リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

「日本の、これから」医療安心できますか?

2006年10月14日 | Weblog
 NHKのどうする「日本の、これから」医療安心できますか?という討論番組をちらり見た。

勤務医、開業医、日本医師会長、医療ジャーナリスト、患者代表、厚生労働省官僚など論者をあつめた討論番組。まぁ、予想通り多少ピントを外れたことを言っていた人もいたが、進行も上手でなかなかよい議論だった。

 社会資源は有限であり、すべての人に最先端の高度医療をもたらすことは不可能だが、ベストエフォートでベターを目指すことは必要。限られた医療費のパイ(パイが小さすぎるという意見もあるが)をコスト効率を考え、薬品産業や医療機器メーカ、人件費、事務部門などでどう配分し、患者、市民の幸福に寄与できるかという観点も必要だろう。現場の声も聞いて、政治家、役人はがんばって欲しい。

 市民には、『医療はサービス業ではなく安全保障、社会共通資本であるという認識』をもって共闘して欲しい。医療の使い方を上手になってほしい。

 現場の医療従事者は大変な状況であるが、限りなく変化していく中で最善を尽くすしかない。ただただ立ち去るのではなく力を合わせて現状を変える力となって欲しい。

 ジャーナリストには医療者をただたたいて医療不信をあおるだけではなく、きちんと現場にも来て伝えるべき情報を伝えて欲しい。(やっとそういう流れになってきたが。)
 
 アンケートでも「高負担で十分な補償」と答えた人が「低負担で市場原理」を望む人よりも3倍くらいいた。希望の持てる結果だろう。

 非医療者は、健康や死のことを医療者にアウトソーシングしてしまうのではなく、医療の現実や自分の健康、死について責任をもって考え、医療を育て、医療を上手にりようできるようになってほしい。

 そのためには医療現場からの発信、情報公開がもっともっとなされなければならないのは言うまでもない。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トラバ、ありがとうございました<(__)> (斗夜)
2006-10-19 00:29:22
先日はトラバ、ありがとうございました。



>ジャーナリストには医療者をただたたいて医療不信をあおるだけではなく、きちんと現場にも来て伝えるべき情報を伝えて欲しい。



同感ですね(^^;)

「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてんだ!」(from 「踊る大捜査線」)

は名言です…。
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