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玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

ぽんぽこ便り 棚橋です

2016-12-10 05:30:20 | ぽんぽこ便り
 

 上京して初めて一人暮らしをした場所が、武蔵美(武蔵野美術大学)のある小平市でした。春先に引っ越し、農地の多さと砂埃に、東京のイメージとはちょっと違うところだと思ったことをよく覚えています。
 それからかれこれ20年ほどになる今年、初めてここにタヌキがいるということを知りました。小平市在住の生態学者、高槻先生が玉川上水に隣りあう津田塾大学構内にタヌキがいて、タメフン場を見つけたというのです。タメフンを見つけたのは関野吉晴さん。探検家で医師、武蔵美の文化人類学の教授でもあります。関野さんが2016年春に立ち上げたプロジェクト「地球永住計画」の一環として、足元の自然や文化を調査していて、私(棚橋)も共同研究者のひとりです。このプロジェクトに高槻先生に指導役として入ってもらい、玉川上水の生き物調査が始まることになりました。


ぽんぽこ便り タメフン発見

2016-12-10 04:39:10 | ぽんぽこ便り
津田塾大にタヌキがいることが確認できました。それは大きな発見でしたが、私(高槻)にとってはもっと重要な発見がありました。それはタメフンの発見です。
 数人で津田塾大のキャンパスを歩きました。常緑樹の多いなかなか立派な林があります。私たちはタヌキのタメフンを探していたのでした。タヌキは決まったところにフンをします。それが重なって溜まってくるので「タメフン」といいます。フンがあると、それを顕微鏡で調べると何を食べているかがわかるのです。
 ところが小一時間歩いても見つかりません。これまでの経験からすると、いかにもありそうなところがあるのですが、見つかりません。あきらめかけていたとき、先に歩いていた私を津田塾大のバージェス先生が呼びにきました。
「先生、見てもらいたいものがあるそうです」
「あ、そうですか、戻りましょう」
そう言って笹薮にいた関野先生のところに行きました。地面を見るとまぎれもないタヌキのタメフンがありました。


見つかったタメフン。ギンナンの白い種子が見える。

「まちがいないです、タメフンですよ。よかったー!」
しゃがみこんで私はさっそく糞を拾いはじめました。バージェス先生はみてはいけないものを見たような顔をしています。3月1日のことでした。

ぽんぽこ便り 玉川上水にいるの?

2016-12-10 02:04:42 | ぽんぽこ便り


とはいえ、玉川上水にほんとにタヌキはいるのでしょうか?数年前に私(高槻)は学生と調べたことがあります。玉川上水の初めのほうから終わりのほうまでたくさんのセンサーカメラをおき、その前にドッグフードをおいておきました。そうしたら数ヶ月のあいだに100以上のショットがとれました。タヌキが一番多く、そのつぎはハクビシンでした。井の頭あたりでもよく撮影されました。


玉川上水で撮影されたタヌキ

 ですから、玉川上水にタヌキがすんでいるのはまちがいありません。東京の市街地にタヌキがいるときいたら、世界の人は驚くはずです。




ぽんぽこ便り 初めに

2016-12-10 01:58:17 | ぽんぽこ便り


玉川上水の生きものの調査をするにあたって、すべての生きものを調べることはできないので、焦点を当てる動物を考えました。それがタヌキです。その理由はなんといってもタヌキは玉川上水に「でも」いる野生動物だからです。おもえば中型サイズの野生動物が都市にすんでいるというのは珍しいことです。私は自然が好きでそれを調べることを職業に選んだくらいですが、自然を守るというと原生自然を手付かずに守ることと、絶滅危惧種あるいはすばらしく美しいとか、特殊な生態をもつ動植物を守ることに力が注がれます。それはそれで大切なことではありますが、その行き着く先は、ありふれたふつうの生きものは守らなくてもよいということになります。私はそれは正しくないと思います。ありふれた動植物にも、あるいはそれらにこそ、暖かいまなざしを注ぎたいと思うのです。貴重な生物は専門家でなければ調査できませんが、タヌキなら誰にでも調べることができるし、タヌキに代表されるありふれた生きものだからこそ誰でも見て、調べることができる、そのことが大切だと思うのです。
 2016年の春から調べはじめましたが、その活動は武蔵野美術大学の関野吉晴先生が進めておられる「地球永住計画」の活動のひとつに位置付けてもらい、それに参加した棚橋早苗さんが協力してくださることになりました。このコーナーでは私たちが調べることにした玉川上水のタヌキについて報告していきます。
2016.12.24