藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

深山 霞の「霞的心」  学校教育に体育が必要か?

2013-01-22 20:31:38 | 社会・経済

大阪市立桜宮高校の事の成り行きをじっと見ていたが、大阪市の教育委員会の改革能力の無さにはいささか情けなく思う。それと同時に、生徒の意見の中にある社会への甘えが余にも大きいのに驚いた。

スポーツというものに対する考えが、根本的に間違っている。学校教育で体育を行っているのは、日本と韓国位ではなかろうか。韓国の実情はあまり私自身が知らないのでこの場で断言することは控えるが、嘗ての日本統治時代の名残りだと聞いた記憶がある。欧米など先進国では体育の授業などない。スポーツは、好きな人間が、クラブをつくりそこに集まり互いに競い合うことから始まる。欧米人のスポーツに対する考えは、好きなことをする事を誰も止めない、しかし奨励もしない。

特にアメリカなどでは、オリンピックの金メダリストなど尊敬の対象でもないし、一般市民に聞いても誰も知らない。ただし一変して、プロのスポーツ選手は子供たちの憧れの的でもあるし、神様扱いである。アメリカの三大スポーツは、バスケット、アメリカンフットボール、ベースボールであるのはみなさんもよくご存知であろう。確かにハイスクールには、それぞれクラブは存在するが、それは趣味を同じくする者の集団であり、独立したものである。大学も同じである。

日本が、学校教育の中に体育(体操)を入れたのは、「富国強兵」のスーロガンの元、徴兵時に即訓練しやすくするため始めたことである。行進曲に合わせて小学生が隊列を組み行進できるなど他国では考えられない。そうしたことはボーイスカウト等、特殊な集団に入っていない限りありえない。

オリンピックの入場時などを見ればそのことが良く解る。行き着くところ日本の体育教育など「富国強兵」の名残なのである。だから鉄拳制裁や、体罰が日常的に為されてきた。なでしこジャパンの佐々木監督は今回の事件は、「指導者の未熟」と斬って捨てた。その通りである。そうした学校では、先輩が後輩に対し、鉄拳を振るうことが必ず存在する。監督者の見えないところで必ず行われている。受ける方もそれが当たり前という錯覚の中で成長し、一人の人間の命がなくなってもまだ、事の重大さに気づかず、現状維持を望むのだ。

こうした現状の中、橋下大阪市長は、断固暴力を否定し、教育改革特に教職員の総入れ替えを断行しようとしている。一見独裁的に見えるがこの事件に関しては、私は市長を支持する。

理由は簡単である。問題が発生しても、いずれの教職員からも、改革のための意思表示や、そうした動きが見えてこない。反してOBや一部の生徒、父兄による現体制の維持を願望する行動は目立つ。しかし、其の事が問題だと誰も気が付いていない。完全なマインドコントロールである。オウム真理教に近い。確かに全国大会には出場したかもしれないが、18年の長きに渡り指導してきたのに全国優勝はしたことがない。裏返して言えば、全国大会に出場したOBが、ノスタルジックに変革反対を叫んでいるとしか見えない。大阪市役所に300人が詰めかけて、奇声を上げたらしいいが、そのような時間があるのなら、冷静に母校の将来と理想的指導者探しをしたほうがより建設的である。

世界的に見て、日本の学力の低下が叫ばれている時、学校教育から体育を外せば良い。体育が苦手な子は救われる。反面、本格的指導者の元、スポーツの指導を受けることのできる体制をどう作ればよか、JOCは大きな課題を抱える。高体連など昨日になり「体罰禁止」令を発するほどお粗末極まりない。ホームページにの中に、体罰を受けた時のための救済処置がとれるような組織でもなく、ただ単に全国大会を開くための組織であることが一目瞭然である。

戦前からの軍国主義の遺産のような、体育教育を切り離し、空いた時間を他の教科の教育に当てれば良い。週休2日制はそれだけで守れる。学校教育から切り離すべき教育はほかにも存在する。美術、音楽等も、再検討すべき科目である。趣味の範疇に属するものは、自らの好みにより師事する人を選び自らを高めることが、肝要ではなかろうか。学校教育の場で最低限必要なものは、「読み書きソロバン」と言われてたものに、現代科学と哲学である。そのことを十二分に時間をかけ勉学することが、学校教育の本分である。

スポーツで自分を売って、大学に特待生で進み、その後実業団にスポーツで就職しようなど考えると今後、大怪我を負う。株式所有者の国際化が進むと、合理的経営が進み、実業団チームなど、存在できなくなることを考えておくことだ。パナソニックも実業団チームから撤退した。

今回の自民党政権のバブル景気政策後、必ずや前回同様の現象として、実業団チームの存在自体が、株主の利害と対立し、実業団チームは崩壊する。ここ十年以内に。

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