資料としてネズミ、モグラ、鳥の骨の一覧を配りました。
これに対応する形で今回の検出物を並べてみました。ただし尺骨(つまり前肢の下方)の鳥は未確認だったが、爪が検出されたので、ここに並べました。
検出物の数を数えたら次のようになりました。
これから左右の多い方を取り上げます。そうするとアカネズミ8、ハタネズミ10、ヒミズ9、モグラ1となります。この巣箱はK3という番号で、ここではアカネズミとハタネズミがほぼ半数食べられていたということになります。
こういうサンプルが7個送られてきたので、残りをこれから分析します。
このほか、次のようなものが出てきました。おそらくフクロウと思われる焦茶色の羽毛のほか、黄色いものがありました。これは違う鳥だと思います。
ネット検索したらカワラヒワの羽毛がそっくりでした。
カワラヒワの羽毛(ネット情報)
そのほか注目されるものとして次のものがありました。ヒミズの上腕骨で、ヒミズというのはモグラの仲間でモグラよりはずっと小さい動物です。これが16本もありました。
また非常に特殊なものとしてモグラの鎌状骨が2本検出されました。モグラは土を掘るために腕が非常に良く発達しており、掌(てのひら)も驚くほど大きいです。その掌を野球のキャッチャーミットに例えると、親指の外側にもう一つ骨がついていて、それが鎌あるいはブーメランのような形をしています。
これの妙味は、土が柔らかいときは負荷が小さいので、そのまま広い面積の土を掘れますが、土が硬いと負荷が非常に大きくなってモグラはそれを後ろに運べません。そのとき、この鎌状骨が自然に折れ曲がって掘る土の量が減って、その分の負荷が小さくなるというわけです。実にうまくできているます。これはいわばモグラの「第6の指」といえます。ただ不思議なことに掌そのものは出てきませんでした。