僕がまだ小さな子供だった頃、母が買い物に行っている間、ストーブに乗せていたヤカンを倒してしまったことがあった。<o:p></o:p>
床にこぼれたお湯を踏んで大声で泣き叫ぶ僕。<o:p></o:p>
すると、近所のおばさんたちと共に家の近くまで帰ってきていた母がすっ飛んできた。<o:p></o:p>
そして母は僕を台所まで担いで、僕の足を水道水で思いっきり冷やしてくれた。<o:p></o:p>
その母に僕は鬼気迫るものを感じた。<o:p></o:p>
おっかなかった。<o:p></o:p>
でも今ではいい思い出になっている。<o:p></o:p>
なりふり構わず、母は僕を助けようとしたのだと思うと、心が温かくなる。<o:p></o:p>
お母さん、ありがとう。<o:p></o:p>
こういう記憶が僕を本当に救ってくれるのだ。<o:p></o:p>
「心に深い傷を受けたように感じる時や、もはや自分の神経を支配できそうもない時は、そのような状態で人に会う事は避けた方がよい。」
「人から同情してもらいたがるのは、一つの弱点であり最も優れた人には決してあり得ない事である。」