銀右衛門文庫の経済動向

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2月21日

2012-02-21 | 経済動向
東京市場は売り買い交錯となりそうだ。前日の欧州市場はユーロ圏財務相会合でギリシャ向け第2次支援が承認されるとの期待感から堅調だったが、米国市場は休場で手掛かり材料に乏しい。世界同時株高の様相を呈しているが、足元の急ピッチな上昇で短期的な過熱感も強まっているだけに強弱感が対立する展開となりそうだ。日経平均の予想レンジは9400~9550円。

日銀の追加金融緩和をきっかけに、日本株に対する見直し買いが続いており、1万円の大台回復も徐々に視野に入りつつある。ただ、寄り付き段階で9500円台に乗せながら、伸び悩んだところをみると高値警戒感も徐々に意識されているのだろう。日経平均の25日移動平均乖離率は+6.4%(75日では+9.7%)にも達するなど、やや急ピッチな感が否めない。また、昨年の日経平均が終値ベースで高値をつけたのは2月21日(ザラ場ベースは2月17日)で、今年も昨年の年初と似たような相場になっていることを勘案すると、何らかの形で外部環境が悪化すれば一気に利益確定売りが膨らむ可能性があるだけに注意したい。財務省が20日発表した1月の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が1兆4750億円の赤字(前年同月は4794億円の赤字)と市場予想(1兆4563億円の赤字)よりも悪化。貿易赤字は4カ月連続で、赤字幅はリーマン・ショックを受けて世界的に需要が落ち込んだ2009年1月(9679億円)を上回り、初めて1兆円を突破した。旧正月という一時的な要因や足元で急激な円高は一服しているものの、原発停止の影響で今後も液化天然ガスの輸入は高止まりするとみられ、貿易収支の大幅な改善は見通しにくい。貿易赤字を手掛かりとした円安はあまり歓迎できるものではないが、円安基調がしばらく続くかもしれない。

前日の日経平均は朝方の買い一巡後に伸び悩み、9500円台をキープできなかった。後場は高値警戒感などから利益確定売りが優勢となり、この日の安値圏で取引を終えた。東証1部の値上がり銘柄数は901(全体の54.0%)に達し、規模別株価指数はすべて上昇。円安進展を背景に国際優良株が軒並み高となったほか、中国の金融緩和実施で資源関連にも買いが入った。その一方で、グリーの主力ゲーム「探検ドリランド」でレアカードの不正な複製方法発覚したことを受けて、ソーシャルゲーム関連が商いを伴って売られた。