リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

北海道の放射線治療事情

2011年08月21日 | Weblog
北海道の大学で放射線治療医をされている先生に北海道の状況と、当地での放射線治療設備の配置について意見をうかがった。

「北海道の場合だと例えば帯広厚生病院では年間400人程度の照射患者がいます。帯広は人口20万人ですが、十勝全域にはおそらく50万人程度でしょうか。6万人だと年間40-50人程度でしょうか。年間100人は照射しないとペイしないので厳しいかもしれません。放射線治療装置を入れたとして、常勤や出張の放射線治療医は確保できるのでしょうか?北海道は中核都市にしか放射線治療装置がないので、例えば稚内や根室の患者さんは旭川や釧路に来ています。日高在住の方は苫小牧まで来ています。通えない場合が多いので、照射中は入院して照射しています。」
とのコメントをいただいた。

北海道の人口の半分を占める札幌圏と幾つかの中核都市はともかくとして、それ以外の地方はかなり悲惨な状況だ。
松本まで30km~60kmなどというレベルではなく100~200kmは離れている。
さすが広い、遠い、人少ない北海道だ。


もっとも信州でも特に高齢者は入院して放射線治療をすることもけっこうあるようだ。
入院生活が快適ならいいが、病院のまわりのウィークリーマンションなどから通うという手もあるかも。





同縮尺の地図にマッピングした認定放射線治療施設

他の北海道で医療をおこなっている先生から、それでも長野は恵まれているという声も聞いた。

新潟県より大きい道北エリア(人口20万、留萌、名寄、士別、稚内など)にも、がん診療連携拠点病院が一つもないのは驚きであった。
結局、ある程度のスケールと背景人口がないと拠点ができない。それならば、待てる「がん治療」は設備も人もそろっている中核都市で入院して治療をうけたほうがよいという判断なのだろうか?



それにしても、がん診療連携病院は名だたる大病院ばかりである。
がん診療はともかく、北海道の地方の中核病院は重装備である。
それこそ次の町までかなり遠く2次医療圏である程度、完結しなければならないから・・・。
(長野県で言えば県立木曽病院のように)




最新の画像もっと見る

コメントを投稿