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『日本の死体 韓国の屍体』 上野 正彦、 文 国鎮

2007年05月29日 | 科学


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松岡農林水産大臣の自殺という実にショッキングなニュースが流れました。遺書が何通かあったようですが、いったい何があったのでしょう。現・自民党政調会長の中川昭一氏のお父さん、中川一郎氏が自殺された時も私には大変なショックでした。

その折、ろくに死体解剖もされずに荼毘にふされたという指摘がありました。そして、中川氏も松岡氏も鈴木宗男氏とは深いつながりがありますね。昔、中曽根康弘氏は“中川一郎氏の自殺の原因は知っているが、今は言えない” と親しい人に告白したそうです。


また、ZARDのボーカルの板井泉水さんが、転落死という痛ましいニュースまで…。まだ40歳という若さでガンと闘っていたのですね。 『負けないで』 の曲に励まされた人も多いはず。私も大好きな曲でした。残念でなりません。

自然死ではなかったということに心が痛みます。お二人のご冥福をお祈りいたします。


それで思い出したのが本書です。妙な題名ですが、日本と韓国それぞれを代表する法医学者の対談です。以前に 『検死秘録』(支倉 逸人)という、法医学の本をご紹介しましたが、大変興味深い一冊でした。それで、本書を手にとってみました。

期待通り、日本・韓国、両国の文化の違いが浮き彫りにされており、なるほど近くの国でも考え方の隔たりは大きいとわかります。上野正彦氏は日本の法医学の権威と言える人物で、関連する書籍も多く出されています。

韓国の文国鎮氏も、その道の第一人者。アメリカなどで最新の技術を学び、まさに孤軍奮闘、検死の制度を韓国でも定着させようと努力されています。お二人は犯罪を憎み、物言わぬ死人を哀れむ心で深く理解しあっていると感じます。

目次は以下のようなものです。



 あまりに違う死体解剖

 封印されてきた死体の話

 男女の死体は永遠の謎

 日本の検死、韓国の解剖

 世にも不思議な変死体の数々

 日本と韓国の死生観



北朝鮮による拉致事件で、日本側に渡された遺骨の中には、二度火葬されてDNA鑑定ができないものがあると報道されました。ところが韓国や北朝鮮では現在でも、ソウルなどの大都会以外では、火葬はしないそうです。


それは、「二度殺す」という言葉があるように、遺族にとって火葬というのはむごいと感じられているからです。そんなお国柄ですから、死体を切り刻む解剖などはとんでもないという遺族がとても多いわけです。

解剖によって得られる情報で、死の原因が解明されたり、犯罪の場合は犯人逮捕につながる可能性があるということが、なかなか韓国では理解されないというか、価値観が異なるということですね。時々、韓国で、政治的な抗議手段として、焼身自殺が報道されますが、そこまでしても反対するという意味なのでしょうか。


殺人はもちろんですが、自殺であれ事故死であれ、遺族の動揺はいかばかりでしょう。ご遺族の方々が一日も早く、心の安らぎを得られることを願わずにはおられません。


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