整理と整頓とは異なる概念だと、大昔、新入社員の研修で「事務機のイトーキ」の専門家から教えられた。
整理とは廃棄を含むもの、整頓とは見た目綺麗に並べ揃える、つまり並び替えるに留まるものとか。
その後20年くらい経って、初めてイギリス・ドイツ・ベルギーを訪れた時、旅行者の目に触れる銀行や郵便局、市役所などのオフィスが実に整然としていることに瞠目した憶えがある。文書その他の雑品がデスクトップに一切見当たらず、洵に整然としていた。企業のオフィスにとどまらず、街の商店のディスプレイも洗練されていた。
書証に限らず、物品の収納・分類にかけて、ゲルマン民族(アングロ・サクソン人を含め)は収納整理の能力に秀でていると痛感した。それは、彼の国々の人たちが、ロジスティックス(物流)の能力に長けているということである。
翻って我が国のオフィスを見ると、まことに乱雑無秩序、好対照を示していた。日本の会社や役所のオフィスでは、職員のデスク上や保管庫・書棚の上に、書類や物品がうず高く積もっているのが日常的だった頃のことである。
アジア的無秩序というものの由来を一言でいうなら、私たちがアジア人であることに尽きる。中国も韓国その他の東南アジア諸国も皆同じ、欧米からみれば整理下手である。
ただ、歴史的に西欧諸国の植民地になった諸国は、教育か訓練かによって、乱雑と無縁になった国々もいくつかあるようだ。
幸運にも西欧の植民地にならずに済んだ日・中・韓三国は、相変わらず片付けが巧くない。
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