アスベストとは
アスベスト(石綿)は地中にて生成される岩石の仲間です。綿のように軽いので、石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれています。
多くの長所を備えているため、鉱物資源として世界中で様々な目的に使用されてきました。燃えないので、不燃材料として耐火建築物や耐火構造物にはよく使われてきました。気密性も高いので、断熱材・保温材・吸音材に利用されてきました。軽いので、屋根や天井などに使われました。加工しやすいので、布状・帯状・糸状など形は様々でした。粘着性があるので、塗料やセメントなどに混ぜられました。頑丈なので、強い力や摩擦のかかる場所に使われてきました。身の回りのいろいろなところで使われています。
アスベスト(石綿)は一つ一つは1000分の1ミリほどの、目には見えない小さな繊維状の物質です。材料としては理想的でしたが、私たちの健康には悪影響を与えます。アスベスト(石綿)は発ガン性物質です。加工や破損のときに空気中に飛び散り、吸い込むと肺の奥深くにとどまり、何十年も経てから病気を引き起こします。そのうちのひとつである中皮腫は、アスベスト(石綿)を吸い込んだ後30年から40年後に発症するのです。その事は、かなり以前から知られていたのに、アスベスト(石綿)は使用され続けてきました。
現在アスベスト(石綿)を他の物質に置き換えたり、使用を制限したり、あるいは禁止したりする動きが世界中に起きています。日本でも、2004年の10月に原則的に建材の使用が禁止されることになっています。しかし諸外国が全面的に禁止した配管やポンプのつなぎ目に使用されるジョイント・シートやシール材へのアスベスト(石綿)の使用、石綿(アスベスト)布の使用を、日本は規制していません。過去に使われた建築のアスベスト(石綿)建材の規制は十分とはいえません。改築(リフォーム)や解体時の飛散が懸念されています。
具体的に説明します
個人住宅 屋根材 カラーベスト
天井材 吸音テックス、 耐火ボード
壁材 和室の綿壁、聚楽壁、断熱材
外壁 スレート系外壁材
ほか耐熱性が要求される建材 鉄骨作
り建造物の梁当の耐火被覆材
商業施設 立体駐車場の梁の耐火被覆 スーパー等耐火構造を要求される、鉄骨作りの建造物の梁、スラブ下、の耐火被覆材
工場等 発火性のある材料を使用する区画の壁充材
スレート外壁、屋根材
自動車 ブレーキパッドほか耐火要求されるパッキン
公共施設 吸音を必要されるホール等の天井(耐火も兼用)
学校の階段裏面の化粧吹きつけ(吸音も兼る) 体育館の梁、屋根材の結露防止材として使用 下水処理場のスラブ下、結露防止剤として使用
焼却場 耐火煉瓦接着用モルタル、煙突かポスタック管
他、耐熱性を要求される場所
学校 増築時における鉄骨の耐火被覆 体育館の屋根材の下地テクダムと呼ばれる、耐火材結露防止材、 航空機の進路に当たる学校の天井裏の吸音材
造船所 船舶の機関室および耐火壁充填材、各種パッキン類
航空機 胴体部断熱材、防音材、耐火材
これらは、代表的なもので家電製品なども、他の材料と混合され使用されている。高圧水道管等の様に、他の材料との組み合わせ使用もおおい。
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
http://www.chuuhishu-family.net/w/archives/299
では、アスベスト被害とその家族の現状を伝えています。ぜひ一度お立ち寄りください。