億円が還付される(9兆9990億円は税別ということなのだろう)。

 つまり、トヨタは差し引き3219億円が還付されることになる。10%になれば、6000億円、15%になれば1兆円が還付されることになる。

 すごいマジックだ。課税仕入れが還付されるのは、売上について消費税を支払うことが前提ではないのだろうか?輸出による売上について消費税が免除される場合、その部分の仕入れについての消費税を還付される理由はないように思う(この点、議論があるようです。少し調べてみます)。

 私には、この浦野さんの講演が正しいかどうかをいま、チェックすることができない。したがって、もしかしたら、仕入に関する消費税について、別途の処置がなされ、トヨタ(もちろん、トヨタだけでなく輸出による売り上げが大きい会社)が「不当に」利益を得ていることはないのかもしれない。詳しい方はぜひ、教えてほしい。

 実は、怖いのはここからだ。

 浦野教授によると、このトヨタ問題について署名記事を書いた記者は、事務職に転勤され、2度と筆を持つことができなくなったという。これも、本当なら、極めて恐ろしい話だ…。



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公正な金融システムの確立のために/国連金融危機総会によせて

2009-06-24 04:49:55 | メディア(知るための手段のあり方)
 今日6月24日から26日までの間、ニューヨークの国連本部で、全国連加盟国192か国が参加して、世界経済金融危機およびその開発への影響に関する国連総会(UN Conference on the World Economic and Financial Crisis and its Impact on Development)が開催されるという。ATTAC(http://www.jca.apc.org/attac-jp/japanese/)の秋山さんによると、この総会は、G8やG20などのように一部の豊かな国だけが参加するのではなく、すべての加盟国が参加して開催されるらしい。
 すでに5月半ば、デスコト国連総会議長(元ニカラグア外相)は、この総会に向けて討議のための草案を発表し、各国政府のみならず世界の様々な団体(NGO、社会運動団体、労働組合など)に意見を求めまているという。
 そして、この草案には、今回の国連総会がブレトンウッズ会議に次ぐ意味のある重要な会議であり、世界的な金融危機に対処するには、根源的な危機を直視して、世界的な影響を緩和し、さらに、貧困と不平等を克服し、持続可能な社会に向けて世界の金融システムを再構築する必要がある、と書かれており、オルテガ大統領とともにニカラグアのサンディニスタ革命を担ったデスコト議長が、先進国政府からの批判に臆することなく、既存の金融システムに大鉈をふるおうとしているらしいのだ。

 
 最近、ブログの更新の頻度からも分かるようにかなり追い込まれているので、ニュースを追いかけていない。まったく、このことを知らないのは、そのせいかと思い、検索をかけてみたが、メーンストリームメディアがこの重要な会議について触れているようすがない。

 秋山さんによると、【G8諸国などの先進国は、この総会を意図的に軽視あるいは無視し、さらに日本のマスコミなども、この総会の意義についてほとんど報じておりません。】、【さらに、許せないことに、この総会にぶつけるかのように、パリでOECD閣僚理事会(24~26日)とWTO非公式閣僚会議(ドーハラウンド、25日)が開催されます。日本のマスコミおよび世界の経済大国は国連総会よりもこちらに注目するのでしょう】ということのようだ。

 このデスコト議長の呼びかけに応じ、6月16~26日、世界の様々な団体(NGO、社会運動団体、労働組合など)が、国連本部前に集まり、行動を起こすという。はたして、日本のメディアはこの会議についてどれだけ報じるのだろうか。

 ATTACでは、歴史的に重要なこの国連総会について、デスコト草案を検討し、市民社会からどのような意見が出され、インプットされているのか、そして、一方で、日本などの先進国はどのような書き直しを要求しているか、について整理し、討論をするという

 マスメディアがあまり報じない会議ですが、これは非常に重要なことだと思う。ぜひ、多くの方に、学習会に参加してほしい。資料部数を確定したいと思いますので、参加される方は事前にご連絡くださると助かるそうです。


* * * * * *

内容:「デスコト草案」を読み、金融危機を考える学習会
日時:6月25日(木)18:30~21:00
場所:ATTACジャパン新事務所
(千代田区神田淡路町1-21-7静和ビル1階A、tel: 03-3255-5910、総評会館裏[御茶ノ水、新御茶ノ水、淡路町、小川町下車])
http://map.yahoo.co.jp/pl?type=scroll&lat=35.69250583&lon=139.76891889&sc=1&mode=map&pointer=on&home=on
資料代:会員無料(非会員の方は200円)
http://www.jca.apc.org/attac-jp/japanese/


★なお、ATTACでは、下記のような申し入れをするそうで、賛同団体を募っている。


【以下転載】
6/29(月)に、日本郵政の株主総会があります。そこで西川続投人事案をふくめた議案が提示され、議決されることになります。その後、その人事に対して総務大臣が認可をだす、という流れです。

現在日本郵政の株式は、100%政府(財務省)が保有しています。報道では株主といっても、財務省は、日本郵政から出された議案をそのまま了承するだけのようですが、郵政民営化を監視する市民ネットワークでは、日本郵政には以下のような問題点があり、株主として、しっかりとした社会的責任を果たせ、という申し入れを予定しています。

この申し入れを、市民運動団体や労働運動団体の共同提案として株主である財務省に提案したいと思っています。急な話で申し訳ないのですが、共同提案に賛同していただける団体がございましたら、ぜひご一報ください。6/25中がタイムリミットですけども。

よろしくお願いします。

=========

日本郵政の100%株主である政府(財務省)への要請
2009年6月26日
財務大臣 与謝野 馨 殿

郵政民営化を監視する市民ネットワーク
〒101-0063千代田区神田淡路町1-21-7
静和ビル1階A A TTAC Japan(首都圏)気付
TEL:03-3837-5391
Fax:03-3837-5392 
mail:usay-cnt@nifty.com
 
私たちは郵政事業の民営分社化が、地域に根ざした郵便事業のサービス低下に繋がらないか、公共の財産が私企業などの利権に繋がらないかなどを危惧し、パブリックコメントに応じながら監視を続けてきました。6月29日の株主総会を前に、監督官庁の総務大臣更迭にまで至ったこの間の日本郵政をめぐる歪みと綻びを憂慮し、以下申し入れと要請を行います。

1.日本郵政民営分社化から1年8ヶ月

 小泉政権の構造改革の天王山として国論を二分、参議院で否決後、解散総選挙を実施してまで強行した郵政事業の民営分社化から1年8ヶ月が経過しました。この間社会的経済的状況は新自由主義の弱肉強食・例外無き市場化によって貧困と格差が拡大、ワーキングプアが巷に溢れ「派遣切り」が大手を振って闊歩、追い討ちをかけたアメリカ発の世界金融恐慌はカジノ資本主義の破綻を余すところなく露呈しました。小泉構造改革が生み出した顛末でもあります。

2.住民サービスの低下と相次ぐ不祥事

 その構造改革の天王山、郵政民営分社化はどうでしょう。地域利用者の声は「郵便局のサービスが軒並み後退」「安心・安全の拠り所が遠のいた」などの声が圧倒的です。その一方では不祥事が相次いでいます。危惧していた公共の財産が利権と「私物化」によって甚大な被害をこうむっています。「かんぽの宿」の超低額売却はまだ氷山の一角で旧郵政の資産が分社化された各会社に切り分けられ、利用者や、株式を100%保有する政府の知らぬ間に処理されているとは信じられない事態です。しかも日本郵政西川社長由来の関係会社や民営分社化を推進した関係筋に分配されるとは、許し難い利権・私物化で、公共の財産を簒奪する犯罪です。不正、利権がらみの問題は「低料第三種郵便」不正事件、ゆうちょカード発注問題、簡保不払い問題、日本郵便輸送株式公開買い付け問題、博報堂との一括契約問題など分社化各会社に及んでいます。そもそも民営化とは、日本郵政の役員人事が民間大企業からの「天下り」で、よってたかって利権をむさぼる(小泉・竹中氏らが言う“民間の手法”?)構造になっています。「ガバナンス」無き争奪戦と化している現状を打破しなければなりません


3.民営分社化の抜本的見直しを

 民営化法に基づき設置された「郵政民営化委員会(田中直毅委員長)」はその役割の一つである「状況の監視」を怠り、3月に出された「見直し報告」では早期株式上場による「民営化」路線を闇雲に推し進めようとしています。監督官庁である総務省が「平成21年度事業計画」に対して「かんぽの宿」「メルパルク」等の収支改善、労働条件切り下げや雇用問題などが懸念される日通ペリカン便とゆうパック部門の統合会社、JPエクスプレス(株)を条件付でようやく認可、「かんぽの宿」問題では16項目の改善命令が出されていることをどう考えるのでしょうか。

 2009年度日本郵政グループの3月期決算では「粉飾決算」と揶揄する評論家もいるように、つじつまを合わせてはいるものの(年度途中の受託手数料の引上げなど)純利益の6割以上が金融2社で維持されているように分社化各会社の経営展望は極めて厳しいものがあります。利潤最優先による地域利用者へのサービス低下、民営化に伴う利権・私物化に絡む不祥事の多発、分社化各会社の事業経営の困難さ、そして、その過程で生じている労働者への過酷な仕打ち、株主総会で審議しなければならないことは民営分社化の抜本的見直しにほかなりません。

 その骨格は (1)株式の売却を凍結する (2)郵便・貯金・保険の三事業一体経営を行いユニバーサルサービスを保障する (3)公共の財産である郵便局ネットワークを維持し発展させ、全国どこでも同じサービスを提供することです。

4.日本郵政の唯一の100%株主である政府(財務省)が、以下の事項の実現に向けて具体的措置をとるよう要請します。

1)それぞれの「不祥事」の情報を公開するとともに、その責任の所在を明らかにし、西川社長の退陣を始め、人心を一新すること。

2)総務省事業認可条件への見解、対策を明らかにし見直すべきは見直すこと。
とりわけJPエクスプレス事業を精査し見直すこと。

3)ユニバーサルサービスを堅持し、低下したサービスを洗い出し見直すこと。

4)この間の事態を総括し株式上場を前倒しする経営方針を改め凍結すること。

5)サービスの向上と事業の発展は人の力です。酷使される労働者の労働条件の向上とその維持、雇用確保に全力を傾注すること。

6)リスク金融商品の取扱をやめること。

7)地域利用者や現場の労働者および社会的活動に従事する広範な市民社会が、事業計画の策定などにコミットメントし、管理監督できるメカニズムをつくること。

8)公共サービスの崩壊に歯止めをかけ、ライフラインとしての通信網を拡充し、地域コミュニティを活性化させ、人権である通信の権利を維持・発展させ、社会的金融機関としての責任を果たし、だれもが安心して加入できる社会的保険の役割をはたすために、ありとあらゆる責任を果たすこと。

《共同申し入れ団体》

募集中






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警察が不正確な情報を誤っていると知りつつ、あるいは意図的に提供することがある…

2009-06-21 21:20:14 | メディア(知るための手段のあり方)
 今日はデレク・フォルホーフ教授から自著のテキストをもらい、それについて少し「講義」をしてもらった。テキストの中には、欧州人権裁判所の面白そうな判例などが記載してあったが、まずは、欧州評議会の「刑事手続きに関するメディアを通じた情報に関する規定に関する加盟国への勧告」(Recommendation Rec(2003)13 of the Committee of Ministers to member states on the provision of information through the media in relation to criminal proceedings )が目に入った。

 「メディアを通した情報」という言い回しがそもそも憎いよね、情報を得る主体は、メディアそのものではなく、メディアを通して情報を得る市民なんだ、っていうことが伝わってくる。

 ちょっと中を見てみると、勧告(https://wcd.coe.int/ViewDoc.jsp?Ref=Rec(2003)13&Language=lanEnglish&Ver=original&Site=COE&BackColorInternet=DBDCF2&BackColorIntranet=FDC864&BackColorLogged=FDC864)の原則3に、

「司法機関と警察は、確認された情報と妥当な想定に基づいている情報のみをメディアに提供するべきである。 後者の場合では、想定に基づくことを明確にメディアに示すべきである」

とある。

 むむむっと思って、この勧告の解説(http://www.ebu.ch/CMSimages/en/leg_ref_coe_r2003_13_criminal_proceedings_100703_tcm6-5020.pdf)を読んでみると、

 不正確な情報が提供される恐れについて、「この原則は、不正確な情報が不正確と知りつつ、あるいは意図的に提供されることを防ぐことができる」(this Principle shall prevent that inaccurate information is provided knowingly or even on purpose)と書かれている。

 公式的な文書に、警察などが不正確な情報を情報操作のために、意図的にメディアに流すことがあることを明記してあるわけだ。

 欧州評議会では、そういう事実を認めたうえで、それに対処する方法が検討されたわけだ。

 このテキスト、面白すぎる~でも、日本の現状が脳裏に浮かぶと、悲しくなってしまうなぁ…。


 
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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報道に関する事件は陪審制~ベルギーの工夫

2009-06-19 06:33:42 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 いま、ヨーロッパの表現の自由に関する第一人者の一人、デレク・フォルホーフ教授とパートナーで同じく報道評議会議長の経験を有するインゲール・ハート-ラスムッセン弁護士が来日中だ。18日は、デレク・フォルホーフ教授が日弁連などが共催したシンポジウムで、ヨーロッパ人権裁判所の判例などを紹介してくれた。

 やはり、国家を超えた司法権の存在は重要だなぁ、と改めて思い知らされたわけだが、そういうシステムを持ち込むことのできるヨーロッパの民主主義はすごいと、これまた、思い知らされた。

 私たちは、日本の民主主義の脆弱性について、民主主義が根付いていないという言い方をすることがあるが、お二人の話を聞くと、それは「逃げ」でしかないと思う。

 つまり、民主主義は「根性」ではなく、「システム」によって守られているということだ。民主主義が根付いていないのは、民主主義に対する意欲が足りないのではなく、民主主義的システムを知らず、導入していないことに原因があるわけだ。そういう意味で日本の学者やメディアの責任は大きいわけだが、その責任の大きい学者やメディアがしたり顔で、「日本の民主主義は戦って勝ちとったものではないからねぇ」などと嘆いているのを見ると本当に腹立たしい。

 たとえば、お二人から、ベルギーにも陪審員制度が取り入れられているが、それは、①重大犯罪、②政治犯罪、③報道機関に対する事件の3つに限定されているという話を聞いた。

 なぜ、報道機関が陪審員によって裁かれるのか、それは、政府が任命した裁判官に報道機関をさばかせるのは、報道機関を委縮させると考えたからだ。これはもう100年以上前からとりいれられた制度だという。

 100年以上前から、萎縮することを防ぐために、システムを駆使しようとしていたのだ。

 それに引き替え、日本では、問題点が発覚してもシステム改善の話につながらない。

 たとえば、足利事件があっても、取り調べの全面可視化が導入されない…。



 民主主義と報道・表現の自由に関心がある方は、ぜひお二人の話を聞いてほしい。


[1] 6月18日(木)18:15~20:30→済み
第52回 日本弁護士連合会 人権擁護大会プレシンポジウム
「マスメディアに本来の機能を発揮させるためのいくつかの方法 」
――ヨーロッパの工夫と人権裁判所判例から考える
@弁護士会館 3階301号会議室

[2] 6月19日(金)11:45~13:15
「国民と立法府による政府監視の進化」
――民主社会の成熟に向けたメディアとNGOの役割を視野に
@衆議院第2議員会館 第1会議室


[3] 6月19日(金)18:15~20:45
「表現の自由・知る権利」最前線
――ジャーナリストとNGOの取材・調査活動はどこまで自由か?
@青山学院大学青山キャンパス総研ビル11階19会議室


[4] 6日22日(月)19:00 ~21:00
「表現の自由/知る権利」の最前線
――フォルホーフ教授とハート=ラスムッセン教授を囲むNGOの夕べ
@新宿パークタワー30F コンファレンスルーム桔梗
共催:アムネスティ・インターナショナル日本(03-3518-6777)
   ヒューマン・ライツ・ウォッチ(03-5282-5160)
   監獄人権センター(03-3259-1558)
   A SEED JAPAN(03-5366-7484)
   グリーンピース・ジャパン(03-5338-9800)


【お二人のプロフィール】 
デレク・フォルホーフ教授
ヘント大学(ベルギー)の政治・社会学部および法学部教授。欧州人権裁判所における判例理論、メディア法、著作権法、ジャーナリストとメディアの権利と責任、表現の自由を専門とする。オックスフォード大学PCMLP/IMLA主催の国際メディア法模擬裁判大会の顧問委員会委員でもあり、1992 年降、欧州評議会人権理事会で専門家として活躍。

インゲール・ハート-ラスムッセン氏
コペンハーゲン大学(デンマーク)にて弁論法を教えるかたわら、教育学の学位をもつ弁護士としても活躍。1996年から2001年までデンマークメディア評議会の議長を務め、2001年から2005年までデンマーク弁護士会の調査・開発部門長として、教育・調停・人権擁護などの分野に従事してきた。




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米国の文書はどう理解すべきか?~沖縄密約文書開示請求訴訟、次回8月25日午後4時、必見!

2009-06-18 02:57:46 | メディア(知るための手段のあり方)
 すでに報道されているので、多くの方がご存じだと思うが、沖縄密約文書開示請求訴訟の第1回口頭弁論が16日開催され、冒頭、杉原裁判長が、非常に積極的な発言をした。朝日新聞(http://www.asahi.com/national/update/0616/TKY200906160313.html)は、同裁判長の発言について、【「率直な感じを述べさせていただく」と切り出し、米側に密約文書があるのだから日本側にも同様の文書があるはずとする原告側の主張は「十分理解できる点がある」と発言。原告側が、仮に密約文書そのものを国が保有していないとしても関連文書はあるはずと主張していることについても、「理解できる」とした。そのうえで、もし密約そのものが存在しないというのであれば、アメリカの公文書をどう理解すべきなのかについて「被告側が説明することを希望する」と述べた。】と再現している。

 私も聞いていてびっくりした。 密約文書そのものについて言及したのまでは、ありうるが、仮にそれがないとしても、報告文書はあるだろうという趣旨の突っ込みをした瞬間、ぶるっとし、さらに、米国の文書があることをどう説明するのか、と突っ込んだ瞬間、ぶるぶるっとした。

 ある意味、この訴訟において、誰もが抱く非常に素朴な疑問をそのまま裁判長が国にぶつけたのだ。

 さらに、次回までに、密約の存在を認める発言をした当時の交渉責任者吉野文六・元外務省アメリカ局長について証人として請求するようわれわれ原告側に指示した。

 多くを語る必要はないと思う。

 歴史が変わろうとしている。

 次回、8月25日午後4時、東京地裁705号法廷で開かれる。

 ぜひ、傍聴し、「歴史」を世に伝えてほしい。






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-冤罪の責任、すべてDNAのせいにしてそれでいいのですか!?-橋本勝の政治漫画再生計画第171回

2009-06-18 02:39:37 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
1990年におきた幼女殺害の足利事件の犯人とされ刑が確定し
服役していた菅家さんが最新のDNA鑑定で無実であることが証明され
17年ぶりに自由の身となった。
ああ、良かったと思うと同時に改めて冤罪というものの恐ろしさを
感じずにいられない。
そう、もしかしたら死刑になっていたかもしれないのだ。
同時期に起きた福岡県飯塚市での幼女2人が殺された事件では
やはりDNA鑑定で犯人とされ死刑にされた久間死刑囚は
最後まで無実を訴えていたにもかかわらず
2008年に死刑を執行された。
足利事件の場合、冤罪の原因としてDNAという科学捜査技術に
スポットが当てられているが
絶対に忘れてはならないのは菅家さんが怒りをこめて告発しているように
拷問まがいの取調べにより「罪」を自白させられたということである。
つまり警察、検察がこのことにあまり触れたくないのは
世論が取調べの全面可視化に向かうことを危惧するからであろう。
DNAに問題を限定すれば当時の科学技術の水準からいって
仕方なかったのだという言い訳ができるからである。
もちろん菅家さんにとって17年間という貴重な時間を奪われたことを
仕方なかったですまされてはたまらない、
「私の前で謝罪してもらいたい」と怒りをこめて言っているのは
当然である。
そして、警察、検察、裁判官とならんで謝罪しなければならないのが
マスコミである。
警察情報をそのままに、彼が真犯人という報道を垂れ流した当時の
マスコミの責任は重い。
そして、今も無実の者を犯人だと決め付けるような事件報道をしている
可能性は大なのである。


【ヤメ蚊】
 久間さんの件についても真相が明らかにされなければならない。そもそも、日本では、警察が鑑定する資料が全量消費され、あとで確認することができないことも結構ある。そういう警察の鑑定の手法そのものを問い直さなければならない。少なくとも全量消費してしまうような鑑定を行う場合、その全過程を録画することが必要かもしれない。




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16日午後4時、沖縄密約情報公開訴訟第1回口頭弁論→午後6時から弁護士会館で説明会

2009-06-15 15:27:04 | メディア(知るための手段のあり方)
 沖縄密約情報公開訴訟の第1回期日が16日午後4時、東京地裁7階705号法廷で開催される。すでに、1972年の沖縄返還をめぐり、日米間に財政負担などをめぐる「密約」があったことは、アメリカで公開された公文書や、交渉当事者だった元外務官僚の証言などから次第に明らかになっているが、日本政府だけは「密約はなかった」と否定して、密約関連資料の情報公開を拒否している。

 原告らは、国民に平気でウソをつく政府の態度を改めさせようと、今年3月、国を相手に文書の公開を求める訴訟を起こした。その裁判の第1回口頭弁論が上述の通り、開かれる。原告の代表による意見陳述も予定されている。傍聴券の交付予定はない。

 また、口頭弁論後、下記のとおり、報告集会も行われる。もし、法廷が満席になっても、この集会で説明をするので、ご安心を。集会の冒頭、報道陣向けに説明を行う予定だ。


                  記

日時 2009年6月16日(火曜日)午後6時~8時

場所 東京弁護士会館・5階502CDEF号(千代田区霞ヶ関1-1-3)

内容 第1回口頭弁論の内容についての説明
   原告の意見・感想等の発言  など

参加費:無料
(関連の資料も配布しますので、会場でカンパのご協力をお願いします)



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クジラにまつわる3つの記事~グリーンピースの印象が操作されている証左

2009-06-14 08:24:19 | メディア(知るための手段のあり方)
 上の記事(http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0117&f=national_0117_002.shtml)は、中国でのできごと。これを見て、やっぱり中国は野蛮だなぁ…などと思う人は結構いるよね。


 それと比較すると、下の記事(http://osaka.yomiuri.co.jp/animal/genre7/20090516-OYO8T00286.htm)は、日本の市民のクジラに対する愛護精神をテーマにしている。日本のマスメディアはクジラを助けてあげたいムードいっぱいだ。【和歌山県田辺市新庄町の内之浦湾に迷い込んだマッコウクジラの救出作業は、15日で打ち切られ、海岸で見守っていた市民らは「かわいそうだが、何とかならないのか」と肩を落とした。今後は、市などが24時間態勢で見ていくという。】という記事に違和感を感じる人はほとんどいないのではないかなぁ?





 そのことは、次の記事(http://tabi.chunichi.co.jp/odekake/0330002mie_tateboshiryo.html)のように、海岸に追い込んだ魚を喜んでつかみ取りする光景が野蛮だという視点で伝えられていないことと比較すると、よくわかる。魚は食べ物として扱われ、クジラ(日本沿岸のクジラ)は野生動物として扱われる。





 ところが、よ~く考えれば、中国は、南氷洋での捕鯨などはしていない。他方、日本は南氷洋での捕鯨にこだわっている。

 そして、環境保護活動の一環として反捕鯨キャンペーンを行うグリーンピースに関する印象は、日本ではお世辞にも良いとはいえない。そのような印象が根付いたのは、マスメディアの取り上げ方にも一因があると思う。南氷洋での捕鯨活動については、マスメディアは、肯定的に受け止め、それに反対する者を冷たく取り上げる。

 なぜ、日本沿岸でのクジラに対するマスメディアの姿勢と南氷洋のクジラに対するマスメディアの姿勢は180度違うのだろうか?

 クジラに対する日本の市民の感情は、本当は、沿岸に打ち上げられたクジラに対する感情に代表されるのではないだろうか?それにもかかわらず、南氷洋の捕鯨への反対の声が盛り上がらないのは、やっぱり、マスメディアの取り扱いの違いによるとしか思えない。

 たとえば、南氷洋の捕鯨に関するニュースになぞらえるならば、田辺のニュースは次のようになるはずなのだ。



 ■■パロディ開始■■

 和歌山県畑辺市古庄町の外之浦湾に迷い込んだマッコウクジラの遠洋追い出し作業は、15日で打ち切られ、海岸で見守っていた市民らは「これでクジラが食べられそうだ」と喜んでいた。他方、作業していた団体のメンバーは、「かわいそうだが、どうにもならない」と肩を落とした。古庄警察署は、追い出し作業時に、違法な行為があったのではないかとみて作業に関与した者から事情を聴く方針だという。

 追い出し作業は、鯨肉を食べたいという市民らの批判の声にもかかわらず、朝に約1時間強行されたが、クジラが出て行く様子はなく、中止された。水産庁などとも協議したうえで、打ち切りを決めたという。16日以降は、クジラの肉を求めて、大勢の市民が訪れると予想され、周辺の交通整理や警備にあたるという。

 クジラは、何度も体が横倒しになるなど弱ってきている様子。見ていた親子づれは、「捕鯨は日本の伝統。活きのいいうちに早く食べたい」と笑顔で話した。
  
 ■■パロディ終了■■

 このパロディ記事に違和感を感じるならば、本来、税金を使った南氷洋の捕鯨にも違和感を持つべきだが、そうなっていないというのは、まさにメディアのマジックだ。

 そうそう、毎回、注記するのもなんだが、私は「横領」鯨肉「窃盗」弁護団に所属している。とはいえ(「とはいえ」ってのも変か)、個人的にはおいしいものは好きなんだなぁ。でも、おいしいものが食べたいとしても、沿岸捕鯨でいいんじゃないかな~と思うようになっている。そう書くとこの記事の内容と矛盾しているじゃないか~という声が上がりそうだが、この記事のテーマはマスメディアの印象操作について述べているのであって、捕鯨の当否が直接のテーマではないので、ご注意を。

  



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立川ビラまき最高裁判決英訳流通計画始動!

2009-06-13 07:56:22 | メディア(知るための手段のあり方)
 自衛隊官舎にビラまきをした反戦運動家3人に対し、75日間も逮捕・勾留したうえ、最高裁が罰金10万円~20万円という高裁判決を認めたことは、日本における市民の自由がおかれた状況を示す格好の例だ。そこで、この判決を英訳し、日本の裁判所の判断の当否を世界の市民に考えてもらおうと思う。まずは、判決全文を掲載する。同時に下記URLにて、裁判所が自らなした英訳全文を掲載する。あなたの知り合いの外国人に英訳判決を見せて反応を教えてほしい。(ところで、英訳は原文に忠実になされているでしょうか?どなたか、ご確認いただければ助かります)

英訳のURL
vol.1 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/b15bf213e32f2b439c876cb510cc5906
vol.2 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/8df853cd075778ccf778202c4d6db558
voi.3 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/23ef4eefe83e07d1efd4092ad735b663
vol.4 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6d525bf8c7c478e7ff3f5f10b4e79f54

■■以下、最高裁平成20年4月11日判決■■

主文
本件各上告を棄却する。

理由

第1 被告人3名の弁護人栗山れい子ほかの上告趣意のうち,本件被告人らの行
為をもって刑法130条前段の罪に問うことは憲法21条1項に違反するとの主張
について

1 原判決の認定及び記録によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。

(1) 立川宿舎の状況等

ア 全般
東京都立川市所在の防衛庁(当時。以下同じ。)立川宿舎(以下「立川宿舎」と
いう。)の敷地は,南北に細長い長方形(南北方向の辺の長さは約400m,東西
方向の辺の長さは約50mである。以下「南側敷地」という。)の北端に東西に細
長い長方形(南北方向の辺の長さは約25m,東西方向の辺の長さは約130mで
ある。以下「北側敷地」という。)が西側に伸びる形で付いた逆L字形をしてい
る。南側敷地の東側,北側敷地の東側と北側が,一般道路に面し,南側敷地の西
側,北側敷地の西側と南側の西半分が,自衛隊東立川駐屯地と接している。南側敷
地の南半分には,南から北へ順に1号棟ないし8号棟の集合住宅が建っている。い
ずれも東西に細長い直方体であり,鉄筋4階建てで,各階に6室ずつある(1号棟
ないし8号棟の敷地の南北方向の辺の長さは約200mである。)。南側敷地の北
半分は,南北に細長い長方形の空き地(以下「北側空き地」という。)になってい
る。北側敷地には,東西に並んで東から西へ順に9号棟,10号棟の前同様の集合
住宅が建っている。ただし,9号棟及び10号棟は,いずれも5階建てで,10号
棟は各階に8室ずつある。

イ 立川宿舎の敷地の囲にょう状況
(ア) 1号棟ないし8号棟の敷地は,南側は高さ約1.5mの鉄製フェンス,一
般道路に面する東側は,高さ約1.5mないし約1.6mの鉄製フェンスないし金
網フェンス,北側空き地と接する北側は木製杭,自衛隊東立川駐屯地と接する西側
は,門扉のある通用門1か所のほかは,高さ約1.85mないし約2.1mの鉄製
フェンスで囲まれている。東側のフェンスは,各号棟の北側通路に通じる出入口と
なる部分がそれぞれ1号棟に係るものから順に幅約7.1m,約5.9m,約8
m,約6.1m,約6.3m,約5m,約9m,約6.1mにわたって開口してお
り,各開口部に門扉はない。北側の木製杭には,おおむね等間隔に4本の鉄線が張
られている。
(イ) 9号棟及び10号棟の敷地も,高さ約1.5mないし約1.7mの金網フ
ェンスないし鉄製フェンスで囲まれ,一般道路に面する東側,北側のフェンスは,
各号棟の出入口となる部分が幅数mないし約8.2mにわたって開口するなどして
おり,各開口部に門扉はない。

ウ 立川宿舎の敷地の案内板等の状況
(ア) 1号棟ないし8号棟の敷地の東側フェンスの1号棟の北側通路に通じる出
入口となる開口部付近に,「防衛庁立川宿舎案内図」と題する案内板がある。同フ
ェンスの各号棟の北側通路に通じる出入口となる各開口部の向かってすぐ左のフェ
ンス部分に,いずれも,A3判大の横長の白色の用紙に,縦書きで,
「宿舎地域内の禁止事項
一関係者以外,地域内に立ち入ること
一ビラ貼り・配り等の宣伝活動
一露店(土地の占有)等による物品販売及び押し売り
一車両の駐車
一その他,人に迷惑をかける行為
管理者」
と印刷されてビニールカバーが掛けられた禁止事項表示板が設置されている。
(イ) 9号棟及び10号棟の敷地を囲むフェンスの9号棟の出入口となる前記イ
(イ)の開口部付近に,前同様の「防衛庁立川宿舎案内図」と題する案内板があり,
同フェンスの各号棟の出入口となる前記イ(イ)の各開口部の向かってすぐ左ないし
右のフェンス部分に,前同様の禁止事項表示板が設置されている。

エ 各号棟の状況
(ア) 1号棟ないし9号棟には,それぞれ東側階段,中央階段,西側階段があ
り,各号棟の1階には,その北側に各階段ごとに各階段に通じる門扉のない3か所
の出入口があり,10号棟の1階には,その北側に,東側階段,東側中階段,西側
中階段,西側階段に通じる門扉のない4か所の出入口がある。これらの出入口に
は,それぞれ集合郵便受けが設置されている。これらの階段に面して各階2室ずつ
の玄関があり,各室玄関ドアには新聞受けが設置されている。
(イ) 1号棟ないし10号棟の1階出入口にある掲示板又は集合郵便受けの上部
の壁等には,A4判大の横長の白色又は黄色の用紙に,縦書きで,前記禁止事項表
示板と同じ文言が印刷された禁止事項表示物が,一部はビニールカバーが掛けられ
て,掲示されていた。

オ 立川宿舎の管理状況
立川宿舎は,防衛庁の職員及びその家族が居住するための国が設置する宿舎であ
る。本件当時,1号棟ないし8号棟は,ほぼ全室に居住者が入居していた。国家公
務員宿舎法,同法施行令等により,敷地及び5号棟ないし8号棟は陸上自衛隊東立
川駐屯地業務隊長の管理,1号棟ないし4号棟は航空自衛隊第1補給処立川支処長
の管理となっており,9号棟,10号棟は防衛庁契約本部ないし同庁技術研究本部
第3研究所の管理下にある。
(2) テント村の活動状況等
「立川自衛隊監視テント村」(以下「テント村」という。)は,自衛隊の米軍立
川基地移駐に際して結成された団体で,反戦平和を課題とし,示威運動,駅頭情報
宣伝活動,駐屯地に対する申入れ活動等を行っている。被告人3名は,いずれもテ
ント村の構成員として活動している者である。
(3) テント村の活動とこれに対する立川宿舎の管理者の対応
ア テント村は,平成15年夏に関連法律が成立して自衛隊のイラク派遣が迫っ
てきたころから,これに反対する活動として,駅頭情報宣伝活動やデモを積極的に
行うようになった。
イ テント村は,自衛官及びその家族に向けて,平成15年10月中ごろ,同年
11月終わりころ,同年12月13日と月1回の割合で,それぞれ,「自衛官のみ
なさん・家族のみなさんへイラクへの派兵が,何をもたらすというのか?」,
「自衛官のみなさん・家族のみなさんへ殺すのも・殺されるのもイヤだと言お
う」,「イラクへ行くな,自衛隊! 戦争では何も解決しない」との表題の下に,
自衛隊のイラク派遣に反対し,かつ,自衛官に対しイラク派兵に反対するよう促
し,自衛官のためのホットラインの存在を知らせる内容のA4判大のビラを,立川
宿舎の各号棟の1階出入口の集合郵便受け又は各室玄関ドアの新聞受けに投かんし
た。
ウ 前記イの平成15年12月13日のビラの投かん後,陸上自衛隊東立川駐屯
地業務隊長の職務を補佐する同業務隊厚生科長,航空自衛隊第1補給処立川支処長
の職務を補佐する同支処業務課長ら立川宿舎の管理業務に携わっていた者は,連絡
を取り合った上,管理者の意を受けて,それぞれの管理部分ごとに分担するなどし
て,同月18日,前記(1)ウ(ア),(イ)のとおり,禁止事項表示板を立川宿舎の敷
地の一般道路に面するフェンスの各号棟の出入口となる各開口部のすぐわきのフェ
ンス部分に設置し,同月19日から同月24日にかけて,前記(1)エ(イ)のとお
り,禁止事項表示物を各号棟の1階出入口に掲示した。
エ そのころ,前記イの平成15年12月13日のビラの投かんについて,立川
宿舎の管理業務に携わっていた者により管理者の意を受けて警察に住居侵入の被害
届が提出された。
(4) 本件ビラ投かんの状況等
ア 被告人3名は,共謀の上,テント村の活動の一環として,「自衛官・ご家族
の皆さんへ自衛隊のイラク派兵反対! いっしょに考え,反対の声をあげよ
う!」との表題の下,前同様の内容のA4判大のビラを,立川宿舎の各号棟の各室
玄関ドアの新聞受けに投かんする目的で,平成16年1月17日午前11時30分
過ぎころから午後0時ころまでの間,立川宿舎の敷地内に3名とも立ち入った上,
分担して,3号棟東側階段,同棟中央階段,5号棟東側階段,6号棟東側階段及び
7号棟西側階段に通じる各1階出入口からそれぞれ4階の各室玄関前まで立ち入
り,各室玄関ドアの新聞受けに上記ビラを投かんするなどした。
イ 平成16年1月23日,前記アのビラの投かんについて,立川宿舎の管理業
務に携わっていた者により管理者の意を受けて警察に住居侵入の被害届が提出され
た。なお,同年2月3日に実施された実況見分時には,1号棟及び9号棟の各出入
口並びに3号棟の中央出入口,4号棟の東側出入口,5号棟の西側出入口及び8号
棟の西側出入口には,前記(1)エ(イ)の禁止事項表示物がなかった。
ウ 被告人A及び同Bは,共謀の上,テント村の活動の一環として,「ブッシュ
も小泉も戦場には行かない」との表題の下,前同様の内容のA4判大のビラを,立
川宿舎の各号棟の各室玄関ドアの新聞受けに投かんする目的で,平成16年2月2
2日午前11時30分過ぎころから午後0時過ぎころまでの間,立川宿舎の敷地内
に2名とも立ち入った上,分担して,3号棟西側階段,5号棟西側階段及び7号棟
西側階段に通じる各1階出入口からそれぞれ4階の各室玄関前まで立ち入り,各室
玄関ドアの新聞受けに上記ビラを投かんするなどした。
エ 平成16年3月22日,前記ウのビラの投かんについて,立川宿舎の管理業
務に携わっていた者により管理者の意を受けて警察に住居侵入の被害届が提出され
た。
2(1) 前記1(4)ア,ウのとおり,被告人らは,立川宿舎の敷地内に入り込み,
各号棟の1階出入口から各室玄関前まで立ち入ったものであり,当該立入りについ
て刑法130条前段の罪に問われているので,まず,被告人らが立ち入った場所が
同条にいう「人の住居」,「人の看守する邸宅」,「人の看守する建造物」のいず
れかに当たるのかを検討する。
(2) 前記1の立川宿舎の各号棟の構造及び出入口の状況,その敷地と周辺土地
や道路との囲障等の状況,その管理の状況等によれば,各号棟の1階出入口から各
室玄関前までの部分は,居住用の建物である宿舎の各号棟の建物の一部であり,宿
舎管理者の管理に係るものであるから,居住用の建物の一部として刑法130条に
いう「人の看守する邸宅」に当たるものと解され,また,各号棟の敷地のうち建築
物が建築されている部分を除く部分は,各号棟の建物に接してその周辺に存在し,
かつ,管理者が外部との境界に門塀等の囲障を設置することにより,これが各号棟
の建物の付属地として建物利用のために供されるものであることを明示していると
認められるから,上記部分は,「人の看守する邸宅」の囲にょう地として,邸宅侵
入罪の客体になるものというべきである(最高裁昭和49年(あ)第736号同5
1年3月4日第一小法廷判決・刑集30巻2号79頁参照)。
(3) そして,刑法130条前段にいう「侵入し」とは,他人の看守する邸宅等
に管理権者の意思に反して立ち入ることをいうものであるところ(最高裁昭和55
年(あ)第906号同58年4月8日第二小法廷判決・刑集37巻3号215頁参
照),立川宿舎の管理権者は,前記1(1)オのとおりであり,被告人らの立入りが
これらの管理権者の意思に反するものであったことは,前記1の事実関係から明ら
かである。
(4) そうすると,被告人らの本件立川宿舎の敷地及び各号棟の1階出入口から
各室玄関前までへの立入りは,刑法130条前段に該当するものと解すべきであ
る。なお,本件被告人らの立入りの態様,程度は前記1の事実関係のとおりであっ
て,管理者からその都度被害届が提出されていることなどに照らすと,所論のよう
に法益侵害の程度が極めて軽微なものであったなどということもできない。

3(1) 所論は,本件被告人らの行為をもって刑法130条前段の罪に問うこと
は憲法21条1項に違反するという。
(2) 確かに,表現の自由は,民主主義社会において特に重要な権利として尊重
されなければならず,被告人らによるその政治的意見を記載したビラの配布は,表
現の自由の行使ということができる。しかしながら,憲法21条1項も,表現の自
由を絶対無制限に保障したものではなく,公共の福祉のため必要かつ合理的な制限
を是認するものであって,たとえ思想を外部に発表するための手段であっても,そ
の手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されないというべきである(最
高裁昭和59年(あ)第206号同年12月18日第三小法廷判決・刑集38巻1
2号3026頁参照)。本件では,表現そのものを処罰することの憲法適合性が問
われているのではなく,表現の手段すなわちビラの配布のために「人の看守する邸
宅」に管理権者の承諾なく立ち入ったことを処罰することの憲法適合性が問われて
いるところ,本件で被告人らが立ち入った場所は,防衛庁の職員及びその家族が私
的生活を営む場所である集合住宅の共用部分及びその敷地であり,自衛隊・防衛庁
当局がそのような場所として管理していたもので,一般に人が自由に出入りするこ
とのできる場所ではない。たとえ表現の自由の行使のためとはいっても,このよう
な場所に管理権者の意思に反して立ち入ることは,管理権者の管理権を侵害するの
みならず,そこで私的生活を営む者の私生活の平穏を侵害するものといわざるを得
ない。したがって,本件被告人らの行為をもって刑法130条前段の罪に問うこと
は,憲法21条1項に違反するものではない。このように解することができること
は,当裁判所の判例(昭和41年(あ)第536号同43年12月18日大法廷判
決・刑集22巻13号1549頁,昭和42年(あ)第1626号同45年6月1
7日大法廷判決・刑集24巻6号280頁)の趣旨に徴して明らかである。所論は
理由がない。

第2 その余の主張について
憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張で
あって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
よって,同法408条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決す
る。
(裁判長裁判官今井功裁判官津野修裁判官中川了滋)


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Distributing leaflets : Supreme Court found guilty

2009-06-13 01:39:04 | メディア(知るための手段のあり方)
Japan Supreme Court's Second Petit Bench found three antiwar activists guilty of trespassing when they entered a housing compound of the Self-Defense Forces in Tachikawa(http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ed20080427a1.html).A full text of Japan Supreme Court's decision is as below.How do you think about the decision?

■ ■ ■ vol.4 ■ ■ ■

3(1) The counsels argue that charging the accused with the crime set forth in the first sentence of Article 130 of the Penal Code for what they have done contravenes Article 21, paragraph (1) of the Constitution.
(2) It is true that freedom of expression must be respected as an especially important right in democratic society, and the accused's act of distributing leaflets on which their political opinions are stated can be regarded as their exercise of freedom of expression. However, Article 21, paragraph (1) of the Constitution does not guarantee freedom of expression absolutely unconditionally, but rather it allows necessary and reasonable restrictions for public welfare, and therefore even an expression used as a means for presenting a person's own thoughts to outside is unacceptable if it unduly infringes another person's right (See 1984 (A) No. 206, judgment of the Third Petty Bench of the Supreme Court of December 18, 1984, Keishu Vol. 38, No. 12, at 3026). In this case, the point at issue is not the constitutionality of punishing the expression itself but the constitutionality of punishing the act of entering the "premises guarded by another person" without permission of the manager in order to distribute the leaflets, a means of expression. The places where the accused entered are the common areas of the housing complex where the officials of the Defense Agency and their families spend daily life and the site of such housing complex. These places were under the management of the SDF and Defense Agency authorities for such purpose, and the public has no free access to these places. Where a person enters such places against the will of the manager, even for the purpose of exercising freedom of expression, we should say that such entry not only infringes the manager's right of management but also disturbs peace in the private life of people who spend daily life there. In consequence, charging the accused with the crime set forth in the first sentence of Article 130 of the Penal Code for what they have done does not contravene Article 21, paragraph (1) of the Constitution. This reasoning is obvious in light of the judicial precedents of this court (1966 (A) No. 536, judgment of the Grand Bench of the Supreme Court of December 18, 1968, Keishu Vol. 22, No. 13, at 1549, 1967 (A) No. 1626, judgment of the Grand Bench of the Supreme Court of June 17, 1970, Keishu Vol. 24, No. 6, at 280). The counsels' argument is groundless.

II. Concerning other reasons
Other reasons for final appeal, including those alleging a violation of the Constitution and violations of judicial precedents, are in effect assertions of unappealable violations of laws and regulations or errors in fact-finding, and none of them can be regarded as a reason for final appeal permissible under Article 405 of the Code of Criminal Procedure.

Therefore, according to Article 408 of the Code of Criminal Procedure, the judgment has been rendered in the form of the main text by the unanimous consent of the Justices.
Presiding Judge
Justice IMAI Isao
Justice TSUNO Osamu
Justice NAKAGAWA Ryoji



vol.1 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/b15bf213e32f2b439c876cb510cc5906
vol.2 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/8df853cd075778ccf778202c4d6db558
voi.3 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/23ef4eefe83e07d1efd4092ad735b663
vol.4 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6d525bf8c7c478e7ff3f5f10b4e79f54

Distributing leaflets : Supreme Court found guilty

2009-06-13 01:36:38 | メディア(知るための手段のあり方)
Japan Supreme Court's Second Petit Bench found three antiwar activists guilty of trespassing when they entered a housing compound of the Self-Defense Forces in Tachikawa(http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ed20080427a1.html).A full text of Japan Supreme Court's decision is as below.How do you think about the decision?

■ ■ ■ vol.3 ■ ■ ■


(3) Activities of the Tent Village and the reaction thereto of the managers of the Tachikawa Housing Complex
(a) Since around the time the dispatch of the SDF to Iraq was approaching after the relevant laws were enacted in 2003 summer, the Tent Village started to actively carry out protest campaign, such as publicity activities in front of train stations and demonstrations.
(b) The Tent Village posted A4-sized leaflets, once every month (around mid-October 2003, around the end of November 2003, and on December 13, 2003), in the collective mailboxes placed at the gateway on the first floor of each of the buildings of the Tachikawa Housing Complex or the newspaper box installed on the entrance door of each residential unit in the buildings. The leaflets contained messages addressed to the SDF members and their families, under the headlines of "To SDF members and their families: What will the SDF dispatch to Iraq bring?," "To SDF members and their families: Say no to killing or to being killed," "SDF, do not go to Iraq! Nothing can be solved by war!," respectively, advocating their opinions against the SDF dispatch to Iraq as well as urging the SDF officials to protest against their dispatch to Iraq and notifying them of the hotline for SDF officials.
(c) After the posting of leaflets on December 13, 2003 mentioned in (b) above, the persons engaging in the management affairs for the Tachikawa Housing Complex, including the chief of the Welfare Section of the JGSDF Camp Higashi Tachikawa Command who was in charge of assisting the Commander of said command and the section chief of the Tachikawa Branch of the JASDF First Depot who was in charge of assisting the director of said branch, through communications among them and on behalf of the managers, placed warning boards on December 18 and put up warning notices during the period from December 19 to 24, while taking partial charge of the work depending on the areas under their management. More specifically, they placed, as described in (1)(c)(A) and (B) above, warning boards on the fences surrounding the site of the Tachikawa Housing Complex that face public roads, near the openings on the fences that serve as gateways for the respective buildings, and put up warning notices, as described in (1)(d)(B) above, at the gateway on the first floor of each building.
(d) Around that time, with regard to the posting of leaflets on December 13, 2003 mentioned in (b) above, a report of breaking into a residence was submitted to the police by the persons engaging in the management affairs for the Tachikawa Housing Complex on behalf of the managers.

(4) Circumstances of the posting of leaflets in question
(a) The three accused, in conspiracy, in the course of carrying out the Tent Village's activities, with the intention of posting A4-sized leaflets of the same content as that mentioned above, under the headline of "To SDF members and their families: No SDF dispatch to Iraq! Let's think and protest together!," in the newspaper box installed on the entrance door of each residential unit of each building of the Tachikawa Housing Complex, entered the site of the Tachikawa Housing Complex on January 17, 2004, from past 11:30 a.m. to around noon, and while dividing the areas among them, they entered Building No. 3, Building No. 5, Building No. 6, and Building No. 7 from the gateway on the first floor of each building leading to the eastern staircase and central staircase of Building No. 3, eastern staircase of Building No. 5, eastern staircase of Building No. 6, and western staircase of Building No. 7, respectively, through to the front of the entrance of each residential unit on the fourth floor, and then posted the leaflets in the newspaper box installed on the entrance door of each unit.
(b) On January 23, 2004, with regard to the posting of leaflets mentioned in (a) above, a report of breaking into a residence was submitted to the police by the persons engaging in the management affairs for the Tachikawa Housing Complex on behalf of the managers. When an on-site inspection was implemented on February 3, 2004, there was no warning notice described in (1)(d)(B) above at the gateways of Building No. 1 to Building No. 9, central gateway of Building No. 3, eastern gateway of Building No. 4, western gateway of Building No. 5, and western gateway of Building No. 8.
(c) Accused A and Accused B, in conspiracy, in the course of carrying out the Tent Village's activities, with the intention of posting A4-sized leaflets of the same content as that mentioned above, under the headline of "Neither Bush nor Koizumi goes to war," in the newspaper box installed on the entrance door of each residential unit of each building of the Tachikawa Housing Complex, entered the site of the Tachikawa Housing Complex on February 22, 2004, from past 11:30 a.m. to around noon, and while dividing the areas among them, they entered Building No. 3, Building No. 5, and Building No. 7 from the gateway on the first floor of each building leading to the western staircase of Building No. 3, western staircase of Building No. 5, and western staircase of Building No. 7, respectively, through to the front of the entrance of each residential unit on the fourth floor, and then posted the leaflets in the newspaper box installed on the entrance door of each unit.
(d) On March 22, 2004, with regard to the posting of leaflets mentioned in (c) above, a report of breaking into a residence was submitted to the police by the persons engaging in the management affairs for the Tachikawa Housing Complex on behalf of the managers.

2(1) As described in 1(4)(a) and (c) above, the accused entered the site of the Tachikawa Housing Complex, entered the buildings from the gateway on the first floor of each building through to the front of the entrance of each residential unit. They are charged with the crime set forth in the first sentence of Article 130 of the Penal Code for having committed such entry. We first examine whether the places where the accused entered can be regarded as a "residence of another person," "premises guarded by another person" or "building guarded by another person," all of which are prescribed in said Article.

(2) In light of the factual circumstances mentioned in 1 above, i.e. the structure of the buildings of the Tachikawa Housing Complex and the conditions of gateways of each building, the conditions of the site of the housing complex and its access from the surrounding land and roads (enclosure), and the status of management of the housing complex, the area covering from the gateway on the first floor of each building to the front of the entrance of each residential unit forms a part of the building of the housing complex, which is a residential building, and is under the management of the managers of the housing complex, and in this respect, said area can be regarded as part of a residential building and the "premises guarded by another person" as set forth in Article 130 of the Penal Code. The part of the site of the buildings, on which no building is actually located, borders on and surrounds each building, and it appears that the managers, by placing fences and other enclosing equipment on the borders with outside, clearly indicate that said part of the site is used for using each building as the building's annexed land. Therefore, said part of the site should be regarded as enclosed land surrounding the "premises guarded by another person" and the object of the crime of breaking into the premises (See 1974 (A) No. 736, judgment of the First Petty Bench of the Supreme Court of March 4, 1976, Keishu Vol. 30, No. 2, at 79).

(3) The term "breaking into" as used in the first sentence of Article 130 of the Penal Code means to enter the premises guarded by another person, etc. against the will of the manager (See 1980 (A) No. 906, judgment of the Second Petty Bench of the Supreme Court of April 8, 1983, Keishu Vol. 37, No. 3, at 215). It is obvious from the facts mentioned in 1 above that the entry into the Tachikawa Housing Complex by the accused was against the will of the managers of the housing complex, as described in 1(1)(e) above.

(4) Consequently, the accused's entry into the site of the Tachikawa Housing Complex and into the buildings from the gateway on the first floor of each building through to the front of the entrance of each residential unit should be construed to constitute the criminal act set forth in the first sentence of Article 130 of the Penal Code. In light of the manner and extent of their entry as described in 1 above as well as the fact that reports of breaking into a residence were submitted by the managers every time they committed the entry, we cannot agree with the counsels' argument that the infringement of legal interests caused by the accused is extremely minor.

→vol.4 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6d525bf8c7c478e7ff3f5f10b4e79f54



vol.1 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/b15bf213e32f2b439c876cb510cc5906
vol.2 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/8df853cd075778ccf778202c4d6db558
voi.3 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/23ef4eefe83e07d1efd4092ad735b663
vol.4 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6d525bf8c7c478e7ff3f5f10b4e79f54