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精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

雪景色は脳に優しい~銀色の夢

2009年12月31日 | Weblog


私は雪景色がとても好きである。
雪が降ると心がとても落ち着く。
世界をモノトーンに変えてくれるからだろう。
東京などに行くときょろきょろしてしまい数時間で情報がオーバーフローし頭痛を起こしてしまうスペックの頭である。
雪が降ると世界は白黒のコントラストが中心になり、情報量が減りオーバーヒート気味の疲れた脳を優しく癒してくれる。
雪が積もって晴れわたった夜などは最高だ。
雪はなんでも思いどおりになると思い上がった人間の頭を冷静になれと冷やす。
思索には寒い雪の降る地方の方が向いていると思う。

私の雪のイメージは森高千里の「銀色の夢」だ。
大好きなムーミンの世界のような雪と針葉樹林、オーロラの景色をもとめて北へ北へと北欧に行ったこともある。

そんなわけで雪のない温暖な地方の出身ながら、北国、雪国に住みたくて北海道、そして今は信州と移り住んでいる。

北アルプスの麓の当地は北は白馬などのスキーリゾートがあり北へ行けば行くほど雪が多くなる土地柄である。
大町までいくとそれなりに雪が積もるが南に下り松本まで行くと雪はほとんどなくなる。
そういうことを反映して、この辺りでは「1mでも南に嫁にやれ」という言葉があるらしい。

信州の人は北海道の人にくらべて雪かきを徹底的にやるような気がする。
中途半端に残すと解けて凍ってしまうからだろうか。道に雪を残すまいと最期にホウキで掃くのだ。
でもこれは律儀で生真面目な信州人の気質を現しているような気がする。
本格的に雪が積もる地域(飯山など)はまた違うのかもしれないが。

信州でも温暖化は確実にすすんでおり昔よりは雪も減っているらしい。
校庭や田んぼに水をはってスケートリンクをつくり冬の体育はもっぱらスケートだったというのは昔の話だ。

雪は少ないほうが楽だとは言うもののスキーリゾートであり民宿やホテルなどの多い白馬・小谷では雪が降らないことは致命的だ。
だから白馬では最近は「雪乞い」がおこなわれているらしい。

白馬にはオーストラリアやニュージーランドからスキーと温泉をもとめて観光客が大量(年4万人だそうだ!)に訪れる。
北海道のスキーリゾートのニセコなども同様のブームだ。彼らは長期滞在してくれるので日本人がスキー・スノボ人口が減った分を補ってくれている。
架け橋にとオーストラリアから移り住んでいる人もいて、地域に溶け込み地区の区長をつとめた人もいると新聞にでていた。
雪が好きな人はどこの国にもいるらしい。

しかし私のいる安曇野までくると雪は降っても冬景色はそれほどつづかずじき溶けてしまう。
雪もサラサラした粉雪ではなくやや湿ったボタ雪が多い。

かつて住んでいた札幌は降り出せば一晩で何十センチもつもるドカ雪であり、冬の間中はずっとモノトーンの雪景色であった。
サラサラとした粉雪は踏めばキュッキュと音がしコートを払えばハラハラとおちるので傘は持たずにすんだ。
歩くスキーが冬場のいい運動であり、2月の雪祭りでは毎年サークルで2mの立方体を削り、雪と水を混ぜたものをこねて雪像を作ったものだ。
冬場は誰かの家に集まって鍋というのが定番であった。
ゲレンデスキーはあまりやらなかったが、雪の山や民宿にとまる雰囲気は好きだったので行事としては参加した。
札幌の道は圧雪された道路はスタッドレスタイヤで磨かれてツルツルになる。
横断歩道ではシーズンに1回は転倒した。
そんな道を長靴をはき、手作りのスパイクタイヤをはいた自転車で学校に通った。
冬に向かっていく10月~12月の晩秋はたまらなくせつなくなり、春に向かっていく3月~5月の時期は心がウキウキするのを抑えられなかったものだ。

雪が降るとそんな北海道の冬が懐かしく思い出される。


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