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道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

弥生時代の吸い物考

2025年06月24日 | 食物・料理

お米と淡水魚の食文化に興味のある老生、「古代近江の歴史探索」にのめり込んで以来、すっかり鮒ずしに馴染んでしまった。琵琶湖地方に行けない時も、鮒ずしを送ってもらっている。酒の肴にこれがあると嬉しい。

初めの頃は、その発酵臭と姿形に怖気を震っていた老妻も、近頃は馴れ、鮒ずしのお茶漬けを食べるまでになった。食に保守的な彼女としては、稀有なことである。

鮒ずしを注文する際に、魚体が漬けられていた発酵白米も添えて貰うことにしていて、これで吸い物をつくることを覚えた。老妻の評判も悪くない。
発酵白米に、薬味のカイワレを散らして熱湯を注ぐと、微かな鮒と米の旨みに塩味・酸味が調和した、独特の風味の汁が出来上がる。

老生は弥生時代の近江の人々も、この吸い物を飲んていたのではないかと推測している。
味噌も醤油も知らなかった時代、食事には、即席で作れる塩味・酸味の効いた吸い物は、多忙な弥生人には極めて便利だったのではないか?
近江に限らず、国内の稲作地帯で、食材保存に利用されていた発酵白米は、汁物の素材として重宝されていたことだろう。

この乳酸発酵した白米、今でも湖畔の人たちは、お腹を壊した時など薬代わりに食べることもあると聞いている。お粥よりも効能は高そうだ。

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