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精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

IT化に乗り遅れた病院は若い医師には選ばれない。

2006年09月22日 | Weblog
 高度な事務処理能力というのもコンピュータに任せることで、かなり代替できるはずである。(高度な情報処理能力が必要だが)カルテはどこへ行った?画像はどうなった?といった情報伝達のコスト、記録や似たような書類をいくつも作らなければならないときに時間がかかることに対するコスト。紙メディアを使うことで情報伝達が送れ、しいては緊急時に不十分な情報で判断せざるを得ない危険性。

 これらのITを使わないことに対するデメリットを考えると、アリバイ的な書類が増え重要な情報がまぎれて、煩雑な事務的雑用に現場が忙殺されてしまうようになった今こそIT技術を活用するべきだろう。

 当院から電子カルテを独自開発運用している他の病院に移った医師の話では「もう電子カルテのない病院には戻れないと思う」という声も聞く。IT技術もやっと成熟とえいる段階に入ってきた。キーボード入力やコンピュータに抵抗感のある層へ配慮するあまり、電子化をすすめることに消極的な病院は若い医師、スタッフにとって魅力の無い病院になってくるだろう。
 
 「どうして情報技術がこの病院で上手く導入され利用されないのだろうか?」ということを話していて、情報技術は、あまりに急速に発展したため、コンピュータになじみのうすい病院を仕切っている層の人たちにはそのメリットを理解できないためだろうという結論に達した。pre-IT世代にIT技術を活用することで得られるメリットをわかりやすく提示していく必要もある。現場の知やシステムを、IT(最近はICT(Information communication technology,医療現場ではinfection control teamと紛らわしい。)を活用して再構築を図っていきたいものだ。

 「まだ電子カルテが標準化されていないから」などとできない言い訳ばかり探すのはやめて患者にとってのメリットも大きいのだから、なんとかITを活用すべくそういったことに長けた人材の採用や登用をすすめてもらいたい。

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2 コメント

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Unknown (おおやま)
2006-09-23 04:16:33
 システムエンジニアをしています。



 停電時や災害時の電源供給や、LAN、WAN の機能が停止しないことも盛り込んで IT 化されているんでしょうかね。



 私も各自治体の電子カルテシステムの実験プロジェクトに参画したことはありますが、そのようなシステムにとっての非常時について考慮されているシステムは皆無でした。



 現状の現場ではどうなんでしょうか。



 例えば車の免許の話になってしまいますが、先の阪神・淡路大震災では電源供給そのものがストップしたおかげで、コンピュータはもちろん、通信も全てダウンしました。免許の更新手続きは、職員の方がプリントアウトや台帳をめくって、手作業で一日に何百人とやってくる人達の免許の更新手続きを行っていました。



 また無停電電源装置というものが、クリティカルなシステムには導入されていますが、無停電電源装置というものは、停電時に電源を供給するのが目的ではなく、停電時にいきなりコンピュータがダウンすることで、データが破壊されることを防ぐためにあるもので、あくまでコンピュータを無事に電源 off にしていい状態にまで電源を維持するための装置に過ぎません。



 あまりコンピュータを過信してはいけません。

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Unknown (といぴ)
2006-09-23 10:37:55
コメントありがとうございす。



医療はリスクを減らし、非常事態に備えるリスクマネジメントが基本です。



でも現実は穴だらけです。



災害時の受け入れ訓練や避難訓練なども毎年おこなってはいるのですが・・・・。



病院も雷などで年に数回は停電になります。

自家発電に自動的に切り替わりますが・・・。



電源も何系統かあり、リスク管理の段階(患者の重症度)でスタッフの配置や、リスク管理の手厚さが異なっているようです



 人工呼吸器など重要な装置には各々に無停電装置が付いていますし、最悪手動で対応します。



停電のあとは呼吸器のチェックなどに走り回っています。



 時々オーダリングシステムなどの情報システムはトラブルやメンテナンスのため停止し伝票での運用になります。



 その間は、処理能力が落ち、患者の待ち時間が増え、「お詫びの放送がながれ」ひたすら復旧を待つような状態になります。



・・・・たしかに過信はできないですね。

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