リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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Reha2.0

2006年06月29日 | Weblog
リハビリテーション科は病院のもっとも出口に近いところに位置している。
(もっとも最近は入院してすぐの急性期からも関わるようになってきたが。)
結果、リハ病棟には各科からいろいろの事情で退院が困難な人が集まってくる。
そんな方に対して、なんとかチームで地域で暮らせるようにアプローチする。
患者さんに対するアプローチとともに地域に対するアプローチもあわせておこなう。障害を持っているとは地域を、社会を変える力があるのだ。
日々の活動を粘り強く行うことで地域も変わっていくと信じている。

WEB2.0という言葉が流行のようだが、リハビリテーションにもバージョンがあると思う。もっともこれはリハ技術というよりは、リハの思想の話だが。
 
Reha1.0 は患者個人に対してのアプローチ。訓練室中心の引きこもりリハ。依頼があった患者さんに対して、リハビリの先生として訓練室で患者さんに対して身体障害にアプローチする。しかしReha2.0のほうがより先進的と思う。
 
Reha2.0は病院全体に対してのアプローチ。病院中にリハのスタッフが散らばり、病棟スタッフや主治医と密に連携をとりながら、リハを行う。リハが必要な患者さんにはこちらから拾い上げてリスクマネジメントのもとで早くから積極的にかかわり廃用などは起こさせない攻めるリハだ。リハの得意なADL、QOLなどリハの考え方や技術、チームアプローチを院内全体に根付かせていく。退院支援もどんどん行いReha3.0へつなげる。

Reha3.0は地域に対してのアプローチ。スタッフが黒子として地域にどんどん出て行き、障害とともに生きる個人や家族の生活を支え、病気があろうと障害があろうと生きていて良かったと思えるようなユニバーサル社会をつくっていく。

 当院の現状でもさまざまバージョンのリハが混在しており、どれも重要ではあるが、バージョンアップを意識して新しい時代のリハを拓かなくてはいけないだろう。