WBCのイチローは言葉では表せないほどの衝撃を持っていました。トリノ五輪の荒川選手も同様です。敗者の中にも同種の感動を引き起こす例は限りなくありますが、競技のすばらしさ以外に、彼らが見る人に伝えるものは何なのでしょうか?何をすばらしいと感じたか、どうしてそう感じるかを子どもたちに考えてもらう一冊です。
本書の題名は、14歳からとなっていますが、年齢に関係なく多くの方が共感できる本だと思います。後半は17歳からの哲学となっています。筆者はニュースステーションにも出演したそうで、そんな話題になるような本だったのですね。
それを見た人の話によれば、難解な用語を連発し、せっかくわかりやすく書いた本なのに、逆効果だと言っていましたが(笑)。つまり簡単ではないということですね。
【感じる】ことと【考えること】はどう違うか、自分とは何ものか?よ~く考えると、世の中のものすべて『ある』のではなく、自分の心が『作り出している』ということが分かります。『生きていることはすばらしいと思っているだろうか』という問いかけから始まります。
『すばらしい』『つまらない』『どちらでもない』の答えに対して、さらに問いかけを続け、どこまでも考えてみようと呼びかけます。考え抜いていくと今まで自分が思っていたことと全く逆の結論になったりします。
いかんせん哲学ですから、まるっきり興味のない人には『何言ってんの?』ということになるかもしれません。また『世の中すべては心である』というように考える余裕のある中学生は少ないかもしれません。
そのため、本書はソクラテス、アリストテレス、カント、ヘーゲルなどの名前や哲学用語は出てきません。イチローなどを例にとり、幅広く、わかりやすく人生を語ります。考えて考えて考え抜いた上で『自分』を確認できれば、何も恐れることはないんだと教えてくれます。子供だけでなく多くの大人や親御さんにもお読みいただきたい一冊です。
そういえば14の逆、41歳からの哲学という本も出ていましたね。
14歳からの哲学―考えるための教科書トランスビュー詳細を見る |
http://tokkun.net/jump.htm
この「14歳からの哲学」は、14歳の時に読んだらどう感じたかはわかりませんが、あまり哲学せずに大人になってしまったんだなあ、と…。
「41歳からの哲学」でステップアップしたいと思っています。
また、遊びに来ます。
あれからちょくちょく覗かせてもらっています。
「親力」の本、すぐさま図書館に借りにいきました。
「14歳からの哲学」、こんな本があるんですね! とても興味あります。
中学生と小学生を持つ親です。
いろんな事に思考錯誤している毎日です。