よく“サルでもわかる~” というような本があります。もちろん誰でもわかるという意味ですから、“ケータイを持ったサル” と言われると、どうせ私たちケータイ世代は、ケータイで、キャッキャさわいだりして、“サルのように頭も行儀も悪い” と開き直りたくなります(笑)。
が、この本はそんな生易しい評価では済まさない。なんと「若者は、ニホンザルと行動形式が似ている」 というのだから大変!つまり、“サルのように”ではなく、一種のサルなのだと。正直、(-_-メ) ムカッときますよね。
筆者は、かの 京都大学霊長類研究所 の教授で、比較行動学というのが専攻で世界的権威らしいのです。ヒトを含めた霊長類のコミュニケーションの研究をしています。
様々な事例を挙げて日本ザルとの類似点を挙げます。人間らしさとは何かという考察に始まり、それが壊れていることを例証し、その原因を分析します。
いやいや渋谷を通っているうちに若者の生態に興味を持ち、観察を始めるのですが、日本社会が “サル化” していると気付きます。今の若者には、仲間とつながっていたいという欲求が非常に強いというのは、よく指摘されていることですが、そこでなされるコミュニケーションをサル社会に見立ててしまう。
正高氏よれば、「昨今は、本を朗読させたり、数の計算や九九をもっと奨励すると子どもの学力低下が防げるという声をよく耳にするが、全くのお笑い草である。現状認識の甘い日本の教育関係者のなんと能天気なことだろう」 となります。再び (`´) ムカッです。
このように子どもだけでなく大人、親に対し、強い言葉が浴びせられます。つまりそういう子どもたちを生み出した社会をも分析します。専業主婦を批判し、賢さを身に付けるためにこれまでの労働観や性差の固定観念を破るように主張します。
強烈な内容なので、本書を父母に“お薦めです” という勇気は私にはありませんが、人類、進化という観点から、現在進行形の日本を考察しているのは、確かに新鮮だとは思います。
また、気鋭の脳学者、茂木健一郎氏は正高氏と交流があるようですが、著書『 脳の中の人生 』で、本書に言及し、氏と会ったあと新幹線のホームで人を見ていると、『自分自身を含めて、服を着て、ケータイを持って話しながら二足歩行する奇妙なサルの一種に見えてくるのである』 と述べ、さらに
『今までとは違った世界の見方を提供するのが、本当の学問である。人間をサルの一種と見るサル学的視点が私たちに教えてくれることは、まだまだたくさんあるのではないか』 と肯定的に評価しています。
たまには挑戦的、批判的態度の読書も必要です。相手が世界的権威であろうと、若者は、“サルなんて言わせない!” という気迫を持って、本書に挑んでもらい、反論を考えてもらいたいなと思います。できるかな。
http://tokkun.net/jump.htm
ケータイを持ったサル―「人間らしさ」の崩壊中央公論新社詳 細 |
『ケータイを持ったサル』正高信男
■■ 先生 ■■ 若者がサルなら、それに何かを教えるのは、教師ではなく、“調教師”と言います。でも調教師というのは人間。筆者は大人も悪いと言っているんですから、すると我々教師は単なるサルの親分? よくわかりませんが(笑)、何かを感じていただけたら 1 クリックしていただけるとうれしいです。
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いつもためになる本を紹介していただいてるので、とても役立っています。これからも更新頑張ってください。
便利は便利です。女性や子どもの防犯にも役立つようです。
本当です。よく驚かれます。
私の母も持っていないのですが、ケータイを持っている知人とデパートで待ち合わせた時の話。母が隣の売り場を覗いていたため姿が見えず、ケータイのない母には連絡が取れないので知人はパニックになり、店内放送で呼び出されてしまったそうです。待ち合わせ時間の直後にだそうです。
『祖国とは国語』に理数離れは我慢力の不足だと書かれていましたが、ケータイとコンビニは大人の我慢力をどんどん削いでいっている気がします。私も我慢強い方じゃないので、これでケータイを持ったら・・・と思うと怖くて持てません。(笑)
でも、ここまで普及したら、無いと仕事ができなかったりするのでしょうけれど。
若者バッシングの一環でしょうかね。
新・後藤和智事務所
http://kgotoworks.cocolog-nifty.com/youthjournalism/2004/11/post_7967.html
こちらで大いに批判されています。
正高信男著「ケータイを持ったサル」を解体する
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/Kazuma.Kohara/masataka.htm
これらを見ると自分の前提とする数字を作為的にいじっているようで、とてもまともな学者がやるような行為ではありません。
こんな莫迦げた本が出回ってしまうのは、科学好きとして本当に嘆かわしいことです。
アメリカの教会の神父さん家族の話しなんですが、そのおかげで、プライベートがずたずたにされたというような内容でした。
それはそうと本当に読んでいて、ムカッとする一冊です。
>専業主婦を批判し、賢さを身に付けるためにこれまでの労働観や性差の固定観念を破るように主張します。
と書いてあり、私もムカッ!
「挑戦的、批判的態度の読書」も必要ですかね、あまり読みたくないけど。(笑)
そうなんです。ランキングはおたまさんと、もう一つのデッドヒートですが、おたまさんはご存知ですよね。もう一方の方は読書といっても、裸の女性の写真集などの表紙をど~んと出していて、拙ブログとは違いすぎます。
お二方とも別のカテゴリーに行っていただくと大変ありがたいのですが…。その点本ブログはみな本の紹介ですから、そこで1位を続けられれば光栄です。
祈!大漁!
ブログランキングのお玉おばさんが2位になりましたね、あれだけ差があったのに意外です
びっくりしました。
今、自民党の立候補の演説をやっています、麻生さんが今やっていますが私の考え方とよく似ているのにびっくりです。
少しでも日本がよくなればいですね。
今後ともよろしくお願いいたします、夕方に友人と近くの川に行き、落ち鮎を獲りにいきます、テンカラ漁ですがさて獲れるかどうか。
それにしても霊長類研究所の方々は元気が良い。実は私も渋谷という街は、筆者が言うように、非常に違和感を持つのです。サルが一杯いるとまでは考えませんけどね。
もうひとつは、良い悪いではなく、世代間のつながりがよわくなっていると感じます。長くなるのでやめますが…。これからもよろしくお願い申し上げます。
確かに、サル化しているという指摘には、うなずけないこともないですが、まあ、年寄りは、いつの時代にでも「最近の若者は・・」と言うものですから・・・ (^◇^;)