1995年1月22日、29歳の時、生まれて初めて下血した。<o:p></o:p>
でも、深刻に受け止めず、しばらくの間、痛みに耐えていた。<o:p></o:p>
そうしたら、痛みだけではなく、体が寒くて仕方がなくなった。<o:p></o:p>
結局、僕は、ガタガタ震えながら、夜間に救急車でI病院に担ぎ込まれた。<o:p></o:p>
ズボンを下ろされ、数人の看護師が見守る中、手袋をはめた医者によって肛門に指を突っ込まれた。<o:p></o:p>
痔を疑われたらしい。<o:p></o:p>
情けない気持ちになった。<o:p></o:p>
後で父から「人間の尊厳を剥奪されたような気持ちになっただろ」と言われたが、まさにその通りだった。<o:p></o:p>
僕の場合、女性体験というものがなかったから、屈辱感も一入(ひとしお)だった。<o:p></o:p>
できたら現場にいた連中に同じことをやり返したかった。<o:p></o:p>
彼らは、僕の命を救うために、適切な処置をしてくれたのだ。<o:p></o:p>
理解している。<o:p></o:p>
理解しているのだけど、なかなか割り切れなかった。<o:p></o:p>
病名は大腸炎だった。<o:p></o:p>
入院中、息ができないくらい痛かったが、治ると体が温かくなり幸せな気持ちになった。<o:p></o:p>
この体験によって、僕のナルシシズム的な傾向はかなり薄まったような気がする。<o:p></o:p>
だから結果的によかったのかもしれない。<o:p></o:p>
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