ひねもす日報

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Tさんのこと

2015年12月11日 | 将棋
 毎日お馴染みの顔が遊びにきてくれて、時々の児童がそこに混じる、
わたしの職場である放課後クラブ。夕暮れの校庭へみんなと遊びに
出た時に、2年生のいつもはクールな男の子が、「空がきれいだね」
と言った。わたしも靴をはいて外に出て、そう思っていた。
いつもは意地悪な一年生の女の子が「いちょうがきれいだよ」と言った。
木々の色が変化して綺麗と、わたしは一年生の時に思っただろうか。
記憶はない。毎日同じ子らと接していて、時折わたしの心の奥まで
ぐっとしみ入る言葉を貰えうことがある。この仕事のギフトみたいな
ものかなと、半年を経て思う。この心の奥に届くことば。それは
少女時代をシラけて斜に構えたまま終えたわたしでは、思いもよらない
言葉たち。

 職場に介護が終わったからとカムバックしてきたTさん、
66歳くらいのおばさまがいる。二学期になって初めてお会いした。
彼女の評判は、「最初は一緒に働けないと思った」「パワフルで、
今までに彼女のような人に会ったことがない」ということだった。
実際に会ってみると、言いたか言いの、やりたかやりというように
見え、最初はヤだなと思った。おしゃべりのマシンガントークも
すごい、世話焼きオバハンだった。けれど、数カ月一緒に働いてみて、
今は彼女から学ぼうと思うようになった。「わたしはね、両親が
教師で自分も教師になろうと教職取ったんやけれど、病気になって
叶わなくてね。その後専業主婦して、娘たちが巣立ったら
義父の介護を自宅で10年したの。病院入れたらかわいそうでしょ。
その介護が自宅では終わったのが56歳で、そこから今後は世の子ども
たちのために働こうと思って初めて仕事したの。働くことが出来る
って幸せよ。仕事したかったから」みたいなトークを最近聞いて、
感じ入った。彼女の経歴はその年から試験を受けて児童館で
勤務。わたしもこの業界に入るまで知らなかったが、児童館と
区から委託された業者が行う放課後児童は全く趣が違う。役所管轄の認可保育園と
私立の保育園みたいな感じか。グイグイくるおばちゃんトークだが、
物知りで何でも出来て社交的。わたしは母が亡くなっているので、
一般常識のようなものが足りていなく感じる。その辺りのことを
彼女に聞くことが多い。昨日は職場の行事でもあったので指編みを教えて
もらった。彼女と話していると、馴染みサロンのゲイのお兄さんを思い出す。
サバサバ嘘がなく話してくれる相手とのトークは楽しい。
年度明けはけん玉大会となる。正月休みはけん玉練習しよう…。

 前に東京都内バスツアーの車窓から、白金のF.O.B COOPが
閉店しているのを見た。気になってネットで検索すると、
あれが最後の店舗だったとのこと。ここのオーナーが、わたしが
初めて勤務したホテルにテナントを出店していて、一度接客を
したことがある。すごくパワフルで素敵な方だったのを覚えている。
クリストガーネメス氏も接客をし、サインを頂いたのはよい思い出。
接客ついでにサインもらうのは、当時の若さゆえですよね…。

 近所のおばあちゃまから頂いた山形のりんごが美味しすぎる。

○今日の弁当○
 数年前に「弁当力」という本を読みいたく感動したのだが、
その続編にあたる「もっと!弁当力」を読んでいる。息子にも
弁当作らせたいが。
 最近は週に一度弁当を将棋サロンに持って行く。
サッカーの後そのまま将棋へ行く日は、将棋の時間がどうしても
いつもより短くなる。弁当を持参し、帰宅したら風呂入って寝る
だけとすれば、少しでも将棋時間を伸ばせるだろうというもくろみ。

○not ネット○
 先日将棋用品店へ行った際にそこの店主と話していた時のこと。
「今の人はネットで将棋指しちゃうんですよ。どんどん外に出て
人と対局して欲しい」と言われた。共感。時折利用するネット
将棋ではあるが、わたしが思う将棋のステキさのうちの一つに、
人と対局することがある。ひとりでは対局出来ない。必ず
誰かが目の前に座る。その人はチームメイトやクラスの友だち
とは限らない。おじさま、おじい様、女の子など様々な
年齢性別の人が座る。もう二度と会わない人もたくさんいるだろう。
そこで必ず勝敗がつく。その後最初からの手を振り返り、感想戦を行う。
これを全部人とやるところがとても魅力的だなと思っている。
コメント
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