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『新書365冊』 宮崎哲弥

2007年05月24日 | 新書教養


新書365冊.jpg


最近よくテレビで拝見する評論家、宮崎哲弥氏の書評を集めた一冊で、かなり売れているようです。確かにこれだけ新しい本を一堂に集めたものは、読書の参考にもなるでしょうし、本書を読むだけでもおもしろいです。雑誌『諸君』に連載していたものを、分野別にまとめたものです。

宮崎氏は月に新書を60冊~100冊という膨大な読書量を誇るそうですが、読むだけでなくこうしてすべてを、“ベスト” “ベター” “モア”と “ワースト”を少し、にランク付けをし、講評まで書くというのは、いくら仕事とはいえすごい。


以前取り上げました日垣隆氏も大変な読書家で、『情報の目利きになる』 の中で、速読などについて触れていますが、その時でも話題になったのは、月30冊でした。新書とは書いてありませんが…。


さて、365冊の中身ですが、かなりバラエティーに富んでおり、↓のように分類されています。ただし、分野によって偏りは大きいと思います。


教養    哲学・論理学・数学   政治・国際問題   経済と金融・会計   法と自由   歴史・文学・ことば   社会・会社   若者・教育   犯罪と監視社会   
生きる・死ぬ   科学   脳・心・からだ   メディア   文化   宗教   問題な新書   


ところで宮崎さんという人物に対しては、どうも好悪がはっきり分かれる印象で、私はどちらかというと、(著作を読んだのはこれがはじめてですが)、氏がものをはっきり言うので好きなのですが、みなさんはどうでしょう。ネットではひどい悪口も目にします。

本書を読むと、宮崎氏自身も好き嫌いが激しいのではないかと感じます。365冊の中で私が読んでいたのは、数えてみると30冊ほどしかありませんでした。宗教などの分野が多いのですが、残念ながら私はほとんど宗教関連の新書は未読なので、仕方のないところです。

BESTの評価で、自分もそう感じたものが、『国際政治とは何か(中西寛)』 や 『日本の「ミドルパワー」外交(添谷芳秀)』 と『 ニートって言うな!』。ワーストで拙ブログでも取り上げたのが 『ケータイを持ったサル(正高信男)』。 

また、個人的に世間一般よりもっとずっと高く評価したい仲正昌樹氏の著作、『不自由論』 や他書に、宮崎氏が高評価を与えていると、僭越にも、“おおちゃんと読んでるな” などと、うれしくなったりしますが、逆に、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか(山田真哉)』 などがベストに挙げられていると、“わかってんのかなぁ~”と(笑)。


まぁそんな調子で評価が自分と一致しないものも多いのですが、それはそれで勉強になりますし、365冊もあれば、ほとんど書名程度しかないのかと思ったら、できる限り丁寧にコメントをしている印象で、好感が持てます。

いずれにしろ、どんなレベルになっても、読書とは“独断と偏見”(読書だけじゃないか)なんですね(笑)。


小谷野敦氏の『バカのための読書術』 を読みますと、“知識人という狭い業界” で、付き合いのある著者や著作に、はっきりと優劣を付けるのは難しいと感じますが、本書はどうなんでしょうね。私には、そこまでは判断できません。

そういう懸念や自分との違いなどがあったとしても、これだけの情報量は助かりました。じっくりお読みになって、自分の読書案内というか、参考にされたらいかがでしょうか。私も今後たびたび参考にすると思います。



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