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迫り来たる食糧危機の跫音

2022年03月15日 | インポート


  ロシア・ウクライナ戦争に伴って、世界の食料産出量の4割以上を占めるロシア・ウクライナ産穀物(小麦・トウモロコシ)の輸出はどうなるのか? すでに、どのような影響が出始めているのか?



 ロシアとウクライナの小麦輸出は世界全体の3割 パン・麺類の値上げ確実 3/14

 https://news.yahoo.co.jp/articles/94f8cdd7f9aea0a012ef0f21a4718c75d79a0896



 新型コロナウイルスの第6波が収束する前に、今度はウクライナ・ショックによる「物価爆騰の波」が襲来している。

 ガソリンや灯油などのエネルギー関連や、うにやサーモンといった水産関連の価格上昇が懸念されるなか、さらに家計に大きく響きそうなのが、穀物価格の高騰だ。流通アナリストの中井彰人さんが話す。

 

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 「ロシアは世界4位、ウクライナも世界9位の穀物生産国です。特にロシアとウクライナの小麦輸出は世界全体の約3割を占めている。両国からの輸出が滞れば、世界的な供給不足になって小麦の相場は爆騰します。日本の主な小麦の輸入先はアメリカ、カナダ、オーストラリアですが、世界的な小麦価格の上昇による影響は避けられません」



 急激な値上がりが始まっている小麦粉を原料とするパンやパスタなどの値段は、さらに上昇することが確実だという。すでに6月以降、サンヨー食品は『サッポロ一番』など即席麺を約10%値上げすることを発表している。



 「このままいくと、即席麺が年内にもまた5~10%ほど値上がりするおそれが出てくる」(中井さん)

 また、ロシアとウクライナは飼料用トウモロコシが世界全体の輸出量の約2割を占める「飼料大国」でもある。経済ジャーナリストの荻原博子さんが話す。



 「国産豚や国産牛も、飼料の8~9割は海外からの輸入に頼っています。その価格が爆騰するので、肉類の値段も当然上がります。“魚が値上がりするなら、肉を食べればいい”というわけにはいかないのです。すぐには上がらないと思いますが、半年後には2割ほど値上がりしているおそれがあります」



 飼料価格の高騰は、肉だけでなく牛乳やチーズにも影響する。すでに森永乳業や雪印メグミルクが4月からのチーズの値上げを発表、銀座コージーコーナーも4月1日からシュークリームなどの生菓子や焼き菓子の値上げを決めた。

 日本マクドナルドは3月14日から、原材料価格や物流費の上昇を理由に、ハンバーガーなどの値上げに踏み切る。昨年から値上げを繰り返してきた食用油の値段も、さらに上昇する見込みだ。



 「ロシアとウクライナ両国で、ひまわり油輸出の約8割を占めています。ひまわり油は日本人にはあまりなじみがないかもしれませんが、世界的に見れば大豆油や菜種油に次いで消費されている食物油。ウクライナ情勢が収束を見なければ、年内に3割程度までの値上がりもありえます」(中井さん)

 ※女性セブン2022年3月24日号

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 引用以上



 ロシア、穀物輸出を一時停止 旧ソ連諸国向け 2022年3月15日

 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-grains-idJPKCN2LB1VU



 [14日 ロイター] - ロシアは14日、旧ソ連諸国向け穀物輸出と大半の砂糖輸出を一時的に禁止すると発表した。現行の割当枠の範囲で、引き続き特別輸出ライセンスを付与するという。



ミシュスチン首相は14日、白砂糖と粗糖の輸出を8月31日まで、小麦、大麦、トウモロコシ、ライ麦のユーラシア経済同盟向け輸出を6月30日まで、それぞれ禁止する文書に署名した。

ただ、アブラムチェンコ副首相は、個別のライセンスの下で行われる割当枠内での穀物輸出は引き続き認められると述べた。



ロシア政府は先週、ユーラシア経済同盟の下で無関税の貿易圏を形成している旧ソ連諸国への急速な穀物輸出に懸念を示していた。同経済同盟はロシアの穀物輸出割当枠や現行課税制度の対象になっていない。

 ロシア政府は今回の輸出禁止措置について「対外的な制約の中、国内食料市場を保護」するためと説明した。



 欧州の小麦先物価格は14日、インタファクス通信がロシアの穀物輸出禁止について報じた後に上昇した。報道は当初、禁止の対象外に言及していなかった。

 ロシアは世界最大の小麦輸出国。エジプトやトルコが主な買い手で、主に欧州連合(EU)やウクライナが競合相手となっている。

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引用以上



 旧東側諸国(ソ連圏)に向けた穀物輸出を、6月いっぱいまで停止するとロシアが発表した。

 これは、おそらくウクライナ侵攻の軍事費用が一日、2兆円という試算があり、韓国経済ほどの規模しかないロシア経済のデフォルトが確実視されていることから、穀物価格の大幅上昇狙いと、決済手段の模索が前提にあるのだろう。

  https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-grains-idJPKCN2LB1VU



 これから世界的な穀物価格の暴騰が確実視されていて、現在、少しでも多くの備蓄を確保したい各国の思惑に対して、ロシアが輸出を制限しはじめた。

 この傾向は、ロシアやウクライナだけではなく、おそらく、南米や豪州など世界中の穀物輸出国が「金儲けのチャンス」として、世界的な投機と穀物確保に乗り出すのは確実なことを示す。



 中国は、この数年の水害不作と、これから火山活動による世界的な冷害不作に備えて、大規模な穀物爆買(買い占め)を行ってきたが、今後、ロシアと共同して、第三次世界大戦の準備としての備蓄に走る可能性が強い。

 日本自民党政府は、状況をひどく甘く考えていて、本日の段階でも、来年の穀物不足に対する認識や準備を一切表明していない。

 正直、日本政府には、状況を正しく分析して、日本国民の安全と食を守ろうとする有能な人材がもういないのかもしれない。



 以下が農水省のウクライナ戦争による穀物危機の見通しだ。

 https://www.visiontimesjp.com/?p=31072



 【ロシアとウクライナの紛争により、多くの国では食料価格が高騰するが、農林水産省によると、日本の主要農産物のうちウクライナからの輸入は5%に過ぎず、日本はそれほど影響を受けない。】



 正直、「馬鹿しかいないのか?」と言いたくなる。世界は、交通輸送によって循環しているのだ。ウクライナからの直接輸入が5%だとしても、間接的な需給事情は極めて複雑で、アルゼンチンへの小麦発注が、迂回してウクライナから届いたりするのだから、世界全体の需給を俯瞰しなければ、食料ニーズの真実は見えてこない。

 例えば、日本政府が米国カーギル社に小麦を発注しても、それはアメリカ産を意味するとは限らず、多くは豪州産だったりするのだ。



 戦争のような状況では、小麦の独占的カルテルは、投機的なスポット売買を優先させるのが常識だから、ますます、どこの商品が、どの国に流れるのかはわかりにくい。

 はっきりしているのは、確実に小麦とトウモロコシが不足し、先物価格が暴騰し、派生的なパン産業とか畜産に巨大な影響が及ぶことが約束されている。



 日本政府に、まともな人材がいたならば、とっくに小麦とトウモロコシの非常時備蓄を原油のように行っているはずだが、そんな備蓄システムは存在しない。

 だから、数ヶ月後の小麦供給は、石油よりも、はるかに深刻な事態になることが約束されている。

 もう「日本人の食生活を米に戻せばいい」という話ではなくなっているのだ。米などほとんど食べないという家庭も多くなっているはずだ。



 ロシアへの経済制裁で世界的な食糧危機がやってくる!

 https://blog.goo.ne.jp/mokushiroku666/e/e46fbfa1a1fffbc33e192bcfdb53f247



 ウクライナ侵攻で世界的な食糧供給危機、肥料会社ヤラが警告 2022年3月2日

 https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-yara-food-idJPKBN2KZ0CC



 我々は、今何をすべきなのか?



 この食糧危機の跫音を聞いて、おそらく米相場も上がらざるをえない。

 現在、10Kg 3000~5000円程度の白米価格だが、今年の夏場は、トンガ噴火によってピナツボ噴火時(1991年)のような火山ガスによる冷害が予想されているので、白米も釣られて2~3割の値上げを見込む必要がありそうだ。

 なお、冷害は、太陽活動低下によって最悪、今後、「小氷期」になり200年以上続く可能性もある。



 ピナツボ噴火の1991年、地球気温は0.5度下がったと記録されているが、今年は、おそらく、もっと冷えるだろう。1991年に、マウンダー極小期はなかったからだ。

 追い打ちをかけるように、外国産の穀物輸入が激減するとなれば、戦後歴史上、70年間で初めての飢えを経験させられるかもしれない。



 1945年敗戦後の大混乱による食糧危機を救ってくれたのは、江戸時代末期に青木昆陽が指導した救荒作物=甘藷だった。

  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E6%98%86%E9%99%BD



 江戸時代後期は、マウンダー極小期の影響を受けて寒冷だったが、南国の甘藷は、西日本の多くの飢えを直接救うことになった。

 https://colorfl.net/aokikonyo-satsumaimo/



 したがって、これから起きる食糧危機への対処として、私は、①甘藷 ②馬鈴薯 ③蕎麦 ④トウモロコシ ⑤里芋などの自給自足体制が必要になると考える。

 現代の品種改良された、美味しい米は、たぶん寒さに弱いのではないだろうか? かつての農林2号の再来が待ち望まれるが、馬鹿な自民党政府は、種苗の法的保護を廃止してしまった。

 http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1449.html



 芋類は、収量が多く、飢えを解決するには、もっとも手っ取り早い作物であり、例えプランター栽培であっても、育て方のシュミレーション訓練として大きな意味を持つ。

 私も、中津川市に移住して、70坪の小さな畑で、毎年芋類の栽培を続けてきた。馬鈴薯は連作障害でピンポン球みたいに小さくなってしまっていたが、輪作によって、そこそこうまくできるようになった。

 最近の鶏糞には石灰が多く含まれているので、ソウカ病になりやすい。



 栽培技術は、プランターで修練できるので、基本知識を得るために、毎年プランターで甘藷・馬鈴薯・里芋を作っておけば、いずれ拡大栽培をするときも役に立つ。

 なお、甘藷は連作障害が起きないので、毎年同じ場所で作ることができる。石灰分や肥料分の多い場所では、うまく育たないので、甘藷専用畑を作ったほうがいい。

 ただし、ネズミ食害がひどいので、ついでにアオダイショウやシマヘビなどが共生してくれるとありがたい。

 なお、里芋は連作障害がひどく、7年に一度しか作ることができない。馬鈴薯は3年に一度程度。



 芋類は基幹食料として使えるので、長期保管方法なども習得すべきだ。里芋・甘藷を寒冷に晒すと凍結して食べられなくなる。かといって土中だとネズミに食害される。

 箱に入れて土中に埋めるなどの対策が必要である。馬鈴薯の場合は、100坪の畑で一人の一年分の食料をまかなえるので心強いが、ただし三年に一回だ。

 主食さえ確保できれば「鬼に金棒」なので、あとは、鶏や山羊を飼育して卵や乳を利用すればよい。試料のトウモロコシも自作すればいい。草刈りは山羊に任せる。



 すでに何度も書いたが、農業経験のない素人が孤立して自給自足を目指しても、ほぼうまくいかない。

 必ず、農業経験者を中核に、10~20名の徒党を組んで農業共同体を目指すべきだ。

 これからの時代は、仲間がすべてであり、カネよりもはるかに価値が高い。

 仮に1000万円持っていても、戦争による1000%のハイパーインフレが十分に考えられるので、価値は激減する。カネに頼る発想は通用しない時代になる。

 信頼のおける仲間と手を携えて生き抜くことだけが、未来を保障するのだ。