今年初めての「ツクツク法師」が鳴いた。 いよいよ夏も終わり、秋本番である。 ところで、我が腕時計は机の中で、何時から眠っていただろうか。 携帯電話を持つようになって、時計をする習慣がなくなった。 というより、時計を付け忘れることが多くなった。 時計が無くとも、携帯電話が有れば時間が解かるからだ。
そんな時計を、机の引き出しから取り出して、つくづく眺めたら、突然にくるくると針が回り始めた。 一頻り回ったら、「ぴた」と止まった。 正確な時間と日にちが示された。 一瞬にして、電気が送られて動き始めた日本製の腕時計に関心しきりだ。 ある週刊誌のコラムに、「高級腕時計を買うと、必ず日本製の電子時計を一緒に買う」という記事があったことを思い出した。 手巻き時計の高級時計は、何時もはケースに入れられて、飾り棚に並んでいるため、ゼンマイは巻かれることもなく、お休みとなってしまう。 さてお出かけの時は、ネジを巻き、時間合わせをしなくてはならない。 さてその時間合わせは、安いが正確な日本製の電子時計に限るそうだ。 ソーラー時計の正確さは、百年に数秒という正確さだそうである。 それも、自動で修正されるそうだ。 子供の頃、日曜日など皆と遊んでいると、お昼の知らせがあちこちの家から聞こえ始めたのを思い出した。 大きな柱時計等が、「ボン、ボン」と12回、時を知らせる。 それも、どの家の時計も少しずつずれて居て、下手な合唱のように聞こえてきた。 正確なのは、ラジオの時報だけだったそんな時代、全てが大らかだった気がする。 凶悪な事件も少なかった。 本当の「ゆとりある生活」だったのかもしれない。