もはやお金で買えないものはほとんどない。
そんな世の中においてお金を増やそうと考える者がいるのは別に不思議ではない。
この世のほとんどのものと交換できるお金は人に保有する額が多ければ多いほど何でもできるかのような全能感を与えてくれる。
多くの日本人が低金利にもかかわらず貯蓄に熱心になるのもそのためだろう。
こうなるとお金とは一種の神だ。
彼らはお金という偶像神に仕えているのだ。
実際、信頼感が命という点でお金は宗教と同じだ。
交換できるのはお互い信頼関係があってこそ。
そうでなければお札はただの紙切れに過ぎないからね。
そうすると自分だけ救われようと躍起になるのは変ではないか。
お金は使ってこそ意味がある。
お金を使えば少なくともお金を使ってもらった他者の懐は潤う。
一種の人助けになるわけだ。
しかしけちん坊はそんなことにはお構いなしだ。
何を恐れているのか知らんがひたすらため込む。
この流れが僕らをどこへ連れていくか知る由もないが放置しておいて構わないとも思えない。