某月某日「房総・鹿野山のダイタ王子伝説」

「房総・鹿野山のダイタ王子伝説」

昔、房総の高殿に住んでいた国王は巨人ダイダラボウを国神とし、
王子の名も大太(ダイタ)と名づけました。


大太は知恵に恵まれていました。ある時、相武の国から逃れてきた
国造が「大和がわが国を襲った。


強大な大和国は、まつろわぬ国々を次々と国を奪い人々を殺してい
る」といいました。「なぜ安らかな国々を侵すのか」。「わからぬ…」。


やがて大和武尊の軍船が上総へ上陸し家々を焼きながら進んできま
す。


その時ひとりの兵士が「あれは何だ」。見ると丘陵の上に雲を突く
ような大男が立っています。


「巨人神ダイダラボウだ」。ざわめきたつ軍に雨のように降り注ぐ
矢。さすがの大和軍もほうほうの体で後退。


丘の上には大太の作った巨大なわら人形が立っていたのでした。し
かしその後大和の軍勢は、執ように攻め続け、ついにこの国も治め
てしまいました。



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