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22年度版整備白書からの報告ー2.工賃売上構成比が減少!

2011年06月14日 | 業界動向


おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、22年度整備白書からの報告ー2.売上構成比を考える、です。

整備売上がかろうじて前年を上っ回たが、売上構成比を見てみると、工賃売上構成比がH21年の48.4%
からH22年は45.1%と前年と比べて-3.3%も下がっている。

下がった分が部品売上げが膨らんでいる。部品売上構成は、H21年36.1%がH22年では39.2%で
+3.1%と丸々工賃分のマイナス分が部品売上になっている。

これは、整備粗利益に影響することになる。仮に、売上高が同額で、部品や外注の粗利益率が同じだ
とすれば、粗利益率が100%の工賃売上構成比が少なくなれば、粗利益は少なくなってしまう。

ご承知の通り粗利益は、損益計算書で一番初めに出てくる利益の総元で、ここから人件費、
物件費が賄われていく。したがって、工賃の売上構成比が下がることは、経営上大きな課題
になる。

エンジニアではなくチェンジニア、なんて皮肉っぽくメカニックのことを表現することがあるが、
最近の整備作業は、パーツの交換作業が多くを占め、調整や点検、あるいは加工などの本来の
テクニカル的な作業が少なくなっていることも、工賃売上が下がっているのではないだろうか。

特に、クルマが高度化するればするほど、調整や清掃などの技能を発揮する作業から、
パーツの交換作業が多くなる傾向があり、こうしたことも工賃売上が下がる。

また、フロントの素人化が工賃比率を下げる要因になっているのではと推測している。
フロントのIT化が促進され、コンピュータの操作ができて、標準作業点数表が見れれば、だれでも
納品請求書が作成できる。

このため、部品出庫伝票から工数を探し、値付けをするのでどうしても交換作業に伴う、点検、
増し締め、清掃、調整などあることが素人ゆえにわからないので、これらの作業項目が抜けて
しまうので、工賃が下がることになる。

こうしたことに対策するためには、作業をセット化し、作業コード入力によって、すべての作業項目が
表示される仕組みが必要である。

また、繰り返しになるがフロント担当者に対する「技術講習」を受講させることだ。
さらに、新しい修理が入庫した場合は、メカニックに事細かく作業内容を指示書に記入してもらい、
それをお手本にして作業項目を正しく請求することである。

加えて「診断」に伴う料金を請求することだ。名称は「初診料」や「故障診断料」など専門技能を発揮した
ことを、イメージできるものとし、必ず請求する習慣をつけたい。

私は、部品交換などの作業よりも、診断や点検などの方がよっぽど価値があると思っている。
故障原因が掴めれば、お客さまはカーショップやネットから必要なパーツを購入し、自分で交換を
することができる。

しかし、故障原因が掴めなければ、手先が器用なお客さまであっても、交換作業ができない。
こうしたことからも、正々堂々と診断料や点検料を請求していきたいものである。


株式会社ティオ
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