就職活動もろくにせず、親のコネで就職できる学生。
今でもいるのかな。
けれども、当時の僕は父から「おれのこと当てにしないでくれな」とはっきり断られてしまっていた。
父は大手の保険会社の人事部長で、僕が精神医療のお世話になりだしてから数年後、役員(専務理事)になるほど出世したのに、僕はその恩恵を全く受けられなかった。
父に悪意はなかったと思う。
ただ、ハングリー精神を、息子にも求めただけである。
自分にできたから、こいつにもできるだろうと。
まあ、どうせコネでいい会社に入れても、精神を病みつつあった僕では、失敗するのは目に見えているが。
でも、あの頃は本人に病識などないし、周囲にも僕の異常性に気づいた者は一人もいなかった。
しかし、あの時、焦らず、のんびりできたら、どんな人生になっただろうと思う次第。
逃げ道がなかった。
自分で塞いでしまった節もある。
それが残念。