道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

時代劇かぶれ

2017年12月13日 | 人文考察
子供の頃に東映時代劇を見て暮らし、その後もテレビの時代物を好んで観てきたせいか、その影響が身についてしまい、武士の言葉遣いや挙措動作がときどき顔を出して困ることがある。 テレビの「水戸黄門」なんぞを、悦に入って見ている同輩にも、武士の物言いや仕種が知らず備わっているご仁が居る。まさにこの言い方が、時代劇かぶれなのだ。面白いことに、大方は武士が模範であって、素町人や無頼者の言動は真似しない。 . . . 本文を読む
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関係性

2017年12月13日 | 随想
「何処の馬の骨」という言葉がある。自分との間に一切の関係性をもたない人間に対する意識を、これほど露骨に表現する日本語は、注目に値する。「馬の骨」の意味は中国語の辞書にあり、役立たずの意だという。中国人には侮蔑を含んだ極端な言葉なのだろう。それに「何処の」をつけて合成された日本語である。 これより表現は柔らかいが「赤の他人」も「見ず知らず」も、関係性が皆無であることを強調する用語である。他人と . . . 本文を読む
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アシガール

2017年12月09日 | 人文考察
今年の9月26日から放映され、今月16日で終了する土曜時代ドラマ「アシガール 」は楽しませてもらった。 原作の森本梢子氏は言うに及ばず、脚本の宮村優子氏、演出の中島由貴氏など、制作スタッフの能力が高いことがすぐわかった。順序からいえば、制作トップのプロデューサーが優秀の一言に尽きるのだろう。勇将の下に弱卒無しということか。NHKの制作部門の健在を知って嬉しい。 他方膨大な制作資源を . . . 本文を読む
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ユーモアについて(その1)

2017年12月04日 | 随想
日本人はユーモアに欠けるとよく耳にする。頭ではユーモアの何たるかを理解してはいても、体質的にユーモアのセンスを我々が持ち合わせていないという事情は、何に由来するのだろう。民族性と一言で片付けられる問題ではない。 最大の要因は、この国の過去の儒学教育にあると私は疑っている。世界の文化国家を見渡すと、ユーモアの乏しいのはひとりわが日本だけでなく、中国・朝鮮など東アジアの儒教文化圏と言われる地域の . . . 本文を読む
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