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『曽根崎心中』近松門左衛門

2006年02月08日 | 教養
超有名なんですが、初めて読みました。
心中物です。

死ぬ覚悟があれば何でもできる、
頑張れる、という風に私は思うのですが、
この作品の味わい方は別のところに
あるなと、思いました。

「曽根崎心中」が著された近世封建社会で、
情死は「気弱な」主人公徳兵衛による
現実逃避というのはちょっと
不当な評価かなと思ったんです。

重視したいのは、徳兵衛が「心中」を
主体的に選択したことです。
なぜなら、主人の進めた縁談を蹴ってまで
遊女と結ばれることを望んだのは、
他ならぬ徳兵衛だからです。

また、「道行」の際、死を恐れる
お初を勇気付ける姿は普段の
「気弱な」徳兵衛らしさは
微塵もありません。

人から聞いた話でイメージしていた
主人公の姿が、
実際作品を読んでみると
随分違うように感じました。
面白いものです。
曽根崎心中・冥途の飛脚 他五篇

岩波書店

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