危険な正直者

数日前、なぜか作業所の厨房で一緒に働いているYさんが「私って正直だからさあ」と何度も言うので、僕は「統合失調症の人も正直だよ」と答えた。

「というより嘘がつけない（嘘をつく能力がない）」、「嘘をつくって大変だろ、頭使うから、前後の辻褄合わせなきゃならないから」と言ったら、Yさんも納得してくれたようだった。

けれども、世の中にはこういう危険な正直者も必要なのだ。

大人が霧の晴れた青空も忘れないように。

子供は正直。

遠慮がない。

それはそれで素晴らしい。

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優しさと欺瞞

「僕は君が処女じゃなくてもいいよ」という男は優しい。

 

でも優しさは愛じゃない。

 

ただ彼は相手を悲しませたくないのだ。

 

たとえ欺瞞の霧に覆われようとも。

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