山の軽口ばなし「富士山と姫と兵隊」



▼「富士山と姫と兵士」

【概略文】
 かぐや姫は富士山にも関係があるという。かぐや姫の評
判を聞いた帝は、妃のように愛したという。3年が過ぎた
ころ、姫は不死の薬や手紙を帝に残し天に昇ってしまいま
した。悲しんだ天皇は、預かった薬や手紙を、天に一番近
い富士山頂で燃やしてしまうよう指示。


 勅使は大勢の兵士を連れて富士山に登りました。山は兵
士でいっぱいになりました。そこで「士に富む山」という
ので「富士山」と名づけたと平安時代の『竹取物語』にあ
ります。


 また、室町時代の「富士山縁起」には、帝からかぐや姫
に贈る王冠を預かった使いが富士山で姫に渡し、姫は冠を
つけたまま山頂に登って行ったとあります。


 さらに南北朝時代の『神道集』にも、かぐや姫を寵愛し
ていた国司が頂上にある大きな池(噴火口?)の煙のなか
にほのかな姫の姿を目撃しましたが、姫は煙の中に身を躍
らせてしまい見失ってしまったとあります。


 それ以来煙は消えず不死の煙(富士の煙)というのだと
いう。なお、宝永山の西側に浮き出る雪形をかぐや姫の雪
形とし、雪姫とも呼んでいます。
・山梨県と静岡県との境 


・【説明本文】
https://toki.moo.jp/mail-maga/gate-mail/gate09.html


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山の軽口ばなし「ナマズ神と鹿島槍」


▼「ナマズ神と鹿島槍」

【説明概略】
 山の名はその形からきているものが多
い。槍の穂先のように尖っている槍ヶ岳。
白馬三山の「鑓ヶ岳」も槍と同じ意味で
す。さらに後立山連峰にも槍ヶ岳があり
鹿島槍ヶ岳と呼んでいます。


 この山は室町時代に大地震があり大崩
落し、ふもとの集落が大きな被害を受け
ました。村人は、常陸の国(茨城県)の
鹿島神宮から鹿島大明神を勧請して山に
祭り、山の名を鹿島山、集落を鹿島集落
と改めたという。


 江戸中期の『信府統記(しんぷとうき)』
という本にも「鹿島山トナズケタルハ昔
シ鹿島明神出現アリシトテ此所ニ祭リシ
ヨリ今ニ此名アルナリ」と出ています。


 そういえば、鹿島神宮は地震の神。地
下にいる大ナマズの首と尾が神宮の下で
合わさっているとされ、それを鹿島明神
が「要石」という石で貫き止めていると
伝えます。
・長野県大町市と富山県立山町、黒部市
との境。
・【説明本文】
https://toki.moo.jp/mail-maga/gate-mail/gate08.html


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山の軽口ばなし「振りあげたげんこつと甲武信」


▼「振りあげたげんこつと甲武信」


【概略】
 山梨・埼玉・長野の3県にまたがる甲
武甲斐、武蔵、信濃の三国にまたがると
いうので一字ずつをとり甲武信ヶ岳。三
国にまたが信ヶ岳は、旧国名の甲斐、武
蔵、信濃から一字ずつをとってつけた名
前。


埼玉県側では大空に「ゲンコツ」が持ち
上がっているようなので、「拳(コブシ)」
と呼んでいました。さらに遠く群馬県の
西部では「三国山」、同県浜平では大三
国(おおみくに)と呼んでいたそうです。


このように各山麓から見てそれぞれの
山名で呼んでいたわけです。しかし、い
まの名は甲武信ヶ岳。しかし甲武信と書
いて「こぶし」と読ませるには、やはり
無理があります。知らない人が「こうぶ
しん」と読んでいるのも無理からぬこと。


明治時代、農商務省が地図を作ったと
き、3つの国名の一字ずつをとって「甲
武信」としました。さらに武蔵側で「拳
(コブシ)」呼んでいることに目をつけ
ました。そして甲武信の字を「こぶし」
と読ませたというのです。


機転の効いた頭のいい人がいたもので
すね。また南西の国師ヶ岳と混同され、
コクシと呼ばれていたのがコクシが転化
してコブシになったのだろうとの説もあ
ります。
・埼玉県秩父市と山梨県山梨市、長野県川上村との境。


・【説明本文】
https://toki.moo.jp/mail-maga/gate-mail/gate07.pdf


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山の軽口ばなし「北アルプス・白馬鑓ヶ岳の硫黄取り」


▼「北アルプス・白馬鑓ヶ岳の硫黄取り」
【説明概略】
 白馬岳から南下すると、白馬鑓ヶ岳の
裏側、富山県側に草木も生えない山があ
ります。硫黄の臭いが鼻をつき、野ウサ
ギや小鳥の死がいが転がっているとい
う。

 朱殿坊山で、硫黄がとれ村人は我も我
もと採取に登り、一時は松本藩が税金ま
で課したという。村人たちはなるべく安
全な春から夏かけて硫黄の採取をしまし
たが、やはり場所が場所。

 時々事故が起こり、その人たちの名が
地名になって残っています。白馬大雪渓
下方の猿倉から鑓温泉へ向かう途中の三
次郎台地は、三次郎という人が硫黄を精
製したところ。一方、鑓温泉直下の湯の
入沢にある六左衛門滝。

 その昔、六左衛門が朱殿坊に硫黄をと
りに行った時、鉱石と六左衛門を乗せた
芝ぞりが雪渓を滑り、そのまま大滝の滝
壺に落下。2日2晩頑張ったがついに滝
壺のなかに沈んでいったところと伝えま
す。
・富山県黒部市(旧下新川郡宇奈月町)
と長野県北安曇郡白馬村の境

【説明本文】
https://toki.moo.jp/mail-maga/gate-mail/gate06pdf.html

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