藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

烏と倫敦塔

2021-10-15 07:20:32 | 日記・エッセイ・コラム

 昨夜ふと烏の事で思い出した。 「倫敦塔の鴉」と言えば、夏目漱石の英国留学時の事を書いた「倫敦塔」を思い出した。 漱石全集を引っ張り出してきて、早速に読んだ。

     

この全集は、奥様が三十歳から大学に行った時に、なけなしの私の給料をやりくりして、お買いになった記念すべき本なのだ。 いかんせん、国文科に進学したので、漱石全集くらいは無いと困るだろうと、購入した。 漱石自らが書いているように、この「倫敦塔」の文章は、幾度も読むべき文章ではない、そんな気がして来る文章だ。 強い印象的な内容だけに、幾度も読むと鼻に付いてくる。 久しぶりに読むとやはり面白かった。 此処では、鴉は、(鴉と言う漢字は烏を使わずにあえて、鴉を使っている)また、ここにいるカラスは、「ワタリ鴉」という種類であることも記している。 この鴉こそ、人間の言葉を理解し、会話が出来る。 日本にも冬になると、北海道に渡って来るのがこの鴉だ。 「日本の神話」に出てくる「八咫烏」は、この鴉ではなかろうかと言う説を唱えた学者もいたそうだ。 ただし、たとえ「大英帝国」であっても、三本足の烏は出て来ない。 ただ、イエッツか何方かの小説の中には確か、会話するカラスが出てきた。 ヨーロッパや北米では、鴉と言えばこの鴉を指すようだ。 ヒチコックの映画に出てきたのも、どうもこの鴉だろう。 それにしても不思議なのは、昨日は一度も烏が姿を現さなかったのだ。 と、この文章の下書きをしていたら、突然「烏」がやって来た。 我が家の屋根の上を鳴きながら西に飛び去った。 午後四時半の事である。漱石は倫敦塔の鴉は、五匹(私は羽とせず、あえて匹と記した)と書いているが、ネットでは七匹と記録されている。 六匹を一匹でも下回ると災いが起きるそうだ。 なーるほど・・・安全係数を考えての数字なのであろう。

ところで、我が年齢になると、友が先立って行くのは、日常茶飯事である。 昨日もその噂を聞いて、友人に聞き合わせた。 すい臓がんで他界したそうだ。 美人薄命とはよく言ったもので、我昭和20年生まれの同期で、一番の美人であったことは間違いない。 冥福を祈る以外、私に出来る事は無い。 さてさて来年は「喜寿」である。 同窓会を開きたいとのご希望が多いいが、コロナが問題である。

コメント
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