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ホリデイ現役添乗員日記

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「宙に浮かんだ世界遺産」メテオラの修道院

2011-05-18 21:39:23 | ホリちゃんその他
ホリちゃんです。この前お話ししたように、古代から栄えたエーゲ海の島々は、今は観光と癒しの地として人気を博しています。ギリシャ本土の北部には、ギリシャ正教の聖なる山と神々が住むオリンポス山がそびえ立っています。ギリシャ最高峰のオリンポス山(2917m)の南西100Kmに、「宙に浮かぶ修道院群」のメテオラがあります。

   

   

ホリデイツアーの「7つの世界遺産をめぐる充実のギリシャ周遊8日間」というツアーに参加さますと、メテオラホテルが指定で、ホテルからこのメテオラの奇岩・高峰を
眺められます。宿泊先のカランバカは、メテオラの巨岩群のすぐ足元に開けた町で、ホテルから、修道院へ向かう途中にも、下から修道院を見上げるビューポイントがあります。

   

   

こうした断崖絶壁は見事ですが、何故人を寄せ付けない険しい場所にわざわざ選んで修道院を建てたのか、素朴な疑問がわいてきませんか?

   

   

その前に、修道院と教会の違いはわかりますか?似ているけれども、何が決定的に違うかわかりますか? いきなり答えから言うと、世俗と人との接点があるかないかの違いです。教会は、お役所のように、教区・教民という区分をもっています。大体、町を代表する教会はもちろん、多くの教会は、一等地か若しくは、人の来やすい便利なところに位置します。世俗の人との交わりを前提にしていて、住民の冠婚葬祭や人生相談にも係り合い、住民が、ミサなどの教会のイベントに出入りするのは大歓迎です。カトリックの教会には神父さんがいて、プロテスタントの教会には牧師さんがいて、自分たちが祈り高まるのはもちろんのこと、住民の啓蒙もしていて、彼らが高まることにも、大きな関心を寄せています。このように、人との交わりが当たり前である教会と違って、修道院は基本的に人との接点がないことが前提になっています。修道士である自分たちだけの祈りと修行の場であり、生活そのものも自給自足に近く、何でも自己充足してしまいます。そんな修道院にとって都合が良いのは、高い山や人を寄せ付けない険しい立地であり、俗世間から疎外されたところこそ祈りと修行に好都合なのです。

   

修道院は11世紀頃からあったものの、最盛期は、いちばん大きなメガロ・メテオロン修道院ができた14世紀です。ツアーでは、2か所の修道院の内部を見学します。アギオス・ステファノス修道院は尼僧院です。聖堂の中も、宝物庫のイコン、壁画もみな見事ですが、残念ながら写真は一切撮れません。

   

しかし、下界の眺めは格別です。

   

昔、ローマ帝国が2つに分かれ、西ローマ帝国はローマ・カトリック教が普及し、後から宗教改革を経てプロテスタントが出て来たということですが、一方、東ローマ帝国は、ビザンティン帝国と名を変えて帝国内では、ギリシャ正教が普及しました。つまり、ギリシャ人の国民的宗教はギリシャ正教です。ギリシャ人の大半は正教徒です。カトリックとの違いは色々ありますが、いちばん大きな違いは、カトリックのようにイエス様やマリア様のような立像を作らず、聖像崇拝が禁止されていることでしょうか。その代りイコンとよばれる聖画をもっています。初期の原始キリスト教徒が迫害されたのは誰でも知っていますが、ギリシャもお隣りのトルコに4百年間支配された歴史があり、迫害を逃れるための祈りの場として、メテオラの絶壁の上や、途中の洞窟は絶好の隠れ家でした。ギリシャ正教の文化や芸術、伝統が維持できたのも、メテオラの修道院群が大きな役割を果たしたからとも言えるのです。見つかったら、イスラム教に改宗させられるか、厳重に処罰されるか、という危機感を絶えずもって暮らしていました。

   

アギア・トリアーダ修道院ですが、これが最もメテオラらしい、絵に描いたような絶壁の上の修道院です。よく、写真集などのトップを飾っています。陸橋と石段ができる20世紀まで、修道士たちは、梯子を登り降りし、ロープも使って命懸けだったのです。巻き揚げ装置もあって、人や物を運んだのも日常のことでした。

   メガロ・メテオロン修道院(大いなる空中の聖堂)は最大で、海抜613mあり、数あるメテオラの修道院のモデルケースでした。

   

入口の注意事項ですが、メテオラの修道院では、女性は女性らしくという厳しいドレスコードがあって、必ずスカートを着用しなければなりません。もちろん、ミニスカートは駄目で、ひざ下までかくれるものでなければなりません。ズボンしか持ってない人のために、貸しスカートもあるという念の入れようです。

   

   こんな険しい断崖の上でも動物はいるのかと思っていたら、ちゃんとネコが顔をみせてくれました。

   

   

礼拝堂内とか、壁画、イコンなどは写真が撮れませんから、生活空間をイメージしてみて下さい。

   

   

   

眼下に見る風景は絶景で、前日宿泊したメテオラホテルが見えたときは感激しました。

   

トルコのカッパドキアでも、世にも珍しい奇岩群を見ることができますが、頂上の修道院と一体となったメテオラの景観の魅力はカッパドキアにないものです。ぜひ、ホリデイツアーでご一緒しましょう。

   

   

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