銀右衛門文庫の経済動向

昨今の経済動向をピックアップします



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1月18日

2012-01-19 | 経済動向
日経平均は8500円台を回復し、4日の大発会(8560円)以来の高値で引けた。1月限SQ値(8470円71銭)や心理的な節目の8500円を上回ったが、75日移動平均(8568円)近辺で失速したところをみると、まだ中期的な下降トレンドを脱していないのだろう。指数寄与度の高いファナック、ファーストリの2社で日経平均は30円近く押し上げており、先物主導の感が否めない。また、国際優良株やメガバンクなど主力株の一角が軟調だったところをみても、疑心暗鬼の投資家が多いと思われる。その一方で、市場エネルギーの増大はポジティブに評価できよう。東証1部の売買代金は前日比38%増の1兆1365億円と増加し、SQ算出日を除くと約1カ月ぶりの1兆円台回復。昨年12月1日(1兆2654円)以来の高水準となった。日経平均の8500円近辺は戻り待ちの売りが多いと思われるだけに、連日で1兆円台に乗せない限りこれらの売りを吸収するのは難しいと思われる。

後場に買い戻しを誘発した背景にはユーロ安の一服があったとみられるが、今後の情勢は不透明だろう。債務危機に陥ったギリシャの国債をめぐり、主要金融機関側は投資家側がどれだけの損を引き受けるかについて、ギリシャ政府との交渉を18日から再開すると発表。金融機関側は13日に交渉を中断し、ギリシャのデフォルト懸念が高まっていただけに、交渉再開で債務危機への警戒感がやや後退し、ユーロ高に振れたとみられる。ただ、フィッチによれば、ギリシャは支払い不能に陥っており、3月に期限を迎える国債を償還できる可能性は低く、債務減免で民間部門との合意をまとめようとする行為はフィッチの基準でデフォルトに相当するもようで、極めて厳しい状況であることには変わりない。また、今週末の欧州主要行の増資計画提出や、2月初旬からイタリアの国債大量償還を控えており、欧州債務不安が相場の重しになり続けそうだ。